全16件 (16件中 1-16件目)
1
![]()
SIEMENSのE2dという真空管を紹介します。随分前にEbayかオークションで買った記憶があります。なぜこれを買ったのかは記憶に全くありません。何となく6V6クラスかなぁと思ったのかもしれませんね。規格は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RFT E2d」規格表が参考になります。E2dのヒーターは4V1.5Aです。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=4.0V, Ih=1.43A三極管接続Ep=220VEg1=6.3VIp+Ig2=34.42mAIg2=3.86mArp=2346Ωgm=7855μSμ=18.4V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=3.7VIp=34.41mAIg2=3.99mArp=66875Ωgm=7949μSμ=531.6V/V【2本目】Eh=4.0V, Ih=1.41A三極管接続Ep=220VEg1=6.5VIp+Ig2=34.45mAIg2=3.89mArp=2266Ωgm=8224μSμ=18.6V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.0VIp=34.06mAIg2=3.93mArp=59767Ωgm=8272μSμ=494.4V/VこれはEg2が190V以上あるほうが良さそうですね。似たような球ばかりですが、それぞれ良さがあります。
Sep 28, 2025
コメント(0)
![]()
RWNのE2cという真空管を紹介します。形状は細身のST型で、外壁は艶消しの黒い塗装です。先日、SIEMENSのE2cを紹介しましたが、RWNのものなので、規格は同じでも内部は多少違うかもしれませんね。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=18.0V, Ih=0.37A三極管接続Ep=220VEg1=6.8VIp+Ig2=34.23mAIg2=3.53mArp=2181Ωgm=8907μSμ=19.4V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.3VIp=34.51mAIg2=3.85mArp=57263Ωgm=8506μSμ=487.1V/V【2本目】Eh=18.0V, Ih=0.37A三極管接続Ep=220VEg1=7.2VIp+Ig2=34.56mAIg2=3.49mArp=2014Ωgm=9680μSμ=19.5V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.9VIp=33.94mAIg2=3.63mArp=60308Ωgm=9470μSμ=571.1V/V直線性が良いですね。艶消し黒が良い感じの真空管です。
Sep 27, 2025
コメント(0)
![]()
先日、オークションにてEL32シングルアンプを落札しました。真空管の入札合戦で業者に負けて自暴自棄になって、オススメに出てきたアンプを何も考えずに入札しました。いやこれ、割りと正解でした。意外と良かったんです。佐賀県の「音の工房 山本」という個人工房のものです。趣味と実益で(ライフワーク的に?)やっているようで、ウェブサイトは無いですしヤフオクの出品のみのようです。造りはとても丁寧です。良かった点は、割と低ノイズで音が綺麗であることです。EL32がこういう音なのか初段の音なのか、或いは工房の主の作り方がよいのか。因みにEL32は三極管接続をされています。欠点は、とにかく低音が出ないことです。本当にスカスカです。これはEL32三結に対してトランスが5kΩであることとコア自体が小さすぎることもあるでしょう。NFBも掛かっていないことも要因になっていそうです。あとつまらないことですが、ACインレットではなく直接電源コードが繋がっています。普通の人には問題がありませんが、アンプを1週間おきにローテーションしている私にはチョット不便です。それでも、なかなか良い音がします。「秋の夜長にリュート作品を聴く」そんな使い方が最適かもしれません。敢えて改造するなら、・ACインレット化・NFBを少しだけ掛ける・出力トランス変更(7kΩでコアも一回り大きめもの)・グリッドの線をもう少し太くするこんなところでしょうか。
Sep 23, 2025
コメント(0)
![]()
