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2007年4月26日(木) 対ヤクルト 5回戦 甲子園 阪神3×1ヤクルト4 所載はこちらをクリック 金本&シーツ打点揃い踏み!今季初の同一カード3連勝や!金本は一回二死一塁で、中越えの適時二塁打 (セ・リーグ、阪神3-1ヤクルト、5回戦、阪神4勝1敗、26日、甲子園)阪神のアンディー・シーツ内野手(35)と金本知憲外野手(39)の3、4番コンビが今季2度目の打点揃い踏み。ヤクルト相手に今季初の同一カード3連勝を飾り、単独3位に浮上。いよいよ始まるゴールデンウイーク9連戦。主役が揃えば、ガッポリ貯金週間にしまっせ!!◇ 猛虎に勝負強さが戻った。主軸が打てば、チームは負けない。今季初の同一カード3連勝。3万8038人の虎党が、3夜連続の六甲おろしを大合唱だ。音頭を取ったのは、頼れる2人のバットマン。シーツ、金本の3、4番が、至福のハーモニーを奏でた。 「あれはタイムリーといわんよ。次の打席で打ってたらタイムリーやけどな」 勝利の凱歌を背に金本は、アニキ節で振り返った。一回、痛烈な先制パンチを見舞った。赤星のセーフティーバントを足がかりにした二死一塁。カウント2-2からグライシンガーが投じた5球目、高めのスライダーを振り抜いた。アッという間に中堅の頭上を越える弾丸ライナーの適時二塁打。7試合ぶりの打点で二塁ベースに仁王立ち。その背中は頼もしかった。それでも、続く三回一死二、三塁での空振り三振を主砲は悔いた。気力が充実している証しだ。 鉄人が放つパワーには、オフに護摩行を行う鹿児島・最福寺の池口恵観法主(70)が舌を巻くほどだ。「開幕から一息ついて疲れがくるころだろうと思って、14日に話をしたんです。こちらから気をおくったんですが、はね返ってくるものが今年は違う」。携帯電話を通じて感じる力に活躍を確信した。シーツは三回、二塁へヘッドスライディングの気迫を見せた その気迫は、前を打つシーツにも乗り移った。三回一死一、二塁。開幕から31イニング目で、初めて四球を与えた助っ人右腕のスキを見逃さなかった。チェンジアップに食らいつき、三遊間をしぶとく破った。「いい場面で打てて本当によかったよ。接戦の大事な展開の中で打てたのは自信になる」。華麗な守備でもみせた。四回二死満塁、宮本が放った一、二塁間の打球を好捕。「むちゃくちゃ難しいプレーじゃないし、普通にやっただけだよ」とクールに振り返る。 3、4番の揃い踏み打点は、4月11日の中日戦(甲子園)以来、2度目。第1戦のサヨナラ勝ちで勢いを付け、前日25日は5番・今岡が4安打1打点と復調をアピールした。チグハグさが目立った打線が、勝利のコツをつかみ始めた。先発のグライシンガーにはオープン戦で4回0封に抑えられていた。「あのときは点が入らん感じやったけど、序盤で点が取れてよかった」と岡田監督は復調気配を感じ取った。 「遠征に出ても勝ってくるんで、応援よろしくお願いします」。お立ち台で、シーツが力強く叫んだ。今季2度目の3連勝で、3位に浮上。貯金も最多タイの2とした。28日からはGWの9連戦を前に、上昇気流に乗った虎が連勝街道を突き進む。美人妻観戦したら負ケマヘン!ボーグルソンなんとか2勝目!5回を1失点でしのいだボーグルソン。2勝目を挙げた (セ・リーグ、阪神3-1ヤクルト、5回戦、阪神4勝1敗、26日、甲子園)最後まで綱渡りの投球でもがき苦しんだ。与四球は「4」、球数も5回で102球まで達した。ボーグルソンが守備陣の援護で何とかつかんだ2勝目。愛妻の前で、ダンナのメンツはかろうじて保った。 「ディフェンスが素晴らしい仕事をしてくれた。きょうは振り返っても良くなかったけど、ディフェンスがすべてやってくれた」 一塁ベンチ上の観客席にはニコール夫人がいた。情けない姿は見せられない。だが、野手の助けがなければ5回1失点では済まない内容だった。 四回二死満塁の危機では宮本に痛打された打球を、シーツが懸命に横っ飛びして捕球。一ゴロで窮地を脱した。1点を失った五回は、なおも二死一、二塁の危機から福川に高めのカーブをとらえられた。中前に抜けそうな痛烈な打球を鳥谷が果敢にダイビングキャッチして遊ゴロ。バックのおかげで大量失点をかろうじて免れた。 前回19日の中日戦(ナゴヤD)では五回に突如乱れて計6失点。「自分を見失った」と振り返った。翌日、練習中の下柳に通訳なしで英語で話しかけた。「どうしたらピンチで冷静に投げれるか」。経験豊富な左腕に助言を求めた。結局は通訳を挟んだが、頼りになるベテランからは明確な答えが返ってきた。「矢野のサインに首を振り過ぎ。もっと矢野を信じて、ミットに投げ込むだけでいい」。教えを忠実に守り、この日はほとんど首を振らなかった。「前よりよかったんちゃう」と矢野。信頼関係はこれで一段と深くなった。 岡田監督は「あっぷあっぷやった。コントロールが悪い。五回で100球やろ。好調なチームなら二、三回でつかまっとる」と酷評。それでも勝ち星を手にすることができたのは大きな収穫だ。 「試合には勝ったけど、ピッチングに関してはダメ。次のゲームではきょうより良くしたい」 得意の打撃では3試合連続安打をマーク。愛妻の観戦試合はこれで2戦無敗。次戦は5月3日の横浜戦(横浜)に先発する。今度は自らの力で結果を出してみせる。スタンドから観戦したボーグルソン夫人のニコールさん。勝利の女神です★美人妻ニコールさん「「タイガースが勝ったし、よかったわ」 観戦に訪れた美人妻のニコールさん(28)も、夫の勝利に酔いしれた。 「タイガースが勝ったし、よかったわ。前回はホームランを打ってね、と言って送り出したけど、今日はいい投球して、とだけ言ったわ」。前回観戦の12日・中日戦(甲子園)に続き、夫人へ勝利をプレゼント。夫人が来ると負けない。“不敗神話”を伝え聞くと、「ホントに?うれしいわ」と、満面の笑みを浮かべていた。
2007年04月27日
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2007年4月25日(水) 対ヤクルト 4回戦 甲子園 阪神7×2ヤクルト4 所載はこちらをクリック 今岡4安打の大噴火!虎大勝、天才目覚めりゃ怖いものなし!今岡が七回に左翼へ二塁打。4本の乱れ打ちショーを締めくくった (セ・リーグ、阪神7-2ヤクルト、4回戦、阪神3勝1敗、25日、甲子園)阪神・今岡誠内野手(32)がヤクルト戦(甲子園)で一回の先制打に始まり4安打の広角乱れ打ち。虎の生命線といわれる5番打者がついに復活のノロシをあげた。チームも4カードぶりの勝ち越しで貯金1と再浮上。ここから大型貯金週間といきまっせ!!◇ ついにスイッチが入った。甲子園に甦る『安打製造機』の快音が、虎の上昇の合図だ。5番・今岡が先制打を含む4打数4安打の固め打ち。天敵・石井一を飲み込んで、打線は11安打7得点、今季3度目の連勝で、貯金生活が再び幕を開けた。 「こういう固め打ちを、これからもね。こういう打ち方、気持ちの時がいい時というか。いい状態になってきている」 体に頭に、戻ってきたイメージ。まずは一回二死一、三塁。金本の振り逃げで拾った好機に、内角低め直球を叩いて先制左前適時打を放つと、三回は中前打。五回、3点追加の口火を切る右前打で今季3度目猛打賞を決めると、締めは七回だ。花田の初球カーブを左翼線二塁打。けれんみのないスイングで弾かれる白球に、聖地が酔った。サインボールを投げ入れる勝利の儀式。今岡もスタンドも笑顔、笑顔 「クリーンアップだと走者がいる、いないで気持ちの面で難しいところもあるが、いつも全部ヒットを打つ気持ちで打席に入る。そういう風に1年間、やりたいです」 復活を期す今季、キャンプから貫くテーマが、打率だ。1試合4安打は05年9月13日の巨人戦(長崎)以来。その05年、こんな話をしていた。「長い歴史を見ても、1年間でヒットを打てる量はだいたい決まっている。だから、それをどこで打つかやろ」。打点への徹底的なこだわりが生んだ、打席の“差別化”。それを今年は180度、転換した。全打席、安打を狙う。「それが決定的な違い。05年は打率なんて一切考えなかった」。1番打者として安打数に徹した03年は首位打者。05年は打点王。共にチームはV。つまり極端になった時の今岡は、怖い。 借金1で迎えたヤクルト3連戦前。打率.288、6打点、0発とくすぶる打撃について「シーズンが終わってから聞けよ」と一蹴した。雑音に惑わされず、とにかく1年やり遂げる。オフから徹底して続けてきた守備練習も、そうだ。継続できる意思の強さが、極端を成功につなげる。 「最後の初球カーブ(打ち)で今岡はもう戻ったんじゃないか。本来の打撃を思い出した」と岡田監督。5、6番がカギと話す指揮官も、ピンと感じた復活の予感-。 「まだまだ先は長いんで、これからジワリ、ジワリといきたいと思います」。お立ち台で、あえて『ジワリ』の言葉を使った。継続は力なりー。今岡が1年間、己の信念を貫き通した先に、頂点は待っているはずだ。満点ピッチや下柳!雨中で“らしさ”発揮6回3安打1失点!下柳が雨中で奮闘。ベテランの持ち味を存分に発揮した (セ・リーグ、阪神7-2ヤクルト、4回戦、阪神3勝1敗、25日、甲子園)雨風に耐えて“2度目の開幕戦”を制した。今季甲子園初見参。相手も同じ開幕投手の石井一。1度はエースの重圧につぶれかけたが、下柳が本領発揮の連勝だ。 「よかったね。