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rakugaki
2018.06.30
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2018.06.30
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rakugaki
2018.06.29
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嫌いな相手を知りたがるのは俺の防衛本能だ。害虫対策も虐め対策も、果ては自己嫌悪への対策まで俺は知ることで武装し対策を講じてきた。だが、目下一番の敵はこいつだ。「ねぇねぇ智則ー、好きな子いいかげん教えてよー」「断る」一度何かが気になったらすっぽんのごとくひっつく幼馴染、問次郎。好きなのはお前だ、等と言ったらどんな反応をされるか。何度もこいつの頭と周囲環境と世間一般の常識を考慮してシミュレートしたが、どれも失敗に終わっている。……本当にどうなるのかなんて、実際に告白してみないと分からないが、それでも結果が分かった時にはもう手遅れだ。G退治などとはわけが違う、嫌いな相手への対策や反撃なら失敗したら逃げればいいが、傷付けたり不快にさせたくない相手だったらそうもいかない。そうして失敗した時の俺の姿も想像するに難くない、固まるか逃げるか泣き出すのを堪えて無感情になるか。そうしたらもう終わりだ、自分で自分を保てなくなってしまう。「……教えてよ。こっちも何か大事な事教えるからさあ」「絶対に釣り合わない」そう言うと幼馴染は、残念だなあと困り顔で笑った。
2018.06.29
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rakugaki
2018.06.28
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彼は失敗作だった。彼女は成功作だった。失敗作はやはり無駄ではないのだ。私は失敗作だった。彼は成功作に返り咲いた。失敗作はやはり無駄ではないのだ。失敗はもっともっと見付けて、殺していこう。*成功作だと信じていたものが失敗作ならどうすればいいのだろう。その不安を私は見て見ぬふりをする。
2018.06.28
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虹子の骨の行列についての一考察*宝石が好きだ。これはよく聞く。石が好きだ。これもよく聞く。女には珍しいそうだが。骨が好きだ。これを名言する者は常識的な人間には引かれるらしい。化石や蝶の羽、皮や毛皮、貝殻と同等の存在の筈なのにどうしてそんな目で発言者を見るのか、不思議でならない。私は無機物が好きだ。煩わしい反応を返さず、ただそのものの本分だけを果たそうとする健気さがたまらない。私に余計な追及をせず、私の追い求めるままに探求心のままにその姿を見せるさまが好ましい。とはいえ、流石に最終試験で自分も油断すればそうなると思い知らされながら量産される死体を見ているのは気分のいいものではなかった。*「骨が好きなの」「骨も、好き。機能美が好き」そう答えるとお蘭さんは「私も」と言って、目の前に腰掛ける。今作っている最中の仕掛けを手伝ってくれるらしい。「…大学の時、こんなもので仕掛けを作るなんて考えたことなかったわ」「まあ、そうでしょうね」目の前にあるのは大小さまざまな動物の骨。これを使って檻や罠を作る。猟師や、物資の限られた場所で生きる人ならともかく、彼女は日本の大学で学んできただけ。そのまま普通に建築を学んでいて、普通に就職する筈だったのに、未来へ連れてこられた。「性質もよくわかんないし、下手に焙ったり負荷をかけすぎると使い物にならなくなる」「でも手間をかけた分だけ如実に答えてくれる」「いくつも代えがあればそうでしょうよ」ああ、そうか。どれもこれも、唯一などではないのだ。普遍的な、観測可能な法則を有するそれらだからこそ私は安心して愛することができたのだ。「……代えがないものって、怖くないか。いつ壊れるかも分からない」安居くんや要さんのように。……涼のように。「壊れても見た目では分からないって、怖くないか。崩壊に自分まで巻き込まれる」「何?欠陥建築の話?」「建築も、人も」「……」そう言うと、お蘭さんはふっと笑った。「壊れるのがいつも悪いとは限らないじゃない」悪い笑みだ。だけど、強くて、何物にも折られることのなさそうな笑み。死んでいれば死ぬことはない。だから私は危うい人間より死にかけの人間が、死にかけの人間よりも骨の方が安心する。だが、この人はどうだろう。「悪い笑みを浮かべてる貴方がそれを言うの」昔の涼と同じ、悪くてしたたかでしなやかな、優しい笑み。「じゃあ言い換えるわ。