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2007年5月31日(木) 対西武 2回戦 甲子園 阪神6×3西武連勝だ~4 所載はこちらをクリック 阪神・中村泰が“スクランブル発進”で好投!4回から登板し2勝目を挙げた阪神・中村泰=甲子園 (交流戦、阪神6-3西武、2回戦、阪神2勝、31日、甲子園)阪神・ボーグルソンのアクシデントで急きょリリーフした中村泰が好投した。 2点ビハインドの四回から登板。「いつでもいけるようにしていた。2点差なので流れは来ると思っていた」と中村泰。ここを3人で片付けると、直後に味方が逆転。攻撃にリズムを呼び込んだ。突然、やってきたチャンスでアピールし、岡田監督はボーグルソンに代わる先発陣入りを明言した。レオに強いトラ! 阪神連夜の逆転勝ちで交流戦初の2連勝!4回阪神無死、林が右越えに本塁打を放つ=甲子園4回阪神1死一、二塁、鳥谷が右越えに逆転3ランホーマーを放つ=甲子園 (交流戦、阪神6-3西武、2回戦、阪神2勝、31日、甲子園)2点を追う四回。阪神は林威助、鳥谷の2本塁打で逆転した。「大きかった」と岡田監督も喜ぶ一発攻勢だった。 まずは先頭の林威助。甘い直球を見逃さず、一直線で右翼席へと運んだ。いつもの浜風と逆の、追い風が吹く中での8号ソロに「いい風が吹いていた。いい結果が出てうれしい」と顔をほころばせた。 今岡、シーツと出塁して一死一、二塁。鳥谷は外寄りのスライダーを引っ張り、右越えに逆転3ランを放った。こちらは不調で打順を7番に落とした中での一発。「いい時も悪い時もある。最終的にいい形で終われれば」と表情を崩すことはなかった。 相手は左腕のグラマン。ソフトバンクの杉内や中日の山本昌など、これまでは好機で左打者が封じられてきた。広沢打撃コーチは「左が打てば、右もつながる。それが四回に出た。きょうはよく打ってくれたね」と苦手とされる左攻略に満足顔だ。 今季初の2試合連続逆転勝ちに、交流戦初の2連勝。鳥谷は「これから遠征が続くけど、全部勝って(甲子園に)帰ってくる」と力強かった。◆藤川(15セーブ目)「四球もあったし、もっとビシッとしたかった」◆金本(七回の守備で二塁走者を本塁で刺し、直後に味方が2得点)「返球は半端だった。あれで流れを変えたというんかね」
2007年05月31日
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2007年5月30日(水) 対西武 1回戦 甲子園 阪神3×1西武やっと勝ったぞ~4 所載はこちらをクリック 阪神連敗ストップ! 今岡逆転2ラン&桧山がトドメの連弾!4回阪神1死一塁、今岡が左越えに逆転の本塁打を放つ=甲子園連敗を4で止め、声援に応える逆転2ランの阪神・今岡(右)と今季初本塁打の桧山=甲子園 (交流戦、阪神3-1西武、1回戦、阪神1勝、30日、甲子園)生え抜きの2人のバットが、苦しむチームを救った。四回、今岡と桧山が連続本塁打。阪神が連敗を4で止めた。 二回に下柳が先に点を取られた。先制を許した試合はここまで5勝21敗1分けで、13連敗中。重苦しい空気の中、まずは今岡の21試合ぶりの一発が飛び出た。 1点を追う四回一死一塁。真ん中のスライダーを逃さず、左翼席へと放り込んだ。「つなぐ意識でいったのが良かった」と今岡。ざわつきが残る中、桧山は初球を右越えに運んだ。「集中してきっちりと打つことを心掛けた」と笑顔だ。 今岡は打率・300を超えているが、この試合まで1本塁打で打点はわずか13。得点圏打率も・200で、ここ数試合は定位置の『5番』を明け渡していた。「本塁打は結果。でも、本塁打で点を入れて、こういう試合も必要かなと思う」と満足げだ。桧山は故障で出遅れ、この試合が先発3試合目。「重みがある」と今季第1号を喜んだ。 「見ててください。これからもどんどん勝ちたい」と今岡が言えば、桧山は「パワーを出して頑張りたい」。2人そろったお立ち台で、力強く巻き返しを宣言した。◆岡田監督(今岡、桧山の連続本塁打に)「なかなか適時打が出なくて本当に大きかった」
2007年05月30日
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2007年5月23日(水)対ソフトバンク 2回戦 ヤフ-ド-ム 阪神3×1ソフトバンク4 所載はこちらをクリック 前夜のリベンジや!虎の師弟タッグ、金本&林がタカ撃墜!一回、左翼フェンス直撃の一撃を見舞った金本が疾走。主砲の力強い先制打 (交流戦、ソフトバンク1-3阪神、2回戦、1勝1敗、23日、ヤフードーム)金本&林、痛烈先制パンチや!! 阪神の金本知憲外野手(39)が一回、林威助外野手(28)が二回にそれぞれ適時打した。パ屈指の左腕、和田の初球を見事なワン・ツーパンチで、強敵・ソフトバンクから交流戦初白星。虎が進撃開始だ!!◇ 起きがけの速攻で、難敵・和田を転がした。狙いを定めた立ち上がり。金本の先制打でグラつかせ、すかさず林が追い打ちをかけた。パ界指折りのサウスポーを打ち砕いたのは、左打席でどっしり構えた2人だった。 「振り遅れでじゃないけど、完ぺきでもないけどな。(初球打ちだが)うーん…。まあでも大したヒットじゃないよ」 本人の謙そんはさておき、効果満点の先制タイムリーだった。初回二死三塁。いきなり130キロ外角高めストレートをぶった切った。左翼手・大村が見上げた先のフェンスをたたき、悠々二塁に到達だ。アニキの初回打点と勝利の相性は抜群。これで7勝3敗。主導権のバトンを握り、二回に林が引き継いだ。二回には林も中前適時打で続いた。金本&林で、ソフトバンク・和田を撃破だ 無死二塁。その初球、ベンチのサインは進塁打だった。外角へ逃げていくスライダーにバットが伸びる。右方向を狙った打球が中前に抜けた。 「ボールは見えていましたよ。昨日(22日)は打てなかったけど、きょうは気持ちを切り替えて打ててよかったです」 前日22日から7番に入ったが、金本を猛烈に追いかける存在が林であることに変わりはない。不動の4番が本塁打&打点のチーム2冠なら、密かに両部門で2位につけるのがL砲だ。 12年前の春、台湾から福岡・柳川高への野球留学を決断した。母国の高校に1年だけ通った関係で、甲子園への挑戦権は2年夏まで。夢破れ、卒業証書を受け取らずして帰国することも考えた。それでも残った。練習に付き合ってくれる同級生がいた。周囲の優しさに触れた“空白の1年”。もっと話したい。その間に日本語検定2級も取得した。ちょっぴりほろ苦く、心温まる博多の思い出。「きょうは高校のチームメートが来ていたんです」と打ち明けた。 