矢野のリードのおかげです。(連勝も)よかったね」 6回を投げて失点は畠山のソロ弾のみ。淡々とゴロの山を積み上げるスタイルが復活した。特にツバメ打線の生命線、3番・青木にスイングをさせなかった。四回先頭の第2打席ではカーブで三振にも斬った。わずかに被安打3。2連敗後の2連勝に意味がある。 開幕当初、岡田監督が頭を抱えたのも「エース対エース」で勝てない下柳だった。プロ17年目で初の開幕投手。栄誉であると同時に、ローテ通りなら他球団の“顔”との対戦が続く。「開幕投手はエース級とばかりぶつかるんやから。(昨年までの)井川だって、開幕じゃなかったらもう少し勝っとるよ」。開幕戦で広島・黒田に投げ負け、続いて巨人・内海にも屈した。ここで指揮官はローテを崩し、中11日の猶予を与えた。 18日の中日戦(ナゴヤD)の相手先発は谷間の長峰。「あの1勝が大きかった」と久保チーフバッテリーコーチも言う。再び開幕投手対決となったが、心理的に違った。 開幕前の決起集会。例年なら先頭に立って盛り上げる下柳が、「今年は少し控えめだった」と関係者は話す。重責が身を締めつけていた。それが前日24日には、発注していた長距離打者用バットを受け取った。投球のみならず、すべてに大胆に。“らしさ”が戻った。 「(前回)中日に勝って、気分的に楽になったな」。指揮官も本来の姿と認めた。エースを名乗ってしかるべき。それを知らしめる2勝目だ。■心の余裕…38歳 雨中の試合。下柳は四回を抑えた後、マウンドに向かうヤクルト・石井一に、自分の左ポケットに入れていたロージンバッグをトス。名幸球審が「彼も持っている」と説明したにもかかわらず、渡した。敵にも配慮するマナーと、心の余裕。さすが円熟の38歳。
2007年04月26日
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2007年4月24日(火) 対ヤクルト 3回戦 甲子園 阪神2×1ヤクルト4 所載はこちらをクリック 林救った矢野決めた!九死に1勝、雨中の逆転サヨナラや!同点に追いついた九回、サヨナラ打した矢野は背後から抱きつかれ、夢心地だ (セ・リーグ、阪神2x-1ヤクルト、3回戦、阪神2勝1敗、24日、甲子園)九ごっちゃんサヨナラで猛虎が九死に一生を得た。借金暮らしとも2日でオサラバだ。強まった雨が1点を追う九回に敵失を呼び込み、一死満塁から林威助外野手(28)が起死回生の同点打、最後は矢野輝弘捕手(38)が中前打にはじき返して、幕切れを彩った。これで乗らな、ウソやで!!◇ 雨のドラマに2人の主役が存在した。1点を追う九回。林の千金打で追いつき、矢野が一気にトドメを刺した。したたる水滴が心地いい。雨音に負けじと、お立ち台から正妻の声が弾んだ。九回、一死満塁で林はヤクルト・高津から右前に同点タイムリー続く矢野は中前にはじき返して決着をつける 「若い狩野も頑張っていますが、オジさんの矢野も負けませんっ!!」 一死後、シーツの飛球を右翼手・ガイエルがまさかの落球。守護神・高津の動揺にもつけ込んだ。矢野の殊勲打は同点に追いついた直後、一死満塁で飛び出した。3球目スライダーがエジキだ。打球は前進守備を突き破って中前へ。三走・金本が小躍りして生還した。 さきの巨人3連戦。一番弟子の狩野が3連夜の爆発を演じた。「自分の若い頃を思い出した。チーム内に競争があるほうがいい」。安泰の座に刺激はない。下からの突き上げがまた、選手としての延命につながる。ならば同点打の林はどうか。 右肩痛を再発させた浜中が、23日に登録抹消。右翼を争ったライバルが姿を消した。今季7度目の先発だが、相手先発が左腕では初めてだった。 「左投手にも苦手意識はない」。その思いは空転した。左腕・石川に2打席凡退。ところが今季4度目の完封負けが迫った九回、シナリオが書き替わった。失策、敬遠、四球で塁上が埋まった。 「最低でも外野フライを打とうと思っていました。それまでヒットを打てていなかったから。きょうからは責任を持ってやらないといけない」 打球が水しぶきを上げながら、右翼手・ガイエルの手前ではねた。勝負を決定付けた瞬間だ。 若手と見られるが、実は浜中と同学年の28歳。独身選手寮の虎風荘では最年長の住人だ。「練習に専念したいから」と結婚するまで出るつもりはない。大卒ならば入団2年が退寮のメドとなっている。今季5年目。球団関係者は言う。「台湾のお母さんに送金していることなど、彼の事情も考慮している」。運を呼び込む素地がある。 掛布、新庄。かつてのビッグネームも主力の欠場を機にスターダムにのし上がった。果たして同じ星に棲む男なのか? 「右ピッチャーで、一番おいしいところで回ってきたな」 岡田監督も“見えない力”にピンときた。雨中の5割復帰。虎にもまだまだツキがある。一生に一度のチャンス。林が強運&強打でそれをもぎ取る。男気『0』封!“禁”破り久保田&ウィリアムス緊急登板!七回に登板した久保田は2イニングをゼロ封ウィリアムスは逆転サヨナラの影の立役者だ (セ・リーグ、阪神2x-1ヤクルト、3回戦、阪神2勝1敗、24日、甲子園)雨雲がまるで鉛のように絡みついていた。『0』が並び、1点を追う重苦しい展開。負ければ今季初の3連敗に土壇場で、岡田監督の“攻めのタクト”が奇跡の逆転サヨナラ勝ちを呼び込んだ。 「間隔が空いていたし。後ろの3人がいるということは、逆転するということ。野手が最後に応えてくれた」 好投のジャンが、顔面に打球を受けて突如の降板。七回無死一塁。想定外の窮地に迷わず、久保田を緊急登板させた。二死から武内を四球で歩かせたものの、田中浩を二飛で後続を断つ。続く八回は3人斬りだ。 そして“禁”を破った。1点差とはいえ、負けている展開で初めてウィリアムスをコール。そして青木、ラミレス、ガイエルの主軸をピシャリ。『JK』、いや『F』まで出してでも踏ん張り、勝ちをもぎ取ろうとする執念。描いたシナリオが、最後に結実した。 21日の巨人戦(甲子園)。1点ビハインドの七回に久保田を投入しながら、八回の相木が2失点。『JF』を温存して敗れた。「五回、六回でリードした展開にならん。4試合先制されて、後手後手になる」。リードできなければ、必勝パターンもつかえない。もどかしい中、勝負手を打った。そして貴重な白星をもぎ取った。 初勝利のおまけもついたウィリアムスも「うれしい」と笑顔をみせたが、「心配。早く直ってほしい」と負傷したジャンの症状を気遣った。 「最後まで何が起きるかわからんけど、もっと早い回に点を取らないと。まだ全開とはいかない」。将に満面の笑みはない。まだ打線は本調子じゃない。それが牙を剥くまで、我慢の采配で乗り切る。
2007年04月25日
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2007年4月20日(金) 対巨人 4回戦 甲子園 阪神5×4巨人バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/4 所載はこちらをクリック 阪神が逆転サヨナラ勝ち!7年目・狩野、プロ初安打が劇的打!打っちゃった…。勝っちゃった。7年目の狩野が劇的ドラマを締めくくった (セ・リーグ、阪神5x-4巨人=延長十二回、4回戦、2勝2敗、20日、甲子園)奇跡や、奇跡が起きたでえ~! 阪神が20日の巨人戦で延長十二回、3点差を跳ね返して5-4で大逆転サヨナラ勝ちした。同点に追いつきなおも続く二死満塁で、プロ7年目の狩野恵輔捕手(24)が左翼線に決勝打。今季最初の甲子園でのG戦で、歴史的ドラマが起きたんや!!◇ 筋書きのないドラマが“待ち続けた男”に光を当てた。プロ初安打が延長十二回のサヨナラ打。歓喜の輪の中心で背番号99が踊っている。プロ7年目。苦節を重ねた狩野が美酒の味を知った。 「(出番が)絶対に来るという気持ちで待っていました。もう負けることはない。思い切っていこうと思ってました」 お立ち台も初体験。待っていてくれた満員の右翼席は絶景だ。同点打の赤星とは対照的に、大歓声にぎこちなく両手を振った。 延長十二回。3点差を追いつき二死一、二塁から5番・今岡が歩かされた。ベンチに残ったのは狩野と清水の控え捕手2人だけだった。岡田監督が手招きして「まっすぐだけ狙え」とささやく。初球のフォークを空振りしたが余裕があった。2球目の直球が左翼線を抜けていった。 「ファームのときからチャンスで初球を見逃すのがイヤだった。空振りしても落ち着いていた。岡田監督には1、2年目に二軍でお世話になり、こうして一軍で貢献できたのがうれしい。おめでとうと言われました」 3年前に聖子夫人(26)と結婚。すでに2男に恵まれている。とくに昨年11月15日の二男誕生が転機になった。「もう、家族に迷惑かけられん。自分を変えないと」と一念発起。オフには金本に弟子入りし、広島市内のトレーニングジム「アスリート」の門をたたいた。 単身で広島に乗り込み、ホテル住まいで本格的なウエートトレに取り組んだ。一時的に家族に寂しい思いはさせる。それでも、二軍でくすぶる自分を見せる方がつらかった。「家族と会えないくらい練習に集中しないといけないと思った」と振り返る。 今春、一軍の沖縄・宜野座キャンプに抜てきされると、鳥谷とともに連日、日が暮れるまでウエートトレに励んだ。愛妻は高知・安芸出身。2人の幼子を連れて帰省しており、会えたのは安芸キャンプ中の約2週間だけだ。オープン戦が始まるとまた単身生活に戻った。