5639という真空管を紹介します。数年前、よくわからずに買ってしまったものです。端子はピンではなくリード線であるため、7ピンのソケットに収めています。規格は、Frankさんの資料室「Tung-Sol 5639」規格表が参考になります。この細身のバルブに6.3V0.45Aのヒーターですので発熱は多い印象です。規格表によるとプレート損失が3.5Wなのですが大丈夫でしょうか。この数値は放熱器のようなものをを付けないと厳しいのでは?と考えます。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.44A三極管接続Ep=130VEg=-7.7VIp+Ig2=12.01mAIg2=2.67mArp=2157Ωgm=5672μSμ=12.2V/V五極菅接続Ep=130VEg2=65VEg=-2.2VIp=12.09mAIg2=2.48mArp=62455Ωgm=7045μSμ=440.0V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.42A三極管接続Ep=130VEg=-7.2VIp+Ig2=11.81mAIg2=2.52mArp=2127Ωgm=5827μSμ=12.4V/V五極菅接続Ep=130VEg2=65VEg=-2.0VIp=11.65mAIg2=2.36mArp=80175Ωgm=7631μSμ=611.8V/Vフルパワーで0.25Wくらい出ます。ただ、ヒーター点灯だけで相当熱くなります。とにかく、熱を逃がすにはサイズが(面積が)小さすぎます。正直、小型という意外に何らメリットはありませんが、それと引き換えに小さい真空管で音が出るという楽しさはありますね。三結でμが12くらいですのでTUBE-P01Jの初段にギリギリ使えるかどうか。バイアスも違うので色んな意味で厳しいです。
Sep 22, 2025
コメント(0)
![]()
11E2(CV276)という真空管を紹介します。秋葉原の真空管ショップで見つけました。因みに箱にはITTという印字でした。ちょうどSTCからITTへの切り替わりの頃でしょう。ピン配置はプレート以外は6L6などと同様でプレートのみサイドに出ています。高電圧に対応するためでしょう。窓から中の電極が見えます。高電圧動作に特化した構造のようです。しっかりした造りですね。規格は、The Valve Museum「11E2」と、The Valve Museum「CV276」が参考になります。レーダーのパルス増幅管のようで、とにかく瞬時に大電流を通すための真空管です。そのぶん、カソードから一気に電子が出るようにヒーター電力が大きいです。この小柄なバルブの電極で6.3V0.9A(807や6L6と同じ)です。逆に言えば、過大に電流を流さないオーディオ用途では大きなヒーター電力は必要無いのでは??そして規格通りにヒーターを焚いてしまうと、一般的な真空管より早くカソードの能力が落ちてしまうのでは??という印象を受けます。そこで今回はヒーター電圧6.3Vと5.0Vで測定することにしました。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.91A三極菅接続Ep=230VEg=-21.9VIp+Ig2=17.11mAIg2=1.44mArp=2167Ωgm=4062μSμ=8.8V/Vビーム管接続Ep=230VEg2=75VEg=-5.1VIp=16.80mAIg2=0.25mArp=66146Ωgm=5840μSμ=386.3V/VEh=5.0V, Ih=0.81A(6.3V換算で0.64A)三極菅接続Ep=230VEg=-21.5VIp+Ig2=17.07mAIg2=1.44mArp=2177Ωgm=4014μSμ=8.7V/Vビーム管接続Ep=230VEg2=75VEg=-4.7VIp=17.11mAIg2=0.24mArp=84486Ωgm=5928μSμ=500.8V/Vヒーター電圧を5Vに落としてもビクともしません。カソードの能力は十分な印象です。試しにヒーター電圧を4Vにしてみました。Eh=4.0V, Ih=0.74A(6.3V換算で0.47A)三極管接続Ep=230VEg=-21.0VIp+Ig2=17.07mAIg2=1.43mArp=2211Ωgm=4165μSμ=8.8V/V全然悪くないのですが、ヒーターはかなり暗く、カソードも加熱しきれていない印象です。単純にIp特性のみを見る限りは4Vまで落とせるように見えますが、4Vでの長期間運用はカソードが燻って音の抜けが悪くなると思われます。