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松本幸四郎主演で始まった新シリーズ第1作。制作されたことはCMで知っていたが、有料放送を契約していないので見ることができずにいた。 幸四郎は染五郎時代に吉右衛門版に何度か出ているし、軽妙な、ちょっと遊び人風のところがあり、鬼平にぴったりだ。 私の記憶が確かならば、これは原作の第1作が原作になっているはずだが、ほかの話も組み合わせてあるようだ。 本盗賊の脇役レギュラーとしては相模の彦十(火野正平)だけが出てくる。 いつもながら丁寧に作ってあり、安心してみていられる。 地上波での放送を望む。
2024.05.15
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歌川広重が、下級武士をやめ、絵描きとしてもがき苦しみながら最後には成功するまでを描いたドラマ。原作の小説があるそうだ。 広重を阿部サダヲ、献身的な妻を優香が演じるのはいいとして、共演が、勝村政信、笹野高史、渡辺いっけい、吹越満、髙嶋政伸とアクの強い役者ばかりで、画面が濃い。 「ベロ藍」と出会い、空を描くことに執念を燃やす。「ベロ藍」の「ベロ」が「ベルリン」だとは知らなかった。 物語が忙しく、なぜここまで妻が献身的なのか、弟子になった昌吉がどういう役割を果たしたのかわからない。 最後の宮仕えとして京へ往復するあたりから成功までに絞ってもっとじっくり描いた方がよかったのではないだろうか。公式サイト
2024.05.10
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宮部みゆきの原作のドラマ化。 怪異時代小説ミステリーで、上白石萌音と京本大我の共演。 不思議な力を持つ主人公・お初がその能力によって、人智を超えた怪異の謎を解く。現実にはあり得ない事件なのだが、物語の中では合理性を持っている。 興味深いのは、根岸鎮衛(坂東彌十郎)が怪異譚を集めるのに協力する、という大枠があること。 100年前の赤穂事件に根ざす事件で、民衆が赤穂事件をどう捉えていたかということも鍵になっている。 出演者では、お初の兄の岡っ引き六蔵を演じる満島真之介がなかなかいい。時代劇もできるのだ。 ほかにも、主人公が兄嫁(野波麻帆)と営む飯屋が、よく時代劇にある椅子とテーブルではなく、座っている台に膳を乗せて食べる形になっていたこと。これが実際に近いのではないか。 残念なのが、根岸の表す署名が「耳袋」になっていたこと。「耳嚢」のはずだ。「袋」と「嚢」は異なる字だ。もっとも、一般には「耳袋」と表記されているようなので、こうしないと理解してもらえないのかもしれない。 続編を望む。公式サイト
2024.05.08
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NHKの「だれかに話したくなる山本周五郎日替わりドラマ」シリーズの一つ。一昨年見たものの再放送。「山本周五郎」という言葉が入っている番組は自動的に録画されるように設定しているので録画されていた。 今回は原作も読み直した。 ドラマは、前回と同じように、悪事の報いを受けないことに対する不満を大いに感じるのだが、原作では、ドラマほどの悪事ではなかったことになっている。 脚色の問題だった。どうしてこういうことにしてしまったのだろう。 原作を読み直して改めて感じたが、物語の展開は地の文で簡単に語られ、そのときそのときの心理描写に筆を費やしているところに特徴がある。公式サイト
2024.03.08
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東山紀之最後のテレビ出演。今までは新年に放送されることが多かったのだが、今回は年末になった。そのため、今年は二作が放送されることになった。東山の年内引退にあわせたのだろうか。 話はいつも通りで、冒頭で次々に悪人を始末するが、今回はお笑いタレントでそろえている。 体が動くティモンディ高岸ではなく、おいでやす小田が立ち回りまで見せる。 時事ネタは、「神田女子衆」という会いに行けるアイドルグループ。そのプロデューサーのような立場の女形が野間口徹だとはキャストを見るまで気づかなかった。 この連中が悪党なのだろうと察しはつくが、その悪事は最後に明らかになる。 息の根を止めるだけではやめず、相手を切り刻む仕事人(中尾明慶)が辻斬りのようにして悪党を殺しているように見えるのだが、犯人は別にいる。 一方、リュウ(知念侑李)は仕事人であることに迷いを感じ始めている。 松下奈緒が新たに仕事人に加わって終わり、今後も制作が続くようにも見えるが、東山の跡を継ぐ役者が登場するのだろうか。 必殺の今後が気がかりでならない。 東山が渡辺小五郎を演じることになったのはジャニー喜多川の力によるのかもしれないが、視聴者から渡辺小五郎を奪ったのはジャニー喜多川だ。
2023.12.30
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「どうする家康」を見ている。お市の方と家康の関わりが深かったような描き方で、「そんなことあったのかなあ」と疑問に思っていたのだが、今回、そういう設定にしておいた理由がわかった。 家康は少年時代に、お市に「自分が守る」と約束していた、ということが伏線になっていた。 柴田勝頼に嫁ぐことになってから、秀吉に攻められて三姉妹を残しての自害するまでが一回で描かれているので、テーマが絞られていてわかりやすい。 お市は、幼少期の約束を頼りに、家康が助けに来てくれるのではないかと期待しているが、家康にはそれができない。茶々は、母のお市が家康を頼みにしていることを知っていて、家康が助けに来なかったことに怒りを感じ、「母の無念を茶々が晴らします」「茶々が天下を取ります」と言ってのける。 感心したのはその先。 秀吉は驚くが、もともと織田家の血をほしがっていた男だ。茶々はそこにつけ込むことになるのだろう。秀吉が茶々を無理に我が物にしたのではなく、茶々にコントロールされて家康と対立することになっていくわけだ。 この設定には感心した。 茶々を演じたのは白鳥玉季という13歳の女の子。恐ろしいほどだ。