今季の交流戦1勝。過去2年、いずれも勝ち越せなかった唯一のチームがソフトバンクで、敵地でタイなら悪くない。 「途中から和田が立ち直ったみたいやし、立ち上がりが悪いところでうまく点を取ってくれた」 ここまで自軍先発の序盤失点に悩まされてきた岡田監督だけに、その言葉に実感がこもった。交流戦=貯金シリーズ。借金3を返し、その上でさらに蓄えも欲しい。パ界に宣戦布告の1勝だ。■データBox ★…金本が初回に打点を挙げるとチームは7勝3敗の勝率.700。阪神は初回に得点すると11勝5敗1分けの勝率.686。JFKの存在があるだけに、勝利のカギは速攻にありだ。 ★…金本と林が同時に打点を挙げた試合は2勝1敗1分け。アベックアーチは11日のヤクルト戦(神宮)の1度だけ。 ★…林の6本塁打、22打点はいずれもチーム2位。2部門のトップは12本塁打、32打点の金本。林は規定打席に11打席足りないが、打率.345でチームの“隠れ首位打者”。『鷹キラー』や下柳!これで4戦4勝、交流戦はお任せあれ!マウンドで元気いっぱいの下柳。これで対ホークス4連勝、鷹キラー襲名だ (交流戦、ソフトバンク1-3阪神、2回戦、1勝1敗、23日、ヤフードーム)鷹狩りならお任せあれ。六回途中まで3安打、1失点に抑えた下柳が3勝目。対ソフトバンク戦はこれで4戦4勝で無敗を誇る。『鷹キラー』を襲名だ。 「大きな1勝だった? 勝つためにやっているんやから。ソフトバンク戦は4連勝? そうか。まあ矢野のリードのおかげやわ」 低めを丁寧につく投球で強打線を完全に手玉に取った。圧巻は三回一死からだ。3番・多村を空振り三振に仕留めると、続く4番・松中も追い込んでからスライダーで空転させた。イニングをまたいだ四回、5番・小久保も3球三振に切って落とした。鷹の主軸を“3者連続三振”に斬った。それだけに続くアダムに浴びた一発は悔いが残った。 16日に39歳の誕生日を迎えたばかり。交流戦限定の新ユニホームに袖を通すと「おれが着るとマスターズリーグみたいやな」と笑った。もちろん老け込むつもりは一切ない。どころか古巣相手にも進化した姿を見せつけた。 「低めへの制球と右打者へのインサイドが良かった。(それができれば)下柳はセでもパでも関係ないよ」。久保チーフバッテリーコーチも安堵(あんど)の表情だ。4月25日のヤクルト戦(甲子園)以来、約1カ月ぶりとなる白星。ベテラン左腕の巻き返しが、いよいよ始まる。★矢野みせた好リード 矢野が下柳の“今季ベストピッチ”をリードで支えた。「コントロールもよかった。丁寧に投げてくれた。三回から下柳のペースだった」。 許した失点は四回、一死からアダムのソロ本塁のみ。今季は、序盤に失点する下柳を最少失点にとどめた。「次につながる」と下柳の投球に、同じベテランの女房役も手応えを感じていた。
2007年05月24日
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2007年5月20日(日) 対横浜 8回戦 甲子園 阪神1×0横浜4 所載はこちらをクリック ミスターゼロや中村泰!6回9K今季初先発初勝利、虎3連勝!今季初先発初勝利を飾った中村泰。三振の山を築き、マウンドに仁王立ちだ (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)ええやん、ヤッさん!! 阪神は左腕、中村泰広(28)が6回9奪三振の快投で今季初先発初勝利。KJFとの完封リレーで、3連勝に導いた。22日・ソフトバンク戦(ヤフーD)からの交流戦突入を前に、完封勝利した杉山に続く連続0封。虎投に光明や!◇ 思いを込めたスライダーが、ことごとくバットに空を切らせる。プロ入り3度目の先発マウンドで、中村泰が威圧感すら漂わせた。六回までに9奪三振。圧巻の奪三振劇場に聖地のボルテージは最高潮に達した。 「ここは何回でも立ちたい思わせてくれる場所です!!」 自身2度目となる本拠地のお立ち台で叫んだ。6回4安打無失点。昨年7月以来の先発マウンドももの怖じしなかった。まずは一回だ。先頭・仁志に中前打を浴びるも、そこから本領を発揮。続く石井琢、金城、村田を連続で空振り三振。伝家の宝刀スライダーでなぎ倒した。勢いは止まらない。三回も豪快にファンを沸かせた。仁志、石井琢を空振り三振させると、最後は金城を見逃し三振。横浜打線を完全に封じ込めた。 「1イニング、1イニング。3回でバテてもいいと思った」中村泰(右)は打のヒーロー林威助とお立ち台で笑顔 待ちこがれた舞台だった。秋季キャンプから「ポスト井川」争い。だが、小嶋、能見、江草らにおくれを取り、開幕は二軍スタート。4月20日に昇格を果たしたが、仕事場は中継ぎ。だが、9試合、13イニング連続無失点で先発を勝ち取った。 オフに奈良の実家へ帰った際、両親から「自分の出せる力以上のものは、絶対に出せないんだからね」と諭された。先発ローテ入りしたい-その気負いを見抜かれたかのようなメッセージ。肩の力が抜けた瞬間だった。 その教えが、マウンドで活きている。まな弟子の活躍をチェックしている奈良・郡山高時代の森本達幸監督は「投げ急がず、落ち着き払っている」と話す。昇格後、電話で中村泰は「もうプロに入って5年もたつんですよ」と笑ったという。 久保チーフバッテリーコーチは「今後も頭(先発)のラインアップには入ってくる」と太鼓判。岡田監督も「若い投手が頑張れば、次投げる投手の刺激になる。ベテランも頑張らんとな」と絶賛した。 「毎試合でアピールしていかないといけない立場ですから」 ジャン、同期の杉山に続き、先発が3試合連続で無失点。今季3度目のカード3連勝で借金は「3」。過去2年、たっぷり貯金を稼いだ交流戦へ。逆襲の虎の牙は磨き上がった。林でっかいでっかいタイムリー!“鬼指令”にもフルスイング!四回裏一死一、三塁で右前へ運んだ林威助。“虎の子”の1点を叩きこんだ (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)この肝の座ったスイングが林の専売特許だ。0-0で迎えた四回一死一、三塁。打席に向かう背番号31に、正田コーチの“鬼指令”が飛んだ。 「三振だけは、したらアカンぞ!」 相手は内野が下がり、1点覚悟の守備隊形。転がせば1点だが…言うは易し。しかもマウンドには2日前に打ち取られたサイド左腕・山北だ。 「とにかく三振だけはしないように。それだけを考えていました」 0-2から、外角低めの難しい変化球が2つ決まり、2-2。追い込まれた。「バットに当てよう…」。しかし5球目、甘く入った126キロスライダーを振り抜いた鋭さは、とても当てにいったものではない。