新聞を読み散らかしました。部屋のドア前に置かれるのは一紙のみ。今朝は読売でした。日経と朝日はスマホでチェック。午前5時半にランニングシューズを履きました。今回の出張は2泊3日です。週末にレースを控え、トレーニングを休むわけにはゆきません。軽装で皇居を1周しました。ホテルから日比谷まで1kmあります。往復を換算して、走った距離は7km。
周回風景のことを少し。
日比谷公園から反時計回りに走りました。帝国ホテルを見ながらヤナギの堀端を進みました。軽いジョグのスピードでした。澱んだ水に背びれが見えました。鯉でした。「呑舟の魚」という言葉がありますが、それくらいの大物でした。学名はCyprinus carpio です。カルピオ。英語ではカープ。ご存じ、広島カープのそれです。私は魚学者の端くれです。少し鯉のことを。魚類の中では長寿です。長生きは50年を超すとも。ウィキによると226年生きた例もあるそうです。その信憑性は別にして、皇居の濠にして彼の背中を見るにつけ、まさに呑舟の魚です。今日泳いでいたのが200年の強者だとすると、この濠の中から維新を見ていたことになります。
帝国劇場、消防庁、竹橋会館を右手に見ながら進みました。水面の向こうは石垣です。野面積みと打ち込み接ぎ、その区分がよく分かります。毎日新聞本社辺りから上り込みになります。ロードサイクルをこぐサイクリストが目につきました。彼らは車道をひた走っていました。結構なスピードでした。転んで事故に遭わないのかと心配になりました。ランナーは女性と外国人が多い。一人に並走して、なんとはなしに抜きつ抜かれつを演じ、十数分の後、挨拶。走りながら自己紹介をして、聞き出しました。曰く、外国人のほとんどは近辺大使館に勤務。なるほど。
坂を上っていくとと国立近代美術館です。竹内栖鳳展の大きな看板がありました。「班描」で有名な日本画の巨匠です。大きな「金獅」の写真を貼りだしていました。観たい。でも会期は9月3日からでした。残念。北の丸公園の入り口をかわして千鳥ヶ淵の交差点へ。ここで左に折れました。ここから半蔵門までの間にはイギリス大使館や福岡会館があります。半蔵門に至り、そこから見る南方向は、皇居の高い石垣と深い濠、向こうに霞ヶ関のビル群とひときわ目を引く国会議事堂が見えました。ここを過ぎてワコールのビルや国立劇場。見てどれも嗚呼これが、という気分になります。下っていくと最高裁の建物。省庁が迫ってきました。国土交通省、その向こうに警視庁。下って法務省。普段、テレビのニュースでしか目にすることのない建物を目の当たりにすることのできるのも、皇居ランの魅力です。
午前7時過ぎ、シャワー。朝食を食べてホテルを出たのは午前9時。取引先を廻りました。昼を挟んでなお。ちなみに昼ご飯は某社ビルの地下社員食堂でざる蕎麦を。300円。夜に備えて控えめの仕儀。
午後5時過ぎ、ホテルに戻りました。もう1泊、明日の午前中にもう一仕事の予定でした。再びランシューズを履きました。朝のうちに水洗いしていたランパンとランニングシャツは、乾いていました。固く絞った後、新聞紙に挟み、水気を取ってから干したのでした。コースも朝と同じ。途中、千鳥ヶ淵交差点を右に折れました。霊園を訪ねました。身元の分からない戦没者35万人あまりの遺骨を埋葬しています。お参りするためでした。前にも書きましたが、私の伯父はサイパン島で戦死しました。もちろん遺骨は実家に戻ってはきませんでした。戦後、遺骨収集団が持ち帰った中に、彼のそれも混じっているのではないかと勝手に思っての仕儀でした。ここへは2度目でした。何度来ても、石棺の悲しい姿に、深い想いが湧いてきます。夕方は8km走ったかな。
昨夜は遅い投宿で思うに任せませんでした。今日は走ってシャワーを浴び、猶午後7時。サッパリして、暮れなずむ新橋に繰り出しました。先ずは魚金です。
ビールを頼み、喉を潤しました。プレミアムモルツ、注ぎ方がいいのか、とてもクリーミーでした。当てはアジフライ。今朝、築地で仕入れたものを開いたそうです。サクサク感がありました。
日本酒を1杯だけ。店長に問うたら、ロ万(「ろまん」と読みます)がいいというので、それを注文。福島・南会津の酒です。生酒。一口含んで、おっ、これはいい。少し黄金色が入って上品な甘さが広がりました。
こうなると、当ても相応が求められます。イワガキを所望。
この店、立ち飲みです。隣のお客さん(60歳くらいのおっさん二人組)は、こんなつまみを食べていました。涎が出ましたが、私はこれで打ち止め。次の河岸に向かわねばなりません。
新橋の名所「へそ」へ突っ込みました。
ここは、かつて吉田類の番組に登場したチェーン店。立ち飲みにしてサラリーマンの味方です。晩酌セット780円を頼みました。生ビールとこれで左記の金額です。やっつけて、お終い。
次はヴァプール。立ち飲みのフレンチバーです。イワガキに白ワインを合わせました。
ここはこれでお終い。生ハムを食べたかった。足先はまさに豚足です。
4件目は〆です。根室食堂。ホヤのいいところを一皿。北の勝で流しました。
最後になんだか判らない100円の汁を飲み、今日の立ち飲み4軒梯子を終了。
メニューにこんなのがありました。懐かしい。
ホテルに戻ったのは午後9時半。疲れました。
今日の一句
新橋の聖地を巡る立った儘
牡蠣食うて彼の道東を思いけり
魂は千鳥ヶ淵に眠りけり
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