2023.08.07
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「どうする家康」を見ていて気になったこと。 不参気の家康が、大小日本の日本刀を携えているのだが、脇差しは帯に差し、大刀は帯に差すのではなく、腰にぶら下げるようにしていた。下げ緒というのか太刀緒というのかわからないが、そういうものをつかって、刃の方が下になるように下げていた。 平安・鎌倉ではそうするのが一般的だったようだ。 戦う時も、刀を抜いてから、「やあやあ我こそは」と名乗りを上げたりしていたからだろう。 戦が多くなり、また、接近戦で戦うことが多くなると、刀を抜く動作と切る動作を一つにする必要が生まれて、刃を上にして腰に差すようになったわけだ。 家康の姿は、その過渡期にあるということなのが、身分が高いからそうしていたのかわからないが、何か資料があってのことなのだろう。そうでなければ、わざわざ小道具を用意することはないだろう。 今度から、どのように大刀を身につけているか、注目してみてみよう。
2023.03.13
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かつて二宮和也で「大奥 <男女逆転>」として映画化されたもののドラマ化。 映画に比べると、一時間番組なので、映画よりも話がまとまっていて、あっという間に終わる。 しかしこれは長いシリーズの導入ということで、今後、なぜ男ばかりの大奥が作られたか、という過去の話になっていく。 興味を持たせる導入としてよくできている。 徳川吉宗が冨永愛というのはすぐれたキャスティングだ。 相手役の中島裕翔も自然だった。 中島裕翔演じる侍に思いを寄せる娘(白石聖)も悪くないのだが、彼女が作った弁当が、重箱入りで豪華すぎたのにちょっと違和感を感じた。 丁寧に作ってあり、今後の展開に期待できる。
2023.01.11
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年に一回の「必殺仕事人」。 導入部では、川合俊一やDJ KOOが悪党役で顔を出し、「必殺」らしい雰囲気を出している。 江戸では「鬼面風邪」という伝染病が猛威を振るい、その救済策として幕府から「お助け金」が出ているが、それをあくどい方法で懐に入れている連中がいる。 真摯に疫病と闘う医者もいれば、金儲けの手段と思っている医者もいる。 しかし、医者の助手が鬼面風邪の特効薬の調合に成功する。その名も「鬼滅丸」というところも「必殺」ならでは。 仕事人の一人は、鬼面風邪に冒され、死を予感しながら最後の仕事、それもつらい仕事に向かっていく。明るい面もあれば暗い面もあるのが「必殺」。 よくできていた。 公式サイト
2023.01.10
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今年の大河ドラマ。 徳川家康が登場する大河ドラマはいろいろあったが、若い頃の苦労から描いている。 今川のもとで人質生活を送っているところから始まるが、どうして人質になっているのかということは説明はあるのだが、当時の複雑な情勢は簡単には理解できない。 ただ、自由に行動することはできないということはわかる。そんな中で瀬名(有村架純)と恋に落ちたりいざという時に思いがけない力を発揮したりする。 最後は、窮地に陥って、家臣から決断を迫られることになる。 まさに「どうする家康」で、これからも毎回決断を迫られるところで終わることになるのだろう。 今川義元が野村萬斎。公家風でもあるし、舞う場面があったので納得。 最もよかったのは、以前「王道」は「簡単な方法」にあらずで書いたように、「王道」と「覇道」を本来の意味で説いていたところ。ここで使われているのが本来の「王道」だ。 イッセー尾形が、いかにもそれらしい役出ていた。「伊達政宗」の時も、彼に合わせたような役で出ていたなあ。
2023.01.09
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正月時代劇。90分と、時間は短め。 幕末の江戸を薩摩藩士が荒らし回っているので、それを取り押さえるために組織された「一撃必殺対」の物語。脚本は宮藤官九郎。 とはいっても武士の集団ではなく、佐倉あたりの百姓の中から、若くて力のあるものを選び、急ごしらえで作られたもの。 褒美につられて応募してきた、染谷将太をはじめとする若い百姓たちが刀の持ち方から習い、あっというまに薩摩藩士たちと斬り合うことになる。 素性がよくわからない飯炊き娘(伊藤沙莉)のエビソードなどもあり、内容はぎゅっとつまっている。 勝海舟が尾美としのりだったのは意外だった。百姓の中には、塚地武雅や高岸宏行といったお笑い系の人もいたが、いかにもそれらしい体つきで役に合っていた。 結局、いいように使われ、かろうじて生き残ったものは自分の本来の生活に戻る。 いわゆる官軍側の話だと、三船敏郎の「赤毛」があるがあそこまで大がかりではない。 陰惨な話なのだが、そういう印象を与えないような工夫が感じられた。佳作である。 公式サイト
2023.01.04