快音を残した打球がアッと言う間に一、二塁間を破る。3連勝に導く虎の子の1点は、けれんみのないスイングから生まれた。 「甘い球でしたからね。ラッキーです」 涼しげに振り返ったが、瞬時に体が反応した見事な『左腕』+『変化球』打ち。六回も、左腕・那須野のスライダーをライナーで右前へ運んだ。これで今季対右投手の打率が.372に対し、左投手でも.303。左投手の時はベンチに下げられ、変化球で打ち取られたのはもう過去の話だ。 今春のキャンプで、広沢コーチが林の成長として挙げていたのが“間”の取り方。球に対して一瞬、体が止まれる感覚だ。開幕直後こそ浜中にスタメンを譲ったが、ライバルの離脱後、試合を重ねるごとに飛躍的に対応力はアップ。 「やはり経験ですね。球の曲がり方とか、打席に立ってみないとわからないですし」。21日に浜中が一軍合流するが、もう争う立場ではない。不動の座を、姿と結果で築いた。 二回には右前打を後逸するまずい守備(三塁打)も、「バットでいいアピールしないと」と反発力も見せての、12試合連続安打。同級生・中村泰とのお立ち台では「ヤッさんナイスピッチング!」「リンさんナイスバッティング!」と声をかけ合った。はや28歳、柱となる時期。パの強敵に挑む交流戦へ向け、虎の新時代を感じさせるツーショットだった。3回無失点『KJF』安心リレーで球児12S!さあ次は交流戦!七回からリレーした久保田、ウィリアムス(中)、藤川(下)。万全をキープして、交流戦に臨む (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)1点あれば、十分。今さらながら、そう思わせる盤石ぶりだ。打線が14残塁と、フラストレーションの溜まる拙攻を繰り返す中、七回は久保田、八回はウィリアムス、そして九回は藤川。3人で1安打を許しただけで、薄氷の“逃げ切り劇”を危なげなく完了した。 「すんなり入る方が、良くないことが多いんで。あまり気にせず、投げました」 厳しい場面にも、藤川はいつも通りの快投。先頭の内川を中飛の後は、MAX153キロの剛球を武器に、佐伯、吉村を直球で連続三振に締めた。これで5試合連続セーブとなり、中日・岩瀬に並ぶセ・トップタイの12S目。「(交流戦で)またやり直すつもりでやります」と力強く話した。完封リレーで3連勝を飾り、ハイタッチする阪神ナイン 七回を打者3人ピシャリ、1奪三振で斬った久保田は、MAX154キロを計時。同期入団の中村泰が好投していただけに「ヤッさん(中村泰)がいい投球をしていたんで無駄にしたくなかった。これからですよ」と“男気”を見せれば、八回を1安打無失点のウィリアムスも、「今日は中村泰の投球に尽きるよ」と笑顔で振り返った。 「藤川も久保田もよかった。俺はまあまあだったけどね。インターリーグ(交流戦)、ガンバリマス!」 JFKそろい踏みは、これで13勝1敗1分け。湿り続けた打線と、先発陣の不調に苦しんだ中で、その存在がチームを支えた。そして、これからも…。パの猛者相手に、虎の生命線が躍動する。
2007年05月21日
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2007年5月19日(土) 対横浜 7回戦 甲子園 阪神6×0横浜4 所載はこちらをクリック 杉山9回投げ斬ったァ!41試合目で虎初完投、初“歓封”劇!完封で今季2勝目を挙げた杉山はマウンドで雄叫び。矢野も最高の笑顔 (セ・リーグ、阪神6-0横浜、7回戦、横浜4勝3敗、19日、甲子園)やりゃ、できるやん! 阪神・杉山直久投手(26)が横浜相手に05年以来となる完封勝ち。開幕から41試合目で虎投に待望の完投投手が現れた。今季12球団で最も遅い達成だが、交流戦を前にJFKもひと息つけた。前日(18日)のジャンから続く反攻の兆し。借金4ながら、猛虎の季節がようやく到来や!!◇ ここまで虎の先発陣が誰一人たどり着けなかった九回のマウンド。その未踏の地に、意外な男が名を記した。しかも完封というオマケ付き。思わず、声も高ぶる。お立ち台の杉山は、満面の笑みを浮かべながら叫んだ。 「最高にうれしいですっ!! 最初から九回と考えずに飛ばしていきました。野手のみんなが点を取ってくれたから九回を投げ切れました」 9回を8安打、3四死球。変化球が冴え渡り、横浜打線に最後まで的を絞らせなかった。122球の完封劇は、05年9月11日の広島戦(甲子園)以来で自身2度目。チームにとっては開幕から41試合目で今季初の完投。12球団で最も遅い達成だ。 二回に流れをつかんだ。一死から金城、吉村に連打を浴び、鶴岡には与死球で一死満塁。リードは1点。絶体絶命だったがここで“救いの手”が…。二塁手・関本が送ったサインに呼応して、二走・吉村をけん制で刺した。久保チーフバッテリーコーチが「きょうのこの1球は、あの1球」と称えた連係の妙だ。 自宅に帰れば、最高の笑顔が待っている。昨年10月にまな娘・志陽ちゃんが生まれたばかり。まだ歩くことも、しゃべることもできない。それでも、毎日のわずかな変化が心を和ませる。「野球に対する姿勢が変わったとかじゃないけど、やっぱり帰った時の楽しみがありますからね」。頑張る理由が一つ増えた。それが杉山の5年目の成長を後押ししている。 「何かを変えないといけないと思っていた」 殻を破るのに必死だった。昨季の初勝利は8月下旬。首脳陣に悪印象を植え付けた。先入観を払拭するため、春季キャンプでは『1500球投げ込み指令』にあえて背を向けた。「みんなが球数を1000球増やしてるぶんを逆に減らした」。1年前、球数を増やしながらも出遅れた反省から、別の手段を探った。最初は結果が出ず「1日100球投げないヤツは(状態が)悪い」と岡田監督を激怒させ、先発枠争いから早々に脱落。開幕も二軍で迎えたが、調整にこだわってチームで真っ先に勲章を手にした。 「前々日のボーグルソン、前日のジャンと、やっと先発の役割を果たしてくれている」。待ちこがれた結果に、この日ばかりは岡田監督も素直に頬を緩ませた。 「結果的にブルペンも休ませることができたのでよかったですね」 4月末からの悪夢の9連敗を五回途中8失点KO(同28日、対広島)でスタートさせた背信右腕のイメージを拭い去った。勝ち試合をJFKに頼り切っていた今季、エースナンバーを背負う男がやっと独り立ちした。■データBox ★…阪神・杉山がプロ入り2度目の完封勝利。チームとしては開幕から41試合目で初の完投投手。ちなみに06年は11試合目に井川が広島戦(甲子園)で完封勝ち、優勝した05年は33試合目、日本ハムとの交流戦(札幌ドーム)で能見○がチーム初完投を果たしていた。 ★…昨季の完投数はセ6球団中2位の18(降雨コールド2試合を含む)でうち4完封(7敗)。8月末から完投数が増え、9月以降では9試合に完投、うち3完封(1敗)。チームトップは井川の8完投、うち3完封だった。 ★…優勝した05年は完投試合は11で、うち4完封(3敗)。セ・リーグ6球団では4位の数字だった。シーツ復活や!魔法でガムで連発、気分スッキリ4&5号!五回にシーツは左中間越え2ラン本塁打 (セ・リーグ、阪神6-0横浜、7回戦、横浜4勝3敗、19日、甲子園)2連弾の隠し味は“幸運のガム”だった。口の中で甘みが生きていた1本目。続けざまの2本目を放ったとき、すでに味はなくなっていた。それでも噛んだ。口から出すまで2時間近く噛み続けた。クチャクチャと音を立てるリズムが、シーツの打棒を復活させた。 「ガムを噛んで、あまり打席で考えなかったのがよかった。縁起がいいから同じガムを噛み続けたよ」 一回無死一、二塁では力んで、中飛。そこで三回二死追加点をあげたシーツは、先発・杉山の出迎えに軽くハイタッチの第2打席を前に正田打撃コーチが手招きした。「これでも食べておけよ」。シーツによると「普通のガム」。口に入れた途端に初球をとらえ、横浜先発・土肥から左翼席へ4号ソロだ。 口から飛び出さぬようにダイヤモンドを一周した。さらに味のないガムをかみしめた五回二死一塁。再び左翼席へ5号2ランが着弾だ。土肥は今季デーゲーム5連勝で「昼の男」の異名あり。昨年4月2日のヤクルト戦(神宮)以来の2打席連弾でトドメを刺した。 7番降格。さらにはスタメン落ち。5月に入って重度の不振に足を取られた。ボール球に手を出し、ストライクにバットが出ない。右投手のシュートを過剰に意識するあまり、選球眼が狂った。精神的なものもあった。居残り特打に岡田監督の指導も仰いだ。17日の広島戦(倉敷)で9試合ぶりに3番復帰。かすかな上向きは感じていた。 正田コーチには13日のヤクルト戦(神宮)でも大好物のドーナツの差し入れを受け、3号弾を放っていた。それが頭をよぎりもした。七回一死一塁の第4打席では空振り三振。硬くなったガムをようやくはき出した。 「三振をしてしまったからね。あしたは新しいガムを噛むよ(笑)。2人の打撃コーチには“あまり考え込むな”とアドバイスされている」 解体、改編の道をたどったクリーンアップが元のサヤに収まった。3番・シーツ。その存在価値をかみしめる思いだ。
2007年05月20日
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2007年5月18日(金) 対横浜 6回戦 甲子園 阪神4×1横浜4 所載はこちらをクリック 快投!快打!快勝!ジャン6回0封&初打点で連敗止めた!ジャンは打っても四回に初打点をマークした (セ・リーグ、阪神4-1横浜、6回戦、横浜4勝2敗、18日、甲子園)ジャンで勝った、ジャンで止めた! 阪神はエステバン・ジャン投手(31)が6回無失点の好投。横浜を4-1で破り連敗を3でストップした。先発失格の崖っぷちに立たされていた助っ投は、打っても今季初打点をマーク。これで今度こそ上昇気流に乗っていこうジャン!!◇ 打って、抑えて、はにかんだ。大きなおなかがお立ち台からズリ落ちそうだ。これでダメなら先発失格。それが6回無失点で生き返った。ジャン劇場のお題目は『地獄からの生還』だった。 「久保コーチにまずはありがとうと言いたい。ボークの修正などに付き合ってくれたからね。中4日はアメリカでは常識だし、自然なことさ」ほら、動きも軽快。ジャンが来日後最高のピッチングで連敗ストッパーになった ダンスを踊るようにマウンドで跳ねた。4月10日の2勝目から空白37日間。その中日戦で上がって以来のお立ち台で、冷や汗や脂汗混じりではなく、気分壮快な汗をかいていた。 ハイライトは四回一死一塁で打席に3番・鈴木尚を迎えた場面。鋭い打球がジャンを襲うが、大きな目を見開いて押さえた。投ゴロ併殺。脳裏にはびこるトラウマを断ち切った。 「全然怖くなかった。自分がキャッチしないといけない打球だった」 4月24日のヤクルト戦(甲子園)。ラミレスのライナーを右あごに受けた。流血降板。そこから歯車が狂った。3戦連続で炎上。獲得を指令した宮崎オーナーは「中継ぎの方がいい」と配置転換に言及した。岡田監督も「考えていた」というほど。四回二死三塁では、来日初打点となる中前適時打を放つのだから、自分でも切羽詰まっていた証明だ。 崖っぷち右腕はいかに蘇生したのか。久保チーフバッテリーコーチが妙案をひねり出した。走者を背負うと投げ急ぎ、ボークはすでに5個。静止すべきセットポジションにメスを入れた。グラブを腰の右側ベルトのところに固定し、まずフォークの握りで構える。直球を投げるにしても、握り直す分だけ静止できる。すると副産物でクセも読まれにくくなった。 ジョセイ夫人が3月下旬に米国で第二子(女児)を出産。家族の来日は6月下旬で、国際電話の通話時間は連日1時間を超える。ドミニカ共和国出身で母国語はスペイン語のため、英語を話す他の外国人と必要以上に群れることもない。人恋しさは携帯音楽プレーヤーで紛らわせた。突貫工事はコーチとの触れ合いの時間でもあった。だからこそ感謝した。 「この後は(交流戦に入って)変則日程になるけど中4日で。6回を投げてくれたら」 岡田監督はローテ残留を明言し、本人の望む中4日継続も認めた。連敗を3で止め、開幕40試合目で1点も与えずに投げ終えた初の先発投手への報い。一度は死にかけた右腕が帰ってきた。★オーナーも合格点! 宮崎オーナーはロッカーに引き揚げるジャンとがっちり握手。「ナイスピッチング! コングラッチュレーション!!」と英語で興奮気味に祝福した。不振の助っ人に中継ぎが適性とも話していたが、「この調子でやってくれたらいい。日本の野球に慣れてなかったんじゃないか」と先発としても合格点を与えた。総帥が観戦すると4勝2敗。9連敗と3連敗が止まっており、持ち前の勝ち運で“連敗ストッパー”としてもひと役買った。林ムード変えた先制ダ~ン!「喜田トレード」に惜別の一発!プロ野球阪神対横浜 2回裏0死0塁。林、左中間へソロ本塁打 (セ・リーグ、阪神4-1横浜、6回戦、横浜4勝2敗、18日、甲子園)進化する大砲が新境地を切り開いた。聖地に描かれた美しい放物線に虎党は喜び、他球団の007は頭を抱えた。最強の6番・林が自己最多の第6号をバックスクリーン左にほうり込んだ。 「気持ちはいつもセンター方向なんですけどね。ポイントを近くした分、ちょっと差し込まれたんですけど、うまく回転して打てました」 自画自賛の一発で連敗中の重苦しい雰囲気を断ち切った。