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kugutsushi

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2003.04.29
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カテゴリ: ことば
なんか、扱っている話題のせいか、ac.jp とか go.jp、co.jp あたりからのアクセスがそこそこあって(といっても絶対数がすくないんだけど、go.jp から楽天なんかにアクセスしていいのかぁ、職務中に)、あんまり変なこと書いてると、おしかりをいただかないか、ちょっとひるんでいる今日この頃であった...。私は小心者なので IPA の辞書バカとか気軽に書けなくなっちゃう。別に悪気はなくて、単に語彙数が少なすぎて、よほど鍛えないと実用で使えんって言ってるだけなの。ん、もっとひどいかな (笑)。

まあ、実際のところ、せっかくの ipadic という国民的資産を有効活用しないのは、非常にもったいないと思っているだけなのだ。結局、日本というのは社会的資産を作り出すのに意外に無関心だったりする国なのかなぁ。昔、学際的なんていう言葉が流行った時期があるが、そこから社会資産を作り出そうとかいうのがかけていたのかな。悲しいなぁと思う。そういうものがあれば、いろんな研究で役に立てられるだろうに。

そんなわけで、今日はそれとは関係のない外来語の話を続けようかと思う(つながりが分からん)。

「外来語」委員会の議事録要旨を眺める

「独立行政法人国立国語研究所「外来語」委員会 第1回 議事要旨」からざーっと眺めて思ったことをちょっと書いてみよう。

「日本語の世界で、新聞、雑誌、放送などの中で外来語がどのくらいの割になっているのか。10年単位でいったときにどういう新しい言葉が出てきているのか。国立国語研究所でこういった調査を行うことが是非とも必要である」つまりやっとらんということか。どの程度何をやっているんだろう。「第22期の国語審議会の外来語の取り扱いについての考え方表では、I類が定着していると見なせる語、II類とIII類が定着が十分でない語として分類しており、グレーゾーンがない」という記述からすると、ある程度、最近のことについてはやっているということか (グレーゾーンという外来語は言い換えきかんのかぁ)。

豆板醤をトウバンジャンではなく、トウバンジァンと表記する例があるらしいが Google で差がしたら5例しか出てこないな。 おぉー、NHK様がやってるわけか (元が消えているので Google のキャッシュ)。 漫画でアに濁点をうっているものもあるとか書かれているが、そこまで考えるならもっと先にやることがあろうにとも思える。まあ、カタカナで書ける音の単なる例なんだろうけど、国立国語研究所なんかは、ある程度規範的な日本語の世界に住んでいるわけだから、非常に希な例を相手にする必要ななかろうにとも思える。アに濁点なんて「イソターネット」(いそたーねっと) より希な例だろうし。そういう末端にあって主流にならない揺れ動く言葉を扱うこたぁあるまい。

アイデンティティーは、「そのものが日本にないからしようがない。新しい概念を日本人の気持ちの中にも世の中にも植えつけるというふうなことのほうが、むしろ国民にたいするサービスとしてはいいということもある」という。でも、結局、 第2回「外来語」言い換え対象語

その他、おもしろいのは duty に関しての意見。duty は義務という訳語を明治時代にあてられたが、「そのときには義という言葉が日本人の中でまだ生きていた時代であった。しかたがないから従うということではなく誠意であり倫理的規制力を持っていた。義理と訳されてしまった duty という言葉は当時では生きていたが、現代ではもう死んでいる。外来語に対する第2次訳語をここで提案することもあっていい」というくだりだ。意気込みは分からんでもないのだけど、なんだかねぇ。まあ、委員会の参加者も数が多いから、いろんなことをおっしゃる方がいるのだろう。そもそも一対一対応できないんだから、何も気にするひつようないんじゃないかなぁ。そこまで言ったら、日本語全体の置き換えが必要になっちゃうじゃない。やめてくれい。

そして「独立行政法人国立国語研究所「外来語」委員会 第2回 議事要旨」を見てみる。「科学の分野は先端のところではもうほとんど90%位、英語で動いており、それをどのようにきれいな日本語に換えて定着させるのかというのは大きな問題」とあるが、第2回ではデータベースなんて大胆なところにチャレンジするようなので見物だ。データという単語を使わずに置き換えられるか。一般的なデータベースは置き換えがやっぱり難しいから個別のものでターゲットを決めて、この場合は xxx としかできんだろうな。それにしてもけっこう厳しそうだが。とはいえ、一般の人にデータベースっていうのも確かに分かりづらい言葉ではあるかもしれないし。

