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製作者:ポー・ウィリモン 監督:デヴィット・フィンチャー 主演;ケヴィン・スペイシー Netflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』 全5シーズン。 http://house-of-cards.jp/ 大統領選の影に尽力する下院議員フランク(ケヴィン・スペイシー)は新大統領の元で国務長官のポストを約束されていたが屈辱的な裏切りに合う。 復讐を胸に戦略、謀略を駆使し国家最高権力掌握への果てなき道を行く。 まず、雲の流れの早送りに乗せて オープニングの画像と曲が重厚ですばらしい。「ユージュアル・サスペクツ」を代表とし、私の好きな「光の旅人K-PAX」で演技派の実力を見せるケヴィン・スペイシー主役の主人公フランクが、カメラ目線で視聴者に本音を語るという演出が冴えている。キリスト教に敬意を見せながらも心の底ではキリストを侮蔑している主人公の本質を演じている。フランクが十字架のキリスト像の顔に唾を吐いた時、突然像全体が崩れ落ちるシーンが怖かった。後半は現実的国際問題とリンクするストーリー展開でロシアとの駆け引きや中東問題など面白さを加速させていく。 敵対する勢力の策略、マスメディアの追及、ホワイトハウスで権力を行使する夫唱婦随の夫婦愛でさえお互いに疑心暗鬼になっていく。 最近はNetflixのドラマが面白い。
2017.07.25

原作・脚本:和田 竜 監督:中村義洋 主演:大野 智1579年天正伊賀の乱の歴史ドラマを原作に基づいて映画化したものである。天下統一を目前にする織田信長の次男、信雄(のぶかつ)率いる伊勢の織田軍と伊賀忍び軍の戦いを描く。圧倒的迫力の武家集団と、「虎狼の族(ころうのやから)」と呼ばれ人でなしの忍者衆が、戦法も武器も武力も差がある中で対戦し侵攻を阻止する。主人公の無門(大野 智)は伊賀一の凄腕で忍術に長けている(架空の人物)。 安芸の武将の屋敷に忍び込んだ折、一目ぼれしたお国(石原さとみ)を連れ去り女房にしている。 この情熱と、怠け者で稼ぎが少ないのを理由からお国に家に入れてもらえないっていうひ弱さのギャップに観客の私は胸がキュンとなる。そんなお国も粗末な無門の家でおとなしく暮らしている。無門の生い立ちは哀れで悲しい。肉親の愛さえ知らずにいる。弱肉強食の忍びの世界で本能で生き抜いてきた。 唯一、お国だけを心から愛し尻に敷かれたままでいる。 飄々と見せる無門の笑顔が魅力的だ。 映画を観て、「虎狼の族」というよりも、獰猛で狡猾で命知らずで現金な野生の猿軍団というイメージだった。ちょっとね・・ でも現実的かもね。 究極の本能に立ち返れば。人間も霊長類猿目ヒト科だから。 印象に残ったのは、ラストの無門と伊賀忍者の下山平兵衛(鈴木亮平)とのアクションシーン。迫力があった。信雄に仕える天下無双の武将、日置大膳(伊勢谷友介)のセリフが響く。「虎狼の族の血はいずれ天下を覆い尽くすこととなるだろう。我らが子そして孫、さらにその孫のどこかで、その血は忍び入ってくるに違いない」 そして下忍たちと、現代の恰好をした彼らの姿がオーバーラップされる。 エンディングで、無門と歩くネズミと呼ばれている孤児の少年がいる。ナレーションの声は遠い未来の少年の声(山崎 努)。 幼くして忍びの世界に押し込まれ鍛え上げられ愛を知らなかったこのネズミという少年は後の世の何者になったのだろうか。 想像を膨らませてこの映画の余韻を楽しんだ。
2017.07.13
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