壊れることで生まれることもある、って、いい話風に」その笑ってない笑みが想うのは、誰のことだろう。壊れた世界で彷徨って、変わってきた彼女達のことか。壊れる世界の為に造られた私達のことか。「……そうね」骨も崩壊する。だが土に還り新たな命に繋がる。石も溶けだし、また固まり、新たな形となる。それが私達よりも長いサイクルだからこそ、その大きな循環の胎に心をゆだねて安心した。未来にやってきても、地層や化石のできる条件、鉱石や微生物の生き方はさほど変わっておらず安心したのだ。けれど遥かに脆く、死にやすく、3か月で入れ替わってしまう私の肉も、こうしてちゃんと壊れながら生まれ変わりながらやってきたのだ。「いい話だね」再生と誕生と危うい存続を、少しだけ愛してみよう。いつか私も骨になるまで。
2018.06.28
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2018.06.28
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rakugaki
2018.06.27
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2018.06.27
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rakugaki
2018.06.26
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※途中 & 雑夢ならばどれほどよかったでしょう未だにあなたのことを夢にみる>夢への導入忘れた物を取りに帰るように古びた思い出の埃を払う>扉を開ける、エフェクトを得る戻らない幸せがあることを最後にあなたが教えてくれた言えずに隠してた昏い過去も>男の顔あなたがいなきゃ永遠に昏いまま>男のもとから移動する窓きっともうこれ以上 傷つくことなどありはしないとわかっている>医務室での保身あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえそのすべてを愛してた あなたとともに>鳥人間と雪の世界、風船とポニ子の家胸に残り離れない 苦いレモンの匂い>ポニーテールとすっぱいもの雨が降り止むまでは帰れない今でもあなたはわたしの光>赤い傘暗闇であなたの背をなぞったその輪郭を鮮明に覚えている>みつあみを追う受け止めきれないものと出会うたび>怪獣溢れてやまないのは涙だけ>記憶の分析何をしていたの 何を見ていたのわたしの知らない横顔でどこかであなたが今 わたしと同じ様な涙にくれ 淋しさの中にいるなら>途方に暮れる蛙わたしのことなどどうか 忘れてください>鳥女から引きはがす/あなたの夢にわたしはいないそんなことを心から願うほどに今でもあなたはわたしの光自分が思うより恋をしていたあなたに>追いつこうと急ぐあれから思うように息ができない>透明な子に突き落とされた直後あんなに側にいたのにまるで嘘みたい>喪失とても忘れられないそれだけが確か>箱庭あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえそのすべてを愛してた あなたとともに>樹海と信号胸に残り離れない 苦いレモンの匂い雨が降り止むまでは帰れない>雨の下にある言い争う男女切り分けた果実の片方の様に今でもあなたはわたしの光>二人で一つ
2018.06.26
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彼の顔は親に似ていなかった。それが彼の最初の分岐点だった。彼の親は時期に来る戦争や暗殺の危機を憂いていた。そうして端女の、中でも彼の親に似ている赤子を「彼」として育て、彼自身は端女の子、従者として育てることにした。彼はよく働き、自分がその立場に居る筈だったとは知らず「彼」に仕え、そうして愛した。その愛はとどまる所を知らず、「彼」に相応しくない友人や恋人は裏で遠ざける始末するなど過保護の域を超えてなお増殖し続けていた。そんな彼は、ある時敵国の斥候として勧誘された。一も二もなく断ろうとした彼であったが、敵国の情勢は探りたかった。その為彼は裏切ったふりをして二重斥候になった。いつもの「彼」の我儘、望みを叶える艱難辛苦等を全て話すと同情された。自国ではただの惚気と認識される為その対応に彼は違和感を覚えた。彼は自国に余り不利になりすぎないよう情報を漏らした。自分が情報を漏らしたとばれないよう自国に敵国の情報を齎した。だが彼の努力も空しく、彼の演技は見破られ、安全だと確信していた時に敵国の軍隊がやってきた。彼は同僚を犠牲にしながら「彼」を守って逃げた。道すがら「彼」に一人で生きる為の工夫、戦い方等を教えた。「彼」は我儘で放蕩の気はあったものの、本当に挑まなければならないものにはきちんと取り組む人だった。