そしてつかんだ初の開幕一軍切符だった。 開幕一軍スタートで1度も登録抹消されることなく、1度も出場していなかった最後の男。それが最高の舞台で報われた。記念のボールは巨人・矢野によってスタンドに投げ込まれてしまったが、関本の呼びかけで戻ってきた。バッグに潜ませた約150グラムの汚れた白球-。この重みをつかむために、6年間の汗と涙があった。■狩野恵輔(かのう・けいすけ)あらかると ▼基本データ 1982年(昭和57年)12月17日、群馬・赤城村生まれ、24歳。1メートル81、76キロ。右投げ右打ち。家族は聖子夫人(26)と2男。今季年俸は650万円(推定) ▼球歴 前橋工高では3年夏の県大会決勝で敗れ、甲子園出場なし。01年D3位で阪神入団。この年は野村監督の3年目(最終年)。同期D1位は太陽。4位に赤星、6位に沖原(現楽天)、7位は藤本だった。当時の二軍監督が岡田監督 ▼努力の男 今季は開幕一軍スタートも出場機会がなかった。それでも岡田監督、久保チーフバッテリーコーチの座るベンチ左隅に陣取り、配球などを学んだ。それをノートに残しており、次代の正妻へ勉強の日々だ ▼二軍首位打者 昨季は持ち前の打撃センスが開花し、ウエスタンで首位打者(打率.348)獲得。俊足にも定評があり、第2捕手兼代打、代走要員として一軍入り赤星、意地の同点タイムリー!“同期”狩野の劇打おぜん立て!狩野のサヨナラ打につなげた赤星の同点打。十二回一死三塁から右前に運んだ (セ・リーグ、阪神5x-4巨人=延長十二回、4回戦、2勝2敗、20日、甲子園)サヨナラのホームが涙でかすんでみえた。打球が自らの頭上を越えると、三塁から無我夢中で本塁を駆け抜けた。笑顔のヒーローに、手荒い祝福を見舞う。ドラマのような劇的なフィナーレに赤星が目を潤ませた。 「狩野とは同期なんで特別な思いがありました。『絶対打ってくれ』と思ってて、打った瞬間、涙が出そうになりました。自分のことのようにうれしいです」 1、2番コンビが徳俵で踏ん張った。3点差の延長十二回一死から、藤本、林の連打で一、二塁。鳥谷が「とにかく後ろにつなげたかったんで」と左中間へ2点二塁打をはじき返した。 1点差。借金生活には入りたくない。暴投も絡んで一死三塁。カウント2-1から2球ファウルで粘った。空振りで痛めている首に負担をかけたくない…。「甘い球がきてくれ」と祈って低めのフォークに食らいつく。一、二塁間を破る同点適時打。サヨナラのおぜん立てだ。 高卒と社会人の違いはあれどプロ7年目。入団してから2年間、虎風荘で寝食をともにし、熱い野球談義を交わした記憶も懐かしい。「太陽が先発で藤本が二塁、捕手が狩野。センターがボク」と同期でセンターラインを作るのが夢だった。 赤星が1年目から一軍で活躍する傍ら、鳴尾浜で必死にバットを振る狩野の姿を誰よりも気にしていた。「一生懸命頑張っているのを知ってるから」。打席から緊張感も伝わってくる。打ってくれ-。心で絶叫した。熱いものがこみ上げた。 前日はナゴヤドームで6点リードを逆転負け。唇をかんで新幹線に飛び乗った。一夜明けて延長で勝ち越された。選手会長は「お客さんが帰っていくのが見えた。悔しかった。最後はみんなの執念で、つながった」と胸を張った。 狩野と上がった2年ぶりの本拠地でのお立ち台。「勝った次の試合が大事」と気を引き締めた。お祭り騒ぎにも浮かれ気分はない。虎の逆襲がここから始まる。
2007年04月21日
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2007年4月18日(水) 対中日 5回戦 ナゴヤドーム 阪神9×1中日4 所載はこちらをクリック 虎9得点&先発全員安打!“鬼門”ナゴヤドームの呪い解けた!ナゴヤドームで今季初勝利や! スタメン復帰した赤星(右)はゲームセットの瞬間、金本と笑顔でハイタッチ (セ・リーグ、中日1-9阪神、5回戦、阪神3勝1敗1分、18日、ナゴヤドーム)阪神が敵地ナゴヤドームで竜に大、大、大完勝だ! 首を痛めていた赤星憲広外野手(31)がスタメン復帰するや、初回に6得点の秒殺劇。鬼門と言われた尾張の地で、呪縛を解き放つ先発全員安打。鬼門打破の虎祭りやで!!◇ さあ、尾張に集う虎党よ!! 腹の底から声を出せ!! 今までたまった分だけ、六甲おろしを歌おうやないか!! 屈辱を味わい続けた鬼門の歴史に、猛虎が力強くピリオドを打ったんやから!! 「犠牲フライで1点取った後に、あれだけ続いたんやから。5、6番が打つと大量点? いつも言うてることやんか」 岡田監督も大きく目をむくほどの秒殺劇だ。先頭・鳥谷が先発・長峰の初球を左前への進軍ラッパを吹いた。4試合ぶりに『2番・中堅』で先発復帰した赤星が投前へ犠打をきっちり。頚椎椎間板ヘルニアを患い、左半身にはしびれがあるが「気合を入れてやるだけ」。アドレナリンでかき消していた。 金本の犠飛で先制すると、2四球をはさんで5番・今岡から5連打。二死満塁で、再び手負いの選手会長に打席が回ってきた。一塁左への痛烈なゴロを放つと全力疾走。適時内野安打となり、スコアボードの左上に『6』を点灯させた。 「抜けると思ったのに。仕事を果たせてよかった」と安どの表情の赤星だが、ナゴヤドームでの初回6点は7年ぶり2度目の最多タイ。7試合ぶり開幕オーダーに戻った打線が、うれしいほどの連鎖反応を起こした。 前日は3安打完封負けの屈辱。できれば休ませたかった赤星を、指揮官は敢えて代打で使った。「『あした行けよ』という監督からのサインと思っていた」。実際にスタメンが決まったのはこの日の練習前。あ・うんの呼吸がそこにあった。その期待に応えてみせた。 昨季1勝10敗。前日まで通算33勝86敗1分け。まるで呪われたかのような鬼門の地だが、対策が功を奏した。「打席から投手が近くに見える」ということから、試合前の練習では将のアイデアで打撃投手を約1メートル前から、投げさせていた。 「1点取られた後に、1点でも入ればというところで、3点は大きかった」。四回の金本の3ランを呼び込んだ赤星の左前打を評価。ここでの9得点も04年4月20日以来、3年ぶりの大勝だ。 「きょうはせっかく勝ったんで、あしたもがんばります」と地元出身のレッドスターが気勢を上げる。 今季最多タイ13安打&先発全員安打による鬼門勝ち越しという最高のナゴヤ土産で、次は甲子園でも、ドンチャン騒ぎといきましょか。金本が自己最速7号!ウッズに1差、「4番」対決も勝つで!四回にはトドメの3ランを右翼席へ運んだ (セ・リーグ、中日1-9阪神、5回戦、阪神3勝1敗1分、18日、ナゴヤドーム)難攻不落の敵陣で、先制パンチ&トドメの一発。役者が違う。4番・金本が自己最速ペースを更新する7号3ランで、鬼門初星を呼びこんだ。◇ 「どうしても、追加点がほしかった。右方向に打って、ランナーが三塁にいけばと思った」 進めるどころか、歩いて迎え入れた。5点リードの四回だ。赤星、シーツの連打で無死一、二塁。つなぎの意識で打席に入った。カウント0-2から2番手・浅尾が投じた3球目、真ん中に入ってきたスライダーを振り抜いた。「あんまりいい打ち方じゃなかった」。それでも、高々と舞い上がった白球は右翼席でポーンと跳ねた。初回の猛攻で一息つき、1点を返された場面。取り戻しかけた竜の戦意を完全に奪った。二回、懸命に走って内野安打を決めた金本 3・30開幕戦以後続いていた胸のつかえが、ようやく取れた。開幕敗戦直後の一塁ベンチ。「きょうはすまなかった」。肩を落としてロッカーへと引きあげるナインに向かって、下柳がわびた。同級生のそんな姿が、ずっと脳裏に焼き付いていた。敗れた責任は4打数無安打だった自分も同じ。もうアイツにあんな思いはさせたくない-。だが、次の登板の巨人戦(6日・東京ドーム)でも援護できず、計8凡退。3度目の正直にかけていた。 開幕直前に痛めた左太もも裏はまだ万全ではない。名古屋遠征からアップに合流したが、シートノックは回避。体と相談しながら戦う日々だ。 初回は一死一、三塁で先制の右犠飛を放った。今季3度目の1試合4打点。完封負けを喫した前日17日の第1戦は、中日・ウッズが1本塁打3打点。「(中日に)昨年は4番の差で負けた」と振り返る主砲対決は、これで五分だ。 「去年は去年、今年は今年。去年みたいな重い気持ちはない。(ナゴヤドームに)苦手意識はない」 敵地でのヒーローインタビューで言いきった。トイメン勝負を制し、今宵も尾張に六甲おろしを響かせる。下柳ようやく初勝利!中11日も“いたずら調整”で問題なし!先発の下柳は5回を1失点でしのぎ、今季初勝利だ (セ・リーグ、中日1-9阪神、5回戦、阪神3勝1敗1分、18日、ナゴヤドーム)粘投の先に、待望の白星が待っていた。下柳が3試合目で、ようやく今季初勝利をつかんだ。◇ 「野手のおかげ。それしかない。あれだけ点差があって、あれだけ四球を出したら…。そこを野手が頑張ってくれた。感謝してます」 5回を投げて4安打1失点。与四球は「5」。制球に苦しんで毎回のように得点圏に走者を背負ったが、何とか踏ん張った。失点は二回二死一、二塁で荒木に許した左前適時打での1点のみ。「得点に守られたよ」。自身の中前打も絡んだ一回の6得点が支えだった。 試合中に修正できるのがベテランの成せる業。五回は2四球から二死一、二塁の危機を招いたが、動じない。最後は中村紀をスライダーで一飛に仕留めてお役ご免。先発の役割をこなした。 前回登板は6日の巨人戦(東京ドーム)。ここまで中11日の間隔が空いたが、実戦感覚を研ぎ澄ますことは忘れなかった。投球練習の際に、多くの投手はあらかじめ捕手に球種を告げる。だが、下柳は直球を待つ捕手にいきなりチェンジアップを投げ込んで、笑みを浮かべていた。「僕らが簡単に取ったら腕が振れていない証拠。そう判断してるんでしょうね」と片山ブルペン捕手。いたずら混じりのひと工夫で、調子のバロメーターを維持し続けた。 「勝っていないピッチャーやからな。あれだけ点差もらったら、絶対に勝たなあかんからな」。開幕投手を務めた下柳の初白星に、岡田監督も安堵の表情を見せた。ベテラン左腕もナゴヤドームでの勝利は05年7月8日以来。これで敵地での苦手意識は一切なくなったはずだ。◆下柳について阪神・久保チーフバッテリーコーチ 「よくなかったけど、点差があるときはあのピッチングの方がいいかもね。柳に風のようにね。ローテの組み替えで、いい気分転換になったんじゃないかな」
