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ダラアから来たシリア人の家族。父親と母親と3人の子供で、合計5人の家族です。子供たちはまだ小さく、一番上は9歳くらいの女の子。一番下は4歳の男の子。ダラアといえば…ヨルダンとの国境。シリアでのデモはこのダラアから始まりました。ダラアでデモが始まってからだいぶ経っても、ダラア以外の地域は平穏そのもので、ダラアで何かが起こっているらしい…と聞いていても、「ふーん」というのが一般的な反応でした。それがいつしか国中を巻き込む内戦になってからもう5年以上が経過。ダラアに住んでいるシリア人たちは、問題が起き始めた初期の初期からずっと不安定な生活を強いられています。この家族もそう。いつか終わる、いつかは終わる…と思っていたのに、もう収集がつかない段階まで来てしまったシリア。ヨルダンとの国境が閉じられ、レバノンの国境が閉じられ…シリアに閉じ込められてしまっている人も多くいます。この家族は、やはり3か月かかって徒歩でドイツに到着しました。母親は30代前半か20代後半かもしれませんが、がんを患っていて、体中の痛みと闘いつつ小さな子を抱えて3か月の徒歩での行程を突破してきました。でも今では椅子に5分も腰かけていられない。一日の大半を床に身を横たえて過ごします。彼女のがんは新しいものではなく、ダマスカスで乳がんの手術をして片方の胸を切除しています。でも内戦の激化に伴い、ダラアからダマスカスに治療で通うことすらできなくなった。また一番下の4歳になる男の子は自閉症。彼女いわく、妊娠中に爆撃などから来る極度のストレスを感じていたためだということです。4歳の男の子は、人と全くコミュニケーションを取れない。言葉も話さないし、トイレも自分で行けません。またこの女性の夫は、かなり年が離れていると思われますが、非識字で母国語のアラビア語も読めません。彼女は持ち前の明るさと機転で一家を引っ張ってきましたが、もう自分が長くないことを知っています。片方の残っている方の胸も、切除した胸と同じ痛みがする…もう私は長くないけれど、この自閉症の子が心配…この子一体どうやって生きて行くのか…と淡々と語る彼女。彼女の病気はもう片方の胸だけではなく、体全体を冒しているようです。ドイツの病院では、手が打てないということ。というのも、彼女たちはドイツに来たばかりで、まだ永住権を持っていない。この段階では、治療を無料で受けることができないのだそうです。必要な治療はすごく高いので、ドイツ側としてはお金も永住権もない彼女に今の段階で治療を始めることができない。家事ももうできないので、夫が料理をしています。この女性、気さくでオープンで、かなり芯が強い。元気だった頃は、何でもバリバリこなしていたんだろうなと思います。彼女がいなくなったら、字も読めない夫と自閉症の子供と2人の小さな女の子が残されることになる…。この一家は母親で持ってきたようなものなので、母親がいなくなると一体どうなってしまうのか。この家族は、ドイツ南部の小さな村に住んでいます。この家族以外にはアラブはいないし、大きな都市と違って田舎のドイツ人はまだまだ人情味がある。だから近所のドイツ人たちがこの家族を時どき訪問して、交流を持っているようです。ドイツに来てまだ新しいのに、ドイツ語をたくさん話すことができるのもそのためかと思います。私が訪ねた時は、30分ほどイスに座って話しました。こんなに長くイスに座れたなんて、信じられない! アラビア語で話せることが嬉しい! と喜んでいました。やはり母国語でしか表現できないこともあるので、アラビア語で話しているとしばしの間は痛みなどを忘れられるようです。そんな非常につらい環境にいるのに、彼女からは悲痛さは伝わってきません。ただただ、この子のことが心配…と繰り返す彼女。夫のほうがオロオロして、伏し目がちで…、そんな彼を見ながら、本当に男は逆境に弱いな! しっかりせいっ! と思ってしまう。このご家族もとても気になるシリア難民たちです。今日は痛みはどうだろうか、どんな風に過ごしているだろうか…とふと考えてしまう。近いうちにまた訪問することになっていますが、彼女の症状が落ち着いていればいいなと思います。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.24