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3月から放送が始まった「BS松竹東急」というチャンネルで放送された30分ドラマ。 全13回。1回目から全話見た。 江戸に住む、浪人の兼梨四十郎(滝藤賢一)と妻の静江(前田亜季)、息子の太郎(加賀谷光輝)の三人がつましい生活をしている。浪人ではあるが、妻にはある藩の剣術師範をしていると嘘をついて出かけ、人の来ない神社にこもって傘張りをしている。 なぜかその神社に家電アドバイザー機能のあるタブレットが現れ、妻の家事負担を減らしたいという四十郎の願いを叶える家電を出してくれる。 炊飯器、洗濯機、電子レンジなど毎回家電が増えていく。電気はどうするのかというと、自転車型の発電機をひたすらこいで発電することになる。 いくらなんでもそれでは足りないだろうと思うが、そんなことはどうでもよくて、荒唐無稽な話を荒唐無稽なままちゃんとドラマにしているところがよくできている。 ただ、クーラーは室外機の設置が大変なので、扇風機や冷風機でよかったんじゃないか。 時代劇とSFが合体したものと言えば言えなくはない。強いて言えば、遠い昔に見た、NHKの「少年ドラマシリーズ」のような自由な発想のドラマを思い出させる。 現代にタイムスリップしてしまうのもお約束。 最後まで面白く見たが、一番印象に残ったのは、子役だった前田亜季がこんな大人になっていたのか、ということ。非常に感じのいい女優なのであった。公式サイト
2022.06.27
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「さらば浪人」が終わったら、役所広司の「晩学の一生」が始まった。 2002年にフジテレビで放送されたのだが、途中で終わってしまった不遇の時代劇。 腕が立ち、まっすぐの性格で嘘が大嫌いな主人公。浪人中で流浪の旅の途中で様々な人に出会い、必ずだまされる。とにかくだまされる。 二話までは市川崑が監督していたのは覚えていた。 その二話には浅野ゆう子がゲストで出ていたが、役所広司と浅野ゆう子といえば、山本周五郎の「町奉行日記」を映画化した「どら平太」もこの二人だった。 話はよくできていて、屋外での撮影が多く、画面が広々としているのがいい。 また楽しみができた。
2022.05.07
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「雨あがる」だけではなく、「ひとごろし」や「野分」など、山本周五郎のほかの作品も取り入れて各話を作り上げている。 制作者がしっかり山本周五郎を読んでいることがわかる。 「ひとごろし」を取り入れた話では、追われる侍が原田芳雄だった。数回後に、松田優作も出たのには驚いた。 栗田ひろみが思ったほど出てこなかったのは残念だった。 最終回は、息子のところに帰ることができ、やっと安定した生活が送れるようになった、と思わせておいて予想していなかった最後となる。 しかし、主人公たちの心は晴れ晴れとしている。 全話を通して「雨あがる」なのだ。 武士を捨てて百姓になる、という発想にはならない。そういうところも山本周五郎らしい武士としての生き方なのだろう。
2022.05.03
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1976年に放送された時代劇がBSフジで再放送されている。 これは再放送されたときに何話か見た記憶がある。 原作は山本周五郎の短編「雨あがる」。 寺尾聰と宮崎美子で映画化された「雨あがる」と同じ原作で、第1話はそのまま「雨あがる」で映画と同じ内容。 仕官の口を求めて旅を続ける夫婦の物語なのだが、ただ登場人物は増えている。 夫婦は藤田まことと中村玉緒。 夫婦には子どもがいて、それを両親に預けて旅をしていることになっている。冷静に考えれば、幼い息子がいるなら妻は郷里に残ってもよさそうなものなのだが、夫婦で旅をすることが重要なのだ。 さらに、主人公の腕前と人柄に惚れ込んで勝手に弟子になろうとしてついてくる若侍(高岡健二)と、その若侍の後を追ってくる娘(栗田ひろみ)などが顔を出す。 夫婦は誰に対しても常に丁寧語で話し、それが人格の高さを感じさせる。 今のところ、第3話まで見たが、見ていて心が晴れ晴れとする感じがするのは、屋外ロケがほとんどで、風景が広々としていること。 この頃はまだこんな風景が残っていたのだなあ、と思う。 なお、山本周五郎には、同じ夫婦を描いた「雪の上の霜」というのもある。これも短編。
2022.04.06
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ドラマが放送されることを知ったときから「タイトルが良くない、池波正太郎がこんなタイトルをつけるだろうか」と思ったのだが、原作の題名は「へそ五郎騒動」だった。この方がずっといい。 婿に行くしかない次男の主人公(工藤阿須加)、その妻(志田未来)、不本意ながら主人公を仇として追うことになる男(渡辺大)の三人が中心になっている。 主役はプロ野球の工藤公康の息子だったんだね。こういう若い人がどんどん時代劇に出てくれるとうれしい。志田未来は実に整った顔立ちで目がキリッとしており、武士の妻にうってつけ。渡辺大が難しい役をうまくこなしていた。 美しい映像のドラマを作ろうという心意気が感じられ、屋外での撮影が多く、風景も美しい。 布が大量に干してあるところでの斬り合いはちょっとやり過ぎではあるが、松竹らしいかんじはする。 出演者でいうと、火野正平が酸いも甘いもかみ分ける和尚の役で出ていたが、こういう役を演じるようになったんだね。 こんなに力を入れなくてもいいから、もう少し軽い娯楽時代劇をたくさん作って欲しい。
2022.03.23
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池波正太郎の原作をドラマ化したもの。 派手な殺陣があるわけではなく、比較的淡々と話は進んでいく。それでも画面が美しく、実に丁寧に作ってあるのがわかる。 屋外ロケが多く、映し出される風景がいい。 ロケ地を探し出したスタッフの心意気が感じられる。 とんでもない城主のせいで、なんの因縁もないのに追う者と追われるものになった二人。年月を重ね、それぞれの思いが変わっていくようでいて、核は変わっていない。 最後はやや意外な形で終わる。 見応えがあった。 公式サイト