2007年04月19日
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2007年4月12日(木) 対中日 3回戦 甲子園 阪神3×1中日バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/4 所載はこちらをクリック ボーグルソン愛の驚弾!竜倒に虎党も美人妻もバンザ~イ!ボーグルソンは二回、甲子園初打席で左翼へ2ランの驚弾 (セ・リーグ、阪神3-1中日、3回戦、阪神2勝1分、12日、甲子園)仰天の一撃でボギーが竜倒だ!! 阪神はライアン・ボーグルソン投手(29)が甲子園初打席で中日のエース川上から左翼へ2ラン。驚愕の弾道で勝負を決めた。投げては6回1失点と、美人妻のニコールさん(28)が見守る中、首位中日に0.5差に迫るハッスル白星や!◇ 甲子園を震撼させる一撃だ。先発投手のボーグルソンが甲子園初打席で虎党を仰天させる110メートル弾を放った。 「甲子園のファンは世界一だと思っている。こういうファンの中でやるのは初めて。最高の気分だ。あの瞬間、自分にとっては忘れられない瞬間だった」打つだけじゃない!ボーグルソン投げては6回1失点 1点リードの二回二死二塁。カウント1-1から、竜のエース川上が投じた内角への143キロの直球を投手とは思えない鋭敏なスイングで振り抜き、打ち砕いた。カッツタウン州立大時代は三塁手で、メジャー通算は59打数11安打(打率.186)。打撃能力は本物だ。高らかに舞い上がった打球は、華麗な放物線を描いて左翼席中段に突き刺さった。99年のミラー以来となる外国人投手による驚弾は、一振りで虎党の心をつかむ2ラン。甲子園はボギー劇場と化した。 じっくりと歓声を堪能してから本塁を踏むと、一塁ベンチ上に向かって左手人さし指を高く突き上げた。その先には同じポーズを取ったニコール夫人の姿があった。 自宅を出発する直前のことだった。妻は本拠地初登板の晴れ舞台へと向かう夫を呼び止めた。「きょうは良いピッチングと、私のためにホームランを打ってね」。冗談交じりの言葉だった。だが、その言葉には確かな力が宿っていた。 「不安なことはいつもワイフに相談しているんだ」。支えてくれる人がいるからこそ、異国での挑戦にも決心がついた。感謝の思いを込めて、完ぺきな演出を用意した。これ以上のプレゼントは世界中を探しても見つからない。「アイラブユー」。4万1228人の大観衆の前で、愛を叫んだ。 本業の投球では6回を投げて4安打1失点。5四球で制球に苦しんだものの、来日最速150キロもマーク。失点は六回無死で中村紀に許した一発だけだ。「ウイニングボールは他の(記念)ボールと一緒に、家で大事にしたい。意味のあるボールだよ」。独壇場の奮闘で、堂々と来日初白星もつかんだ。 「打撃がええのはわかってたけど、あそこまでええとは思わんかったな。中日戦の最初で良いスタートが切れた」 岡田監督も思わぬ誤算にニンマリだ。今季初の甲子園決戦で憎き落合竜に負けなしの2勝1分け。ゲーム差は0.5まで詰め寄った。中日との初カードで黒星なしは88年以来19年ぶりの快挙。すでに2勝を挙げたジャンとともに助っ投の両輪がV奪回への道のりを駆けていく。応援にかけつけたニコール夫人に来日初勝利をプレゼントだ★美人妻ニコールさん大興奮! ジョークが現実になるなんて…。ニコール夫人はネット裏から夫の大立ち回りを見届けた。“約束”通りの竜倒弾。バンザイした後、夫に向けて左手人さし指を突き立てた。 「ここに来ることが楽しみで、とても興奮しています。彼はバッティングを愛しているの!!」 歓喜のお立ち台後、1メートル85の長身が、さらに6センチ高いダンナ様に寄り添った。米国ではモデル経験あり。阪神電鉄のテレビCMにも抜てきされた美人妻だ。 本塁打を放った選手にはマスコット「トラッキー」のぬいぐるみが手渡される。ボギーは一塁側のファンに投げ入れたが、それが善意で奥様に届いた。一生に一度。忘れられない夜になった。■データBox 阪神先発のボーグルソンが二回、中日・川上から本塁打を放った。阪神投手の本塁打は04年5月13日(巨人戦、東京ドーム)の福原以来。 甲子園球場で投手の本塁打は昨年6月9日に西武・松坂大輔(現レッドソックス)が放っているが、阪神の投手では88年4月26日(大洋戦)にキーオが放って以来、19年ぶり。アニキ3試合連続打点!苦手・川上からも一撃、竜投カモや!一回二死二塁で、左中間へ適時2塁打を放った金本。中日戦3戦連続打点だ (セ・リーグ、阪神3-1中日、3回戦、阪神2勝1分、12日、甲子園)名勝負再び。今季の第1ラウンドは、最初の1球で勝負ありだ。『金本Vs川上』。第1打席、その初球が137キロカットボール。昨季苦しめられた軌道を、アニキの打棒が完ぺきに捕らえた。◇ 「川上の失投や。(ボールの勢いを問われて)前半はそうでもない。後半はよかったけどな」 初回二死二塁。いきなり竜のエースがひれ伏す先制二塁打だ。あわやフェンス越えの一撃。外角からストライクゾーンへ切れ込む必殺球を、左中間最深部まで運んだ。 川上の代名詞といえるカットボール。直球に近い球威で、スライダーのように横滑りする。リーグ制覇した05年の対戦成績は15打数8安打で4本塁打、打率.533。一度は完ぺきに打ち砕いたが、昨季は一転して22打数4安打で不発。打率.182に抑えられた。 ストライクゾーンから内角に切れ込ませるのが“王道”だが、昨季やられたのは外角からストライクゾーンに曲げる“奇手”。対応しようとすれば、外角に逃げるシュートでかわされた。一流対一流の勝負。打てる年、抑えられる年が交互に巡る傾向がある。金本はそれを「化かし合い」という。力を認め合った者同士が、傾向と対策を何度も練り直してぶつかり合う。昨季打てなかったボールを打った。それが今後の心理戦にも響く。 開幕前に痛めた左太もも裏には不安が残る。屋外球場でのナイターでは再発が怖い。ところが三回一死の第2打席で四球を選ぶと、二死後に林の左中間二塁打が飛び出した。二塁を回り、三塁を蹴り、ホームに足から滑り込んだ。アウトの判定に、ニヤリと笑った。 「あれが精いっぱい。痛みはないよ。(笑ったのは)セーフやと思ったからや」 威風堂々。中日3連戦すべてで打点をあげた。アニキが豪快に竜を飲み込んだ。
2007年04月12日
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2007年4月11日(水) 対中日 2回戦 甲子園 阪神6×6中日4 所載はこちらをクリック 救世主や!林が代打同点タイムリー!不振・浜中よりエエわ!八回、同点の二塁打を放った林。もう待てない。ファンはスタメン起用を熱望する (セ・リーグ、阪神6-6中日=延長十二回規定により引き分け、2回戦、阪神1勝1分、11日、甲子園)モノが違う!! 阪神・林威助(リン・ウェイツゥ)外野手(28)が中日戦の八回、代打で起死回生の2点二塁打。延長十二回ドローとなったが、執念の一打に虎党はウットリ。竜虎決戦第3R。ファンは「6番・右翼」に、その名が、告げられるのを待っている。◇ 一度は土俵際に追い込まれた。それでも歯を食いしばるだけの力がある。甲子園で迎えた今季初の延長戦。21人を使う総力戦で、4時間37分に及ぶ死闘の末に延長十二回で決着は持ち越し。宿敵に岡田監督の“切り札”が貴重な同点打で窮地を救った。 「同点だからな。岩瀬がおらんし、どこかで岡本が出てくると思ってたけど、今岡がつないだからな」七回のジェット風船。甲子園が死闘に揺れた 瞬間的なひらめきだった。2点を追う八回二死。金本が右前打。今岡も左前打で続いた。そして「代打・林」-。暴投が絡んで二死二、三塁。カウント1-2からの真ん中スライダーを、完璧に捕らえた。虎党の歓声に揺らめく白球は、中越えの2点二塁打。その瞬間、4万3862人を詰め込んだ甲子園が揺れた。 「ヒット1本で同点。ヒットを打ちにいって、たまたまああいう形なってよかった」 林に笑顔が浮かぶ。救世主であり、指揮官にとっては“悩みのタネ”。プロ5年目の男は、そんな存在になった。「いつも野球のことばかり考えてるんや」。指揮官の頭の中で、大きな葛藤が、“浜・林戦争”。開幕から浜中にこだわってきたが、結果が出ない。 7日の巨人戦前に、東京ドームのベンチ裏で自ら指導。同じ試合で、林がスタメンで一発を含む3打点。対照的な活躍に、「林を先発で使え」と声も上がっていた。 「左投手で林を使って、打てなかったら2人とも死んでしまう。