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「スター・ウォーズ エピソード1 / ファントム・メナス」 STAR WARS EPISODE1:THE PHANTOM MENACE 1999年 アメリカ映画監督・脚本 ジョージ・ルーカス出演 リーアム・ニーソン ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン キーラ・ナイトレイ サミュエル・L・ジャクソン 「スター・ウォーズ」の新シリーズが公開されましたね。今までの6作の続きエピソード7だそうですね。話によると、「4」~「6」の主役、ルーク、レイア、ハン・ソロの3人も出て来るそうですが、TVCMの予告編では、ハン・ソロとレイアしか姿を見せておりません。どうなっているのでしょうか、何か重要な秘密がありそうですね。(まさか、あのダース・ベイダー的な黒ずくめの悪役が実はルークで、また「I am your father.」があるなんて、出来の悪いコントのような展開が有るんじゃないでしょうね。)すでに観賞済みの方々、黙っていてくださいね。 第1作が公開された1978年(アメリカでは1977年)、僕はまだ高校生で、休みの日は、長々と名鉄電車に乗り、名古屋まで映画を観に行くのが趣味でした。そんな中、アメリカで無名の監督が作ったB級SF映画が大ヒットしているそうだという大評判が日本にも入ってきていて、すっかり映画少年になっていた僕は、部活が休みの夏休みのある日、喜び勇んで名古屋の劇場に観に行ったわけです。元々が理系少年だったこともあり、かつては怪獣博士だったこともあり、すっかりSF映画が大好きになってしまいました。(だから、このブログでもSFが一番たくさん紹介されています。) このほど、新シリーズが待望の公開ということで、この「エピソード1」がTV放映されていましたので、改めて鑑賞してみた次第です。 遠い昔、はるか彼方の銀河系で……。 銀河共和国の政治は腐敗の道を進んでいました。 辺境惑星と通商連合の間で争いが繰り返されていましたが、元老院は本来の機能を失い無策の極みにありました。通商連合が惑星ナブーを見せしめとして威嚇包囲するに至り、元老院最高議長は、共和国の守護者ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)、その弟子のオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)を、特使としてナブーに派遣します。 2人は、乗ってきた船も失いつつも、敵の船を奪い、なんとかナブー首都に到着し、拘束寸前であったナブーのアミダラ女王(キーラ・ナイトレイ)や侍女のパドメ(ナタリー・ポートマン)らを救出します。ところが、封鎖線を突破する際に船が損傷し、修理の為にしかたなく、砂漠の惑星タトゥイーンに不時着します。 ジャンク・パーツ屋を訪れた一行は、奴隷の少年アナキン・スカイウォーカーに出会います。アナキンに並外れた“フォース”の才能を感じたクワイ=ガンは、ポッド・レースでの賭けに勝ち、船のパーツを手に入れると共にアナキンを奴隷から解放し、ジェダイになる道を示します。 「ジェダイになって、必ず助けに来る」と母に誓ったアナキンは、惑星コルサントに向かう一行に加わるのでした。 やっぱり、大人気シリーズの中の一作です、非常に面白いです。 前半の山場であるポッド・レースの場面では、物語の展開上、アナキンが勝つことはわかりきっているのですが、その展開にハラハラし、最後のクライマックスでの戦いも、クワイ=ガンたちが勝つであろうことは明らかなんですが、子どものクセに参加してしまったアナキンの動向や、クワイ=ガンとオビ=ワンと敵のダース・モール(赤い顔のヤツ) との戦いにドキドキしてしまいます。 もちろん、この映画の注目点は、なんといっても、アナキン・スカイウォーカーです。 とにかく、彼が可愛くって、聡明で、母親思いで、クワイ=ガンでなくても誰もが彼にテコ入れしてしまいたくなってしまうでしょう。 このシリーズ、エピソード4~6がすでに公開、大大大ヒットしているので、観ている観客のすべてが、この誰もが心奪われてしまうかわいい男の子があの大大大スター悪役ダース・ベイダーとなっていくことを知っています。 