「彼」の身体は傷と打撲痕が所狭しと埋め尽くし、着ている服も相俟ってまるで奴隷のような風体になりはじめた。しかし顔を隠し村や都市を転々と移り歩く事にも限界が生じてきた。彼は「彼」に顔を潰し焼き印を入れる事を提案した。「彼」は勿論怯えたが、それでも疲弊しきった彼の顔を見て、頷かざるを得なかった。*顔の表面を焼き潰し、目立つ所に焼き印を入れられ、今までの訓練の癒えかけた傷に加え奴隷らしい傷も受け、いよいよもって「彼」は奴隷らしくなってきた。彼は酒をしこたま呑んだ。恐怖で手が震えないように。気絶した「彼」のぼろぼろの手を撫で頭に顔を埋め、彼はこの後の事を想った。彼が痛みで目を覚ますころにはきっと、「彼」は保護されているだろう。もともとの敵国の攻め込む大義名分は市民と奴隷の開放だった。貴族やその権威に預かる従者には容赦なく刃を振るうだろうが、市民と奴隷は開放し食べ物と職と住処を与え懐柔し吸収するだろう。そうしてかの敵国は大きくなってきた。宿屋の下が騒がしくなってきた。彼は「彼」の痛ましい身体をきつく抱き締め、酒の匂いのする口付けをした。
2018.06.26
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彼の顔は親に似ていなかった。それが彼の最初の分岐点だった。彼の親は時期に来る戦争や暗殺の危機を憂いていた。そうして端女の、中でも彼の親に似ている赤子を「彼」として育て、彼自身は端女の子、従者として育てることにした。彼はよく働き、自分がその立場に居る筈だったとは知らず「彼」に仕え、そうして愛した。その愛はとどまる所を知らず、「彼」に相応しくない友人や恋人は裏で遠ざける始末するなど過保護の域を超えてなお増殖し続けていた。そんな彼は、ある時敵国の斥候として勧誘された。一も二もなく断ろうとした彼であったが、敵国の情勢は探りたかった。その為彼は裏切ったふりをして二重斥候になった。いつもの「彼」の我儘、望みを叶える艱難辛苦等を全て話すと同情された。自国ではただの惚気と認識される為その対応に彼は違和感を覚えた。彼は自国に余り不利になりすぎないよう情報を漏らした。自分が情報を漏らしたとばれないよう自国に敵国の情報を齎した。だが彼の努力も空しく、彼の演技は見破られ、安全だと確信していた時に敵国の軍隊がやってきた。彼は同僚を犠牲にしながら「彼」を守って逃げた。道すがら「彼」に一人で生きる為の工夫、戦い方等を教えた。「彼」は我儘で放蕩の気はあったものの、本当に挑まなければならないものにはきちんと取り組む人だった。「彼」の身体は傷と打撲痕が所狭しと埋め尽くし、着ている服も相俟ってまるで奴隷のような風体になりはじめた。しかし顔を隠し村や都市を転々と移り歩く事にも限界が生じてきた。彼は「彼」に顔を潰し焼き印を入れる事を提案した。「彼」は勿論怯えたが、それでも疲弊しきった彼の顔を見て、頷かざるを得なかった。*顔の表面を焼き潰し、目立つ所に焼き印を入れられ、今までの訓練の癒えかけた傷に加え奴隷らしい傷も受け、いよいよもって「彼」は奴隷らしくなってきた。彼は酒をしこたま呑んだ。恐怖で手が震えないように。気絶した「彼」のぼろぼろの手を撫で頭に顔を埋め、彼はこの後の事を想った。彼が痛みで目を覚ますころにはきっと、「彼」は保護されているだろう。もともとの敵国の攻め込む大義名分は市民と奴隷の開放だった。貴族やその権威に預かる従者には容赦なく刃を振るうだろうが、市民と奴隷は開放し食べ物と職と住処を与え懐柔し吸収するだろう。そうしてかの敵国は大きくなってきた。宿屋の下が騒がしくなってきた。彼は「彼」の痛ましい身体をきつく抱き締め、酒の匂いのする口付けをした。
2018.06.26
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彼の顔は親に似ていなかった。それが彼の最初の分岐点だった。彼の親は時期に来る戦争や暗殺の危機を憂いていた。そうして端女の、中でも彼の親に似ている赤子を「彼」として育て、彼自身は端女の子、従者として育てることにした。彼はよく働き、自分がその立場に居る筈だったとは知らず「彼」に仕え、そうして愛した。その愛はとどまる所を知らず、「彼」に相応しくない友人や恋人は裏で遠ざける始末するなど過保護の域を超えてなお増殖し続けていた。そんな彼は、ある時敵国の斥候として勧誘された。一も二もなく断ろうとした彼であったが、敵国の情勢は探りたかった。その為彼は裏切ったふりをして二重斥候になった。いつもの「彼」の我儘、望みを叶える艱難辛苦等を全て話すと同情された。自国ではただの惚気と認識される為その対応に彼は違和感を覚えた。彼は自国に余り不利になりすぎないよう情報を漏らした。自分が情報を漏らしたとばれないよう自国に敵国の情報を齎した。