山本昌よりも、同じ左でも長峰の方があう。いろいろ考えているんや」 この日もスタメン起用も考えたが、勝負師の嗅覚が、乾坤一擲の瞬間を捕らえていた。 「どう解説していいか非常に難しいゲームと思う。負けていたゲームやからな。負けなかったからよかったのか。3点ビハインドから追いついたけど勝てなかった」 風邪による発熱で守護神・岩瀬を欠く竜を攻めきれない。スッキリしない引き分けに、指揮官は複雑な表情を浮かべた。 これで1勝1分け。12日の第3戦の先発は右腕・川上。「スタメン? 言われたら、がんばるだけです」と林は、その時の到来を待つ。将来の主砲が、今度こそ聖地に心地よい六甲おろしを吹かせてみせる。“元守護神”久保田が締めた!「K」の力証明した2回無失点!久保田は最後の2回を3Kでニッコリ。JFKは本当に頼もしい (セ・リーグ、阪神6-6中日=延長十二回規定により引き分け、2回戦、阪神1勝1分、11日、甲子園)『JFK』が今季初めてその並び通り、バトンをつないだ。7人継投も今季最多。落合竜とのゲーム差「1.5」は変わらずも、底力は見せつけた。その結晶が12回で18奪三振。36アウトの半分が「K」。最後は久保田が締めくくった。◇ 「何があっても絶対に抑える気持ちで抑えにいった」 “元守護神”が最後の2回を抑え切った。延長十一回は二死一、二塁をしのいだ。延長十回を2Kで締めた球児十二回は二死一、三塁まで追い詰められたが、最後は井端を右飛に仕留めた。MAX153キロ。本来の球威が戻りつつある。今季の主戦場は七回だが、展開次第でロング救援も買って出る。それが「JF」にはない「K」の強さだ。 九回を封じたウィリアムス、その後を継ぎ延長十回を締めた球児は、基本的に1回限定だ。昨年6月、久保田が右手甲骨折で離脱。そのしわ寄せが7月30日のヤクルト戦(甲子園)に出た。 球児がこの日と同じ延長十回に登場。その後を継ぐ投手がいないため、無理を押して3イニングを投げた。右肩に強い張りを覚え、8月中旬の登録抹消につながった。チーム関係者は「久保田の筋肉の質は2人と違う。3回を投げて、翌日もいける。それだけに去年の離脱は大きかった」と話す。 「0点はよかったんだけどね」 球児はドローに満足はしなかったが、久保田が戻ってきた心強さを感じているはずだ。3人のリレーは今季6度目。初めて勝ち試合にはできなかったが、トリオで計21イニング無失点を継続中だ。 基本線の「K→J→F」に限らず、あらゆる並び順にも対応可能。延長戦でも負けない。05年の無敵ぶりを思い出させる快進撃だ。“ドクターK”江草の誕生や!球児超え奪三振率『19.06』! (セ・リーグ、阪神6-6中日=延長十二回規定により引き分け、2回戦、阪神1勝1分、11日、甲子園)バットが面白いように空を切る。江草=写真=が虎の奪三振王を襲名だ。◇ 「ぼくは出た所でゼロに抑えないといけないので。三振は(本当は)走者がいる場面で取らないとなんですけどね」 福原の後を受けて、四回途中から登板し、2回2/3を投げて無安打無失点。打者10人に対して5三振を奪った。圧巻は2イニング目の五回だ。先頭・森野はスライダー、谷繁はフォークで空振り三振。長峰からの見逃し三振を奪って、3連続K。これで今季、5回2/3を投げて三振は「12」。奪三振率は19.06。球児の17.55をも上回る驚異の数字だ。 ドクターK江草から始まった奪三振ショー。福原の先発復帰で中継ぎ起用が決定した左腕から目が離せない。
2007年04月11日
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2007年4月10日(火) 対中日 1回戦 甲子園 阪神5×2中日バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/4 所載はこちらをクリック “聖地”開幕戦で竜倒や!打線お目覚め、5連打で山本昌をKO!五回の集中打。金本の右前打で追いつき、このあと今岡の中前への2点打で山本昌をKOした (セ・リーグ、阪神5-2中日、1回戦、阪神1勝、10日、甲子園)今季甲子園開幕戦で竜倒や! 阪神が10日の中日戦に逆転勝ち。五回に金本知憲外野手(39)の同点打、今岡誠内野手(32)の勝ち越し2点打を浴びせ、苦手左腕の山本昌をKOした。この回の5連打(1四球挟む)は今季最大の集中打。竜倒の第2弾、第3弾も頼んだでえ~!!◇ 猛虎打線復活で難敵・山本昌を攻略し、ライバル中日を撃破した。六甲おろしが地鳴りを起こす。4万8455人の大観衆も総立ちだ。今岡が最高の主役を演じた。 「何とかヒットを打ちたいと思っていました。打った瞬間、抜けたと思った。めちゃくちゃうれしかったですよ」。今季初の甲子園お立ち台で、最強の5番打者に笑顔が戻った。 冷静に猛虎祭りの神輿に乗った。金本の右前適時打で同点に追いついた五回、なお一死満塁のチャンス。沸き返るスタンドの熱気を背中に感じつつ、今季のテーマを自分に言い聞かせた。 「走者がいる、いないで打ち方は変えない。とにかく自然体…」 カウント0-1からの2球目、低めの直球を振り抜いた。中前への勝ち越し2点タイムリー。この一打で昨年1勝4敗、ノーヒットノーランの屈辱まで味わった41歳左腕をノックアウト。昨季7勝14敗1分と苦手にした中日との今季初戦で、白星をグイと引き寄せた。 四回無死一、三塁で空振り三振に倒れるなど、ここまで好機で振るわなかった。開幕8試合の得点圏打率は.125。ふがいない自分への怒りは練習で封じるしかなかった。この日も新室内練習場で、主力では異例の早出特打を敢行した。 昨年6月、悩んだ末に右手のばね指の手術に踏み切った。決断を後押ししてくれたのは、同じ症状に苦しむ東洋大の1年先輩・清水(巨人)だった。「あの痛みは誰にも分からない」と思っていたが、理解してくれる人の存在を知り「気持ちが楽になった」という。その恩人は、3月に手術を受けてリハビリ中。活躍する姿が恩返しになる。 今岡を導いたのは金本だ。「満塁は意識してなかった」。五回一死満塁で、3球続いたスクリューをとらえた。まず同点とする右前適時打。「そんなに打っている印象はないけどな」。昨年、山本昌を打率.412と打ち込んだ相性のよさを発揮した。 この五回は1四球を挟んで5連打。岡田監督も「自分の庭でちょっとつながった。初めてここまで打線がつながったんやないか。(今季)最高点を取ったわけやから」と今季初の4、5番そろい踏み打点にうなずいた。 「いいときも、悪いときもあると思いますけど、今年は打てる日が多いと思います」と今岡。今季初めて5得点の壁にたどり着いた。竜虎決戦3連勝の流れはつかんだ。元気づけ打ぁ!矢野が反撃適時打「特別な雰囲気に乗れた」!矢野は甲子園開幕戦で2安打。四回には、19イニングぶりの得点を叩きだした (セ・リーグ、阪神5-2中日、1回戦、阪神1勝、10日、甲子園)甲子園に垂れ込める鉛色の空気を、矢野のバットが振り払った。18イニング連続で『0』が並んでいた阪神打線。38歳のベテランが絡みつく呪ばくを解き放った。◇ 「打ちたいなと思っていた。特別な球場で特別な雰囲気でやらせてもらった。それに乗れたんじゃないですかね」 ステレオで響くような声援に力をもらった。0-2の四回。無死一、三塁の絶好機に今岡が空振り三振、浜中が二直で二死になった。まさかこのまま無得点? そんなとき、山本昌の真っすぐを中前へはじき返した。19イニングぶ守っても矢野(左)は投手陣を好リードした。右隣は最後を締めた球児りの得点で逆転劇への布石を打った。 「守るのはもちろんだけど、打ちたい。打たないと流れはあっちへいってしまう」。1点もやれない-。投手陣の気迫をマスク越しに感じた。正妻としてよりも、7番打者としての仕事できたことがうれしかった。 五回には4-2としてなお一死満塁で、相手2番手のラミレスからストレートの押し出し四球を選んだ。チーム今季初の5得点目も自らの“オーラ”でたたき出した。 かつての古巣も、V奪回への最大の敵として立ちはだかる。相手の内情を知るだけに、中日がキャンプからスコアラーを常時配置するデータ量の豊富さが、阪神の敗因だと分析していた。 「見抜かれているような気がした」。疑心暗鬼になったこともあった。岩瀬を守護神とする勝利の方程式がある。「神経を使いすぎていた。こっちが過度に意識しているから勝てなかった」と過剰な反応を捨てることから始めていた。 「二死からな。ずっと点が取れていなかった。あのタイムリーで次の反撃態勢というかな」と岡田監督も逆転を呼び込んだ一撃を絶賛した。 「下位でも誰かが打って攻撃したい」。開幕からフルイニングでマスクをかぶる38歳はどん欲。金本、下柳に続くもう1人の“鉄人”が攻守で力強く支える。九回3奪Kで竜にトドメ!球児、セ界最多タイの5セーブ目!KFJの登場は今季5度目。球児は九回を3Kで締めた (セ・リーグ、阪神5-2中日、1回戦、阪神1勝、10日、甲子園)押し寄せる“津波”に身を任せた。今季初の聖地。「あと1球コール」を一身に受け、藤川は谷繁から空振り三振を奪った。チームは5勝。自身のセーブは5。「KJF」の揃い踏みによる連勝も5となった。◇ 「点差はあったけど、燃えない相手じゃない」 このユニホームを見るとハートが熱くなる。昨年、初めて甲子園で投げたのも中日戦(4月12日)だった。六回途中から登板したものの、リードを守れず、逆転負け。