この春にヨルダンに来てくださったお客様から「旅行記が完成しました」というお知らせをいただきました。このホームページ上でご紹介させていただいても良い、という許可をいただいていますので皆さまにご紹介させていただきますね。この春といえば…、ちょうど IS 騒ぎでメディアが一斉にセンセーショナルな報道を展開していた頃…。ご両親から旅行を反対されていたと後からお書きいただきました。が、完成したご旅行記を読んで今ではご両親がヨルダンに来たいとおっしゃっているということ。ご旅行記では、「ちらほら聞こえてくる中東旅行への不安を解消できる旅行記であれば嬉しい限りです」と書いてくださっています。また、「日本人殺害事件以来、日本のヨルダン観光のイメージは目下だだ下がり中。でも、現実と報道が乖離して、風評被害を受けていると断定して良いでしょう。現実は、のどかなものでした」とも。実際にいらしたお客様のご感想に勝るものはありませんので、皆さまも是非このご旅行記をお読みになってくださいね!vol.1 アンマン到着 ペトラに移動編http://4travel.jp/travelogue/10999033vol.2 ペトラ遺跡はエルハズネだけにあらず!編http://4travel.jp/travelogue/11002374 vol.3 エルハズネを眼下に望んだ!砂漠で寝た! 編http://4travel.jp/travelogue/11002631vol.4 旧約聖書の街を巡礼 ワディラム→死海→マダバ、ネボ山へ 編http://4travel.jp/travelogue/11003268 vol.5 ストレスも愛用サングラスも濁流に消えていったムジブシークトレイル 編 http://4travel.jp/travelogue/11013027 vol.6 春うららかなヨルダン北部 編http://4travel.jp/travelogue/11042434 お写真をご旅行記から拝借いたしました。ヨルダン北部のウンムカイスなどでは、ヨルダンの女子学生たちが学校の校外学習でたくさん来ていたようで、奥様は女学生たちに取り囲まれ、写真撮影に引っ張りだこ。女優並みのご待遇を受けられたそうです! 肝心の旦那様は、撮影係りに徹するだけで「蚊帳の外」だったとか…(笑)。欧米人を囲んでいる姿はあまり見かけられなかったということ…。「黒髪がきれいに見えたのかな」とおっしゃっていましたが、きっと本当におきれいな奥様なのだと思います!春の時期のヨルダン旅行はとてもお勧めです。冬の間に降った雨や雪が地面にしみ込んでいて、春の時期に美しい花々を咲かせます。でもヨルダンがお花で飾られる季節は短い。6月にもなればお花は枯れてしまい、灼熱の夏がやってきます。どの季節にもそれなりの良さがありますが、春のヨルダンは可愛らしい! 私の一番好きな季節です。ま、私はヨルダンの夏も好きですけれどね。湿度がないのがヨイ! 冬のヨルダンは、雪が降ればすべてが混乱状態に陥る。これもまた冬のヨルダンの風物詩で、面白いです(笑)。ただ、ご旅行中に雪が降ると大変なので…冬の風物詩は住んでいる者だけが楽しむことができるものですかね。 ご旅行をお考えの方はぜひぜひご旅行記をご参考に、ヨルダンをめいっぱい楽しめる旅をご計画くださいね。いつでもお手伝いさせていただきます。お気軽にお声をおかけくださいませ。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.20