だが彼の努力も空しく、彼の演技は見破られ、安全だと確信していた時に敵国の軍隊がやってきた。彼は同僚を犠牲にしながら「彼」を守って逃げた。道すがら「彼」に一人で生きる為の工夫、戦い方等を教えた。「彼」は我儘で放蕩の気はあったものの、本当に挑まなければならないものにはきちんと取り組む人だった。「彼」の身体は傷と打撲痕が所狭しと埋め尽くし、着ている服も相俟ってまるで奴隷のような風体になりはじめた。しかし顔を隠し村や都市を転々と移り歩く事にも限界が生じてきた。彼は「彼」に顔を潰し焼き印を入れる事を提案した。「彼」は勿論怯えたが、それでも疲弊しきった彼の顔を見て、頷かざるを得なかった。*顔の表面を焼き潰し、目立つ所に焼き印を入れられ、今までの訓練の癒えかけた傷に加え奴隷らしい傷も受け、いよいよもって「彼」は奴隷らしくなってきた。彼は酒をしこたま呑んだ。恐怖で手が震えないように。気絶した「彼」のぼろぼろの手を撫で頭に顔を埋め、彼はこの後の事を想った。彼が痛みで目を覚ますころにはきっと、「彼」は保護されているだろう。もともとの敵国の攻め込む大義名分は市民と奴隷の開放だった。貴族やその権威に預かる従者には容赦なく刃を振るうだろうが、市民と奴隷は開放し食べ物と職と住処を与え懐柔し吸収するだろう。そうしてかの敵国は大きくなってきた。宿屋の下が騒がしくなってきた。彼は「彼」の痛ましい身体をきつく抱き締め、酒の匂いのする口付けをした。
2018.06.26
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勇気をもって踏み出して、そこで死ななければ強くなれる。 だから外堀を埋めるだけじゃなく、踏み出す力が、うまくやる為の準備が、そして度胸が大事なんだ。 いくら失敗しても、いくら失礼をしても、オレは殺されなかった。 それがオレの持っている特権なのだと分かった時、オレの中には安堵と失望が同居していた。 見下してた親父とお袋の商売に救われた。 両親揃って可哀そうな女の子を風呂屋に沈める商売。 そのシマの親分に俺は拾われた。 取引先のバカ息子。それがこの組での俺の扱い。 ヘマをして以降は暫く仕事がねぇが、薬の取引に邪魔者の始末に一杯一杯で手前のガキの顔さえひと月見れてねえと泣いてた兄貴分とどっちが幸せなのかはわからねぇ。 そんな俺に、更に特権を得られそうな仕事が数年ぶりに振られた。 敵対組織への潜入。 あまり素性を知られてねえ俺なら顔と名前変えりゃあばれねえだろってことらしい。 中の下の顔から中の上の顔に変えてもらって俺からすりゃあ万々歳だ。 生きてかえりゃあ万々歳、死んで帰ってもそれはそれで面倒じゃあなくていい。 潜入先がまず生きては帰れねえ所って言われてるのもいい。 帰ってきたら俺が初めてのオトコってことになりますねえ、なんつったら兄貴分は泣き笑いをしてた。仕事に準じてるがそろそろ足を洗いてえなあって時の顔だった。 帰れなかったら帰れなかったでこの顔に似合わずお人よしな兄貴分はまた泣くんだろうなあ。 それはそれで愉快痛快だ。 兄貴分の頭ん中で特権階級として暴れまわってやろう。
2018.06.25
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rakugaki
2018.06.24
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裏表がない、そんな彼を好きになった。そのはずだった。無邪気な屈託のない笑顔。全く取り繕わない様子。そのすべてが、実は計算だったのだと、こうしておけば相手が無防備になるのだと分かっていて作られただなんて誰が思う。それに気付いた時、すべてが無理になった。彼が居ればいいと思って捨ててきたすべてを、取り戻す為に奔走した。そうして私は彼に別れを告げた後、振り返らなかった。振り返ればまた、嫌になるくらいバカで可愛くて、情けなくて放っておけない顔が待っているに決まってたから。心が寒い。だけど私には芯がある。取り戻したものもある。だから歩いていくんだ。一人でも。*いつもそうだ。いつも途中まではうまくいく。この人と今までの人は違うと思ってくれる。完璧主義な子、人間不信な子ほどそうだ。はじめはそんな子に甘えられる自分が誇らしかった。だけど、何故かいつもみんな何も言わずに僕の前から去っていく。理解できない恐ろしいものを見る目をして。どうしてだ。ドラマの世界ではバカで計算の出来ない人が愛されていたのに。裏表のない人が信用されていたのに。だから僕はそうなろうと努力してきたのに。いつもいつもそうやってみんな、裏がある方を、裏があることを隠さない方を好きになる。……裏があってもなくてもどちらでもいい。表だけでも、居なくならないでくれればそれでいいのに。寒い。誰か、助けて。
2018.06.24
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rakugaki