この黒星からチームはD戦4連敗。終わってみれば7勝14敗1分け。悪夢の始まりだった。 「K」久保田が七回を抑え、「J」ウィリアムスからバトンを受けた。先頭・李炳圭のバットが空を切り、中村紀もかすりもせず、空振り三振に倒れた。森野には今季最速の153キロをマーク。中前に運ばれたが、ストレート勝負で3K締め。「きょうの球児は大丈夫だと思ったから」と矢野は胸を張った。球児の“原点”がここにあった。 セーブ数は横浜・クルーンと並んでトップ。チーム9試合目で5試合に登板(5回2/3)し、もちろん失点はゼロ。「まだまだ、これからです」。昨年、涙のお立ち台から始まった驚異の進撃。逆に言えば、勝負の世界に“絶対”はない。秋に笑うことだけを信じて、球児による竜倒劇場が始まった。★久保田先陣斬り! 久保田は七回、2番手として登板。簡単に二死を奪ったものの、谷繁に二塁打を浴びるなど、“久保田劇場”を演じながら、無失点に抑えた。「まあ、よかったです」。今季初聖地で勝利に貢献し、安堵の表情。5連勝となった球児、ウィリアムスとの“三本の矢”。先陣を切るKの役割は大きい。★ウィリアムスは冷や汗 八回に登板したウィリアムスは井端にいきなり中前打を浴び、福留に四球を与えて、一死一、二塁のピンチを招いたが、ウッズを一ゴロ併殺で仕留めて、窮地を脱出した。「コントロールが悪かったので、自分では納得がいかない。気持ちを入れて投げたけど…」。勝利の余韻に浸ることなく、反省しきりだった。
2007年04月10日
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2007年4月7日(土) 対巨人 2回戦 東京ドーム 阪神4×3巨人バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/4 所載はこちらをクリック ワッショイG倒!林が爆発3打点!初スタメンいきなり大仕事!二回にアーチをかけた林。バットを放り投げる姿が美しい林を出迎える阪神ベンチ。この一発で沸き返った (セ・リーグ、巨人3-4阪神、2回戦、1勝1敗、7日、東京ドーム)阪神・林威助(リン・ウェイツゥ)外野手(28)が7日の巨人戦(東京ドーム)で不振の浜中に代わり今季初スタメン。1号アーチと2点タイムリーで4-3の勝利を呼び、虎を借金危機から救った。岡田監督の決断に、まさに一発回答。打線もこれで目が覚めたやろ!!◇ 敵地にこだまする六甲おろし。勝利のハーモニーのタクトを振るったのは、今季初スタメンに燃えた林だ。反撃のノロシとなる今季第1号に、勝ち越しタイムリー。“最強の控え”と称される大砲が、大爆発だ。 「とにかく、必死に打席に立った。チャンスをもらったときに、アピールしていかないといけないんで」 打撃不振の浜中に代わって6番・右翼。出番に飢えた男が2点を追う二回一死、獲物に襲いかかった。カウント1-2からの4球目、門倉の140キロ直球を振り抜いた。「ちょっとつまった」が、持ち前のパワーが勝った。右中間席中段に突き刺さる一撃で、チグハグな打線にカツをいれた。 浜中との右翼レギュラー争いに敗れ、開幕はベンチスタート。母・張鳳嬌さん(56)を招待する2年越しの夢は、叶わなかった。「また今度できればいいね」。悔しさを押し殺し、3月30日、開幕を迎えた。代打で計4打数2安打と結果を残し、7試合目でようやく得たチャンス。1本だけでは満足できない。 三回、金本の中犠飛で同点に追いついてなお二死二、三塁。再び牙をむいた。内角をえぐる初球に軽く身を翻すと、続く外角スライダーを踏み込んで捕らえた。「変化球を狙ってなかったけど、自分のタイミングで打てた」。中前に鋭く抜ける2点打で計3打点。門倉をKOに追い込んだ。 試合前のフリー打撃で重いマスコットバットを手にするようになった。「体のバランスを意識しながら、スイングをチェックできるからね」。これまでは「試合の感覚で練習したいし、何より、練習から遠くに飛ばして、アピールしないといけないからね」と試合用バットを使っていた。マスコットバットでも、飛距離は変わらない。「ちょっと、林ちゃん」。この日も看板直撃弾を連発する背番号31に、順番を待つ金本が驚嘆したほど。力を見せる場から技術を磨く場へ。アプローチの変化が、進化を支える。 「本当は、雨のとき(4日のヤクルト戦)もスタメンやった」と岡田監督も、連敗を2で止めた孝行息子に目を細めた。 宿敵を倒して、再び2位に浮上。前を走る竜とのゲーム差を1.5に縮めた。 「代打のときと同じ気持ちで、1打席を集中してやっていきたい」 1球たりともムダにはしない。勝利の使者・林はまだまだ飢えている。★浜中は代打で併殺打! ライバルにスタメンを譲った浜中は、六回一死一塁で代打に登場。野口のスライダーを引っかけ、遊ゴロ併殺打に倒れた。「考えすぎるとよくないと思うんで、自分はいいんだ、と言い聞かせて打席に向かっているんですけどね」。前日は11打席ぶりの安打を右前に放ち、試合前には岡田監督から直接指導を受けたが、まだ辛抱のときは続きそうだ。球児“仁王立ち”4セーブ!「見ている人に感動を与えたかった」!1回2/3をピシャリ。球児が打者6人に対して仁王立ちした (セ・リーグ、巨人3-4阪神、2回戦、1勝1敗、7日、東京ドーム)渾身の27球だった。白球に気持ちを乗せた。藤川球児が絶体絶命のマウンドで仁王立ちだ。◇ 「見ている人に感動を与えたかった。(この緊張感は)自分しか味わえない。ゲームを超えて幸せなことです。苦労したとは思っていない。それが仕事ですから」 1回2/3、打者6人を相手に1安打2三振。今季4セーブ目をつかんだ。 1点リードの八回一死三塁。外野フライも許されない窮地で、マウンドを任された。狙うは三振のみ。全球、直球勝負しかなかった。迎えるバッターはホリンズ。カウント2-2からの6球目、内角高めへ投じた“火の玉”は、この日のMAX150キロ。完全につまらせ一邪飛。続く代打・矢野は2球で追い込み、最後は148キロで空振り三振に仕留めた。 九回、小笠原の中前打で迎えた二死一塁。一発逆転の場面で、4番・李承ヨプを中飛に打ち取ったのはカーブだった。それでも、わずか4球の変化球を悔やんだ。 「できる範囲で直球勝負する。やることはやったけど、最後まで自分の力で終わらせたかった」 直球にかける思いがある。昨年8月、右肩を痛めた際に変化球主体の投球に切り替えた。その直後から、周囲の厳しい声が耳に入った。 「なぜ直球勝負しない」「変化球を打たれてるのに」 苦しかった。自身が映るテレビ録画は、音量を「0」にして見ていた。解説者の声も遮りたかった。だからこそ万全の状態の今季は、最高の直球でファンを魅了したい。 「三振が取れるからな。外野フライでも同点やし、ホリンズのところから用意しとったよ。(3日間登板がなかったので)きょうはKJFの3人で4回と決めとった」。岡田監督は思惑通りの白星に笑みを浮かべた。勝利の方程式に狂いはない。 「勝ちか、負けなんでね。また、いい勝負をしたい」。阪神には球児がいる。だから、強い。この事実は、動かない。久保田(上)が六回の頭から、ウィリアムス(下)が七回途中から登板した★久保田、勝ててよかった 六回から登板した久保田はまず、木村拓、ホリンズ、脇谷を3人斬り。2イニング目は、先頭の高橋由に右前打、代走・鈴木尚に二盗を許し、続く谷を空振り三振に仕留めてお役ご免。「きっちり2回を抑えたかった。申し訳ないことをした。とにかくチームが勝ったので良かったです」。厳しい状況でのウィリアムスへのバトンタッチとなり、それだけを悔やんでいた。★Jがガッツ斬り! 七回一死二塁で投入されたウィリアムスも厳しい場面をしのいだ。小笠原を145キロ外角直球で見逃し三振。李を歩かせた後、二岡を投ゴロに仕留めた。「抑えることが仕事。巨人はタフな相手だからね。リードを守れてよかったよ」。八回一死三塁としたところで球児にバトンを渡したが、無失点リレーが成功。ホッとした表情だった◆六回からの“KJF”投入について阪神・久保チーフバッテリーコーチ「とにかく相手打線を止めにいきたかった。勝ちゲームは、勝ちゲームにせんとな」
2007年04月07日