人懐っこい目の奥に悲しみがすぐに見て取れた。どうしても今すぐに永住権がほしいの! 子供たちを呼び寄せたいから! と必死に訴える。ドイツでは、国内に入ってきた難民たちは、すぐに家をあてがわれ、食べ物も与えられ、一応生活ができるようになっている。ただ、実際にドイツにずっと滞在できるかどうかが審査される。この審査にかなりの時間がかかるらしい。なんせ膨大な数の難民が入ってきているし、言葉が通じない彼らとのコミュニケーションだけでかなり大変。それに加えて、なぜ国を捨ててドイツに来たかなど一人一人との面談があり、数か月ごとにビザが延長されるものの、"永住権(正確な名称は分かりません。まだドイツ語初心者なもので…)" はそんなに簡単に降りない。人によっては数カ月から数年かかる人もいる。6年以上も永住権を待っている人もいる。その間もドイツ政府から生活支援はずっとあるわけで、基本的な生活は保障されている。ただ、永住権がない状態では仕事もできないし、合法的に家族をドイツに呼び寄せることもできない。知り合ったシリア人のご夫婦は、まだ若そう。多分30代前半…。子供は3人いるらしい。10歳、9歳、7歳。子供を呼び寄せたい! と必死で訴える彼女に「子供はどこにいるの?」と聞くと、シリアという答え。「誰が面倒を見ているの?」と聞くと…今は路上で生活している…という答え。ええ??? なんで子供を置いてくるの? なんで誰も子供の面倒を見てくれないの?? ストリートチルドレンになってどうやって生活しているの?? などなど、グルグルとたくさんの疑問がわいてくる。哀しそうな顔で母親が説明するには、最初は親族の家に預けて出てきたのだ、と。でも(多分いろいろ問題が出て)あちこちの家を転々とするようになり、今ではストリートチルドレンになっているのだ、と。携帯は通じるらしい。子供たち3人で、毎日色々な場所を転々としているらしい。なんで親族が面倒を見てくれないの? と聞くと、父親が苦笑いして、今のシリアは誰もが生きて行くのに必死だ。誰かの面倒なんて見ていられない…と。それでも父親の友達の家などに行き来して、何とか食べる物はもらえているようではあるけど。そんな環境のシリアになんで子供を置いてくるかな!!?? と一瞬思ったけど…そこは物事を深く考えないアラブ。最初は預かってくれる人もいたわけだし、とにかく海を越えてドイツに入って、すぐに子供たちを呼び寄せよう、と短絡的に考えたはず。でも徒歩での行程は実際のところかなりきつかったし、有り金は全部はたいてしまった。そしてドイツに入って分かった現実は、永住権はそんな簡単に降りないということ…母親のほうは泣きださんばかりだった。不安でいっぱいのよう。当たり前。3人の子たちが路上で暮らしている。しかも治安すらおぼつかないトルコとの国境で…。彼らはセルビアまでは徒歩で、セルビアからは車に乗ってドイツまでやってきた。その車代にかかったのは4000ドル。50万ほど!!!! なんでも、セルビアの森林を抜けたところで、スーダン人かなんかの男が待っていて、「ドイツに行きたいのか?」と聞いたらしい。そうだ、と答えると、「この車で連れて行ってやる」と。要求金額は6000ドル。85万!!!! それは払えない。ということで、4000ドルで合意したそうだ。明らかに…もうシリア人の通るルートは把握されていて、これをビジネスにしようと待ち構える輩(やから)がたくさんいる。セルビアからドイツまで…50万の移動費って…法外。しかも初めは85万を要求していた。よくそんなに払ったね! と言うと、「死ぬよりましだから」と。それくらい多分、徒歩での行程は厳しいのだろう。途中で亡くなる人も実際いると聞く。また来てね、また来てね! と言われながら、このご夫婦と別れた。子供たちを徒歩でドイツに来させることはできない。親がそう願っても、誰が他人の子供を3人も引き連れて来てくれるだろう? 親族ですら彼らを見放しているのに…そう考えると、彼らが子供たちと再会できる見込みはほぼないように感じる…。戦中戦後の混とんとした日本を思い出させるかのような哀しい現実だ。映画「火垂るの墓」で描かれていたように、他人の子は親族であっても、足手まといにされる。シリアに残された3人の子供たち…。そんな子供たちがきっとシリア国内にたくさんいるんだろう。やがて IS (イスラム国) に捕まって売られるんだろうか? 児童売春の対象になったりするんだろうか? それとも飢えてしまうのか…? 母親の気持ちを思うととてもやりきれない。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.16