2022.03.09
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これは前後編2回で放送。 こうするのなら、他の話も少し膨らませて全部1時間番組にしてくれればよさそうなものだ、と思うのだが、時代劇を作るということ自体が大変なことなのだろう。 物語は、殺陣満載になってもいいような話なのだが、そういうところは少なくし、登場人物の心情描写を中心にしている。 使命を果たせず生きて帰った男。命を落とした仲間の許嫁と結婚するが、死んだはずの男が生還する。 戦後よくあったという、戦死したはずの兄の嫁が弟と再婚して家を守っているところへ、兄が帰ってくるという悲劇がもとになっているのだろうか。 武士道と言うよりも人情もの。 救いがあるわけではなくないわけでもない。 このシリーズは恋愛が絡むものがおおい。 もちろん武士階級にも恋愛はあったろうが、「結婚」と「幸せになる」ということを結びつけて考えるのは近代以降の感覚じゃないかなあ。公式サイト
2022.02.21
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これは原作を少なくとも二度は読んでいるはずなのだが、例によってさっぱり覚えていなかった。 主人公は、妻の死後、妻の生前の生活を始めて知り、愕然とする。 何か大きな事件があるわけではなく、淡々とした物語。 これは「日本婦道記」をまとめて読み、その内の一編として心に残るべき作品なのだろう。 とは言いながら、内容を覚えていないのだから困ったものだ。 公式サイト
2022.02.18
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「人情」というより「武士道」を描いた話。 ある道場の跡継ぎ問題を巡ることがきっかけで隠されていた事実が明らかになっていく。 一見さえない下僕なのだが、ただ者ではない動きを見せる。それを見抜いた道場主の目が確かだったことが明らかになる。 終盤の展開が早い、. これはドラマ化するよりも小説で読んだ方が面白いような気がする。 公式サイト
2022.02.17
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これはかつてNHKで連続ドラマにしたことがあった。 その時はかなり膨らませてあったが、これだったら30分ドラマでちょうどいい。 「人情」を表に出さず、ちょっと気の利いた話になっていた。 公式サイト
2022.02.16
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夫と幸福に暮らしている信子(大後寿々花)のもとに旧友が訪ねてきて、浪人している夫の仕官の世話をしてくれないかと頼まれる。 夫には相手にするなと叱責され、さらに旧友の夫からは、思いもよらないことを聞かされる。 その旧友、旧友の夫との間には何かあったらしい、苦悩する妻とは別に、夫は夫で手の込んだ方法で救いの手を差し伸べる。 下手をすると大けがどころか命を落とすかもしれないようなことまでするかなあと思ったが、実は腕覚えがあったのだろう。 結局はめでたしめでたしで終わるのだが、これは「人情」とは違うような気がする。 妻を演じた大後寿々花は、かつて「カムイ外伝」でサヤカを演じた人だ。当時はまだ子どもだったがすっかり大人の女優になった。公式サイト
2022.02.14
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盗人として生きようとする若い男が、伝説の大泥棒とであり、志願して弟子入り。 その大泥棒の目の前で大金を盗んでみせるが、自分のしたことの結果を知って思わぬ結末を迎える。 ちょっと「人情」を強調しすぎ。何があっても反省などしない人間だって多い。 大泥棒役が波岡一喜で、なかなか目つきがいい。結構年齢を重ねていい中年になった。 この人は、かつて加藤シゲアキ主演の「姿三四郎」で敵の役を演じたのが印象に残っている。公式サイト
2022.02.10
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鳥もちをつけた竿で野生の小鳥を捕まえ、それを打って生活費を稼いでいる少女・おくめ。 偶然山の中で目撃したことが、藩の一大事に関わっていると気づき、知恵を働かせて事件を解決する。 最初の方に、竿を突き出す練習をしていることが伏線なのだが、実際に闘うことになると、突くよりもたたくことが多かったのが残念。 前のシリーズの再放送の感想でも書いたが、30分では短すぎる。 1時間は無理でも45分ぐらいにならないかなあ。 公式サイト
2022.02.05
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これを見るのは3度目だ。 2003年に正月時代劇として放送されたのを見て、再放送も見た。最近再放送されたので録画して見た。 小栗上野介を主人公にしたドラマは珍しい。大河ドラマの主人公になってもいいほど波瀾万丈の人生なのに。 アメリカ行き、勝海舟との対立、そして和解。 日本の将来を考えて造船所を守り、それが明治になって日本海海戦での勝利をもたらすことになった人物なのだが、そこまでは描かれない。 無実の罪で、新政府軍に殺されてしまったから。 明治政府を作った連中は、全く惜しい人物を殺したものだ。 もう少しものを考える能力がなかったのだろうか。
2022.02.02
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これは30分ドラマながら前後編で1時間のドラマになっていた。 やはり1時間欲しいよね。 最後の最後で、これは読んだことのある話だと気がついた。 山本周五郎らしさが出ていてよくできていた。 このシリーズを見ていて気づいたが、夜の場面になると、照明が暗めで、しかも横から光が当たるようになっている。 行灯の光で生活している雰囲気をしっかりだしていて、なかなか良かった。 公式サイト
