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本著のタイトルは「他人を見下す若者たち」。 でも、「他人を見下す若者」は、どうして生まれてきたの? こどもが先生を尊敬しなくなった、と言われています。 卒業式で「仰げば尊し」が、歌われなくなってしまいました。 それは、社会全体が、 「先生なんてたいしたことない、尊敬するに値しない」と思ってるから。 本当は、親も先生のことをバカにしている。 だから、そのこどもは、先生のことをバカにしている。そして、こどもは先生の言うことなんか聞かなくなる……。そこで、学べるはずのことを学ぶことができなくなる……。なぜ、こうなってしまったのか?「先生が、先生としてあるまじき、色んな問題をしょっちゅう起こしている!」「最近は、力量のない教師だらけだ!!」こんなメッセージが、テレビや新聞・雑誌、インターネットから、年中あふれ出ています。もちろん、これは学校の先生についてだけじゃありません。警察官も、政治家も、お役人も、ありとあらゆる人たちが……。これだけ見せつけられたり、聞かされたりすりゃ、そんな人たちを尊敬する気になんて、とってもなれません。本当に、とんでもない人が多いなぁ……、バカばっかりだなぁ……って思ってしまいます。でも、報道されていることって「全て」なの?報道されていないこと、私たちが知らないことの方が、本当は、遙かに多いのでは?そういった「普通のこと」によって、この世の中が支えられ、動いているのだと言うことを、「普通であることのありがたさ」「普通であることの大切さ」をもっと私たちは知らなくてはならないのでは?残念ながら、マスコミは、視聴者にうける情報を優先して流すでしょう。「普通のこと」を普通に知らせただけでは、商売にならないからです。だから、いいことでも悪いことでも、クローズアップして示そうとするのも当然。そのため、時代の寵児となった人でさえ、一転して大悪人になることも……。でも、お笑い番組で、他者の欠点を笑いのめすようなことは、勘弁して欲しいです。
2006.05.28
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"Dads and Daughters"という名の米国NPOが発行する情報誌"Daughters"。 これを日本向けに書き改めたのが本著ですが、とっても素晴らしい! それは、学識者や経験者による、通り一遍の理想論に終わっていないところ。 まさに、実用的な一冊です。 親たちが育った時代からは、想像もできないほどに変質してしまった社会。 そんな中で、「純真無垢な少女」から「一人前の大人の女性」へと、 大きく変わっていくことを迫られる娘たち。 そこには、親の世代が経験したことのない様々な「障壁」が立ちはだかります。パート1では、「心と身体」の問題として、ヘアスタイル、ダイエット、喫煙や自傷行為などを、続いて、パート2では、「お金と生活」の問題として買い物中毒、物質主義、ティーン誌、親への態度などを扱っています。ここまでの内容も、たいへん納得のいく、分かりやすいものですが、本著がスゴイのは、パート3以降。パート3では「女らしさ」の問題として、セクシーさ、デート、ティーンとセックス、性知識、デート犯罪等をパート4では、「親娘関係」として、父と娘のかみ合わない関係、母と娘のなかよし友達関係、反抗、離婚等を扱っています。特に、パート3のような、「娘の性」と密接に結びついた内容を、正面きって、正々堂々と扱ったものは、日本の刊行物では、あまり目にしたことがなかっただけに斬新です。本著で紹介されている事柄は、もちろん米国における問題ですが、日本の娘たちをとりまいている現在の環境も、まさに、本著の記述に見られるような、性的な情報や刺激に満ちあふれたものになっています。「うちの娘に限って」は、もはや通用しないご時世。「これだけは読んで欲しい!忙しいお父さんのための目次」なるものも付いていて、心配りが感じられる一冊。「まさか……」という状況を迎える前に、ご一読をお勧めします。
2006.05.28
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黒幕は彼でしたか……。 私の予想は見事に外れてしまいました。 でも、私の予想が当たっていた方が、 お話としてはスゴイ展開になったかも。 私の予想、誰だったか分かりますか? ソフィーの家族の秘密は、予想通りというか、 誰でも思いつきそうなものでしたね。 そのことが明らかになる場面も、ちょっと安直だったかな……。謎解きについては、やっぱり原語を理解し、原文で読んだ方が面白そうな気がしました。それと、キリスト教やその他諸々の知識があった方が良いかも知れません。私の場合は、フリーメイソンというものに少々興味を持ち、それらの関係書物を、ちょっとだけですが、これまでに読んだことがあったので、多少、理解しやすかったように思いました。映画の方は、もちろん原作通りではないでしょうけれど、上映時間は、結構長めだとか……。でも、機会があれば見てみたいです。