一回二死一、三塁の先制機を逃したあとの二回だ。ピンチを乗り切り、落ち着きかけた相手先発・山口に再び襲いかかった。カウント2-2から外角高めの直球をフルスイング。プロ通算12本目で初の中堅より左方向へのアーチ。「そういえば、初めてでしたね」という未知の感触でも手応えは十分だった。先制アーチを放ちマスコットをスタンドへ投げ入れる林。虎党も元気をもらった それ以上に、先制点がうれしかった。「広島戦(3連敗)では早い回に点を取られていた。早く点を取って、いい雰囲気にしたかった」という。これまで6本塁打中3本が空砲。やはり勝利に結びつくと気分は違う。 発奮材料もあった。試合前に知った喜田の広島へのトレードには驚きの表情を浮かべた。3番・林、4番・喜田。ブレーク前の05年、2人は左の2枚看板として二軍の主軸を担った。 そこから林はチャンスをモノにし、サバイバルに敗れた僚友はチームを去り、新天地に活躍の場を求める。改めてプロの厳しさを知った。「まだまだアピールしていかないと」と慢心はない。レギュラーに定着しても、どん欲な姿勢は変わらない。 「あの並びが一番いいと思った。まだスッキリしてない。もうちょっとやな」と岡田監督。11試合ぶりに『シーツ・金本・今岡』のクリーンアップに戻した。機能したとはいえないが、林が打線の形を保ってくれる。 「与えられたところできっちりと仕事をしていきたい」。6番に下がっても、背番号31の輝きは増すばかり。林につなげ! これが猛虎浮上の合言葉だ。★もうすぐ夢が叶う! 林は今季初のお立ち台で「近々、呼びたいと思います」と母・張鳳嬌さんを招待するプランを明かした。母の日に呼び寄せる計画もあったが、13日はビジター(対ヤクルト・神宮)だったため断念。代わりに、オーダーメードの茶色のショルダーバッグを贈った。レギュラー定着を条件にした2年越しの夢が、現実味を帯びてきた。
2007年05月19日
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2007年5月13日(日)対ヤクルト 8回戦 神宮 阪神8×6ヤクルト4 所載はこちらをクリック 関本V打!野口がダメ押しタイムリー!脇役活躍で虎4連勝や!九回に野口の3点打で生還した関本(右)が桧山と喜びのハイタッチ (セ・リーグ、ヤクルト6-8阪神、8回戦、阪神7勝1敗、13日、神宮)阪神4連勝、この勢いは本物や!! 重苦しい展開を九回に関本健太郎内野手(28)、野口寿浩捕手(35)の連続タイムリーでヤクルトに執念の勝利。今季初の4連勝で、借金も「3」に減らした。次の広島3連戦(15日から米子、倉敷)で一気に借金完済や!!◇ 来た、来た、来たぞ。泥沼の先に連勝ロードが伸びていく。今季ワースト9連敗から今季最長の4連勝。4点リードを吐き出しても、徳俵に足をかけて踏ん張った。同点の九回、打線の再噴火で勝負を決めた。殊勲者は2人。今季いずれも苦しみ抜いた関本&野口だ。 「スローカーブは頭になかった。そればかり練習していたから。地味な練習が生きましたね。みんな連敗のウップンを晴らそうとしています」 一死から今岡の右前打で突破口を開き、シーツの三ゴロがイレギュラーして二塁打になる幸運もあった。ヤクルト守護神・高津は代打の桧山を敬遠する。塁が埋まった。打席には関本。5球目の92キロカーブを捕らえ、打球を左前で弾ませた。関本の勝ち越し打に続いて、野口が左越えへ走者一掃の二塁打。執念のひと振りだ トドメを刺したのは四回途中からマスクを被り、今季初出場を果たした野口だ。打球は左翼線を突き破り、3人の走者をすべてホームに迎え入れた。スコアボードに「4」が点灯する。脇を固める男たちが躍動した。 勝ち越し打の関本は、初の開幕スタメンを勝ち取りながら打撃絶不振に悩んだ。打率0割台に沈んだ4月上旬からは、試合前にスローボール打ちを続けてきた。「緩い球を打つことで自分のポイントを確認する」というのが狙いだった。それが実戦で生きるとは…。 野口はプロ18年目の開幕を二軍で迎えた。世代交代に押し出される屈辱だったが、「たとえ二軍でも開幕に合わせて調整するのがプロ」と言い切った。11日に初昇格したばかり。好投した橋本健は4月下旬に二軍落ちしており、「そのときいろいろ話をしていた」。耐えて忍んだ男と男がヒーローになる。追い風を感じずにはいられない。 「ああいう展開になると何かが起こる。きれいなヒットはいらん。どんな形でも1点を取りに行くというな」 試合後、岡田監督も背中に風を感じていた。9連敗の直前に3連勝しているヤクルトを再びたたきのめし、借金3。15日からはビジターの広島3連戦(米子、倉敷)が待つ。今度は魔のGW中に5戦全敗を喫した赤ヘルに借りを返す。 「ちょっと古い(表現だ)けど、リベンジしますっ!!」 勝者の行列の中で関本の声が弾んだ。逆襲あるのみ。借金完済へ猛虎が全員野球で走る。■データBox ★…岡田阪神では大型連敗後に連勝で取り返すケースが続いている。04年は8月14日の広島戦-20日のヤクルト戦で6連敗後、21日のヤクルト戦-29日の広島戦まで8連勝。05年は4月28日の中日戦-5月3日の広島戦で5連敗後、4日の広島戦から3連勝。06年は4月16日の広島戦-22日の巨人戦で5連敗後、23日の巨人戦から4連勝。8月22日の広島戦-26日の巨人戦で5連敗後、27日の巨人戦から1分けを挟んで6連勝した。効いたドーナツ差し入れ!シーツが“覚醒”3安打の大活躍!大活躍のシーツ。一回は3号2ランで今岡の先制打に続いた (セ・リーグ、ヤクルト6-8阪神、13日、神宮)その笑顔に、もう“悩める助っ人”の影など、ない。大歓声を浴びながら引き上げるシーツが、両手で捧げ持つ箱にかけていたタオルを、チラリとめくった。 「大好物の『クリスピークリーム』のドーナツだよ。試合前に正田コーチが差し入れしてくれたんだ。これが、きょうのラッキーアイテムだ」 実力と運。この試合のシーツには両方が備わっていた。まずは一回。今岡先制打の後、なお二死一塁から、グライシンガーの初球チェンジアップをとらえた。左翼席に飛び込む3号2ランは、12試合46打席ぶりの一発。ツバメの右腕に来日初被弾を見舞うと、同点の九回一死一塁では、三塁へ鋭いゴロを飛ばした。 最悪、併殺もあった打球は、飯原の手前で大きく跳ねて、ファウルグラウンドを転々。一死二、三塁と、決勝点のお膳立てをした幸運な二塁打で、23試合ぶり今季2度目の猛打賞も決めた。 9連敗中、ドン底の不振だった。5月8日の巨人戦(甲子園)で不動の3番から6番に“降格”すると、9、10日の同戦はスタメンも外れた。