2022.01.20
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これは原作を読んだかどうか思い出せない。 物語はいかにも山本周五郎らしい。 父を陥れた男の身の回りの世話をすることになる娘。 最初は仇討ちの機会を狙っているが、その男の真意を知ることになる。 やはりこれもせめて1時間ドラマにして欲しかった。 そもそもの発端の部分も丁寧に描けば2時間ドラマにもなるのに。 もったいない。 公式サイト
2022.01.19
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これは原作も読んだし、ドラマ化されたものも見たことがある。 やはり30分では物足りない。 ただ、今までは泥棒を年長者にしていたが、このドラマではかなり若く設定しているのが新鮮。 また、その泥棒役の柾木玲弥という人が、1作目の「はたし状」で主人公の侍を演じていたのに驚いた。 公式サイト
2022.01.18
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時代劇にはアンテナを張っていたつもりだが、「だれかに話したくなる山本周五郎日替わりドラマ」というシリーズが放送されていたとは知らなかった。 今年になって再放送されたので、録画しておいた。 1作目は「はたし状」。これは原作を読んだことがあるかどうか記憶がない。30分番組なので展開が忙しい。あっという間に和解してしまい、悪人が裁かれないまま終わってしまう。1時間ドラマにしてほしいものだ。 公式サイト
2022.01.17
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今やジャニーズのおかげで命脈を保っている「必殺仕事人」。 今回はKing & Princeとなにわ男子からゲスト出演ということで、ジャニーズのレギュラー出演者が増えるのかと思ったが、そういう展開にはならなかった。 「必殺仕事人」に時事ネタはつきもので、バンクシーならぬ「晩来《ばんくる》」や、根拠のない噂話を真に受けて他人を攻撃する風潮が取り入れられている。 途中までは、悪事を働く勘定奉行とその息子の成敗ということで必殺らしい。 岸優太演じる岡っ引きが勘定奉行の息子を引っくくってきたが、これは無理がある。目付ではないので町奉行所では手が出せない。 話はそれでは終わらず、「世直し組」を名乗るグループの暴走が始まる。 意外や意外、岸優太が、「正義」という狂気に引きずり込まれていく男をうまく演じている。 最後の仕事の的は大金持ちや権力者ではなく町人。これなら奉行所で対応できそうなもの。ここだけちょっと物足りなかった。 これまでのレギュラーの東山たちは一歩引いた感じで、岸優太と西畑大吾が中心の話になっていた。 須賀健太が屈折した役で出ていたり、小林隆と杉田かおるが夫婦だったりして、脇役も印象に残る。 せめて三ヶ月に一回放送してくれないかなあ。 公式サイト
2022.01.10
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NHKで新しく時代劇が始まったと思って見ただけで、誰が出ているかということは知らなかった。 なんだか知らない若い俳優が出てきたなと思って見ていたが、最後に出演者を見てKing & Princeの永瀬廉だったことを知って驚いた。 通辞の仕事をしていた行方不明の父を探して長崎に来た若者が主人公。 第一話は、父の行方を捜すというのと、脱走した外国人を逃がす話。 父親の名前を出した途端に「知らない」「いない」と言われるのが不自然なので、実は知っている人がいるのだろうと思わせる。 外国人がどこの国から来たのか知るために、オランダ語、英語、中国語で問いかける。カタカナで書いたものを暗記しているのではなく、ちゃんと指導者がいるということがわかる。 かなり壮大な話になりそうなのだが、全4回とのこと。たった4回で解決するのか?公式サイト
2022.01.09
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NHKの正月時代劇。原作の小説は「相棒」というタイトルだが、それでは刑事ドラマと間違えられてしまうのでこういうタイトルにしたのだろう。「幕末」という言葉がついているとなんとなく新撰組かなあと思うが新撰組ものではなかった。 大政奉還をしようとしている徳川慶喜(渡辺大)が狙撃され、新撰組隊士が一人命を落とす。 犯人探索のため、坂本龍馬(永山瑛太)と土方歳三(向井理)が組むことになる。敵対するもの同士なのだが、反発したり折り合いをつけたりしながら探索を続ける。 しかし、目星をつけた相手はいずれも犯人ではなく、ついに、意外な人物が犯人だと突き止める。 史実はどうでもよくて、「こんなことがあったら面白いだろう」というのが基本で、細部にとらわれず自由に面白く作ってある。 ただし、坂本龍馬も土方歳三も、歴史の通り命を落とす。 龍馬を殺したのがこれまでの説にはなかった人物。 こういう所もドラマとしてはよくできている。 こういうドラマがもっと作られていい。
2022.01.05