2006.05.24
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謎解きの痛快さと 逃げても逃げても、決して離れてくれない追跡者。 息つく暇もないほどのスピーディーでスリリングな展開ゆえに、 読み始めたらなかなか途中で止められない。 さすがベストセラー作品ですね。 もしも、私がフランス語や英語にもっと堪能で、 この作品を原文で読むことができるなら、きっともっと楽しめるのでしょう。 ディズニーが、その作品の中に隠したメッセージには驚き。シンデレラ、眠れる森の美女、白雪姫等々……。中でも、リトル・マーメイドについての記述には、ラングドンだけでなく、私も思わず唸ってしまった……。もちろん、「最後の晩餐」の謎解きの部分も、とっても興味深かった。でも、この巻の中で、私が最も印象に残ったのは、ティービングが言った次の言葉。 「歴史はつねに勝者によって記されるということだ。 ふたつの文化が衝突して、一方が敗れ去ると、 勝った側は歴史書を書き著す。 みずからの大義を強調し、 征服した相手を貶める内容のものを。 ナポレオンはこう言っている。 “歴史とは、合意の上に成り立つ作り話にほかならない”と」 「本来、歴史は一方的にしか記述できない」
2006.05.22
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映画公開日に、映画館には行かず、本屋さんへ。 そして、他にも何冊か選んで、この本と一緒にレジへ。 昨夜は、テレビでも特番をやっていましたね。 最初、ちょっとだけ見かけたのですが、 「チャンネル変えてもいい?」と、隣から声がかかったので、 「うん、いいよ。」と言ってしまいました。 なので、その後、テレビから視線をはずして読書開始。 ところで、私は高校生時代、メチャクチャ世界史に苦労しました。なぜかというと、あのカタカナがずら~っと並んだ名前を覚えるのが大の苦手だったから。あんなにカタカナがいっぱい並ぶくらいなら、まだ原語のアルファベットで書いてくれた方がましかも……。だから、この作品も最初は大苦戦。ウィトルウィウス……何度、読んでも覚えられない……、出てくるたびに、視線がそこで停止してしまう……。その他の登場人物名、もちろん、ほとんどフランス人なんだけれど、これが、またス~ッとは頭の中に入っていってくれない……。でも、やっと慣れてきましたよ!お話の方は、映画化・全世界で上映されるだけのものだけあって面白い。それでは、これより、いざ(中)の読書へと進みます。
2006.05.21
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生涯年収差3億円! フリーターと正社員では、こんなにも違いがあるものなのか……。 「ゴホン」といったら諭吉が飛ぶ! 健康保険に入らないまま、風邪でお医者さんに行くと平均5000円程度。 それに何やかやを加えると、1万円札が飛んでいくことに。 健康保険に入っていれば、1500円とプラスアルファ程度ですむのに……。 フリーターを続けるということは、こんなにもリスクが大きいものなのか。 しかし、本著が素晴らしいのは「会社さがし」について記述されている部分。「やりたいこと」にこだわりすぎた偏狭さから脱却し、「とにかくまず会社で働いてみる」こと、行動を開始することを提言しているところ。「自分らしさ」ばかりを強調したがる現代の風潮に一石を投じる内容。また「履歴書」は「数字のつながり」が重要だと説明している部分も納得。「履歴の空白部分」が、その人の「社会人としての責任感の欠如」を表現してしまうこと。そして、年齢を経て、その人が本気で就職しようという段階に至った時、その「数字のつながり」が、就職の成否を分ける大きなポイントになっていくと述べている。さらに、マズローの「欲求5段解説」や向山洋一の「成長曲線」を持ち出して、自分の輝かせ方、コツコツ継続・努力の大切さを説いているのもグッド!また、その後の「学校さがし」についての内容も、それを知っていると知っていないとでは、かなりの違いが出てくるだろうなと思える内容。主として高校生を対象に書かれた書物ですが、中学生でも、2・3年生なら、十分に理解できる内容だと思います。今後社会人となっていく多くの若者に、そして、そんな子を持つ親御さんたちに、是非とも読んで欲しい一冊です。