打率.225。やっと兆しが出たのが、この神宮だ。 7番で出場した11日の初戦。試合前フリー打撃で岡田監督、正田打撃コーチから「ヘッドがグリップより下がっている」とアドバイスを受けると、5試合ぶりの安打を含む2安打。6番の前日12日も1安打を放ち、迎えた3戦目。ラッキーアイテムも味方につけ、ついに打棒が“覚醒”した。 「全ての打席で完璧なパフォーマンスは見せられないけどね。ほぼ戻った。もう大丈夫だよ」 昨オフ、金本に習って血液検査などを行った。食事を改善するため、元々栄養士の資格を持っていたクリスティー夫人は改めて料理学校に入学。夫の健康管理をイチから支えている。まさに夫婦二人三脚で歩む07年。パパの大活躍で、双子の娘も大喜び間違いなしの『母の日』-。愛する家族にも、虎党にも、最高のプレゼントを贈ってくれた。今岡が技あり先制打&猛打賞!北京目指して猛アピール!一回二死二、三塁で今岡が先制の左前打。シーツとともに猛打賞で大暴れ (セ・リーグ、ヤクルト6-8阪神、13日、神宮)星野監督、見てくれてますか? チームへの貢献を北京五輪への夢につなげたい。日本代表候補に選ばれた今岡が、先制の2点打と勝ち越しの口火を切る技ありの右前打を含む3安打の大爆発。北京五輪を目指す星野日本代表監督へ、猛アピールとなる猛打賞で気を吐いた。 「一打席一打席集中しているんで。3割に乗った? 開幕のときからそれは言ってきたことなのでね。北京五輪にも行きたいし、しっかりアピールしないと」 林、金本と倒れた一回二死二、三塁、セの防御率2位のグライシンガーの直球を強振した。打球は三遊間を破り、5試合連続となる虎の先制点を叩き出した。 3月のオープン戦で、今岡を見た星野監督は「打撃はようなっとる」と太鼓判を押していた。そして、7日の日本代表候補発表の中に自分の名前があった。96年のアトランタ五輪で、日の丸を背負った男が、奮起せずにはいられなかった。一時は不調だった打撃も翌日の8日(巨人戦)から、18打数9安打。この間の打率は何と脅威の5割。この試合も4打数3安打で、3試合連続のマルチ(複数)安打、『H』ランプは6試合連続となり、今季の打率を.310まで上昇させた。 今岡の打撃について、広沢打撃コーチは「ヘッドを返さずに打っていたけど、イチローと一緒だよ。でも、これは誰でも打てるわけでなく、選ばれた中でも選ばれたものしか打てない」と虎の天才バッターを世界の天才と並べて絶賛した。 もちろん、チームの勝利が最優先。しかし、その先に見えるのは、星野監督とともに、北京を目指して、戦う己の姿。そのためにも、まず虎を優勝に導く。
2007年05月14日
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2007年5月12日(土) 対ヤクルト 7回戦 神宮 阪神3×2ヤクルト4 所載はこちらをクリック “超新星”の実力本物!狩野のリード&V打で虎3連勝や~!先制の一撃を左翼に放って二塁に到達する狩野 (セ・リーグ、ヤクルト2-3阪神、7回戦、阪神6勝1敗、12日、神宮)阪神・狩野恵輔捕手(24)が3試合連続スタメンで3連勝を呼んだ。二回の先制二塁打と必死のリードで、3-2の逃げ切りに成功。得点圏打率.571は中軸を凌駕。背番号99の勢いに乗って、9連敗を取り返す大型連勝が見えてきた。◇ 打ってよし、かぶってよし。東都の虎党が、狩野の攻守に酔いしれた。9連敗後の3連勝。敵地でまたも古田ヤクルトを転がした。流れを呼び込む先制打。リード面でも信頼度を増している。勝利のハイタッチも3夜連続なら、いよいよ板に付いてきた。 「バントのサインが出てないということは、打っていいんだと。思い切っていきました。(3連勝に)ホッとしてます。勝ててよかったです」鮮やかなバッティング。勝負強さはピカイチだ 捕手として絶対に与えたくない先制点。それを打者・狩野が力ずくで奪い取った。今岡、シーツの連打で作った二回無死一、二塁。ヤクルト先発・石井一のカットボールに食らいつき、左翼へ二塁打。得点圏打率は7打数4安打で驚異の「.571」。一過性の輝きではなく、これは実力だ。 3試合連続の先発マスク。連敗ストップからの再浮上は、背番号99がもたらした。好調な打撃、内角攻めをいとわないリードを買われての起用。それでも狩野にとって、矢野はまだ遠い存在だ。 今年1月、甲子園での矢野の自主トレに弟子入りした。事細かに技術的なアドバイスを受けたわけではない。「一軍キャンプに行ったら、絶対にランニングの先頭を走っとけ。絶対やぞ」。その言葉を大切にしていた。 2年前、狩野が初めて一軍キャンプに抜てきされたときから、矢野は後継者候補と見てきた。1年後、ランニングの隊列の後方を走る姿を見て、矢野は考えを変えた。一軍のベンチを奪い取ろうという姿ではなかった。狩野は昨年末の球団納会の席で「一緒に練習をさせてください」と頭を下げて来た。矢野はその心意気を受け止め、あえて技術に触れなかった。 先頭を走る。続ければまず、首脳陣の印象が変わる。使ってみたいと思わせる-。 狩野は、それを忠実に守った。その結果が初の開幕一軍。ブレークは“想定外”でも、出発点がなければ始まることはなかった。 「後ろの3人(JFK)については今まで受けた経験はなかったのに。毎日勉強して、いい方向にやればいいと思う」 岡田監督の口元にも信頼感がにじむ。先発マスク4連敗後の3連勝。チームは借金「4」の完済を目指すが、捕手としての収支は、13日にもとんとんだ。今季初の4連勝へ。超新星が虎のタクトを握っている。■データBox ★…岡田阪神では大型連敗後に連勝で取り返すケースが続いている。04年は8月14日の広島戦-20日のヤクルト戦で6連敗後、21日のヤクルト戦-29日の広島戦まで8連勝。05年は4月28日の中日戦-5月3日の広島戦で5連敗後、4日の広島戦から3連勝。06年は4月16日の広島戦-22日の巨人戦で5連敗後、23日の巨人戦から4連勝。8月22日の広島戦-26日の巨人戦で5連敗後、27日の巨人戦から1分けを挟んで6連勝した。鳥谷が千金タイムリー&美技!元“本拠地”で攻守にキラリ!鳥谷は四回に二盗。楽々セーフだった (セ・リーグ、ヤクルト2-3阪神、7回戦、阪神6勝1敗、12日、神宮)ここ一番で打つ。ここ一番で守る。これも、キーマンの証。攻守のターニングポイントで、1番・鳥谷が仁王立ちだ。 「何としても追加点が欲しかった。投手は1点(リード)じゃ苦しいと思うんで。会心(の当たり)ではないですが、打ててよかったです」 まずは『打』。二回に3連打、三回に2連打しながら、1点に終わっていた序盤。