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NHK時代劇を支えている山本耕史が壮年に入りかけた頃の水戸光圀を演じる。 特殊技能を持つ子供達の面倒を見て、彼らの力を借りて江戸を守っている。第1回冒頭で登場した少年の生い立ちが、光圀が若かった頃の事件を思い出させる。 予想は的中し、光圀は自分を慕う少年との因縁に苦しみ、自分から打ち明けようとした矢先、思わぬことで少年にその因縁が明かされてしまう。 それが一つの柱になっており、もう一つは江戸に火を放って大火を引き起こした錦氷ノ介(加藤シゲアキ)との戦いがもう一つの柱になっている。 さらにその氷ノ介の父(石坂浩二)が、仏師として光圀の世話になっているという因縁がある。しかも氷ノ介はその実の父に右腕を切り落とされ、隻腕となっている。 加藤シゲアキは殺陣ができるのだろうかと思ったが、意外にうまかった。しかも左手一本で闘い、くるりと回って相手の刀を払ったりする。けっこう体が動く。 というところでどうにも気になったこと。 少年と光圀の因縁というのは、光圀が若い頃に遊びで人を殺したこと。縁の下にいた人を引きずり出して斬り殺したことがある。その時、相手が命乞いをしたというのはドラマでも描かれていた。 ただ、ドラマではその相手が「無宿人」になっていた。原作は読んでいないが、おそらく原作では違う言葉になっているのではないだろうか。
2021.12.25
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中村仲蔵を瑛がいたドラマは、2000年に当時の市川新之助(今の海老蔵)が演じた「仲蔵狂乱」があった。 今回は中村勘九郎。なかなかよくできていて、勘九郎も七之助もうまい。歌舞伎界からは尾上松也が出ていたくらいで、あとは一般の俳優が歌舞伎役者を演じている。 面白かったのは、男色家のお大尽の谷原章介。仲蔵が囲われるようになったところをけっこうリアルに描いている。谷原章介は、おなじNHKの「黒い画集〜証言〜」でも同性愛者を演じていた。 脂ぎった中年男だったら見ていられないが、谷原章介なら抵抗なく見ていられる。 谷原章介と中村勘九郎は、「新撰組!」で伊東甲子太郎と藤堂平助という師弟関係だった。 芝居の世界で出世できるかどうかは生まれつき、というのを歌舞伎役者が演じている。 なかなかよくできていたが、定九郎のモデルになった浪人が藤原竜也だったのは意外。 丸顔で若く見えるので、ちょっと定九郎らしくなかった。公式サイト
2021.12.15
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原作は坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帖」。原作は遠い昔に読んだことがあるが、勝海舟の推理がいつもはずれる、ということ以外覚えていない。 設定はかなり変えてあるようだ。 最も感心したのが、明治という時代に疑問を感じていること。 新しい時代を歓迎している人たちもいるが、主人公は「はたしてこんな世の中になってしまっていいのだろうか」という違和感を抱き続けている。 そこがいい。
2021.06.06
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前のシリーズも全部見た。明るい作りで気楽に見ていられる。 初回は尾上松也がゲストで出ていたりして、ちょっと豪華。松本幸四郎はレ牛ーラー。この人、染五郎だった頃から声も顔も変わらない。声を聞くとすぐわかる。若干貫禄はついたかな。軽妙な役がうまい。 時代劇定番の若君と主人公がそっくり、という「一心太助」にもあったような設定。原型は「王子と乞食」なのかなあ。 エンディングも、前作よりも賑々しく、楽しい雰囲気が出ている。 ただ、冒頭の花見の場面で小判を巻いたのはよくなかった。 それを拾う人を見下すような感じがしてしまう。 酒肴を用意して、居合わせた人にどんどんごちそうする、というえぴそーどにすればよかったのに。
2021.05.30
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「柳生一族の陰謀」に続いてかつての東映時代劇のリメイクあったが、オリジナルを超えることはできていなかった。 かつてテレビドラマでリメイクされたこともある。 おそらく大好きなものを自分の手で自分の思い通りに作りたいと願望があるのだろう。 工夫していい物を作ろうとする制作陣の気持ちはよく伝わってくるのだが、どうしてもオリジナルは超えられない。 オリジナルで最も印象に残っているのは、西村晃が、刀をあちこちに隠しておいて、刀が切れなくなると新しいものに取り替える工夫をしていたところ。敵を撃退したと思い込んでいたのにまだ残っていて、西村晃が刀を探し回るシーンが圧巻だった。 オリジナルに出ていた里見浩太朗が出ていたのも、オリジナルへのリスペクトを感じる。 志は高い。こうして時代劇を作り続けてくれることが大切なのだ。公式サイト
2020.12.01
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NHK「BS時代劇」で赤ひげの新シリーズが始まった。 赤ひげの知人の娘が養生所で女医になるという話が中心で、オリジナルストーリーなのだろうか。 第2話「女医の誕生」は、悪事を重ねてきた男の担当になるという話なのだが、その男が今井翼だった。 労咳を煩っているという設定にしては肉付きがいいが、時代劇で全く違和感がないのがいい。 最後は、自分が長くはいきられないことを知ったこともあって、押し込み一味が捕まるよう手引きをする。 話がよくできているのは、普通なら、裏切ったことがばれた時点で悪党に殺されて死ぬように作ってしまうと思うのだが、その後しばらくは生きて、布団に横たわって看取られながら息を引き取る話になっていた。 自分でも間抜けだと思うのだが、「エール」の村野鉄男は「赤ひげ」の保本の人だった。 結構主役級の人だったんだね。
2020.10.17