2018.06.23
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少年はある国の次期国王として生を受けた。何でも彼の思うがまま。しかし一つだけ難点があった。暗殺が非常に多かったのだ。それを憂えた家族と家臣団によって彼は幾人もの影武者を設けた。しかし幼い彼はその重要性を認識することなく、頻繁に影武者と入れ替わって遊んだ。影武者の中には賢い子供も居て、そんな子供が少年の為に王子を演じると、もはや大人達には判別がつかないのだった。ある日とうとう影武者が殺されてしまった。それだけならまだ影武者を変えれば済むだけの事だった。しかし影武者どころか従者達も殆ど殺されてしまった。そうして逃げる道すがら一人欠け二人欠け、とうとう少年についている従者は一人だけになった。最後に一緒に落ち延びた従者は身分を証明してしまう少年の顔を焼いた。背中に奴隷の烙印も押し、少年を汚し甚振った。従者は王子を落ち延びさせる為なのだと繰り返し説いた。少年は激しい苦痛で気を失った。少年が気が付いた時には敵国に捕虜として保護されていた。従者の首を敵国の兵が持ってきて、もうお前の酷い主人は死んだから安心していいと言った。捕まる時に、奴隷を差し出すから自分の命だけは助けてくれと言ったのだと吐き捨てた。少年は焼かれた顔で泣いた。聡明な従者だった。そんな不快感しか煽らない取引をする筈がない。彼は命どころか矜持も何もかも捨てて、少年を守ったのだ。少年はその想いにこたえるべく、耐え忍び、出世し、そうして将軍として国を乗っ取り始めた。潰れた顔には仮面を被り、奴隷の焼き印には刺青を掘り、恐怖の記憶は新たな縁で塗りつぶし、少年は青年となり、壮年となり、そうして子孫……息子である現国王も含まれている……に囲まれた中で幸せに逝った。
2018.06.23
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rakugaki
2018.06.22
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ーもともと天国と地獄は裏で繋がっていた。しかし互いのギブアンドテイクのバランスが崩れ、また元々そりの合わない者同士小競り合いも多発していた為、幾度かの大きな衝突と交渉を経て双方は不干渉を貫くことにした。天国と地獄の恋人、夫婦は引き裂かれるか主に堕天などの転向を余儀なくされ、天国と地獄両方の血を引く者はどちらかに引き取られたのち、出来る限り引き取られた派閥の意に沿うよう育った。彼女達もその内に含まれていた。*しかし彼女達の腐れ縁はとどまることを知らない。はじめ神憑きの少女の所に居座った後、幾度かの事件を経て互いの溝は深まるばかり。下界、人間界に浮遊する悪意が更に溝の深さに拍車をかける。互いに赦し合うか、殺し合うまでこの縁は消えない。闇に黒く黒く身体を染めた悪魔の身体。血に赤く赤く身体を染めた天使の身体。世界の端々を壊し、心と心、触手と炎がぶつかり合い、そうしてひとまずの決着点として天使は悪魔を拘束した。自慢の角も触手も、天使は作用を中和する力を得てしまった。けれど消される瞬間、悪魔はその奥の手、散々天使に揶揄われた巻き毛に隠れた脳天の触手でもって天使を道連れにした。そうして数十年後、彼女達は生まれ変わる。今度は、少しだけ神通力を持った、普通の人間として。
2018.06.22
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rakugaki
2018.06.21
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「君って母親みたいだよね」そう言う男の頭を殴り飛ばしてやったが、男はこちらの体を弄る手を止めない。まるで乳房に吸い付く赤子のように、男が切り落とした己の断面にちゅうちゅうと吸い付いてくる。そうして首を鋭い爪で斬り落とされ、その断面も吸われる。くっつこうとする挙動をあざ笑うかのように、ゆっくりと、ねちっこく。頸を落とされるとしばし何か走馬灯が過る。人間の頃の下らない記憶。「…は、母さんに似てるな」己はあの人の為に母親になりたかった。だけど結局なれなくて、あの人は自殺した。弱い人だった。優しい人だった。あの人に似た優しいまなざしの人があと二人居た。あの人も母親を失っていた。代わりになりたかった。なれなかった。あの人たちは今どこにいるのか。目の前の男は弱くも優しくもないのに、時折こういうことをしてくるから、だから、逃げ切れなくなる。ああ、本当に、嫌いだ。
2018.06.21