因みにヒーター電力は5V時は6F6より少し高い程度で、4V時は6K6より少し高い程度です。【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.91A三極菅接続Ep=230VEg=-22.9VIp+Ig2=16.89mAIg2=1.38mArp=2150Ωgm=3911μSμ=8.4V/Vビーム管接続Ep=230VEg2=75VEg=-5.4VIp=17.10mAIg2=0.18mArp=67098Ωgm=5958μSμ=399.8V/VEh=5.0V, Ih=0.78A(6.3V換算で0.62A)三極菅接続Ep=230VEg=-22.3VIp+Ig2=17.09mAIg2=1.40mArp=2143Ωgm=3991μSμ=8.6V/Vビーム管接続Ep=230VEg2=75VEg=-5.0VIp=17.22mAIg2=0.18mArp=68489Ωgm=5913μSμ=405.0V/V230Vで17mA。12kΩの負荷が最適ですね。プレート損失5Wは使いにくいですが、割と効率良く出力電力がとれます。三結でも定電圧領域までしっかり振れる印象ですね。とはいえ、使い勝手は良いとはいえません。あまり手を出さないほうがよいです。今回の測定から、ヒーターやカソードの色味からも5.0Vでも余裕がありそうであることがわかりました。一般に「ヒーター電圧を下げるのは悪だ」とは言われますが、自分の真空管で何をやっても勝手だと思っています。この真空管は二度とレーダーには使われず私の玩具となりますので。
Sep 21, 2025
コメント(0)
![]()
SIEMENSのE2cという真空管を紹介します。手持ちはロットが異なっていてプリントも微妙に違います。E2cの規格は、Frankさんの「RFT E2c」規格表が参考になります。測定結果からビーム四極管だと思われますが、とりあえず本記事では五極菅として扱います。あしからず。真空管を下から見てベースの出っ張りから右回りに1番:プレート2番:ヒーター3番:スクリーングリッド4番:コントロールグリッド5番:カソード6番:ヒーター7番:シールド(センターピン)です。ピン配置以外はE2bと同じです。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=18.0V, Ih=0.35A三極管接続Ep=220VEg1=6.2VIp+Ig2=34.23mAIg2=3.75mArp=2162Ωgm=8693μSμ=18.8V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=3.8VIp=34.36mAIg2=3.70mArp=41797Ωgm=9344μSμ=390.6V/V【2本目】Eh=18.0V, Ih=0.33A三極管接続Ep=220VEg1=6.4VIp+Ig2=33.71mAIg2=2.97mArp=2138Ωgm=8651μSμ=18.5V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.0VIp=33.92mAIg2=3.18mArp=42851Ωgm=9037μSμ=387.2V/V測定結果から、ほぼE2bと同じことがわかりました。多少異なる箇所はありますが、製造のバラツキ或いは測定誤差といえるでしょう。ロットによる違いらしきものは、その程度でしょう。良く出来ている球だと思います。E2b、E2c、E2d、E2eは規格表や紹介サイトによってTETRODE(四極管)とPENTODE(五極菅)の表記があるようですが、測定する限りでは純粋な四極管ではないと思います。純粋な四極管であればIpカーブが汚い(汚いは語弊がありますね)ダイナトロン特性になっているはずです。角の立ったな肩特性からしてビーム四極管管であると思われます。(真空管を割ってみればわかりますけど、私は怖くて出来ません)やや乱暴な発言になってしまいますが、ただ漠然とアンプを組んだり漠然と真空管を集めている私たち素人にとっては五極菅でもビーム四極管でも肩から下は絶対使わないので「割とどうでもよいこと」だと私個人は思っています。そもそも、規格表でさえ正確でないこともあるわけで..。(たまに規格表の数値そのものが間違っていることもありますし)
Sep 15, 2025
コメント(0)
![]()