売春してたんじゃないか…彼女の目を見ながら思っていた。17歳で結婚。21歳で離婚。当時幼児だった子供2人を抱え、22歳からレストランの厨房で働き始める。5年間。時を前後して、2人いるうちの兄が一人亡くなり、父親は4年間シリアの刑務所へ投獄される。女手一つで2人の子供を養っていくのは、たとえ人々の情が深いシリアであっても並大抵のことではない。その後、シリアの内戦の激化に伴い、彼女は自分の妹と2人の子供を連れてトルコへ逃れる。トルコで3年間働き、海を渡る資金を整えた。トルコでは何でもした。そういう彼女の話を聞きながら、コックだった彼女が言葉も分からないトルコで3年間どうやって仕事をしてきたのか、うっすら思っていた。大変だったね。つらい思い出がフラッシュバックしてこない? と聞いた私に対して彼女は、「ドイツでも子供の学校のこと、日々の生活のこと、考えることが一杯あって過去のことなんて考える時間はないわ」。過去は振り返らない、前だけを見て歩く…そう決意しているようだった。そんな彼女のことをつらつらと考えているうちに…「売春…してたんじゃないか」とふと思った。だって3年間で、3人分、もしかしたら妹の分も含めると4人分の旅費をためるなんて、神業(かみわざ)。しかも彼女は言っていた。トルコに移動した時、お金なんて全然なかったって。となると、3年間で女性一人で、しかも外国人で難民で100-150万ほど貯めようと思うと…売春しか道はないように思える。時折ふと見せる彼女の複雑そうな目の表情がそれを証明しているように思えた。でもドイツでは売春をする必要はない。多分、自分の仕事のことは家族の誰にも言ってない。彼女の子供たちは今、12歳と9歳。本当に人懐っこくて、私を見ると走って抱きついてくる。子供たちをシッカリ育ててきたんだな、と思う。体を売って。彼女は、だれにも頼らず一人で子供たちを引き連れて海を越えてきた。疲れた子供たちを抱っこして、昼夜を問わず歩き通した。男性でも厳しい行程を女性だけで突破してきた。そしてドイツで新しい一歩を踏み出そうとしている。そんな彼女のようなシリア人女性を温かい愛情で包んであげたいと思っています。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.12

日に日に増え続けるシリア難民を黙々と受け入れ続けるドイツ。少し前の記事で「海を越えてきたシリア人たち」について触れました。http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201507270000/ なぜドイツがシリア難民を受け入れ続けるのか…。これにはドイツの過去の歴史が関係しているのだそう。ナチス時代に言語道断の虐殺行為を行ったドイツ。それに対する負い目から、人道支援が必要な場合は「来るものは拒まず」、の姿勢を貫き続けているのだそう。ただ、このままではドイツは早晩パンクしてしまう。なぜって、このブログを書いている今も、海を越えてドイツを目指す何百・何千というシリア人たちが黙々と山を越え森を横切ってここへ向かって歩き続けているから。彼らの主なルートは、こんな感じです。シリア→トルコ(ここであっせん業者と接触)→いかだでギリシャへ→マケドニア→セルビア→ハンガリー→オーストリア→ドイツ*注)あっせん業者に接触するのは、シリア国内である場合もあります。いかだでギリシャへ渡った後は、ひたすら歩き続けます。私は歩いたことがありませんので分かりませんが、上記の国々の国境間は人の住まない深い森になっていたりするようです。シリア人たちは人目に付かないように、森の奥深くへ森の奥深くへと足を進める。頼りになるのは携帯のGPSのみ。