四回も一死二、三塁で9番・杉山が三振。「(二死からでも)トリ(鳥谷)かセキ(関本)でと思っていた」と、あえて“無策”で臨んだ岡田監督の期待に、結果で応えた。守っては七回、ライナーを好捕し併殺にとった四回の打席では貴重な2点タイムリー カウント1-1から左腕・石井一の外角140キロをとらえ、しぶとく中前に抜ける2点打。二死から放った2試合9打席ぶりの一打が、事実上の決勝打だった。 さらに『守』。1点リードの七回、ウィリアムスを投入しながら、二塁打と捕逸で一死三塁。JFKでの逃げ切りに暗雲が差した矢先に、飯原の強烈なライナーが頭上を襲った。「打った瞬間(三塁)走者が飛び出すのが見えた」。ジャンプ一番、打球をもぎとると、冷静に三塁へ送球。早大の同期・青木を刺した。 指揮官も「あの場面はもう同点(を覚悟)。打順は上位だし、ああなるとは思わなかった」と驚く併殺。あっという間のピンチ脱出劇だった。 七回には木田から、でん部直撃の死球というオマケ付き。まさに“大当たり”の1日に「当たったときは痛かったですが、今はポッポとしています」とニガ笑いだ。 神宮に詰めかけた観衆は今季最多の3万1272人。最近は早大・斎藤の登板日(最多で2万8000人)で沸いている大学野球の聖地も、逆襲を願う虎党の熱気が貫禄勝ち。そして「佑ちゃんフィーバーですか。(本人に)会ったことないしなあ」とハニかむ先輩も、さすがの活躍っぷり。 「だいぶやられました(連敗)からね。みんなで1つ1つ、返していこうという気持ちになっているんで」 9連敗から3連勝。確かな上昇気流。神宮の杜に響く六甲おろしを背に、クールな男の声も弾んだ。
2007年05月13日
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2007年5月11日(金) 対ヤクルト 6回戦 神宮 阪神5×3ヤクルト4 所載はこちらをクリック 虎の新クリーンアップが火を噴いた!LK砲の初連弾で連勝や!1点リードの五回、林は期待通りに4号2ランで貴重な中押し (セ・リーグ、ヤクルト3-5阪神、6回戦、阪神5勝1敗、11日、神宮)猛虎の新クリーンアップが神宮の杜で炸裂や!! 3番定着の林威助(28)、主砲の金本知憲(37)の両外野手が五回にそれぞれ4号2ラン、9号ソロをぶちかまし、連弾でツバメを撃沈。9連敗後にスカッと連勝だ。一発の醍醐味を思い出した岡田阪神は、一気の借金完済も夢やありまへん。◇ 反攻の5月は『アーチ月間』と行こうぜ!! 2発の打ち上げ花火が最下位脱出に導いた。最強コンビが襲名披露の2者連発。林が打てば、金本も2戦連発で譲らない。一発欠乏症への処方せん。それが虎のLK砲だ。 「センター方向を意識した結果がホームランになってよかった。(アベック弾は)光栄です。まだ借金があるので、1試合ずつ返していきます。あすも勝ちますっ!!」 林の弾む声から、旬の男の息づかいが聞こえてきた。五回無死一塁の第3打席。ヤクルト先発・松井の外角フォークを右中間席へ突き刺した。2点を先制しながら1点を返された展開。せせらぎのような流れを、4号2ランが激流に変えた。林に負けじと、金本も五回に9号ソロ 猛打のバトンは4番・金本が引き継いだ。今度は144キロ直球がエジキだ。9号ソロが右翼席へ着弾する。4度目アベック弾も、2者連続アーチは今季初。“合わせ技2本”が勝負を決めた。 「まだまだや。あのひと振りだけやからな」 シーツの不調で3番に林が収まった。金本が05年春のキャンプでキャッチボール相手に指名し、以来ペアを組んでいる。ただし、いわゆる師弟関係とはまた違う。 アニキは当初から「林ちゃんはやる」と素質を認めていた。台湾から野球留学したというその経歴。林は左ひざの故障でプロ入り後2年間を棒に振ったが、それも一軍デビューが遅かった自身と重なるものを感じた。 加えてこの純朴な青年は、日本人にはない何かを持っている。例えば試合中、ベンチを盛り上げようと金本がちょっかいを出す。たいていの選手なら笑いが起きるが、林は「やめてくださいっ! 試合中ですよ!!」とピシャリだ。「冗談が通じないときがある。ああ見えて怖い男よ」と笑う。 岡田監督は林の一発を「効果的なホームランやった」と褒め、金本にも復調を感じ取った。9連敗後の2連勝。5位で並んでいたヤクルトをたたき、最下位からも抜け出した。指揮官もここが分岐点だと感じている。 「流れを変えるのは難しい。流れを一つ変えれば、ポンポンと(一発が)出る。流れをつかんだら、離したらアカン」 チーム本塁打23はいぜんとして12球団最少だが、ついに3、4番が引き金を引いた。量産の季節はそこまで迫っているはずだ。■データBox ★…阪神の林、金本が06年10月16日のヤクルト戦(神宮)以来となる通算4本目のアベック弾。初の競演は05年10月4日横浜戦(甲子園)だったが、このときも3番・林、4番・金本のスタメンの並びで、四回に連弾で記録した。 ★…ちなみに2人のアベック弾が出た試合は、順番に●4-6、○5-3、○3-0、○5-3で通算では3勝1敗。球児の“火の玉”復活3K締め!KJFそろい踏み0封リレー!3勝目を挙げたボーグルソン(右)とベンチ前で握手を交わす藤川。3連投もへっちゃらだ (セ・リーグ、ヤクルト3-5阪神、6回戦、阪神5勝1敗、11日、神宮)同じ過ちは繰り返さない。九回に登場した球児がスコアボードにきっちり『0』を刻んで試合を締めた。守護神の背中が、またひと回り大きくなっている。 「ランナーを出したらあかんね。3連投? 楽しいよ。本当は3連勝のはずだけど、まだ2つ(2勝目)。1つ落としているから、これから成功していかないと」 全16球のうち、投じた変化球は2球。緩急で巨人打線を翻弄した前夜の姿から一変、MAX152キロの“火の玉”を主体に、グイグイと押した。 先頭の代打・畠山には全球が150キロ超の剛球勝負。たった4球で空振り三振に斬って捨てた。続く青木には中前打を許したが、守護神は一切揺るがない。飯原から内角高めの直球で空振り三振を奪うと、ガイエルはストレートのみの3球で調理。最後は真ん中高めの146キロでバットに空を切らせ、『連勝』の快感をチームに届けた。 5月9日の巨人戦(甲子園)で1点リードの九回にまさかの2失点。チームを9連敗の泥沼に沈めた自責の念がある。あれから3連投。投じる1球への重みは、さらに増した。グラブに書かれた刺繍を指さし、ブルペンの絆を示す左手首のゴムバンドに触れてから投げるルーチンは、今まで以上に丁寧になった。 「失敗の分を倍返ししないといけない。気を引き締めていかないと。あの失敗が頑張れる要素になっている」 JFKが3人そろい踏みで投げた試合はこれで10勝1敗1分。球児は、もう負けない。その1球は、まだまだ進化し続ける。★J疲れたけど0封 ウィリアムスは2点リードの七回、4番手で登板。ヒット1本を許したが、二死をとってマウンドを降りた。前日10日の巨人戦では、06年10月7日の巨人戦(甲子園)以来となる2イニングを投げていたため、疲労の色は隠せなかった。それでも、「きょうは少し疲れたけど、マウンドに立てばいいモチベーションの中でできている。明日? がんばるよ。自分のベストを尽くす」。4連投も辞さない覚悟だ。