SIEMENSのE2bという真空管を紹介します。ヤフオクで長らく売れ残っていたようなので私が里親になりました。SIEMENSのイエローリボンでも誰も手を出さないことから、やはり海外富裕層コレクターは銘球以外には興味が無いということでしょうか。このE2系統が駄球かどうかは測定すればわかります。E2何々の系統の球を調べてみると、以下のようなものがあるみたいですね。 E2b:18V0.36A、Post7ピン、トップ:コントロールグリッド、サイド:プレート E2c:18V0.36A、Post7ピン E2d:4V1.5A、Post7ピン E2e:18V0.36A、Post9ピンE2bの規格表がみつからないので、Frankさんの「RFT E2c」規格表が参考になります。規格表ではPENTODEと書かれていますが、RadiomuseumではTETRODEと書かれています。測定したIpカーブの肩特性からは、純粋な四極管ではなさそうでビーム四極管のように思えます。とりあえず本記事では五極菅として扱います。あしからず。国内でのレポート記事は図面フライング倶楽部「E2b」くらいでしょうか。18V0.36Aというと6.3V換算で1.03Aです。6V6のプレート損失12Wより低い10Wで、ヒーター電力は倍以上あります。高gm設計のため、少し高目の消費電力なのでしょうか。E2b,E2c,E2dはピン配置は同じですが、E2bのみグリッド(トップ)とプレート(サイド)が外に出ています。ベースの出っ張りを1番として右回りに、1番:NC(E2cではプレート)2番:ヒーター3番:スクリーングリッド4番:NC(E2cではコントロールグリッド)5番:カソード6番:ヒーター7番:シールド(センターピン)サイドがプレート、トップがコントロールグリッドですので、接続を間違わないようにしてください。E2cとE2dはピン接続は同じですが、ヒーター電圧が異なるので差し替えには注意が必要です。余談ですが、E2eのピン配置はRS1003ともF2aとも異なります。ガラス繊維でユニットがフローティング支持されていることがわかります。内部構造は、シールドに囲まれていてよくわからないですね。頑強な造りです。ヒーターを灯すとこんな感じです。良い感じですね。さっそくetracerで特性を測定しましょう。220V34mA付近を見ます。【1本目】Eh=18.0V, Ih=0.36A三極管接続Ep=220VEg1=6.8VIp+Ig2=33.81mAIg2=3.77mArp=2167Ωgm=9025μSμ=19.6V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.4VIp=34.35mAIg2=3.80mArp=496811Ωgm=9293μSμ=435V/V【2本目】Eh=18.0V, Ih=0.36A三極管接続Ep=220VEg1=6.3VIp+Ig2=34.35mAIg2=3.74mArp=2142Ωgm=6373μSμ=20.1V/V五極菅接続Ep=220VEg2=180VEg1=4.1VIp=34.13mAIg2=3.79mArp=623831Ωgm=9460μSμ=590.1V/V五極菅接続においてスクリーングリッド電圧は180Vで十分であることがわかります。低電圧時のIpの肩がカチッと立っていて気持ち良いですね。Ip特性としては直線性は悪く、三極管接続5kΩ負荷の0.8Wで6%前後、五極菅接続1.5Wで8%でです。しかし直線性のみが真空管の性格付けをするわけでもなく、前段との組み合わせやトランスの特性やNFBの有無などでも大きく変わります。そもそもスピーカーは純抵抗負荷ではありません。ハイgmで、僅かな入力電圧でフルパワーが出せるのが嬉しいですね。似たクラスの6V6に比べて以下のような特徴かなと。・6V6よりプレート損失が若干低く、・6V6よりrpが低く、・6V6より感度が高く・6V6よりヒーター電力が大きい。なかなか良い真空管だと思います。
Sep 14, 2025
コメント(0)
![]()
Ecという真空管を紹介します。オークションで入手しました。残念ながらオリジナル状態ではなく、導電性塗装が剥がされています。導電性塗装が定着しやすいようにガラス表面は荒れています。(中がぼやけて見にくいですね)オリジナルとしての価値としては無くなりますが、構造を把握するうえではこれのほうが良いです。普通のオーディオ用途として使う分にはシールド塗装の有無は殆ど問題ないと思います。ヒーターが二重螺旋のようになっていますね。興味深いです。グリッドに放熱器が付いています。グリッドのすぐ外に電極があるように見えるのですがよく見えません。もしかしたら四極管構造になっているのかもしれません。(近代的な三極管は四極管を三極管接続しているものが見受けられます)中の電極構造が見えます。グリッドに対してプレートが両側に立ててある構造です。