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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.11.15
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カテゴリ: 文芸

前巻 同様、今巻もシリーズに登場したキャラクターたちを主役とする4編。
 各話の主役は、五鈴屋八代目徳兵衛の周助、小間物商「菊栄」店主・菊栄、
 重追放・闕所を言い渡された音羽屋忠兵衛の妻で、元日本橋音羽屋店主・結、
 そしてシリーズの主役でもある五鈴屋七代目で元江戸本店店主・幸。

「第1話 暖簾」は、八代目を継いで17年、54歳になった周助が2つの大きな問題に直面。
 一つ目は、九代目となる賢輔と幸の結婚を、83歳の治兵衛と95歳の孫六にどう伝えるか、
 二つ目は、心斎橋紙屋・伊吹屋からもたらされた智蔵と銀駒の一粒種・貫太への対応。


「第2話 菊日和」では、明和11(1774)年に大川橋が完成、幸とお竹は江戸を離れ、
 菊栄は次に商う品について考え続けた末、紅掛空色の根掛に辿り着き大評判となる。
 井筒屋三代目保晴から菊見の宴に誘われ、分散した紅屋を取り戻す意志を確かめられるが、
 きっぱりと否定、その場に現れた女中の丈長をヒントに新たな商いを思いつく。

「第3話 行合の空」は、安永6(1777)年、播磨国で忠兵衛と旅籠「千種屋」を営む結が、
 桂(10)と茜(7)の二人の娘のうち桂の姿に自身の姉・幸を想起させられ疎ましく思う。
 結は現状を打破すべく、件の型紙を手に紙紅をくれた仲買人・源蔵に会いに行くが失笑される。
 その後、二人の娘が麻疹に罹患、その際の茜に対する桂の言動にこれまでの考えを改める。

「第4話 幾世の鈴」は、天明5(1785)年、五鈴屋九代目徳兵衛を継いで10年の賢輔は54歳、 
 幸は還暦を迎え、誰に十代目を任すか、五鈴屋の商を後世にどう伝えるかに知恵を絞る。
 御用金の下命があった際には、金500両を承わるが相対貸しの相手を尼崎藩としたいと回答、

 暖簾を託す者を決めた賢輔と幸は、二人で伊勢に詣で五十鈴川の流れを眺めるのだった。

   ***

  「あんさんと幸、ええ取り合わせだすなぁ。
   商才は五分五分やが、面白さに於いては、あんさんの方が格段に上やよって」(p.98)

  「もと嫁ばかりか、あんさんまでが、商い戦国時代の立派な武将だすなぁ。


惣次が菊栄に投げかける言葉には、どれもこれも深い思いがこもっています。
二人の関係性は、常に絶妙なバランスを保っていて、双方とも「らしさ」が溢れています。
このお話に登場するキャラクターたちの中で、私が 初期からイチオシしてきた菊栄 ですが、
ドラマでは、シーズン2まで扱いが軽めで、重要エピソードも度々スルーされてきました。
さて、シーズン3ではどんな風に描いてもらえるのでしょうか?

そして、 第13巻 では実は終わっていなかった幸のお話は、
特別巻で、 大河ドラマでも描かれた田沼失脚の時期 までを描き、今度こそ本当に完結。
今後は、巻末「作者より御礼」にあった五鈴屋の後継者たちの物語を楽しみに待ちましょう。





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Last updated  2025.11.15 16:28:04 コメントを書く


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