通常シリア人たちは個人行動ではなく、幾人か(5-6人)のグループごとに移動するらしい。彼らを待ち受けるものは、森に生息する毒蛇や虫の大群、野生のバッファロー(これはバッファローかどうか分かりませんが、シリア人曰く、「野生の豚」。野生のイノシシかもしれません)、ハンガリーではワニ(これも何度も確かめましたが、ワニがいるらしい)などなどの自然の敵に加えて、あちこちで待ちうける強盗たち。シリア人が来るのを待ち受けて文字通り全てをはぎ取ろうとする追いはぎがいるらしい。こうして、道中で亡くなって行くシリア人もいるそう。野生のイノシシかバッファローの角に引き裂かれたり、ワニに食べられたりする人もいるということ。イノシシまたはバッファローに関しては、普段はおとなしい動物だと思います。多分、動物嫌いのアラブが相手を刺激すること (彼らの領域内に自分たちが入っているのに、追い払おうとするなど) をして、やり返されたものと思います。ワニに関しては…一説によるとハンガリー政府がシリア人が国を超えて行くのを防ぐために川だか湖だか知りませんがにワニをあえて置いたとか何とか…でもこれって本当だったらかなりキタナイやり方じゃないですか???その理由ですが、何でもハンガリーはシリア難民を自国に引きとめておきたいらしい。というのは、難民を受け入れると国連(UN)から支援金が支給されるのだそう。だから帳面上だけでも難民の数を充実させたい。そのためにハンガリー政府はシリア人を捕まえて、いったん保護するそう。そこでシリア人の指紋を取り、「こんだけいますよ」と言わんばかりに UN に提出する。ところがシリア人たちはハンガリーなどにはとどまりたくない。というのもハンガリー政府の狙いはUNからの支援金だけだから。そんなわけで目指すはドイツ。だからハンガリーの刑務所から逃げ出すシリア人もいるし、こうして先にドイツに着いた経験済みのシリア人たちの情報をもとに、つかまらないルートを選んで森へ森へ、あるいは川を渡って移動していくシリア人も多い。ハンガリー側としては、シリア人たちが別ルートを通らないために、いっときワニを設置したらしい(現在ではワニはいないらしい)。本当なんでしょうか…。でも人を食べるなんてワニ以外にいませんよね。まさかカバが人を食べるわけないし…ま、ハンガリー側としては、いったん指紋を取りさえすれば、シリア人たちが逃げても特に構わないらしい。とりあえず帳面上は難民を受け入れていることになるから。…もうここまで来ると、なんかメチャクチャって感じですね。ヨーロッパの国々はシリア難民が自国を通って行っても、目指すがドイツなら別に通らせてもいいわけですし…なんかドイツが尻拭いをさせられているという感もありますし…本当に難しい。という訳で、シリア人の通る道は戦争こそないものの、危険に満ちている。でも、毎日毎日、毎日毎日それはそれはすごい数のシリア人がこの行程に挑んでいる。ドイツに着いたシリア人が家族に詳細を伝えるから、家族の者が同じ行程に挑戦する。ネズミ講式(?)に増え続ける難民の数…。でも、以前のブログで紹介したように、お金がないとこの行程には到底挑戦できません。悪徳あっせん業者たち(主にトルコ人?? あるいは自国民を売り飛ばすアラブたち??)は、こうしてお金をせしめているのです。実際、私の知り合ったシリア女性のお父さんは、5回もその行程に挑戦し、その度に船のエンジンが壊れただの何だのでトルコに引き返しているのだそう。明らかに悪徳ですね。そんな訳で…日本にいると多分信じられないようなことがここでは起きている。ドイツで増え続けるシリア難民のことなんて、日本では一切報道されていないのでしょうね。もちろんドイツだけではない。シリア難民たちは今後、フランスへ入っていく可能性も高い。ドイツへの扉はいつか閉じられるはずだから。国民の3分の2を失ったともいわれるシリア。国としてはほぼ崩壊していますし、もはや何のために戦うのか…。そしてヨーロッパ。突然に膨大な数の難民を抱え込むようになり、国として今後どう対応していくのか…。先の見えない暗闇の中で模索が続きます。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.11