規格はFrankさんの資料室の「RFT Ec」規格表が参考になります。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=18.0V, Ih=0.75AEp=250VEg=-28.7VIp=59.96mArp=865Ωgm=7412μSμ=6.4V/V【2本目】Eh=18.0V, Ih=0.74AEp=250VEg=-28.8VIp=59.89mArp=845Ωgm=7579μSμ=6.4V/V直線性は良くありませんが低内部抵抗ですね。250V -29V 60mA 3.5kΩで最大3.17W。歪率は7.18%です。rpから考えればNF不要ですが、歪率で考えるとNFを描けて最大出力時の歪率を下げたい気もします。若しくは前段を上手く使って歪み打ち消しとするかですね。
Sep 13, 2025
コメント(0)
![]()
フランスSIFのPTT10Fという真空管を紹介します。水平に置かれたプレートが良いですね。フィラメントは2点吊りです。良い造りです。PTT10FはWestern Electric 101Dの同等管といわれています。ということは、Ef4.5VIf1Aですね。101Dの規格はFrankさんの資料室の「Western Electric 101D」規格表が参考になります。PTT10FはB4ベースでPTT10は101D同様のスモールUVですね。101Dに関してはUXベースの中国製もあるので、割と使いやすいかもしれません。しかしプレート損失は3W程度なので、まぁ0.3W出るかな程度です。でも93dBくらいのスピーカーで静かに聴くには0.3Wもあれば十分すぎる出力だと思います。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=4.5V, If=1.00AEp=190VEg=18.0VIp=10.08mArp=5074Ωgm=1079μSμ=5.5V/V【2本目】Ef=4.5V, If=0.98AEp=190VEg=17.6VIp=10.03mArp=5284Ωgm=1044μSμ=5.5V/V【3本目】Ef=4.5V, If=0.99AEp=190VEg=17.4VIp=10.06mArp=5430Ωgm=1020μSμ=5.5V/V【4本目】Ef=4.5V, If=0.99AEp=190VEg=16.9VIp=9.82mArp=5340Ωgm=1069μSμ=5.7V/V出力はあまりとれませんが、魅力的な真空管だと思います。何よりもB4ソケットに挿せるのがよいですよね。
Sep 12, 2025
コメント(0)
![]()
SIEMENSのCeという真空管を紹介します。ラベルは剥がれてしまっています。とにかくこの電極の美しさが良いです。たまらんです。フィラメントは2点吊り。以前紹介したSIEMENS Caの系統の造りですね。見た目は芸術品のような造りですが、きっと当時の最も性能が安定する電極の作り方だったのだと思います。CeはCaの効率を高めた物だそう。ただし、フィラメント電圧はCaの3.7Vではなく3.8Vです。(因みにCaは3.7V1.1Aです)規格は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RFT Ce」が参考になります。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=3.8V, If=0.51AEp=200VEg=-12.2VIp=12.01mArp=5088Ωgm=1400μSμ=6.9V/V【2本目】Ef=3.8V, If=0.51AEp=200VEg=-12.1VIp=12.01mArp=4981Ωgm=1386μSμ=6.9V/V古典管なのに恐ろしい程に揃っています。以前紹介したVALVOのCaと比べても、どことなく似た特性ですが、フィラメント電力が小さいので、抑え気味のIpカーブです。よく「Caの低電力版」のように云われていますが、別物です。美しい真空管を所有できて幸せです。
Sep 11, 2025
コメント(0)
![]()
