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今日のまとめ中国の習近平は最初の外遊先にロシアを選んだ今回のトップ会談で「東方ガスプログラム」が前進する可能性がある「東方ガスプログラム」はウラジオストックを終点とする公算大日本にとっても極めて関心の高い問題習近平のロシア訪問で「東方ガスプログラム」が前進か?中国の新しい最高指導者である習近平総書記が三月下旬にロシアを訪問します。今回のトップ会談で長年懸案となってきた「東方ガスプログラム(Eastern Gas Program)」が前進するのではないかと見られています。「東方ガスプログラム」とは「東方ガスプログラム」とはロシアの天然ガス会社、ガスプロムが中心となって計画している巨大なプロジェクトを指します。それは東シベリアの天然ガスをパイプラインによってウラジオストックまで持って来て、そこで液化天然ガス(LNG)に加工し、中国やその他のアジア地域の諸国へ輸出する計画です。このプロジェクトは総額400億ドルにものぼる莫大な先行投資が必要となるため、これまでも折あるごとに話題にのぼりながら、進展がありませんでした。結局、当初計画されていた、直接天然ガスパイプラインを中国へつなげる方法は退けられ、今の時点ではウラジオストックをパイプラインの終点とし、そこに液化天然ガス(LNG)のプラントを建設して、LNG船で輸出するという方法に落ち着くと言われています。このパイプラインは下記の天然ガス田から生産される天然ガスを輸送します:ユルブチェノ・タモホ天然ガス田 (確認埋蔵量7,000億立方メートル)ソビンスコ天然ガス田 (同1,700億立方メートル)コヴィクタ天然ガス田 (同2兆立方メートル)チャヤンダ天然ガス田 (同1.2兆立方メートル)サハリンI・II天然ガス田 (同9,000億立方メートル)このうちサハリンから出る天然ガスに関してはハバロフスクまで既にパイプラインが通っています。「東方ガスプログラム」で新たに建設されるパイプラインは3,200キロメートルに及ぶと言われています。ウラジオストックに建設される液化プラントは年産1,000万トンの処理能力を予定しています。このプロジェクトに関しては、「折角、東シベリアから延々とパイプラインを引っ張ってきて、直接中国に連結しようと思えばそちらの方が安く上がるのに、なぜわざわざウラジオストックで一旦液化して、そこからLNG船で輸出するという、手の込んだ方法を採用するのだ」という批判の声も上がっています。これに関してはパイプラインを中国に直接引き込むと、顧客が中国だけになってしまい、価格交渉の際、立場が弱くなるというジレンマを避ける狙いがあると思われます。またLNGにして輸出すれば、変動の激しいスポット市場で有利に天然ガスをさばくことも出来ます。一方、日本や韓国の立場からすればロシアからLNGを買えるようになれば、カタールやオーストラリアへの依存比率を減らすことが出来るので、価格交渉を有利に進めることが出来ると予想されます。このためロシアがウラジオストックでLNGプラントを建設する際の借款などにも積極的に参加することが予想されるのです。つまりロシアは中国、日本、韓国を競争させることで、有利な融資・輸出条件を導き出そうとしているわけです。長期での需要予想いま長期での世界の天然ガス生産と消費がどのように成長するかを考えた場合、アジアの重要性が際立っています。したがって、ロシアは今回の習近平の訪ロで何としてでも「東方ガスプログラム」の商談を前進させたいわけです。そしてこれは日本にとっても極めて重要な意味を持つ材料です。
2013年02月28日

今日のまとめ2月の製造業購買担当者指数(速報値)は、予想外に悪かった内容的にもモメンタムの喪失を感じさせるものになっている中国経済の景気循環的回復がモメンタムを失ったか、注意深くモニターすること製造業購買担当者指数中国の2月の製造業購買担当者指数(速報値)は市場予想の52.2に対して結果50.4と悪い数字でした。なお今日発表された数字はあくまでも速報値ですので、最終的な判断のためには確報値の発表を待ちたいと思います。崩れたトレンドそれを断った上で、今回の落胆すべき製造業購買担当者指数の数字は注意すべきだと思います。その理由は先ず過去5カ月連続して改善してきたトレンドが破られたことが挙げられます。次に内容をみると新規輸出受注が減少に転じている点が目を引きました。これはいままでとは違う展開です。また受注残も減少に転じました。これを受けて購買担当者は仕掛け品在庫の手当てを減らしています。さらに納品までの期間も短くなっているそうです。これらはいずれもここ数カ月のトレンドとは逆の動きであり、景気循環的な中国経済の回復が、早くも息切れしている事を示唆しています。これは最近の銅や鉄鉱石などのコモディティを扱う企業の株価が冴えないこととも一致しています。中国政府は主要都市において再び不動産セクターに対する無節操な融資を抑制する方針を打ち出しています。このことは中国経済の成長のペースが、昔のような9~10%には戻れないことを示唆していると思います。いずれにせよ1~2月は中国の経済指標がいちばんブレやすい時期ですので、性急な判断は禁物かと思います。暫く細心の注意を払いながら状況をモニターしたいと思います。
2013年02月25日