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ー悪魔が道に倒れていた。ー少女は連れ帰った。ー弟分には怒られた。また厄介ごとを背負ってと。ー悪魔は暫く魘されていたがやがて気が付き、そうして恩返しに少女に加護を与えようとした。少女は断ったが、悪魔はまだあきらめきれない様子だった。ーその夜、天使が空から舞い降りた。あなたには加護がありませんから、不運ばかり起きるのですと言って。そうして天使と悪魔は互いに顔を合わせ、思い切り顔を顰めた。悪魔と天使の中でも、とりわけ彼女たちは犬猿の仲のようだった。しかし二人はそのまま居着き、ことあるごとに競い始める。そのたびに少女の弟分は叫ぶ。ー俺が本来のこいつの守護神だよ!-しかし影が薄く、また厄介ごとを進んで背負い込むお人よしの少女を説得することもできない彼の言葉は天使と悪魔にスルーされ続けるのだった。【続】
2018.06.21
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rakugaki
2018.06.20
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あばばばば~
2018.06.20
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山水画っぽいやつ:寒色枠>コバルトグリーン 暖色枠>ゴールドオーカー 影色枠>アイボリーブラック目玉焼き:寒色枠>インダンスレンブルー暖色枠>ウィンザーレッド光色枠>キナクリドンゴールド 次はテールベルトとかトランスペアレントイエローあたりのほんわか色を使ってみたい。
2018.06.20
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rakugaki
2018.06.19
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「あたしは必要とされてるの。あんたなんかと違ってね」以上、親からサンドバックにされ、春を売っては生活費にあてている姉のお言葉だ。ちなみに殴られもしないが撫でられもしない、放置プレイの極みを受けてる俺はといえばそんな姉の給料と世話を必要としている。必要とされてる、だから行かなくちゃとしきりに言う姉はぼろぼろで、相手の悪口ばっかり言うのにその相手と離れることはなく。きっと外では俺のことだって「弟があたしを必要としてるから帰らなくちゃいけないの。バカな弟でねー、一人じゃなんにもできないから」なんて言って笑ってるんだろう。みんなが姉を求める。俺はみんなを求める。いつからか俺を世話してくれる人が姉以外にもできた。姉が帰ってこない日、誰かの所で眠ってるんだか必要とされてるんだかわからないけどとにかくそれで手いっぱいの時のことだった。近所に最近越してきた家族が俺を空腹とひどい寝床から助けてくれたんだ。その家の子は俺より年下だったけど、姉みたいに頼りがいのある子だった。そうして俺は人を求めた。甘えて愛して必要として頼って体液啜って、寄生虫になった。一人じゃ啜り殺してしまうから、何人も何人も。姉もそれでいい、あたしも肩の荷が下りたと言ってくれると思ってた。なのに、実情を知った姉は俺を疎んだ。「これだけ与えてあげたのに、どうしてあんたは他の所へ行くの」「あたしだけを必要としなさいよ」俺には全く理解できない。必要とされる側がなんでこんな顔をするのか。どうして。いつも俺が何か返そうとするたびに「あんたからなんかもらおうとは思わない」なんて言って笑ってたのに。姉はそのまま俺を刺した。風邪をひいたときにリンゴを剥いてくれた包丁。姉の腕に消えない傷を残した包丁。あの赤が蘇って、そのすぐあと、暗闇に呑まれた。
2018.06.19
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rakugaki
2018.06.18
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砦谷真雨(とりでや まさめ)もとは”何でも屋”下町のチンピラ組織、異織綺(ことおりあや)の一味の娘。一家離散後は跳躍力と耐久力が高いので運び屋になる。神経質になるのが嫌で無神経になる。
2018.06.18
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rakugaki
2018.06.17
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2018.06.17
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rakugaki
2018.06.16
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2018.06.16