2007年05月12日
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2007年5月10日(木) 対巨人 9回戦 甲子園 阪神3×2巨人やっと々勝ったぞ~~~~4 所載はこちらをクリック やっと!やっと勝ったでぇ!金本の先制2ランで虎連敗止めた!連敗脱出で、ナインと笑顔でハイタッチする金本(中) (セ・リーグ、阪神3-2巨人、9回戦、巨人6勝3敗、10日、甲子園)アニキが連敗止めた! 阪神は金本知憲外野手(39)の17試合ぶりの8号2ランなどでG倒。5月初勝利で、連敗を9で止めた。KJFリレーで逃げ切り、再び5位タイ。久々の六甲おろしは格別でんなぁ~。大型連敗後には必ず連勝する岡田阪神。さぁ巻き返しやで!◇ さあ思う存分歌ってくれ!! 胃を締め付けるような苦しみから、やっと晴れ間が見つかった。勝利への前奏は、久々に聴かせた快音だ。16試合、72打席の沈黙を打ち破る一発。14日ぶりに流れる「六甲おろし」のメロディーに合わせて、金本がお立ち台から叫んだ。 「9連敗したんで、9試合分大きな声で歌ってくださいッ!!」 バットを握る手に力は入っていなかった。一回二死一塁。「ヒットでいい」と思っていた。とらえたのは巨人先発・木佐貫のスライダー。4月18日の中日戦(ナゴヤD)以来の感触だった。先制の8号2ランが右翼席に突き刺さる。「ホームランの打ち方を忘れていたよ」。それが本音だ。 35打数5安打2打点の打率.143。球界最高峰の打者が、9連敗中に残した数字だ。元来、負けが込むか、打線が低調になると寝付きが悪くなり、眠れなくなる。それは自身の調子にかかわらずだが、今回は自らも足を取られた。「けっこうどん底。16年目でここまで(重圧が)きたのは初めて」と打ち明ける。金本は一回、右翼へ先制の8号2ランを放った 連鎖反応するように先発陣が崩れ、追いかける展開が続いた。前後の打者も沈黙した。打たねば…の思いが一流の打者をここまで変える。舞台裏のムードも重かった。 直前の広島3連戦(甲子園)中は「ファンのために勝とう!!」などと、ミーティングでハッパをかけ続けたコーチ陣も、この巨人3連戦からはかける言葉がなくなってしまった。岡田監督がゲキを飛ばすこともなかった。それぞれが重しに耐え、最ものたうったのがアニキだ。 前日9日はついに5打数無安打。試合後、恒例のバットスイングをやめた。「今までちょっと力みすぎていて、力が入りすぎていた」。三回の第2打席でも、右中間フェンス直撃の二塁打。マルチ安打も10試合ぶりだ。 「ようやくというか、まだシーズンは長い。早く止めたかったけど。長かった」。試合後、虎将の言葉に実感がこもっていた。いざ反攻へ-。連敗の後に連勝あり。それが虎の法則でもある。再びアニキの怪気炎だ。 「かなり借金も増えたんで、5割で帰ってきます!!」 次に甲子園に戻るまでに、5位タイで並んだヤクルト&4位・広島とビジターで計6試合。借金6。つまりは7連勝で完済をお約束-。残り111試合。遅すぎることはない。★オーナーがアニキに「おめでとう」 これぞオーナー効果!? 阪神の宮崎オーナーはチームを鼓舞すべく、聖地に駆けつけた。 「金本とは相性がいいんよ」との言葉通り、一回に金本が先制の2ラン。開幕2戦目の3月31日、広島戦(京セラD)でもアニキの本塁打をライブで観戦した。試合後は、素振りをスイングルームで続ける金本に、「おめでとう」と値千金の本塁打をねぎらった。■岡田体制ワースト連敗とその後の連勝 ▼04年 就任1年目のワースト連敗は8月14日の広島戦-20日のヤクルト戦で喫した6連敗。21日のヤクルト戦で連敗を止めると29日の広島戦まで8連勝した。 ▼05年 今季と同じくGWが不調。ワースト連敗は4月28日の中日戦-5月3日の広島戦で喫した5連敗だった。このあとは4日の広島戦から3連勝で盛り返した。 ▼06年 ワースト連敗は5連敗。4月16日の広島戦-22日の巨人戦で喫したときは、23日の巨人戦から4連勝。8月22日の広島戦-26日の巨人戦で喫したときは、27日の巨人戦から1分を挟んで6連勝した。風が運んだ?鳥谷が会心の一撃!1点差逃げ切り千金弾!五回、木佐貫から左翼席へ2号ソロを叩きこんだ鳥谷 (セ・リーグ、阪神3-2巨人、9回戦、巨人6勝3敗、10日、甲子園)浜風と勝利を渇望する虎党の声援に乗った白球が、左翼席に吸い込まれた。鳥谷が2号ソロ。貴重な一発は、10連敗を阻止する千金弾となった。 「真っすぐが来るだろうと狙っていました。1、2の3で思いっきりいきました。入ってよかったです」 2-1の1点リードで迎えた五回だった。先頭で打席に立つと、巨人の先発・木佐貫の初球、直球を狙い打ち。舞い上がった打球は、巨人の左翼・谷のジャンプをかすめて左翼席にぎりぎり入った。先月15日の横浜戦(甲子園)以来、19試合90打席ぶりの一発で、結果的には1点差の逃げ切り勝利につながった。八回には、ゴンザレスの二ゴロを併殺でしのいだ 「本当に風に助けられた。追加点というか、(木佐貫に)三振10個とられて相手も良かった」。好投していた木佐貫からもぎ取った1点に、岡田監督も目を細めた。 これで12試合連続安打。しかし、これまで毎試合打っても、自身の打撃に満足はしていなかった。勝利に結びつかないことで、1番打者としての責任を感じていた。8日の巨人戦終了後には、狩野、赤松らに混じり、主力ではただ一人特打を敢行。バットを振り込んだ。 その成果が出た。尊敬する金本の先制アーチに、中押し弾で続いた。通算9度目(今季2度目)のアベック弾。2人がそろえばチームは8勝1敗。縁起のいい一発で勝利をたぐり寄せた。 「風ですよ。風がなかったらとられてました」 あくまで風のせいにして謙そんした。でも、逆方向へ押し込むその力は、妥協を許さぬ努力の証し。本物の虎の1番になるために、この一発を弾みにしてみせる。
2007年05月11日
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