もちろん、どんなに気色悪いセクハラ親父だろうが、存在自体がうっとうしい関西のクソババアだろうが、ちっちゃい子どもの時はかわいいので、その点について突っ込もうとは思っていません。 だから、この可愛らしい男の子が、いかにしてダークサイドに捕えられ、悪の道へと進んでいくのか、次のエピソードが観たくてたまらなくなってしまいます。なかなかの戦略家ですね、ルーカスさん。 ところで、この間、ふとラジオを聴いていたら、公開されたばかりの「エピソード7」を観たとの話題で、パーソナリティの若いチャラい男が、「1」~「6」を観てないから、“フォース”のことがよくわからんかった、と話していました。そうなんですね、あまりにも久しぶり過ぎて、今の若い人たちにとっては昔の映画なんですね。(最初の「4」の公開が1978年、最新の「3」でも2005年ですからね。) 勘違いしている人がいると困るので、まず非常に基本的なことを断っておきますが、このシリーズの物語は、“遠い昔、はるか彼方の銀河系”のお話です。つまり、我らが地球は、全く関係ありません。地球人と同じような姿の彼らも含め、登場人物はすべて宇宙人です。お間違えのないように。 そして、問題の“フォース”ですが、直訳すると、“力”ですね。そうなんです、“力”なんです。はっきり言って、わけのわからない“力”なんです。いわゆる“超能力”に近いものなんでしょうが、“第六感”的なものでもあります。敵の銃弾をライトセーバーですべて弾き返したり、相手の心を読んだり操ったり、遠くにあるものを引き寄せたり、見えないところを見たり(感じたり?)、とにかく何でもできてしまう“力”なんですね。 “ジェダイ”は、そんな“フォース”を自在に操り、戦う騎士のことで、この銀河系では、平和の守護者なんですね。その素質のあるものは、幼少時からひとところに集められ、ジェダイ・マスターの下、英才教育されるものらしいです。だから、アナキンのように、地球人的見た目では10歳ぐらいですが(実際には何歳かはわかりません、何しろ宇宙人ですから)、大きくなってから修業を始めるのは異例なことで、ヨーダやメイス・ウィンドゥ(サミュエル・L・ジャクソン)ら長老的ジェダイが、その修行に難色を見せるはずです。(ヨーダは後に、もっと大きくなってから修業を始めようとするルークの時も非常に難色を示しています。詳しくは「5」参照です。) “ジェダイ”は、その“フォース”を世界(舞台となっているはるかかなたの銀河系のことです。)の平和のためだけに使うことを許されている存在であり、その“フォース”を私利私欲のために発揮するものは、“シス”と呼ばれます。怒りや悲しみなど“負”の感情を抱いて“フォース”を使うと、“フォース”の暗黒面(ダークサイド)の捕らえられ、“シス”となってしまいます。その代表格がこの物語の主人公、アナキン・スカイウォーカー=ダース・ベイダーなんですね。 ということで、大大大ヒットシリーズの最新作公開記念ということで、その「エピソード1」を紹介しました。次はもちろん「エピソード2」ですかね。 最初の「スター・ウォーズ」(シリーズ化されてから「エピソード4/新たなる希望」という副題が付けられました。)からの人気者ロボットコンビ、R2D2・C-3POの出自が明らかになるのも見どころのひとつですよ。新しく人気者にしようと登場させてきたジャー・ジャー・ビンクスは、ヨーダやジャバ・ザ・ハットが登場したときのような衝撃はなく、ただただうるさいだけでしたね。本国アメリカでも彼は非常に不評だそうで、あのラジー賞の最低助演男優賞を受賞しています。 ちなみに、のちにキャプテン・エリザベスとして大スターになるキーラ・ナイトレイですが、ただパッと見がナタリー・ポートマン(4歳上の1981年生まれ、彼女はすでに舞台のキャリアで注目される存在でした。)に似ているというだけで起用されたみたいです。1985年生まれですから、まだ10代のはずです、なんかちょっとぷっくりしてかわいいですよ。
2016.01.22