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2007年4月3日(火) 対ヤクルト 1回戦 神宮 阪神4×3ヤクルト4 所載はこちらをクリック 金本39歳バースデー満塁弾!虎3連勝や首位タイや!ゲームセットの瞬間、ガッツポーズで駆け出す金本 (セ・リーグ、ヤクルト3-4阪神、1回戦、阪神1勝、3日、神宮)阪神・金本知憲外野手がバースデー・グランドスラム。3日のヤクルト戦(神宮)で、39回目の誕生日を自ら祝う2号満塁弾。守っても同点危機を救うバックホームで、4-3勝利、3連勝を虎党にプレゼント。あ~、もう、アニキからは、感動、もらいっぱなし。今度、お返しさせてもらいま~す!!◇ 塁上に灯る3本のろうそくを、アニキが豪快にひと息で吹き消した。39度目の誕生日を、金本が自ら、ド派手なグランドスラムで祝う。神宮の夜空に放物線を描いた白球はバックスリーンで『ゴーン』と轟音を響かせた。39歳のバースデー。アニキは打撃&守備で魅せた 「満塁だったんで、ひたすら甘い球だけを待っていました。ホームランじゃなくても、先制点が欲しかった。結果的にホームランになってよかった」 2年前にもバースデーアーチを放った同じ左腕・石川からだ。五回一死後、ジャンが内野安打。赤星、シーツの連打で作った二死満塁。カウント1-3から、真ん中高めのカットボールをガツン。2試合ぶりの今季2号は、昨年8月6日の広島戦(松山)以来となる通算6本目の満塁アーチだ。 肩でも魅せる。4-3のの八回二死二塁。福川の打球は右前へ転がる。金本は鬼の形相で本塁へ2バウンド返球。同級生の矢野とのホットラインで同点を阻止。「ちょっと投げるのが遅れた。濡れた人工芝のスピンを利用した」と、瞬間的に冷静な判断を働かせていた。 年を重ねてなお、心・技・体を兼ね備える鉄人に、首脳陣は絶大な信頼を寄せる。3月6日のソフトバンク戦(ヤフードーム)の試合後、岡田監督は浜中に強制帰阪を告げた。極度の不振で甲子園での打ち込みを厳命した。直後、正田打撃コーチは携帯電話で『金本知憲』のメモリーを押した。 「なあ、カネ。浜中がおかしいんや。お前が手本を見せて、悪いところがあったら言うたってくれ」。苦しむ浜中の復活を手助けしてほしい。開幕に照準を絞って甲子園に居残るベテランに、コーチが“越権行為”を認めた。チームリーダーというだけではない。プレイングコーチ的な立場としても、チームの屋台骨を支えている。 不敗神話も継続。阪神に移籍後、誕生日は5年間負けなし。満塁弾を打った4試合も同じ。チームも3連勝で巨人、中日に並び今季初の首位だ。 「このトシになるとな…、もう39歳です。年齢以上の本塁打? もう1回40本を打ちたい。きょうからの関東6連戦、甲子園に負けないノリノリの応援をお願いします!!」 敵地のヒーローインタビュー。背番号6に祝福の声が止まない。通算2000安打へあと150。400本塁打にもあと35。挑戦への鉄人の歩みは、年齢と対照的に加速している。★チタンの鎧が来る! アニキがプロデュースした通称『チタンの鎧(よろい)』が4日にも手元に届けられる。今年1月に「遠赤外線の出るリハビリ器具をチタン素材で作れないか」と契約するファイテン社にリクエスト。岐阜県内の製作所で類似品を作っていることが判明し、さらに改良を加えた。 柔らかいチタンで各部位に巻くタイプで、遠赤外線で温熱効果が得られる。関係者は「痛めている左太ももにも巻きつけて使用できる」と話し、回復の秘密兵器となる。■データBox 阪神・金本の満塁本塁打は昨年8月6日の広島戦(松山)以来通算6本目。広島時代に2本、阪神では4本目。満塁弾を放った試合はすべてチームが勝っている。セ・リーグの現役選手では中日・中村紀が13本放っているが、すべてパ・リーグ時代に記録したもの。これを除けば金本の6本は、8本の中日・ウッズ、7本の巨人・高橋由ら4人に次ぐ。★同点ピンチ、矢野が救った!矢野が八回、金本のバックホームをがっちりつかみ、二走ガイエルをブロック。同級生の気迫の“リレー”だった 矢野が懸命のブロックでジャンの初白星を守った。八回二死二塁、左前打で二走ガイエルは本塁突入。金本からの送球を本塁前で待ち構え、捕球後に体当たりを食らったが、本塁を死守。同点を阻止した。 「必死やったわ。雨でボールもよく滑るし。体で止めにいったわ」 連続安打は3でストップしたが、守備の要として貢献度、大だった。またまた盤石0封ショー!「KJF」で“快汗”3連勝や!球児が九回に仁王立ち。久保田、ウィリアムスから託されたバトンは、3試合連続で成功 (セ・リーグ、ヤクルト3-4阪神、1回戦、阪神1勝、3日、神宮)この並び順も3連投で板に付いた。KからJにつなぎ、Fが締める。1点リードの危ない橋を、バトンをつないで渡り切った。小雨が降り注ぐ最終回、気温は10度を切っていた。寒気のマウンドに球児が仁王立ちだ。◇ 「金本さんの誕生日だったんでね。(寒かったが)きょう出せる100%を出そうと思った。このカードが大切。負けたら5割に戻るんで勢いに乗るところだと思った」 先頭の代打・度会をこの日最速の151キロ直球で中飛に仕留めた。それでも慎重さを欠かさなかった。その流れを指して「生きているゲーム」と悟ったからだ。1点リードする虎は六回から無安打。追いかけるツバメは得点こそ奪えないが、安打数で上回っていた。 青木には3球続けて変化球で入り、結局四球を与えたが、細心の注意を払ってこそだ。ここから田中浩を二邪飛に退け、最後はリグスを150キロ直球で空転させた。 久保田が右手骨折で離脱する昨年6月まで、七回が主戦場だった。「動いている試合の流れを止めることにやりがいを感じる」と言った。セットアッパーのきゅう覚が、守護神としても生きた。気象条件も頭に入れ、直球勝負のこだわりも捨てた。試合の流れを鎮めることだけ考えていた。 「調子を維持できている。ジャンの勝ち星もあったし、金本さんが打ったので負けるわけにはいかなかった」。久保田の口調も熱かった。新たに任された七回。2安打を浴びながら粘った。 八回はウィリアムス。二死二塁から福川に左前打を浴びながら、金本の補殺に救われた。「後ろの投手はみんな調子がいい。強い投手が連なっている」。改編された最強トリオの無傷の進撃が続く。
2007年04月04日
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2007年4月1日(日) 対広島 3回戦 京セラドーム 阪神4×2広島4 所載はこちらをクリック 52年ぶり快挙や!ルーキー小嶋、開幕カード初先発初勝利!歴史的プロ初勝利。藤川からウイニングボールを手渡された小嶋(左)の笑顔が弾けた (セ・リーグ、阪神4-2広島、3回戦、阪神2勝1敗、1日、京セラドーム大阪)阪神の希望枠ルーキーの小嶋達也投手(21)=大阪ガス=が、うれしいプロ初勝利。開幕カードで虎の新人が初登板・初先発・初勝利を飾るのは52年ぶりという歴史的快挙を達成した。新戦力の開花で広島に2連勝、春らんまん、虎桜は満開や!!◇ 背番号「29」が躍動した。小嶋が両リーグを通じてルーキー一番星。虎投の歴史を塗り替え、大きなプロ第一歩を刻んだ。 「地元の大阪で勝てたのがうれしい。矢野さんのミットだけを目がけて投げました。いいリリーフ陣がいるので、後を気にせず初回から投げれました」 5回を投げて5安打2失点、5三振。3四死球と制球に苦しんだが、インコースを積極的に攻めた。本領を発揮したのが二回。先頭の嶋に中前打を浴びたが、続く栗原を見逃し三振。緒方を歩かしたが、倉、大竹を連続で見逃し三振に仕留めた。3つのアウトはすべて内角低めの直球で奪った。「あれがしっかり決まってくれて本当によかった」。五回に連打から2点を献上したが、先発としての役割は十分に果たした。 開幕カードで先発白星を挙げた新人は、阪神では55年の西村一孔以来、実に52年ぶり。あの村山、江夏でさえ、得ることはなかった栄誉をつかんだ。 ヤンキースへ移籍した井川の背番号29を受け継いでから、見えない重圧と戦ってきた。「ずっと開幕投手を務めた人の偉大な背番号。汚すわけにはいかない」。練習では、与えられたメニューの消化後、独自に走り込みのメニューを追加。また、社会人・大阪ガス時代はセットポジションのみで投げていたが、プロ入りと同時にワインドアップの投法に変更。「プロは結果がすべて。一番しっくり来る投げ方にしたかった」と遊学館高時代に鍛えた原点に回帰して勝負の世界に臨んだ。 両リーグのルーキーで初勝利一番乗り。「ブルペンでも良くなかった。(中継ぎ)ピッチャーを用意しようと話しとったんや。実戦向きということやな」。早めの継投策を準備していた岡田監督もうれしい誤算に頬を緩ませた。 試合終了直後、守護神の球児にウイニングボールを手渡され、頭を軽く叩かれた。小嶋の笑顔がようやく弾けた。「一番星? 順番が早かっただけだけど、何でも一番はうれしい。(自信も)前より少しだけつきました」。ニュー背番号「29」が門出を飾った。歴史的な初勝利だ。■小嶋達也(こじま・たつや)投手 1985年(昭和60年)10月7日、大阪府生まれ、21歳。石川・遊学館高では1年から背番号1。甲子園には2年夏(8強)、3年春(3回戦敗退)に出場。04年、大阪ガスに入社。07年大学・社会人D希望枠で阪神入団。1メートル80、72キロ。左投げ左打ち。年俸1500万円。背番号「29」。独身。オ待タセシマシタ~!遅咲きシーツ、今季初安打&初打点!試合終了。2打点のシーツ(左)が岡田監督と歓喜のタッチだ (セ・リーグ、阪神4-2広島、3回戦、阪神2勝1敗、1日、京セラドーム大阪)鯉キラーが本領発揮だ。シーツが開幕9打席目にして、お待たせの今季初安打&初打点。4打数2安打2打点と遅ればせながら、“開幕”を飾った。お立ち台では、初勝利の小嶋とともに、満面の笑みでファンに応えた。◇ 「昨日、おとといと打てなかった。いいところで打って、小嶋投手を助けられてよかった」 マウンドには初先発の小嶋。ルーキーが一回をゼロで切り抜けると、その裏、一死三塁の絶好機が回ってきた。開幕から2試合は安打こそなかったが、中堅中心に打ち返し、調子は上がっていた。ここでも基本に忠実だった。先発・大竹からセンター返しで、飛びついた二塁・東出の左を破る先制の中前適時打。今季初めての『H』マークが先制打となった。さらに三回にも一死二塁で、フェンス直撃の中越え二塁打。中押しの2点目もたたき出し、虎党の『アンディー・コール』は最高潮に達した。 「ダメなときも、岡田監督がクリーンアップとして信頼してくれていたので、やりやすかった」 開幕直前の27日、腹痛で翌日の全体練習をリタイアした。