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2004.02.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日の日記のタイトルは、トップのレコジャケの写真、西岡恭蔵さんの遺作となった(僕が思うに)彼の最高傑作でもあるアルバムのタイトルである。

その名も「Farewell Song」別れの歌である。
このアルバムは、彼の最愛の妻であり、また最高の相棒の作詞家だったKUROちゃんが、帰らぬ人となった1997年に、その死の数ヶ月後にリリースされたアルバムである。

翌年の1998年、蔵さんとKUROちゃんの仲間達が集まって、KUROちゃんが作詞した歌を1曲ずつ唄ったトリビュートアルバム「KUROちゃんを唄う」が完成し、蔵さんはそのプロデュースをし、自分もレコーディングに参加して、この2枚組の素晴らしいアルバムを完成させた。(左ページ、この歌が好きだ・・の「月の祭り」を参照)



そして、その翌年の1999年、KUROちゃんが亡くなった同じ日に、蔵さんはKUROちゃんの後を追いかけて旅に出てしまった。そういう訳で、このアルバムは蔵さんのオリジナルアルバムとしては遺作となった訳である。

蔵さんは言わずと知れた関西フォークの雄であった。当時は自分の事を狂象と名乗って居たこともある。
大塚まさじらと共に「ザ・ディラン」というバンドを結成したが間もなく蔵さんは一人で唄うことにして脱退。その後バンドは「ザ・ディランII」と名前を変え、数々の名作を残すフォークデュオとなる。
大塚まさじも、蔵さんも唄っている名曲「プカプカ」は、言わずと知れた蔵さんの代表的オリジナル曲だ。(ちなみに、僕のカラオケの愛唱歌でもある)

一目見たら忘れない暖かい風貌。その風貌にマッチした太くて優しくて木訥とした声。蔵さんの歌声は明るく逞しく、それでいてちょっと悲しく切ない。


そんな光景が浮かんでくるのが蔵さんの世界だ。

人生の、そして仕事の最良のパートナー、KUROを得てからは、二人で世界のあちこちを旅して、その旅で得た経験がまた多くの歌となった。
このコンビは関西フォーク系の人達ならず、所謂メジャー系、歌謡曲系の人達にも多くの曲を提供している。
先ほどのKUROちゃんの追悼盤にしても、大塚まさじ、友部正人、いとうたかお、高田渡、シバ、金子マリ、加川良、憂歌団。桑名晴子などの関西系の人達に加えて、太田裕美、もんたよりのりなどが出演している。出演はなかったが、矢沢永吉も彼らに楽曲を多く提供して貰った人の一人だ。

この「farewell Song」では、KUROと別れて久しぶりに一人に戻った蔵さんが、殆ど全ての曲で作詞と作曲を手がけている。曲の題名からも分かるように、多くはそれまでの蔵さんが唄ってきた世界をそのまま引き継いでいるが、冒頭の1曲目「Groly Hallelujah」、ラストの「farewell Song」は明らかにKUROちゃんに捧げられた曲だと思う。

Groly Groly Hallelujah 愛は生きること
私が私であることを願いながら

心の中にある 神様の言葉が
祈りの歌になり あなたに届くように

Groly Groly Hallelujah 愛は生きること
私が私であることを願いながら

あなたがあなたで あることを願いながら

唄おう神様が 導くままに
両手をひろげけ 輝きの時を求め
きっとここにある 唄う喜びが
希望の波になり あなたに届くように


遙かなあの街で 唄う人達の声が
私もあなたも 一人じゃないと
ともに生きてる 確かなあの歌声が

そう、これは蔵さんのゴスペルなのである。
力強く、拳を握りしめて、しかしリラックスして声を張り上げて居る蔵さんが見えるようだ。

こんな風に力強く唄った蔵さんが、その2年後に自らの命を絶ってしまうなんて誰が想像しただろう。
それだけに、このアルバムを聴くのは悲しい。
しかし、ここで唄われている歌は、暖かく、力強く、優しくそして愛に溢れているのだ。


Farewell Song/西岡恭蔵(MDCL1323)
収録曲
1  Glory Hallelujah
2 I Wish
3 コケーンのじいさん
4 恋が生まれる日
5 街角のアコーディオン
6 5月の恋
7 永遠のDance Music
8 SoulX’mas
9 我が心のヤスガーズファーム
10Farewell Song


そして蔵さんがあの世へ旅立って1年後、日比谷野音でこの2人を偲ぶコンサートが開催された。
集まったのはもちろん彼らゆかりの友人。あのKUROちゃんのレコーディングに参加した面々が中心だ。珍しいところでは、俳優の柄本明や、ベンガルが参加しているのも蔵さんの交友の広さを物語っているのだろう。

このライブの模様は衛星放送で放映されたのを見たが、とてもステキで心の温まるライブである。
出演者も、観客も、みんなが蔵さんとKUROちゃんが大好きで、この二人の事を忘れないように、大事にしていこうという思いがひしひしと画面から伝わってくる。

明るい日差しのもと、大塚まさじの歌からはじまったそのライブは夕闇の頃まで続く。観客の多くは出演者と同年代、そして彼らの子供の世代まで幅広い。
背筋を伸ばして座っているけど、よく見たら目をつぶり、顔を動かしてリズムを取っているおじさん、静かに立ち上がり踊り出す若者、手を繋ぎ見つめ合って居る夫婦。みんなが思い思いのスタイルでライブを楽しんでいる。ちょっとしんみりして、でも暖かく優しいライブだ。

ラストは出演者総出で、代表曲プカプカの合唱だ。
観客も出演者も踊り出す。夕闇の中にいつまでも彼らの声とシルエットが浮かんでいる。

この放送を録画したビデオは僕の宝物のひとつだが、是非是非DVDにして貰いたいライブだ。








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Last updated  2004.02.06 01:06:06
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