2006.05.21
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「すごい」というタイトル、最近目立ちますね。 以前、「すごい会議」を読んで、記事を書きましたが、 これも、そんな「すごい」というタイトルのついている書物の中の一冊。 確か、「プレジデント」の「新刊書評」で見かけて、 ちょっと気になっていたので、購入し、読んでみました。 まず、裏表紙がユニーク。 そこには、“社員を「やる気」にさせる20のシンプルしかけ”として、 20の項目をずらりと並べ、簡単な説明書きを添えてある。だから、パッと見て、どんな内容の本なのか、一目で分かる「しかけ」になっています!そして、結論から言うと、実際にページをめくって、中味を読み進めていっても、裏表紙に書いてある以外のことは、ほとんど出てきません。もちろん、一つ一つの説明は、より詳しくはなっていますが……。でも、実際に使えそうな「しかけ」が結構あるので、裏表紙を読んでみて、「面白そう」と感じられた方は、購入して、しっかり中味を読んでみる価値はありそうです。私が、一番使えそうだなと感じたのは、「結論から先に言え」でした。
2006.05.21
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『一瞬で信じ込ませる話術 コールドリーディング』の続編です。 この書物だけでも、もちろん読むことはできますが、 やっぱり、2冊セットで読んでおく方が分かりやすいかな。 「絶対に断られないテクニック」として挙げられている「ダブルバインド」。 そして、相手に心を開かせるため「ラポール」というものを築く方法。 これらについては、普段の生活の中でも、十分活用できそう。 そして、本著では、コールドリーディングについて、 その流れを5つのステップに分けて、きっちり説明してくれているので、「話しの持っていき方・進め方」は、かなり分かりやすい。コールドリーディングを駆使して、初対面の相手から信頼される方法や、主導権の握り方、上手な断り方、メールの出し方、さらには、マル秘の上級テクニックまで披露してくれているので、「知識」としては、コールドリーディング基本形が、ソコソコ習得できそうな感じ。でも、問題なのは、実際の現実場面において、相手の言葉や反応に対して、いかに頭を素早く回転させ、機転を利かせながら、言葉を連ねていけるかでしょう。すべての事柄が、マニュアル通り、想定内の流れの中で進んでいくとは、とうてい思われないし、逆に、そうではないことの方が、遙かに多いように思えます。これらの難関を突破して行くには、やはりそれなりの経験とその人の持っている資質とが、大きくものを言いそうな気がしました。
2006.05.19
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あらゆる生物の中で、進化という点においては、 かなりいい線いってるハズの人間。 なのに、「悪い」と分かっていて、止めることができていないのが「戦争」。 だからこそ、本著のタイトルには、 パッと一目見て、私を惹きつける力があったのでしょう。 本屋さんで見かけて、思わず買ってしまいました。 人間の脳の前頭葉。 他の動物と決定的に違う、新製品の部分であるものの、 その歴史の浅さゆえ、不完全さを残すと著者は言う。その不完全さが、ありもしない危険を作り出し、これが「理由なき戦争」が起こる最大の原因だと著者は言う。「なるほどなぁ」と思わず納得。その他、「バランス・オブ・パワー」とか、「平和な時が、いちばん危ない」とか、「個人」の要素を度外視して「歴史」は語れないとか、結構、頷ける、新しい発見がありました。たった一つの現象・出来事でも、それを見る者の立ち位置が違えば、違って見える。ましてや、その中に潜む真実は、全く違うものとして捕らえられる。さらには、目に見えたとして伝えられている現象・出来事が、実際には、かなりねじ曲げられて伝えられていることも多いようなので、その場にいなかった者が、真実を知るということは、本当に難しい……。ヒトラーやムッソリーニ、東条英機が大悪人で、チャーチルやルーズベルトが善人だなんて決して言い切れない……。後の時代に、スターリンの評価が移ろいだのが、何よりの証拠か。きっと、勝てば官軍。第2次大戦の結果が違っていれば、教科書の中味なんて、今頃、随分違っていただろうことは、容易に想像がつくというもの。もちろん、ヒトラーやムッソリーニ、東条英機らを肯定するつもりなど、これっぽっちもないけれど、チャーチルやルーズベルト、ひいては戦勝国の過去や、それらの国々のその後の歩み、現在の有り様までを含めて、まるごと肯定しきってしまうことなんて、できないなぁ……。だから、一部の者や国だけが「悪」扱いされるのには、多少なりとも違和感を感じてしまいます。でも、これも真実を知らないがゆえの誤った感覚なのかも……。本著については、「こうすれば、日本は大東亜戦争に勝てた」の部分を読んで、ちょっと興ざめしてしまいました。残念……。