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かつて大ヒットした映画のリメイク。 なぜこれをこの放送時間で作ったのか理解に苦しむ。元の映画より30分も短い。従ってあらすじの紹介のようになってしまっていて展開が忙しい。 映像は丁寧に作ってあるのだが、これでは話がわかりにくい。 欲求不満のまま終わってしまった。 「金曜時代劇」という枠があるのだから、そこで4回連続ドラマぐらにして作ればよかったのに。 出演者は皆熱演だっただけに惜しい。中でも光っていたのは、映画で成田三樹夫が演じた烏丸文麿を演じた波岡一喜。 残念な作品だった。
2020.04.13
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北大路欣也の秋山小兵衛になってからの第6弾。 今回は、大治郞を高橋光臣、三冬を瀧本美織が演じる。 藤田まこと時代と変わらない安定感があって安心してみていられる。 もう少し頻繁に放送してくれるといいのだが、手間もかかるしこうして特番で放送するだけでも精一杯なのかもしれない。 身構えることなく、安心して見ていられるのがいい。
2020.03.14
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新シリーズ開始の景気づけを兼ねての新春スペシャル。 ストーリーはタイトル通り親子の情のつながり。 武蔵野の新田開発を命じられ、しばらく身分を隠して視察して回る。 その間に大岡越前の子が誘拐されるのだが、自分をさらった女の思い込みに合わせて振る舞うところなど工夫されている。 最も感心したのは、青木昆陽を登場させたこと。 もちろん現実にはこんな出会いではなかったのだが、関わりはあったわけだし、荒れ地の開発と甘藷を結びつけるというのもいい。
2020.01.07
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大阪で蘭方医学を学んでいた立花登が2年ぶりに江戸に戻ってくる、というところから始まる。 原作は、大阪に旅立つ前夜で終わっているし、ドラマもそれが最終回だった。どうなっているのだ、と思ったが、原作の一つを設定を変えてドラマ化したもののようだ。 このシリーズはいかにも時代劇らしく作ってあるが、主人公が若いので明るい感じがあった。 登とちえの祝言で終わり、もうこの続きを作ることはない。 30年ぐらいしたら、今度は平祐奈を母親役にしてリメイクするのかな。 それとも、30年たったらもう時代劇は作られていないのだろうか。
2020.01.06
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ショーケンがなくなったので追悼番組として時代劇専門チャンネルで放送された。 1973年から翌年にかけて放送されたもの。 同級生が面白いと言っていたので何話か見た記憶はある。清水次郎長が悪者だったことだけ覚えていた。 オープニングでは現代の町を歩くショーケンの映像などもあり、現代の若者を投影した番組であることが分かる。主題歌は沢田研二。 自分なりの筋を通したり、人助けのつもりでしたりしたことが思わぬ結果を招き、やりきれない思いがすることが多い。 子分の下條アトムは現代の髪型そのまま。勢いだけのヤクザもの。 参謀役が前田吟でこれは意外なキャスティングだった。確かに知恵がありそうに見える。 意外だったのは、悪役の次郎長がただの悪い奴ではないこと。計算尽くで縄張りを増やしていく嫌な奴ではあるのだが、筋は通し、手に入れた証文が偽物だと分かった時にはそれを破り捨ててみせる。 新しいタイプの渡世人というのは「木枯し紋次郎」の成功があってのことだろう。タイトルも「誰かが風の中で」を思わせる。 当然、1973年に市川崑がショーケン主役で作った「股旅」もアイディアの元になっているのだろう。 1時間番組だったのだが、予告編がカットされていて、中身は30分ほど。1時間で2話ずつ見ることができた。
2019.06.13
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この番組に気づかず見逃していたのだが、再放送でやっと見ることができた。 NHKで最新の撮影技術に精通している男(柄本佑)が、東映ならぬ京映に乗り込んで、全く新しい殺陣の撮影をしようとする。 主人公は殺陣の実力者ではあるが、全く台詞が言えないためいつまでも大部屋住みだった男(内野聖陽)。近藤勇を演じる。 ハイスピードやドローンやワイヤーアクションなどあらゆる技術を動員して新しい映像を求める。 現場のベテランスタッフはついて行けなかったり戸惑ったりするが、ちゃんとプロとしての仕事をする。 現場ではいつだって新しい技術を取り入れてきたはずだ。 仲間が意見するところなど、人間模様のようなところはありきたりになってしまうので、むしろ思い切ってなしにしても良かったのではないかとも思ったが、階段落ちやエンディングなど、「蒲田行進曲」へのオマージュになっているので、「かっこいい」という台詞を言わせるためには必要だったのだろう。 タイトルはもちろん「スローなブギにしてくれ」のもじり。 ちゃんとドラマの中でそのことに触れられているし、エンディングテーマも南佳孝の曲をそのまま使っている。 撮影現場への愛にあふれたドラマだった。
2019.05.25
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スペシャルドラマで命脈を保っている必殺仕事人。 西田敏行とはまた大物を投入したものだ。 出演者も豪華だが、話の内容もなかなか凝っていて感心した。 善はいつまでも善でいられるわけではない。被害者と加害者は表裏一体。 仕事を頼んだ側が仕事のターゲットとなる。 もっと軽い内容でいいから定期的に放送してほしいものだ。
2019.03.12
