勝手に映画批評
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「パシフィック・リム」 Pacific Rim 2013年 アメリカ映画監督 ギレルモ・デル・トロ出演 チャーリー・ハナム 菊地凛子 芦田愛菜 ロン・パールマン 以前からこのブログで語っているように、昔僕は怪獣博士でした。少年の頃、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズなどのTVの特撮にはまりまくっていました。誤解のないように言っておきますが、僕は、ウルトラマンや仮面ライダーなどのヒーローよりも、悪役である怪獣や怪人の方が好きでした。(と言って、怪獣や怪人を倒すヒーローを憎んではいませんよ、ヒーローも好きです。)怪獣って、本当に様々な造形で様々な能力を持っていて、それぞれが個性的な魅力にあふれているではないですか。だから、僕は怪獣が大好きでした。 そんな僕ですから、この日本の特撮やアニメを崇拝しているというギレルモ・デル・トロ監督が、一流のスタッフを使い、CGなど最新技術を駆使して、本意気で作ったというこの怪獣映画、非常に気になっていました。 2013年8月、太平洋グアム沖の深海に異世界と繋がる割れ目が生じ、そこから現れた怪獣がサンフランシスコを襲撃します。米国は陸海空軍の総攻撃で6日かけてこれを撃破することに成功しますが、その後も別の怪獣が次々と出現し、太平洋沿岸都市を襲うようになったため、沿岸諸国は環太平洋防衛軍(PPDC)を設立し、怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを建造して立ち向かいます。 2020年2月、米国アンカレッジを怪獣が襲撃、ローリー・ベケット(チャーリー・ハナム)は、兄ヤンシーとともにイェーガー“ジプシー・デンジャー”で迎撃しますが、戦闘で機体が大破し、ヤンシーは戦死してしまいます。ローリーはなんとか単独でイェーガーを操縦し、怪獣を撃破します。 しかし、世界各国の政府は、怪獣の襲撃によってイェーガーが失われるペースが加速し、生産が追いつかないことを問題視し、イェーガー計画を中断することをPPDCのペントコスト司令官に告げ、同時に、世界各国に巨大防護壁を建造する“命の壁計画”という防御策に出ることを決定します。 2024年、パイロットを辞めて壁の建造に携わっていたローリーの元にペントコストが現れ、異世界と繋がる深海の割れ目を破壊する計画に参加するよう求めます。 ローリーはペントコストとともに香港のPPDCの基地へ向かい、破棄されていたはずのかつての愛機“ジプシー・デンジャー”と、そして機体の修復やパイロットの選定を担当する研究者・森マコ(菊地凛子)と出会います。 訓練を通してマコの高い戦闘能力を見抜いたローリーは、彼女とペアを組みたいと進言し、操縦テストが行われます。しかし、マコの不慣れもあって危うく事故を起こしかけてしまい、ペントコストはローリーのパートナーを別の人間に決定します。 すごいです。何がすごいかと言えば、戦闘場面の迫力が半端ないんです。 酸を吐いたり、空を飛んだり、猛スピードで泳いだり、怪獣がそれぞれ色々な能力を持っていてやたら強くて、それと戦うロボット“イェーガー”がやたらかっこいい。そして、着ぐるみでは決して作れない、CGならではの戦いのスピードと激しさ。もう、それを観ているだけで、大大大満足です。(ちょっとスピードが速すぎて怪獣の造形がいまいちよく見えないのは玉にキズですが。) はっきり言って、人間のドラマ部分が邪魔、って思ってしまうほどです。 特に、2人で操縦しなければならないという件から生まれてくるドラマ、スムーズに動くために2人の意識をシンクロさせなければならないとか、相手の記憶が入ってきて気になって無意識に深追いしてしまう(“ウサギ追い”と呼ばれています。アリスだね。)とか、はっきり言って、邪魔でしたね。そんなのはいいから、もっともっと戦闘を観せてよ。と思ってしまいました。 大体が、イェーガーを操縦すると脳の負担が半端ないので1人では持たない、という設定の意味がよくわからないので、これは最初から、2人で操縦ありき、で作られた設定なのかなと思いますね。 でも、考えてみたら、2人で操縦してそれぞれ右脳と左脳を使う、という設定って、いずれ彼らは半身不随になるってことだよね。それって余計まずくない?それにうまくドリフトするパートナーがいないとパイロットになれないので、パイロットの数が限られ、イェーガーを量産することができないし、一度にたくさんの怪獣が現れたら対応できないじゃん。(まあ、怪獣が強すぎてどんどんイェーガーが壊されるので同じことですけどね。) パイロットの神経をマシンに接続して(“ドリフト”と呼ばれています。)、パイロットの動きがそのままイェーガーに伝達され同じ動きをするという操縦方法は、とってもいいアイデアなので、余計な設定はいらなかったんじゃないかなあ。そうそう、その設定を生かすためには、パイロットにはカンフーの使い手を起用してほしかったですね。菊地凛子さんは非常に頑張っていましたが、棒術の対戦などいまいち説得力がなかったね。(その彼女に負けていたチャーリー・ハナムはもっと情けなかったけどね。) ということで、若干気になることもありながらも、怪獣とロボットの迫力ある戦いを堪能できて、おおむね満足な映画でしたね。(相変わらずの上から目線でごめんね。) あっ、そうそう、デル・トロ監督と仲良しのロン・ヘルボーイ・パールマン、相変わらずの存在感(悪目立ちという言い方もある。)を発揮していましたね。それと、やっぱり芦田愛菜ちゃん(マコの子どもの頃役)の泣きの演技は最高ですね。
2016.06.29
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