先回、「保証はできないが、効きそうな荒治療」についてお伝えしました。え? じゃあやってみようかな、なんて人が出ないために、取り急ぎ荒治療の結果を…(笑)えー、顔面へのお灸ですが…、やっぱり跡がしーーーっかり残りました! 翌日にプクッと水ぶくれのようなものができ、そしてそれがつぶれて…直径1-1.5ミリほどのニキビのような跡ができてしまった! 小鼻の両脇ですよ。恥ずかしい~。軽い"やけど"みたいなもんですもんね。しかもお顔の皮膚は薄いので…。という訳で、顔面へのお灸はいけません! やってみて分かりました。今は馬油を塗って傷の治りを待っております。100%治るんやろうか…?肝心の風邪のほうも…ひどくなりました(笑)。その後2日間、週末をすべて使い果たして寝込みました。で、ドイツ人の方に教えてもらったお薬が効果を発揮いたしました。Umckaloabo というもの。 南アフリカのなんちゃらとかいう薬草の根を成分にしたものだそう。ドイツ人は、風邪といえばこれを飲む、と言われるくらい、ここではポピュラーな天然素材のエキスだそうです。で、本当にこれを飲んでぐんぐんと回復しました。ま、2日間の爆睡が効いたといわれればそうなのかもしれませんが(笑)。やはり郷に入りては郷に従え、と言われるように現地で効果があるといわれているものが一番よいのかもしれません。ただしこのエキス、とあるサイトによれば急性肝炎のような症状を伴う副作用を引き起こすことも報告されているとか…ゲゲッ! でももう飲んでしまった後だったし、治さなきゃという一心で、ままよ! とばかりに数日飲みました。今のところ、肝炎らしき症状は出ておりませんが…また後日のブログで「急性肝炎の症状が出ました」なんて報告することになりはしまいか…ちょっと戦々恐々であります。そんなわけで、顔面へのお灸は効果がない(あるかもしれませんが、リスクを伴う…)ことが判明。ま、やってみなきゃ分かりませんからね~。でも週明けからは90%元の体調に戻りました。今後はもう少し活動をセーブしながらやっていかなければ、体がもたないという感じです。ドイツ南部もかなり暑い日が続いています。ヨルダンやシリアでは気温が55度を超える日が続いていたそうです。今はすこーしマシになっているそうですが…。ヨルダンの死海では60度などという気温だったそうです。今年はどことも異常な暑さだそうです。ドイツ南部も、これまでで一番暑い夏、などと言われています。ヨルダンの暑さに比べるとカワイイものですが…。まだまだ続きそうなこの暑さ、日本の皆さまも元気に乗り切ってくださいね。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.10

過労とストレスが重なり、ついに風邪をひいてしまいました! ドイツに来て初めての風邪。ああ! 風邪などひいている場合ではないのに…。私の風邪への初期対処法は、ビタミンCとBをいつもより多めに飲むこと+葛根湯。今回もそれで何とか乗り切った…かに思えましたが、休息が取れないので、やはり無理がありました。またぶり返し…本日はのどの痛みに加えて、水っ鼻が出る状態。鼻が出ると、鼻の皮膚が荒れるし、これはどうしても避けたい! というわけで、最後の手段として(いや、「最後」の手段に出るのが早いのですが。「最初の?」手段として、といったほうが良いかもしれません。笑)、荒治療に踏み切りました!!!これが効果テキメンで…(笑)。お勧めできませんが、効果ありますよ。というのも、顔面にお灸をすえることにしたのです。海外生活が長い私は、以前からお灸を使って体のメインテナンスをしていますが、顔にお灸をすえることはしたことがありませんでした。日本に帰った時にお世話になる鍼灸医の先生からも、「顔にお灸はねぇ…やめた方がいいです。跡が残りますよ」と言われていたので。が、今回どうしても鼻水を止めたかったので、鼻水に効くと言われるツボに「エイッ」とばかりにお灸をすえることにしました。