フランスRTのPTT0という真空管を紹介します。Bo同等という話を聞いたので、本当に同じなのか確認するために購入しました。ウワサには聞いていましたが、ビーム電極のような板があります。因みにフィラメントは1点吊りのΛ型です。板はフィラメントの両端にそれぞれ接続されており、ビーム電極のように振る舞うのかもしれません。規格は、フィラメント1.8V(1.75Vかもしれません),1.1A。プレート220Vグリッド-6V時に プレート電流3mA 、μ₌15、gm₌0.6mA/V。最大プレート電圧₌250V プレート損失₌2Wとのこと。以前紹介したBoに相当するものだそう。ただ、Boのプレート損失は小さいと思います。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=1.8V, If=1.03AEp=200VEg=-5.4VIp=2.92mArp=22631Ωgm=532μSμ=12.0V/VIpカーブが揺れてますが、古い球はこういうものが結構あるようです。そもそも製造から100年近く経っているのに動くのですから、その時点で奇跡です。因みに普通のチューブチェッカでは針が正常値に表示されるはずです。Ipカーブが直接見られる測定器だから余計に気になってしまうというだけで、ある程度電流を流してある領域ではほぼ影響は無いと思われます。【2本目】Ef=1.8V, If=1.03AEp=200VEg=-5.3VIp=2.95mArp=25026Ωgm=623μSμ=15.6V/V因みに測定レンジは違いますが、こちらがBoです。200Vの-3Vで4mA程度なので確かに....。測定値自体もほぼ同じです。μは15程度ですし。rpはPTT0のほうが低いかな。とりあえずPTT0はBo同等と云って良いかもしれません。ただ、初期型Boは明らかにプレートが小さいので全く同じようには使えないと思います。指定されているフィラメント電圧も微妙に異なりますし。
Sep 10, 2025
コメント(0)
![]()
RFTのBaという真空管を御紹介します。以前紹介したBaという真空管や、PTT2、そして先日のSIFのBaにつづき、今回はRFTのBaです。頑強な造りです。良いですね。早速etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=3.5V, If=0.46AEp=180VEg=-3.2VIp=2.51mArp=30857Ωgm=497μSμ=15.3V/V【2本目】Ef=3.5V, If=0.45AEp=180VEg=-2.7VIp=2.53mArp=29745Ωgm=524μSμ=15.6V/V大変良好です。Baばかり持っていて、もう、Baを4パラシングルにしたらスピーカーをガンガン鳴らせるのでは?と思ってしまいます。一体私は何をしているんだ...
Sep 9, 2025
コメント(0)
![]()
SIFのBaという真空管を紹介します。以前紹介したBaという真空管や、PTT2と同じです。というよりや、PTT2と同じ物でした。左がSIFのPTT2、右がSIFのBaです。印字が違うだけでした。構造も同じですね。また似たような物を買ってしまいました。というか同じ物ですね。まぁ、美しい構造の真空管を沢山持つと幸せになれるので、これでよしとします。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=3.5V, If=0.47AEp=180VEg=-4.8VIp=2.53mArp=23531Ωgm=616μSμ=16.5V/V【2本目】Ef=3.5V, If=0.47AEp=180VEg=-5.4VIp=2.52mArp=20595Ωgm=764μSμ=15.7V/V2本の特性バラツキはあるものの、良好な状態でした。μが16あるので、使いやすいと思います。バイアスも5Vあるので、手前で昇圧するのが良いでしょうね。プリント名がBaと書いてあるだけで、以前紹介したPTT2と全く同じでした。同じかどうかは手元に来ないとわからないものです。迷わず買えよ、買えばわかるさ。
Sep 8, 2025
コメント(0)
![]()
Biという真空管を紹介します。なぜ買ってしまったのか記憶にありません。Biは電圧増幅に良さそうな傍熱の三極管です。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「RFT Bi」規格表が参考になります。Amplification factorが書かれていませんが、測定すればわかります。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=4.0V, Ih=1.05AEp=220VEg=-4.2VIp=8.02mArp=11981Ωgm=2228μSμ=26.7V/V【2本目】Eh=4.0V, Ih=1.05AEp=220VEg=-3.7VIp=8.05mArp=12141Ωgm=2269μSμ=27.5V/V25kΩ負荷で26程度のμです。使いやすい電圧増幅管かと思います。因みに出力管として使った場合は0.1Wくらいしか出ません。