「カタカナ語がどれくらい定着しているか」の判断については、確かに難しい。「エネルギーを発揮して」みたいなエネルギーは和語に置き換えるのが好ましいかもしれないというところから文脈が必要だということを指摘するわけだが、文脈をつけて説明するというのは、実際の提案の中にも反映されているようだ。ただし、もっと例文を入れてもよかろうにとも思う。

「明治の時代と違って今、日本語の中での漢字や漢語の造語能力はいったいどれくらいあるのか」という発言も出ているようだが、ちゃうじゃん。君らが提案作るんだから、君らにその力があるかってことで一般論にしちゃだめだよと思う。「我々にそんなことができるのだろうか」と素直に書けばいいのに。できん、勘弁しちくりというのもあるだろうし。若干、そういう生の声に近いものがチラチラと見えるときがあるが、そういう方が好感が持てる。

「外来語が動詞として使われている時はたいへん危険である」って、何が危険なんだ。わかりにくくなる可能性が高いってことか。外来語じゃなくても明確に書かないとわからないことが多々ある。それに漢語を並べるとわけが分からなくなったりすることも多いわけだし。だいたい、漢字が多い文章もいかがわしさを感じる。

基本的に動詞にカタカナ語を使うとわかりにくくなることが多いのは確かだろうが。外来語が動詞として使われている時はたいへんデインジャラスであるから、形容詞、形容動詞などをもっと排斥するならすべきかも。名詞はサ変化してすぐに動詞になってしまうから、そういうものも排斥するというのも一つの手だろうし。なんにせよ「ユビキタスな××」なんてのはいかがわしさの極致だな。

「外来語の中には相手をだまくらかすためにわざと概念をあいまいにさせて使う『詐欺語』、古い概念がどうにもならないので新しい言葉にする『ペンキ語』というものがある。」とあるが、どっちもはじめて聞いた(^^;; それこそ、一部の人にしか通用しない言葉じゃないだろうか。少しぐらい長くなっても、無理に名詞にせずに説明的に書いた方がいいのだろう。

「言い換えという枠組みが有効なものというのは非常に少ないように思う。いい加減な使い方をしているものについてはこういう使い方をするべきではないというような示し方、あるいは言い換えというよりは説明の仕方をうまくするといった枠組みを包含した形で考えていかなくてはならないのではないか」って、どの委員か分からないが、まっとうな意見だけど、なんで発言に実名つけないのかな。

でも、実は第1回、第2回は、なんかとりあえず、わいわいがやがやとやって終わっちゃった感じもする。まあ、2時間じゃそんなもんだろう。「独立行政法人国立国語研究所「外来語」委員会 第3回 議事要旨」になると、やっと、少し方向性が見えてきて、ここからちょっと読む価値が出てくる。第5回には、「最新白書19種から問題となりそうなものとして取り上げたもの計270語を世論調査にかけ、そこから定着度の高くない結果が得られかつ第1回で言い換えた語を除いたものをほぼ3分割し、順次第2回、第3回、第4回分として検討対象にした」などという具体的な記述が見られるようになる。けっこう謙虚で、「第1回中間発表の言い換えについて、なじみの薄い漢語を使ったものがあるが、無理が多少あったかなという反省は今はある」とか載っているゾ。

「第1回 『外来語』言い換え提案」を改めて見てみようかなと思ったが、読むのが面倒になったので止める(笑) しばらくの間、なるべくカタカナ語を使わない文章を書いてみようかな。置き換えを考えるのではなくて、カタカナ語が出てきたら、書く内容自体を変えてしまう。でも、明日になったら忘れてるだろうな。まあ、なんにせよ、ポジティブな目でこうしたものを見ていくと、意外におもしろい気がしてくる。

であれだな。ジャストシステムはこういう言い換えを ATOK に反映させると、お節介なガイドが出ておもしろいな。ATOK 16 には、郵政省と書くと「総務省」でしょと指摘してくれる機能があるのね。








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Last updated  2006.09.11 23:40:44
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