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「トランス・ワールド」 Enter Nowhere 2011年 アメリカ映画監督 ジャック・ヘラー出演 サラ・パクストン スコット・イーストウッド キャサリン・ウォーターストーン さて今年も、DVDを借りてきたとき恒例の無名映画を紹介するコーナーと行きましょう。 今回はいつもの夢○書店のSFコーナーで発見した、日本未公開で、スター不在で、見るからに低予算な、この作品です。 人里離れた森の中、夫とドライブ中にガス欠になり、ガソリンを買いに行った夫を待つサマンサ(サラ・パクストン)は、森の中の古小屋に迷い込んでしまい、同じように車のトラブルで立ち往生しているトム(スコット・イーストッド)に遭遇します。 最初はトムを警戒していたサマンサですが、彼の親切さに安心し、一緒に夫を待つことにします。 翌日、古小屋にもうひとり、ジョディ(キャサリン・ウォーターストーン)と名乗る女が現れます。 彼女は恋人と強盗をした後で、どうしてここにたどり着いたのかがわからないといいます。 寒さと飢えから、3人は協力し合い、次第に打ち解けていくが………。 出演者はチョイ役も含めてたった7人、そのすべてが全く有名でなく、監督も無名な人、舞台もほぼほぼ森の中の小屋とその周辺のみ、最後に爆撃と小屋の火災(おそらく、実際に燃やしている模様。)がありますが、極めて小規模、つまり、どう考えても非常に低予算で作られています。 しかし、これがなかなか見ごたえのあるサスペンスに仕上がっているから驚きです。巧妙に伏線をちりばめる脚本の見事さ、無名ながらもなかなかリアルな俳優陣の演技、低予算でもいいアイデアと巧みな脚本・演出があれば面白い作品が作れるという見本のような作品です。 ただ、残念なのは、邦題とその宣伝文句です。 「トランス・ワールド」“出会うはずのない3人、たどり着いた異次元の世界” なんでわざわざ、SF的な仕掛けがあると、観る前からばらす必要があるのか。 この作品の映像の雰囲気は全くSFチックではありません。どちらかというとB級ホラーにありがちなシチュエーションで、謎が謎を呼ぶ物語展開、その謎の裏側にSF的な仕掛けがあるなんて、途中まで思いつきもしません。 しかも、“トランス”って、何よ!!!意味わかって使っているのか!!?? “トランス”って、“恍惚”とか“昏睡”とかいった意味ですよね。または、“電圧変換機”のことですよね。“トランス状態”っていうのは、薬品とかで意識混濁した状態のことですよね。 そうです、映画の内容と全く関係ない、意味不明な題名なんですよ。意味わからず、なんとなくSFチックな雰囲気だけで名付けているとしか思えません。 もう、情けないの一言ですね。 ということで、掘り出し物のSFサスペンスを見つけましたというお話でした。こういうことがあるから、いつもの夢○書店で、ついつい隅から隅まで探してしまうんですね。時間かかってしょうないわ。 ところで、トム役の若い俳優さん、なんと巨匠クリント・イーストウッドの息子さんだそうですね。ガタイのいいイケメンですが、顔は全く似ていませんね。超大物の息子ですが、こんなB級映画に細々と出演しているなんて、ただただ親の七光りで主演デビューできる、どこかの国とは大違いですね。
2016.01.03
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「ヒューゴの不思議な発明」 Hugo 2011年 アメリカ・イギリス映画監督 マーティン・スコセッシ出演 エイサ・バターフィールド クロエ・グレース・モレッツ ベン・キングズレ― ジュード・ロウ あけましておめでとうございます。今年も細々と、映画について勝手な意見を書かせていただきます。よろしくお願いします。 さて、新年1発目は、マーティン・スコセッシ監督が、ロバート・デ・ニーロでもレオナルド・ディカプリオでもなく、少年を主人公にした映画を作り、その年のアカデミー賞に11部門もノミネート(受賞は技術系ばかり5部門)され話題を呼んだ、ハートフルな作品を紹介します。 1930年代、パリ、孤児ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)は、亡き父親(ジュード・ロウ)が遺した壊れた機械人形とその修復の手がかりとなる手帳を心の支えとして、モンパルナス駅の時計台に隠れて暮らしていました。彼は駅の構内を縦横無尽に行き来して、大時計のねじを巻き、時にはカフェからパンや牛乳を失敬して生きてきたのです。 ある日、ヒューゴは、駅構内の片隅にある玩具屋で、機械人形を修理するための部品をくすねようとした時、店の主人ジョルジュ(ベン・キングズレ―)に捕まってしまい、手帳を取り上げられてしまいます。