跡が残ってもお化粧で隠せるし。 そのツボですが、「迎香」と呼ばれるツボだそうで、小鼻の横にあります。画像はインターネットでお借りしました。ここにシールタイプのお灸をすえますと…本当に鼻水がほとんど止まりました!! その後いつもよくやるように、鼻の穴に馬油を麺棒で塗りつけて、終了。馬油は粘膜を保護するようで、くしゃみなどが止まらない時に効果的だと勝手に感じております。ところが、この小鼻の横のツボですが、お灸をしているときに煙が目にもろに入って痛いのなんのって! 目を手でふさぎながら、何とか持ちこたえました。それから、小鼻をちょっとでも動かそうものなら、お灸に触れて超熱い!! 片手で目をふさぎ、もう片手でお灸とは反対方向に鼻を軽く押しながら、数分間の我慢…。ハタから見ていると何をやっているのか…笑える光景だったかと思います。自分でも笑えましたので(笑)。でも効果抜群! しかも特に跡は残りませんでした。味をしめて何度も同じ場所にすえると、ダメかもしれませんね。 この「迎香」の他に「天柱」というツボにもお灸を何度かすえまして、かなり楽になりました。こちらもインターネットで画像をお借りました。それから…、凝っている肩や「合谷(ごうこく)」と呼ばれる親指と人差し指の交わるところにもお灸をたっぷりとすえました。明日にはほぼ完全復活しているといいな~。私にとってお灸はやはり速攻性があります。でもお薬ではありませんので、一番大切なのは休息を取ることなんですけれどね。皆さまも、困った時の荒治療…保証はいたしませんが、試してみられる価値はあるかも…ですよ! ↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.06

ドイツで知り合ったシリア難民の中に、ヌールという男の子がいます。ヌールは9歳。お父さんとはるばる徒歩でドイツまでやってきました。4か月ほど前のことだそうです。ヌールはアラブの中でも端正で繊細な顔立ちをした、少女マンガに出てきそうなきれいな男の子。茶色でうっすらカールがかかった長髪を風になびかせて立っている端正な顔立ちのヌールは、かなりハンサムなアラブの少年です。ちなみにヌールとはアラビア語で「光」という意味。初めて出会った時、「どこから来たの?」と聞くと、ラッカからという返事。ラッカ…すごく聞き覚えのある名前だな、と思った瞬間、ああ、ラッカ!!! ラッカはイスラム国によって「首都」と宣言された都市。イスラム国が制定するイスラム法が隅々まで施行され、商業・金融など都市のすべての機能がイスラム国によって統制されているところです。 ヨルダンではラッカからのシリア人に会う機会はありませんでした。ですから、ラッカからのシリア人に会うのは、これが初めて。お父さんとも知り合いまして、ラッカの様子を色々聞いていますと、人々は普通に生活はできているということ。ただしアメリカ主導の空爆やシリア政府主導の空爆がひっきりなしにあるようで、シェルターなどもない普通の家々では、シリア人たちが恐怖に怯えながら生活をしているというのも事実だそうです。ラッカ=イスラム色が非常に強い都市、というイメージがあったのですが、ヌールのお父さんによると、イスラム国が来るまではクリスチャンもイスラム教徒も混じり合って全く問題なく生活していたそう。クリスチャンの友達も多いらしく、ラッカで宗教の違いが問題になるなんてことはなかった、ということです。今はイスラム国が支配しているのですが、教会はすべて破壊されたもののクリスチャンたちが全て虐殺されるということはなく、クリスチャン女性はイスラム女性のように体全体をすっぽりと覆いさえすれば普通に生活できているとのこと。ただヌール一家はイスラム教徒なので、実際にラッカに住むクリスチャンたちに話を聞けば、普通に生活できているなんてとんでもない! 恐怖におびえているんだ!! という答えがきっと返ってくることかと思います。