Sep 7, 2025
コメント(0)
![]()
STCの3B/240M(CV2214)という真空管を紹介します。わけもわからず買ってしまいました。STCという名前だけで買い漁る業者(笑)ではなく、見た感じで使えそうかなと感じたからです。そして漠然とした想いは確信へと変わったのです。見た目が「私はハイgm管だ」と言わんばかりですね。ヒーターを灯すとこんな感じ。規格は、Tube Zone 「3B/240M」が参考になります。グリッドはマイナス領域もありますがプラス領域をたっぷり使わないとパワーが出ません。オーディオ用途のシングルA級で使うにはどうしましょうか....。etracerで特性を測定しましょう。最大Pdに近い300V40mAあたりで見ます。実際の動作はもっと低目の35mAあたりがいいかも。【1本目】Eh=6.3V Ih=1.11AEp=300VEg=-1.1VIp=39.99mArp=4041Ωgm=23008μSμ=93.0V/V350V -1.75V 35mA 7kΩ負荷で0.8W出ます。こんなもんで良いのでは??プラス領域も見ましょう。おお、いい感じですね。【2本目】Eh=6.3V Ih=1.11AEp=300VEg=-1.0VIp=40.48mArp=3964Ωgm=25152μSμ=91.8V/Vそしてプラス領域。300Vかけて-1.2V程度のバイアス基準でプラスまで振りきれば簡単に2Wは出ます。これは前段に入力トランスを入れれば普通に1段だけで動きますね。ただし高感度なので、回路や配線に気を遣わないと発振してしまいそうです。なかなか面白い真空管です。
Sep 6, 2025
コメント(0)
![]()
MOVのMPT4という真空管を紹介します。良いです。持つ喜びです。以前紹介した英MAZDAのAC/PEN類似かと思いましたが、微妙に異なります。MPT4のほうが太くて短いです。電極の位置関係も異なります。これで「似たような物ばかり買って」と言われずに済みます。こちらが今回紹介するMPT4です。少し偏平した電極配置です。こちらが以前紹介した英MAZDAのAC/PENです。あれ、良く見るとコントロールグリッドとスクリーングリッドが真円じゃないんですよね。それぞれ1本の柱に支持されているだけです。なんで両側から支持しないんだろう...?MPT4の規格に関しましてはThe Valve Museumの「MPT4」が詳しいです。The Valve Museumの記事によると、英MAZDAのAC/PENに遅れて開発されたとのこと。「結局、他のメーカーから同等品を購入し、ラベルを貼り直すことで問題を解決しました。」というのはよくわかりませんが、とにかく設計が難航していたのでしょう。因みにAC/PENの規格に関してはFrankさんの資料室の「EDISWAN BROADCAST RADIO AND TELEVISION VALVES, TRANSISITORS & PICTURE TUBES 1960 Data Booklet」が詳しいです。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Eh=4.0V, Ih=0.98A三極管接続Ep=200VEg1=-15.2VIp+Ig2=25.03mAIg2=4.52mArp=2591Ωgm=2592μSμ=6.7V/V五極菅接続Ep=200V, Eg2=160VEg1=-8.0VIp=25.13mAIg2=4.90mArp=144648Ωgm=2928μSμ=423.5V/V五極菅接続ではAC/PENよりG2が効きますのでG2電圧を160Vにしました。【2本目】Eh=4.0V, Ih=1.02A三極管接続Ep=200VEg1=-14.5VIp+Ig2=25.17mAIg2=3.80mArp=2592Ωgm=2750μSμ=7.1V/V少し段付が見えます。五極菅接続Ep=200V, Eg2=160VEg1=-8.0VIp=25.13mAIg2=4.90mArp=144648Ωgm=2928μSμ=423.5V/VAC/PENよりrpが低くgmが高い印象です。バイアスも異なりますね。結論としては、AC/PENとの差し替えはEg2を下げカソード抵抗を変えてあげないと難しいということです。また、MKT4とも異なります。遠からず...ですが、似て非なるものですね。でも、みんな違って、みんないい。ということで。
Sep 1, 2025
コメント(0)
全16件 (16件中 1-16件目)
1
![]()