ヒューゴは、店じまいをしたジョルジュの後を尾行し、彼のアパルトマンにたどり着き、ジョルジュ夫妻の養女であるイザベル(クロエ・グレース・モリッツ)という少女と知り合います。彼の話に興味を持ったイザベルは、手帳を取り戻す協力をしてくれると言います。 明くる日、再び玩具屋を訪れたヒューゴは、壊れた玩具を元通りに修復して、父親仕込みの腕前をジョルジュ認めさせ、玩具屋の手伝いをしたら手帳を返してやると告げられます。仕事の手伝いを続ける中で、彼はイザベルとも仲良くなり、本の虫で映画も見たことが無いという彼女を連れて、映画館に忍び込んだりするのです。 機械人形はほとんど修理が済んでいましたが、人形のぜんまいを巻くためのハート型の鍵が見つかっていませんでした。ところがイザベルが身に着けていたペンダントがまさしくハート形の鍵でした。早速、機械人形に鍵を差し込みぜんまいを回してみると………。 謎ときにワクワクして、追いかけっこにハラハラして、ラストにほっこりして、みんなの優しさにほのぼのして、映像が美しくて、映画愛にあふれていて、とってもいい映画でした。ジェームズ・キャメロン(「ターミネーター」「アバター」の監督)曰く、「ようやくできた子どもたちを連れて行けるスコセッシ映画」です。というのも、マーティン・スコセッシ監督って言えば、「タクシードライバー」とか、「ギャング・オブ・ニューヨーク」とか、「ケープ・フィアー」とか、「シャッターアイランド」とか、「ディパーテッド」とか、ギャング映画や犯罪映画など、血生臭くって、男臭くって、犯罪や殺人に充ち溢れたものばかりでしたので、この映画のようなファミリー映画は初めてではないでしょうか。はっきり言って、「スコセッシ監督どうしちゃった???」というような感じです。 とりわけ、主役の2人の子どもたちが、素直で聡明で頑張り屋で優しさにあふれていて、その奮闘ぶりに、観客は誰もが心から応援したくなってしまうでしょう。イザベル役の女の子は、「キック・アス」のヒット・ガール役で一躍脚光を浴び、「ダーク・シャドウ」での存在感をこのブログでも絶賛したクロエ・グレース・モリッツちゃんです。ヒューゴ役の男の子もどこかで見たことがあるなあ、と思ったら、かつてこのブログでその結末のショッキングさを紹介した「縞模様のパジャマの少年」の主役の少年でした。2人とも、現在18歳、今後の活躍が楽しみな逸材です。 ところで、気になることがひとつあります。それは邦題です。 この題にある“発明”というのは、やっぱり、ヒューゴの父親が仕事場の博物館で埋もれていたのを発見して持ち帰りひそかに修理していた“機械人形”のことを指していると誰もが思いますよね。でも、これって、ヒューゴが発明したものではないんですよね。ね、題名が内容と合ってないんですよ。 この映画、原題は「Hugo」です。まあ、よくある主人公の名前を題名にしたものです。そして、実はこの映画、原作がありまして、その邦題がブライアン・セルズニックという人の「ユゴーの不思議な発明」です。(フランスのお話なので、英語読みで“ヒューゴ”ですが、フランス語読みでは“ユゴー”なんですね。)その原作小説の原題が“The Invention of Hugo Cabret”です。この“Invention”を直訳して“発明”なんですね。でも、調べてみたら、“考案・発案”という意味もあるんですね。この物語のラストの展開は、ヒューゴの考えで進んでいくんですよね。原題の“Invention”とは、この結末のことを指しているのではないでしょうか。だとしたら、“Invention”は、“発明”と訳してはいけないですよね、しかも、“不思議な”と形容するのもおかしいですよね。外国語を訳すのって、難しいですね。 ということで、ちょっと細かいことが気になってしまう、右京さんのような悪いクセが出てしまいましたが、心がほっこりする、いい話です。ぜひ、ご家族で楽しんでください。 ところで、この映画のDVD、いつもの“夢○書店”では、SFコーナーに置いてありました。“機械人形”はゼンマイ仕掛けのからくり人形のようなもので、決してロボットではないですよ。また邦題や予告編の雰囲気などに惑わされましたね、夢○書店さん。
2016.01.02
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