今日のまとめ輸出、輸入ともに強かったが、それは営業日数が多かったため消費者物価指数は2%前後で安定へ生産者物価指数は中国経済の景気循環的回復を反映貿易統計中国の1月の輸出は前年比+25%の1兆1,800億人民元(約1,893億ドル)でした。因みに12月は1,992億ドルです。輸出の増加率(前年同期比)は2012年8月+2.7%2012年9月+9.9%2012年10月+11.6%2012年11月+2.9%2012年12月+14.1%2013年1月+25.0%ということになります。一方、中国の1月の輸入は前年比+28.8%の9,900億人民元(約1,588億ドル)でした。因みに12月は1,676億ドルです。輸入の増加率(前年同期比)は2012年8月-2.6%2012年9月+2.4%2012年10月+2.4%2012年11月±0.0%2012年12月+6.0%2013年1月+28.8%ということになります。すなわち今回は輸出も輸入も去年の2月以来で最も高い伸び率だったということです。これは歓迎すべきニュースですが、中国の貿易統計は毎年、春節がどの期間に統計的に捕捉されるかで、乱高下しやすいです。従って1~2月の合計で均して考える必要があるように思います。実際、今回の統計では営業日が22日あったのに対し、去年の1月の統計では17日しかありませんでした。従って増加分の大半は、この営業日数の差で説明できるように思います。物価中国の1月の消費者物価指数は+2.0%でした。これは市場予想と同じでした。因みに12月は+2.5%でした。生産者物価指数は-1.6%でした。これも市場予想と同じでした。因みに12月は-1.9%でした。消費者物価指数は2%前後を中心として横ばいの様相を呈しています。一方、生産者物価の回復は中国経済が景気循環的な回復局面にあり、製造業の活動が活発化していることを示唆しています。
2013年02月12日

今日のまとめインド経済は、ほぼ全ての点で期待を下回るパフォーマンスである政府による経済の改革が遅々として進んでいない外国からの気まぐれな投資資金に過度に依存する不健全な体質IMFの「アーティクル・フォー」が発表された国際通貨基金(IMF)がインドの年次協議報告書(Article IV Consultation)を発表しました。2004年から2009年にかけて年率8.5%で成長してきたインド経済は現在年率+5.4%程度(2012~2013会計年度)に下がってきています。IMFはインドの経済成長が伸び悩んでいる原因として電力不足などの構造的な問題、ならびに政府の政策がビジネス・フレンドリーではないことなどを指摘しています。インドの物価は他の新興国の平均に比べて3パーセンテージ・ポイントほど高い状態が続いています。インドは輸入超過に陥っています。また経常赤字も慢性的に悪い状態が続いています。また政府の財政赤字体質も遅々として改善していません。インド政府はこうした落胆すべき経済のパフォーマンスに鑑み、一連の改革を打ち出しています。具体的にはディーゼルの統制価格の値上げ、LPガスへの補助金に数量制限を設けること、政府系送電会社の債務の再編、内閣に大型プロジェクトに関する一本化した窓口を設けることなどです。インドの現在の外貨準備高は約2,900億ドルです。これは去年の3,050億ドルから減少しています。また毎年輸入額が増えているので外貨準備が輸入の何カ月分をカバーしているか? の比率はどんどん悪化しています。これが4カ月台に突入すると外貨準備の増減で為替が乱高下する状態になりかねません。インドは経常収支の赤字を外国からの投資で補う形になっています。今のところ海外の投資家はインドの成長ストーリーを信じて継続投資をしています。しかし外人投資家を本当に安心させるためには小売業の規制緩和をはじめとする、長年の懸案をどんどん処理してゆく必要があると思われます。
2013年02月08日

今日のまとめブラジルは新規受注を中心に好調だったロシアも受注が強かったインドだけは停電の影響で指数が下落した中国は新規受注が好調だったブラジルブラジルの1月の製造業購買担当者指数は53.2でした。これは去年の12月の51.1から大幅に改善したことを意味します。また1月の53.2という水準は2011年2月以来、過去23カ月で最高です。内訳を見ると先ず新規受注が急増しています。新規輸出受注も2カ月連続で伸びました。一方、生産は5カ月連続拡大しています。生産のペースの拡大は過去23カ月で最も速かったです。このような増産にもかかわらず受注残も増えています。このためメーカーは在庫拡充に走っています。さらに雇用も過去10カ月で初めて増加に転じました。このように今回のブラジルの製造業購買担当者指数はあらゆる面で良い数字だったと言えます。ロシアロシアの1月の製造業購買担当者指数は52.0でした。これは2012年12月の50.0から大幅な改善です。新規受注は過去22カ月で最も良い数字でした。このため受注残も増加しました。この反面、製造業における雇用は3カ月連続現象しています。仕入品の値上がり圧力は余り強くありませんでした。インドインドの1月の製造業購買担当者指数は53.2でした。これは2012年12月の54.7から悪化したことを意味します。現在の水準はまだまだ強い数字には違いありませんが、BRICs各国の中でインドだけがトレンドが逆になっている点が目をひきます。断続的な停電が生産の足を引っ張りました。新規受注は伸びていますが、そのペースは鈍化しています。完成品在庫は少し減り、メーカーが在庫を取り崩す事で顧客の注文を充足したことを示唆しています。中国中国の1月の製造業購買担当者指数は52.3でした。これは2012年12月の51.5からさらに拡大したことを意味します。生産は2011年3月以来、最も速いペースで拡大しました。新規受注も4カ月連続で拡大するなど好調です。先月減少を見た新規輸出受注も再び増加に転じました。地域別では欧州と米国からの受注が好調です。これを受けて購買活動も加速しています。雇用は若干の拡大を見ています。まとめBRICsの製造業は、今、良い環境の中にあります。重要なクリスマス商戦期間がまずまずの結果だったことを受けて米国や欧州の顧客のマインドは良好です。それはBRICs各国の購買担当者指数の新規海外受注の数字にも反映されています。言い換えれば先進国発の景気鈍化リスクは後退したということです。
2013年02月04日
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