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2009.05.23

予算の大幅カットを迫られる一方で売上げや品質の向上だけは求められ「そんなん、実際にどうせえ言うねん！」と切れながらパソコンに向かっている上司、泣く泣く部下を解雇せざるを得ない立場に陥りずっと眉間にシワが寄りっぱなしの部門長、家族の帰国が決まり引越しや解約などの手続きで忙しいのに仕事はあいにく繁忙期、家と仕事の板ばさみでアップアップの駐在者。

そんな中に、元気いっぱいのいい気な顔で「おはようございまーす」などと呑気にあいさつしながら出社してくる中年野郎がいる。こちとら寝不足でイライラしている時に、この呑気なあいさつが気に障る。それにしても、年の頃は自分たちと一緒なのに、とても40代とは思えないこの軽さは何だ。与えられた翻訳や通訳仕事だけを淡々とこなし、終業のチャイムが鳴るとトットと帰っていく。人が仕事や家庭のイロイロで頭を痛めているときに、嬉しそうな顔でアイアンマンだとかいった世間離れしたことばかり話している。現地採用の日本人野郎というのは一体何を考えているのかと思ってしまう。

いい年こいて、仕事でも家庭でも責任を負わない立場をキープしてヘラヘラしているこの中年野郎。許せない。製造業のこの職場で、自分はここに属してませんといった顔でコギレイな格好をし、つねに丁寧語で喋りやがる。現場叩き上げの自分たちをコバカにしてるのか。日本人のクセにペラペラ英語を話すのも気に入らない。日本人ならもっと日本人らしい英語を話しやがれ。女の子たちにまじって何が通訳者だ。海外営業でもしてやがれこのオヤジ。

なので、なんとかしてこの現地採用の独身中年野郎をへこましてやりたいと思ってしまう。
自分がどんなミジメな立場にあるかとことん思い知らせ、もっともっと自分の立場を焦り、もっと謙虚で、つねに「申し訳ありません」といった顔をしているようにさせてやりたいではないか。

ホントは酒でも飲みに連れ出して、みんなで絡みまくって泣かせてやりたいところなのだが、コイツは酒も飲まないという。仕事をしてないときはいつも「トレーニング」をしているらしい。「トレーニング」だと(笑)。酒も飲まなければタバコも吸わず、ヒマなときは走っているか泳いでいるか自転車に乗っているそうだ。何が面白くて生きているのか。そうそう、またこの趣味が「トライアスロン」だとかいうのも気に入らないのだ。

なので、ほかの駐在員が居合わせている時はコイツに対しとことん高圧的に出て、卑屈になるコイツの姿を見せてやるのだ。しかし生意気にも、コイツはいつもうまい具合にボケて、ほかの駐在員の笑いをとってしまいやがる。これではダメだ。
ちょうどいい具合に、コイツの雇用契約の更新が迫っているらしい。自分の立場を思い知らせてやるにはいい機会だ。イッチョからかってやろう。

○○さん、コイツは今月いっぱいで契約切れるんで、出張から日本に戻られたら、もうコイツと会う機会もないかも知れないんで、今のうちに仕事を与えてやってくださいね。
…どうだ？…お、コイツ、笑ってやがる。ここは怒った顔か悲しい顔をする場面だろ！だからコイツには腹が立つのだ。

ああ、そうこうしているうちに雇用契約の更新が決まっちまったらしい。自分の立場を思い知る前に、また増長しやがるではないか。
とは言え、新機種の立ち上がりまでは通訳がどうしても要るし、コイツに頼らざるを得ないというのがまた悔しいんだよなあ。そうでなければ「オマエなんていつでもクビにしてやる」と脅かしてやるところなんだけどなあ。

参考：アブナイ！独身中年　→ リンク

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