それでもチームのために、開幕の3・30には間に合わせてきた。心配をかけた指揮官に、一刻も早く応えたかった。特に広島戦は昨年82打数30安打。対戦打率は.366を誇っていた。ようやく得意の鯉を平らげ、鯉キラーの健在ぶりをアピールだ。 これで3試合目にして、虎のクリーンアップ3人に安打と打点が記録された。さあこれから“爆勝街道”が始まる。もちろんその先鋒には、頼れる助っ人がにらみをきかせる。球児、貫禄の3者連続三振!2戦連続『KJF』0封リレー!3者連続三振。藤川が貫禄の2セーブ目 (セ・リーグ、阪神4-2広島、3回戦、阪神2勝1敗、1日、京セラドーム大阪)ようやく“火の玉劇場”が開演だ。藤川は九回に久保田、ウィリアムスを継いで登板し、圧巻の3者連続三振。2試合連続のセーブを挙げ、虎の新守護神の貫禄をみせつけた。◇ 「きょうに限らず、全試合意味のある試合にしたい。その日しか来られないお客さんもいるし」 最高の春休みのプレゼントだった。まずは天谷を高めの直球で空振り三振。続く尾形はまたも高めの真っすぐで三球三振。最後は梵を高めの149キロでバットの空を切らせ、ゲームセット。初セーブを挙げた前日は、最後の打者をフォークで締めるなど変化球が多かった。それがこの日は11球中9球が直球。本来の剛球に虎党が酔いしれた。 先発のマウンドには初登板のルーキー・小嶋。「きょうは一緒に頑張ろう」と声をかけた。五回をしのいだ左腕に、ありがたすぎる三振ショーで応えた。新たな勝利の方程式『KJF』がまたも機能。今年の勝利は、球児の剛速球で締める。★いい味出てます久保田 セットアッパー久保田は、早くもエンジン全開だ。七回から3番手で登板すると、梵、東出を連続三振。前田も151キロ直球で遊ゴロに打ち取るパーフェクトな内容で、2試合連続の必勝リレーの先陣を切った。「今の状態を維持してやっていきたい」と気合十分。「投げれば投げるほどよくなっている。いい味を出してますよ」と久保チーフバッテリーコーチも高評価だった。★ウィリアムス、ピンチしのいだ いきなりのピンチも見事にしのいだ。ウィリアムスは2点リードの七回から登板し、先頭の新井に右翼線へ二塁打を許したが、そこから3人で締め、新守護神・藤川にきっちりバトンをつないだ。全17球のうち、変化球は緒方の5球目に投げたスライダーの1球のみ。気迫あふれる真っ向勝負で、2日連続1イニングを完ぺきに抑えた。
2007年04月02日
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2007年3月20日(火) 対広島 オープン戦 高松 阪神3×2広島4 所載はこちらをクリック どやっ!金本5階席弾!弟子・新井に威厳を見せた今季1号!金本は三回、右翼席上段に特大の1号2ラン。アニキが“お目覚め”の一撃 (セ・リーグ、阪神3-2広島、2回戦、1勝1敗、3月31日、京セラドーム大阪)打ち上げ花火を見るように舞い上がり、着弾すると場内が揺れた。その目で打球を見届けた金本は、両手をたたき、右拳を握った。推定飛距離140メートル。虎の今季1号は、京セラDの2層に分かれた外野席の上段、右翼5階席に届く一発だ。◇ 「きょうは勝ちたかった。開幕負けて、次に勝ったら優勝しとるし。昨日勝てば、それはそれでよかったとなるけど。最後はヒヤヒヤやった」目の覚める一発にナインから、熱い祝福を受けた 1点を追う三回二死三塁の第2打席。広島先発のルーキー左腕・青木高の135キロ高め直球がエジキだ。文句なしの当たりでも、打った本人は「上がりすぎた」。一時逆転の豪快2ランも会心ではない。開幕●→2戦目○が虎のV公式。“吉兆星”も意識していた。 一回二死一塁の第1打席では、右翼フェンス直撃の二塁打。今季初めて「H」マークを点灯させたが、首をひねって悔しがった。仕留められる失投だった。その打ち直しが5階席への驚弾だ。 「16年もやっていたら焦りはない。(今季1号は)いつかは出るモンだと思っているからね」 二回、広島の先制点は弟分・新井の今季1号だった。直後にアニキの威厳を見せた。試合中には「新井選手がホームランを打たれましたので、負けずに打ちました」とコメント。年季が違うといわんばかりに、試合後も「新井は(1号で)舞い上がっとるやろ」。 オフの練習拠点とする広島のトレーニングジム「アスリート」。2人のつばぜり合いは日常の風景だ。年齢を考えれば、全盛時のウエート数値からは落ちると頭では理解している。それでも何キロを何回上げられるというのは、男のプライドにかかわる問題だ。腕回りに太ももの太さ、酒量…。すべてが比較の対象で、まだまだ弟子を寄せ付けない。そのこだわりが長寿の極意に違いない。 今季終盤に達成を見込む通算2000安打へあと「152」。400本塁打にもあと「36」とした。3日が39度目のバースデーでも、なお若い。W偉業へカウントダウンが始まった。★宮崎オーナー初勝利にご満悦 開幕戦を所用で視察できなかった阪神・宮崎オーナーが、今季初の陣中見舞いで京セラドームを訪れ、チームの今季初勝利を見届けた。 「しんどい試合だったけど、勝ててよかった。金本さんのホームランもでたしね」 金本が本塁打1本につき、1家族をハワイ旅行に招待するという企画にも触れ、「思わずはがきを書こうと思ったよ。でもあれは甲子園限定だったね」と冗談も飛び出すほどのご満悦。次回の視察は4月10日の甲子園開幕戦(対中日)となりそうだ。新方程式『KJF』で0封リレー!虎バンザ~イ07年初勝利!九回、マウンドに上がった藤川。新・守護神がきっちり締め、今季初勝利だ (セ・リーグ、阪神3-2広島、2回戦、1勝1敗、3月31日、京セラドーム大阪)虎の新・勝利の方程式で“快幕”や! 阪神は、守護神・藤川球児投手(26)が久保田-ジェフからの盤石リレーで今季初勝利に導いた。開幕から●→○発進は優勝した85年、03年、05年と同じ。JFKからKJFに順番は変わったが、吉兆を手にした不滅のトリオがV奪回に猛進や!!◇ 3万3761人が歓喜の『六甲おろし』。前奏を奏でたのは、虎が誇る最強トリオ『JFK』改め『KJF』だ。六回から久保田が2イニング。ウィリアムスへつなぎ、締めは藤川。いずれも150キロ超の剛球を投げ込み、虎党に07年初勝利をプレゼント。V奪回への1ページ目を開いた。 「初勝利は特別なものなんで、自分のところで消えたらどないしようと思ってました。でも、みんながつないでくれて、0に抑える自分の仕事ができました」 勝者の隊列の最後尾で、球児は体を駆けめぐる快感に身を任せた。求めていたものが、そこにあった。全員とハイタッチを終えると、名残惜しそうな表情を浮かべた。お立ち台にならんだ(左から)久保田、ウィリアムス、藤川。「KJF」で07年を突っ走る 九回、最大の歓声に迎えられた。守護神として仕事場のマウンドへ。先頭の嶋への初球に、今季最速の151キロをマーク。カウント2-1からの4球目、浮き上がる150キロの直球で空振り三振。火の玉ストレート復活に、スタンドがどよめいた。栗原を右飛に仕留めたが、緒方に四球を与え、続く石原に中前打を浴び、一、二塁のピンチを背負った。最後は代打・尾形をフォークで空振り三振。万全ではなかったが、「0が並んでいくにつれ、自信がついてくる」。役割は十二分に果たした。 「みんなでひとつになって、ゴールテープを切れるようにがんばりたい」。3月27日の決起集会で、ナインに訴えた思いを、今年初のお立ち台でも語った。 「中日にどんどん離されていったときは、打者は打っているだけ、投手は投げているだけで、チームに一体感がなかった。そんなことで、1年間がんばってきたものが、崩れてしまうと思うと悔しくてね」。それが、昨年8月27日のお立ち台で流した涙の理由だった。「あそこで、もう少し踏ん張れていたら…」。猛追も及ばずV逸。同じ過ちを繰り返さないために開幕前に結束を求めた。 あのとき以来のヒーローインタビューは、3度目のJFK揃い踏み。「他のチームにもいい投手はいますが、ウチのスタッフも負けません。最後まで絶対に諦めないでください」。中継ぎと守護神の位置を入れ替わっても、V奪回への気持ちは同じだ。 「スッキリした形ではないけど、勝ったことで気分的に違う」と岡田監督。押し出し四球での決勝点だが、1点を守りきった。●→○の開幕スタートは85、03、05年と同じVへの吉兆サイン。最強のストッパーが、頂き目指して突っ走る。★K嬉しい虎初白星 必勝リレーの先陣を切った久保田は、走者を出しながらも2併殺で流れを引き寄せた。六、七回を無失点に抑え、今季初勝利をマークした。 「直球がだいぶ戻ってきたし、もう大丈夫。今年は何としてもやってやろうという気持ちです」 2年間で143試合に登板した藤川が、右肩への負担軽減の意味もあってストッパーに転向。前守護神は、セットアッパーに回った。タフさが持ち味の露払い役は、2イニングでもOKだ。勝利の方程式を前倒しできるメリットは大きい。★J、日本語もOKヨ 1点をリードした八回に投入されたウィリアムスは、三者凡退で危なげなくたすきをつないだ。 虎戦士5年目を迎える助っ投左腕は、お立ち台でも“舌好調”。「マイド、オオキニ」。選手やスタッフから習った日本語パフォーマンスで、喝采を浴びた。ベンチ裏に戻っても「モウチョット、ベンキョウシナイトネ」と再演を予告した。
2007年04月01日
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