2006.05.14
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私は、かなりのマーラーファン。 とりあえず、交響曲は全曲について複数のCDを持っているし、 「大地の歌」や他の歌曲についても、結構(ほとんど?)CDを集めました。 演奏会も結構聴きに行きましたが、 一番印象に残っているのは、 朝比奈隆さんの指揮による大フィルの「第2交響曲復活」。 とても素晴らしい演奏で、その時の模様はTVでも放送されました。さて、そんなマーラー好きの私ゆえ、この作品も読んでみようかと思ったわけです。でなければ、誰でもが皆、手にしようと思うような書籍ではないですよね……。表紙には、スコアを背景にグスタフ・マーラーの写真。副題は『生の歌 死の歌』。ところが、この一冊から私が得たものは、ヒトラーという人物について、これまで自分が何も知らなかったという事実への気付き。彼が、なんと芸術家志望だったとは……しかも美術大学受験に2度も失敗し、その後、建築家への夢も破れる……。また、生まれはオーストリアで、兵役を免れようとミュンヘンに移住した……。ところが、第1次世界大戦が勃発すると、オーストリア国籍のままドイツ帝国の志願兵に……。ヒトラーという人物を「歴史的大悪人」という看板でしか見ていなかったこと、そして、彼もまた人間であったと言うことを気付かせてくれた一冊になりました。もちろん、それ以外に、音楽作品や音楽家についての新たな発見もとても多く、この本を先に読んでいれば、メータ指揮のイスラエルフィルの演奏を聴きに行った時の感動は、より一層深いものになっていただろうと、少し悔やまれました。
2006.05.14
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以前、TVドラマで見たものの原作を読んでみました。 ドラマでは、ユースケ・サンタマリアさんの演技が、 とっても素晴らしかったという印象が残っています。 あの難しい役柄を、見事に演じきっておられました。 それと、菅野美穂さんが、とっても可愛らしかった。 原作の方はと言うと、邦訳は何と早川書房から出版されています。 私の蔵書の中で、早川書房のもので最も多いのは『宇宙大作戦』。 即ち、カーク船長とミスター・スポックが活躍するあの『スター・トレック』で、手元には、何十冊とあるのです(かなりのトレッキー?)。ですから、早川書房と言えば、私のイメージは「SF」。でも、TVドラマ『アルジャーノンに花束を』を見ていた頃の記憶からは、SFということが、全くピンと来なかったのです。ところが、本編後の「解説」によると、この作品、ファンタジー・アンド・サイエンス・フィクション誌の1959年4月号に発表され、1950年代SFの掉尾を飾る傑作として、翌年ヒューゴー賞を受賞し、1966年に長編化された際も、その年のネビュラ賞を獲得しているというスゴイもの。まあ、確かにそう言われてみれば、「知能指数68の主人公が手術によって天才となる」というのは、まさにSF。でも、『アルジャーノンに花束を』は、他の作品とちょっと違うような……。通常、SF作品は、夢や希望に満ち溢れる、憧れの「宇宙」や「未来」を舞台として、その異空間・異世界で繰り広げられる「スリルとサスペンスのワクワク感」が、ストーリーの中枢をしめていることが多いもの。ところが、この作品の場合、「主人公が手術によって天才になる」というSFたる所以の部分よりも、そこで展開される人間模様の方が、遙かにストーリーの主軸となっているのです。天才となってしまったがゆえに、過去の様々な真実に気付いてしまい、苦悩する主人公。そして、今の自分が失われてしまうという未来を知り、さらに苦悩する主人公。そんな主人公の変化につれて、周囲の人たちの言動や思いが変化していく……そこに、私たちは「人間というものの存在」について、何かを強く感じるのです。
2006.05.14
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