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良い戦争などない。それゆえ、ウクライナ侵攻を食い止めたいという思いから声を上げ、行動し、報じることは人として当然のことだ。だが、こうした思いが、自分が信じる正義に反し、政治的立場を異にする敵への怒りや憎しみ、あるいは没交渉をもたらすのであれば、それは戦争の一方の当事者となり、戦闘を煽ることと同じである。欧米諸国や日本のメディア、そして政府、一部の市民は、戦争の悲惨さを伝え、それを憂いていた。だが、侵略に対する抵抗を美化することで、期せずして戦闘行為を正当化し、煽ってしまっていた。
それだけではない。自らの正義に従おうとしない他者を蔑み、その声をかき消そうとする動きさえ感じられた。
事実はより複雑で流動的だったにもかかわらず、真実の名のもとで過剰一般化されたステレオタイプのなかに押し込められていった。
これとまったく同じことがウクライナ侵攻でも起きた。プーチン大統領が絶対悪、ウクライナ、国際社会(と欧米諸国や日本が呼ぶもの)、そしてプーチン大統領を批判する市民が正義と位置づけられ、悪に立ち向かう正義の物語が作り出されることで、徹底抗戦や軍事支援が正当化された。
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