ラッカでもイスラム国による処刑などは普通に行われていたようで(多分、イスラム国台頭の初期のころかと思われますが)、誰々が首をはねられた…なんていう会話が大人たちの間でよく交わされていたそう。親は、子供たち(特に女の子たち)が不必要に家から出ることを禁じますので、「今日は誰々が首をはねられて処刑された」などという大人の会話を聞くは聞くも、子供たちがそうした現場を実際に目撃することはあまりないようです。ただしヌールは別。9歳ともなれば、そして男の子なので、女の子よりはるかにあちこち自由に行き来していたようで、処刑の現場や首をはねられた遺体などを実際に見てきた、ということです。ヌールは当たり前のように、「首を切り落とすところを見たよ」などと話す。でも9歳でそんな場面を何度も見るなんてことは、実はかなり異常なことです。1回目はショッキングなことでも、何度か続くと見慣れてしまう。ヌールも見慣れてしまったかに見えます。でもドイツにやってきて、今はお父さんと一緒に心療内科で薬を処方してもらっています。お父さんもヌールも、夢でフラッシュバックする残忍な光景に眠りが妨げられてしまうようです。お父さんはうつ的になってしまっているかに見えます。一日をほぼ眠って過ごすらしい。妻と3人の娘をラッカに置いてきているので、そのことも彼の良心を責め立てるのでしょう。ヌールはごく普通に見えます。普通に受け答えできますし、ぱっと見ると普通の子と全然変わらない。いつも外で遊んでいるし、学校にもちゃんと行っているし、活発な男の子。でも…目が違う。初めて会ったときから、ヌールの目がちょっと気になっていました。私の勘違いなのか…とも思っていましたが、色々話を聞くうちに、やっぱり本当は「普通」じゃないんだ、と思います。彼の大きく見開いた目は不必要にギラギラしていて、目の奥は無表情。このギラギラ感がちょっと異様で、単に目が大きいというだけではない感じ。その目は「僕は全てを知っている」という目。9歳という子供の無邪気な目ではないんです。それから"悲しみ"という感情が全くない。悲しみという感情はなくなったかに見えます。今のうちに手を打たないと、この幼少期の体験がのちのち彼の人生を大きく変えてしまうことになりかねません。が、ドイツ語もままならない彼ら。心療内科にかかっているからといって、お医者さんやカウンセラーに思いを打ち明けられているわけではありません。ドイツでは、難民の子たちを対象に音楽セラピーのようなこともなされているみたいで、音楽を聴きながら自分が体験してきたことを話させ、何がトラウマになっているかなどということをお医者さん達が探る療法もあるようです。こうした療法は無償で提供されます。でも、ヌールのお父さんは自分も大変なので、ヌールをこうしたところに通わせることが必要だなどという認識はない。単に心療内科で処方される薬を飲んでいるだけ。ヌールのお父さんは典型的なアラブ男性で、家族と離れて、ヌールとたった一人で向き合うことに慣れていないようにも思えます。増え続けるシリア難民たちですが、言葉の壁があるので、きめ細やかなお世話がなされているわけではありません。住む場所、食べることには困りませんが、精神的なサポートまでは手が回りません。また、アラブ世界には一般的に「精神的サポート」などという発想はありませんので、彼ら自身がそうしたことを求めることもない。心に傷を負った難民たちの問題が表面化するには時間がかかりそうですが、あと数年もしたらきっと心を病む難民たちで溢れかえってしまうかもしれません。このラッカから来た少年のことがいつも私の気にかかっています。ヌールのお父さんよ、もう少ししっかりしてくれい! とも思いますが…。でもこんなケースは、増え続ける幾百・幾千というシリア難民の中のたった一つのケース。はるばると海を越えてきたけど、ドイツもパラダイスではないというのが現状なのです。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/
2015.08.01
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