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rakugaki
2018.06.15
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2018.06.15
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rakugaki
2018.06.14
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2018.06.14
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rakugaki
2018.06.13
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木(六角形版)色:上:152/219/140中:133/213/119下:115/207/99六角形大:一辺600六角形小:一辺550角度:アイソメ等角→右×2高さ設定1500→1900→2200→2500の場合:高さ設定1000→1500→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→1500→2500の場合:
2018.06.13
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木(六角形版)色:上:152/219/140中:133/213/119下:115/207/99六角形大:一辺600六角形小:一辺550角度:アイソメ等角→右×2高さ設定1500→1900→2200→2500の場合:高さ設定1000→1500→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→1500→2500の場合:
2018.06.13
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木(六角形版)色:上:152/219/140中:133/213/119下:115/207/99六角形大:一辺600六角形小:一辺550角度:アイソメ等角→右×2高さ設定1500→1900→2200→2500の場合:高さ設定1000→1500→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→2000→2500の場合:高さ設定1000→1200→1500→2500の場合:
2018.06.13
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許せない相手が居た苦しくなるごとにその人を思い浮かべてその人に会うよりはましと思った嫌いな人ができるごとに許せない相手を思い浮かべてあいつよりはましと思ったけれどとうとうその人よりも辛い世界が襲ってきてしまったもう終わりだと絶望に伏せる中ふとその人に電話をかけた素直に昔のいざこざを自分の非として謝った許せない相手は自分の方こそと謝ってくれた許せなかった相手はそして助けてくれたもう許せない相手はいない開放された気持ち、昇華していくような気持ち、そしてどこかからくる虚無てんびんの片方はかたんと上がるあとにはふわふわしていたてんびんのもう片方の荷ずどんと机にめり込むふわふわ今度はこれを重しにしててんびんの空いた方に辛いことを載せ続けようてんびんが壊れるまで
2018.06.13
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人の出入り把握しすぎじゃない?住んでるわけでもないのに・・・こっわい・・・
2018.06.12
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誰が来るかな
2018.06.12
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下の階の人 えっそれその顔で言う?ってことを言ってくるから血の気が引く僕でも略
2018.06.11
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並び方は状況によって変わるのかなーとか(得意分野の時は前に出るとか)考えると楽しい。BGM:砂の惑星(ハチ)
2018.06.11
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うおおおおおいきたくねえよおおおお
2018.06.10
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