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1985年のドラマなのだそうだ。 勘九郎というか勘三郎というか、とにかくわかい。30歳になる年だ。 青春映画であり、新しい世界を夢見た男の物語。 幕末の適塾から始まり、渡米して「フリー」という概念を知った諭吉が新しい生き方を求める。 見始めて驚いたのが、音楽にサイモン&ガーファンクルの曲が使われていること。何曲も使われていて、どれも話の内容とは関係がないはずなのだが、妙に合っている。(ただし、Wikipediaによると、ソフト化されたものではほかの曲になっているらしい) 適塾時代に漢方医の嫌がらせを受けているが、このあたりはどうだったのかなあ。 花魁が盲腸で死ぬあたりは、盲腸から腹膜炎になった経験から言うと、あんなに平静でいられない。 痛みでのたうち回るはずだ。 まあそんなことは些末なこと。 風俗で感心したのが、適塾の若者たちなど金のない男たちが、つんつるてんの太もも剥き出しの着物を着ていること。これは現実にこうだったんじゃないのかな。 とにかく出演者が豪華なので驚く。 阿藤快や川谷拓三、清水由貴子といった故人の姿も懐かしい。 帰国する咸臨丸の場面で、なんの脈絡もなく、「ジャズに魅せられた男(日野皓正)、「野球に魅せられた男(衣笠祥雄)」が登場したりする。 気になる方は、Wikipediaで確認して欲しい。 主役の十八代目勘三郎はいろいろなドラマで見たが、どうも普通の人ではない感じがする。 独特のオーラがあると言えばいいのだろうが、目つきが尋常ではないというか常人ではない気がするのだ。役者として名を残すほどの人なのだから常人であるわけではないのだが、何か違うのだ。 大分前だが、萩原健一が書いた本で、「元禄繚乱」で共演した時のことを書いていたのを思い出した。 おおむね、「段本通りに演じない、リハーサルの度に違うことをする、リハーサルと本番で違うことをする。」というような内容だったと思う。 舞台がホームグラウンドだから、毎回同じ事をしたのでは芸がないと考えていたのだろうか。
2019.02.20
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勝小吉の妻が主人公のドラマ。 なるほど、いいところに目をつけたなあ。 勝海舟じゃいまさらだし、「父子鷹」じゃあまたか、ということになる。 女を主人公にするというのは新しい。 沢口靖子がまた浮世離れしていて逆にリアリティがある。 古田新太もうまくて安心して見ていられる。
2019.01.17
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NHKの正月時代劇。前後編で、「水を制す」「金貨の町」の二部構成。 「水を制す」は、神田上水完成までの苦難を描いているのだが、ドラマとして不完全というか、三ヶ月かけて放送したドラマの総集編を見ているような気分になった。 エピソードがぶつ切りでつながりがよくない。 所帯を持って間もない若者が川に落ちるところなど、何のためにあるのかわからない。 もっと、江戸の水道にまつわる技術的な面を前面に押し出して描いた方がよかった。 また、ちょっとしか出てこないが、伊奈忠次が利根川の流れを変えて鬼怒川に合流させた工事の方が大がかりだったので、そちらを描いても良かったはず。両方出てくると、どうしても江戸の水道事業が小さく見える。 「金貨の町」は、小判誕生にまつわる物語。 これも、題材としては非常に新鮮で興味深いのだが、物語が中途半端。 主人公の柄本佑もよかったし、悲恋の相手の広瀬アリスもよかったのに、人間ドラマと小判の意義のどちらに比重があるのか分からない。 小判を作ることが経済的な日本統一に大きな意味を持っていたということがわかるのだが、その面をもっと詳しく描いて欲しかった。 柄本佑は、恨みを込めた目つきが非常にいい。広瀬アリスは、演技をしているところを初めて見たと思うのだが、まっすぐな人間であることが感じられて好感が持てた。それだけに惜しい。 どちらも、三ヶ月ぐらいのドラマにして欲しかった。
2019.01.08
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年末の放送だったがやっと見た。 本放送の時も、昔の少年ドラマシリーズのようだと思って楽しく見ていた。 こういうのを作ることが大事なんだよね。 前作の最後だと、結ばれて終わったようになっていたのだが、歴史を考えれば、戦国時代の弱小領主が天寿を全うできたかどうか心配なところだった。 これならその後全く身分で生きたかもしれないと考えることもできる。 もう一度言うが、こういうのを作ることが大事なのだ。こういうものをきっかけに歴史に興味を持ったり、自由な発想を身につけることができたりすればいい。もちろん、そんな教育的な目的など持たなくていい。結果的にそうなればいいというだけのこと。
2019.01.07
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藤田まこと版は随分見たが、北大路欣也版はあまりちゃんと見ていない気がする。放送が不定期なので見逃したこともあったようだ。 藤田まこと版でもこの話は記憶にない。まだ大治郎が独身の頃なので、かなり早い時期の話なので、見ていなかったのかもしれない。 比嘉愛未という人は初めて見た。「愛未」を「まなみ」と読むということも初めて知った。 物語は池波正太郎らしいというか、フジテレビらしいもの。物語全体には違和感はないのだが、手裏剣は気になった。 根岸流手裏剣の「馬蹄」というものという設定になっているが、実在するのだろうか。 棒手裏剣や十字手裏剣なら遠心力を利用して飛ばすことができるが、馬蹄型で、刃の方が必ず相手方を向いて、骨に食い込むほどの速度で飛ぶようにするには、どうすればいいのか。 回転したら刃の向きが変わってしまう。 刃の向きを固定したままかなりの高速で飛ばすにはかなりの速度で腕を振らなくてはならない。 はたして可能なのだろうか。
2018.12.24
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