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さて少し前のことですが、9月22日(土)、23日(日)に広島で開催された「瀬戸内眼科コロシアム」という勉強会に参加してきました。これは以前の「中四国眼科学会」が終了・発展して開かれているものなのですが、毎年非常に勉強になるんですね。 9月21日(金)夕方の18時30分、外来が終了した私がクリニックの外に出るとすでに完全に日は暮れています。秋の訪れを実感しますね。 私のクリニックのある愛媛県八幡浜市から会場の広島県広島市のホテルまでは車で270キロ!の長丁場です。海の上を渡れたら直線距離は近いのですが、そういうわけにも行かないので、愛媛と広島を結ぶガラガラの「ひまなみ街道」を通るとこの距離になってしまうんですね。気合を入れて出発です。 四国から本州に渡って毎回最初に思うのは、 本州の高速道路は四国に較べて全体にスピードが速い上にトラックが多くて怖い、ということです。運転していていつも少しドキドキしますね。 ふー、夜の22時30分になってようやく会場のホテルに到着しました。 持ち込んだ「バブ」で全身の疲れを癒して眠りにつきます。(笑) 明日からの勉強が楽しみですね。
2012.09.29

患者様の診察で毎日使用する倒像鏡(とうぞうきょう)という検査道具があります。 この倒像鏡の先っぽから光がでて、それを利用して患者様の眼底(がんてい:目の奥の網膜のこと)を観察するのですが、具体的には自分の目のすぐそばで使用します。しばらく前に実際に使って診察をしていると、突然「ジュッ!」という音と同時にこげくさい臭いと熱が立ち込めました。 「これは何かヤバイぞ。」と思って分解して見ると、使いすぎたのか内部の電球の周りの部品が黒こげになっていました。そこで当然修理に出したのですが、いつの間にか電球が従来型のものからLEDタイプに進化した後継機が発売されており、思い切って新型に買い換えました。(旧型は修理に出した上でバックアップ用としました。) ↑ 見た目は瓜二つですが、中身は刷新されています。 この新型のLED倒像鏡は従来型と較べて、 1. 使っていて全く熱を発しないので快適でより安全である。 2. 従来型よりかなり明るくなっており、眼底が非常に見やすい。 という大きなメリットがあります。毎日ほぼ全ての患者様に対して使用する基本道具ですので、買い換えて非常に良かった、価格を上回る大きな価値があったと実感しています。これからも院内の全ての器械を常に適切にメンテナンスしながら、患者様の診療に当たりたいと考えています。
2012.09.25

当院では現在、日本アルコン社の「インフィニティ」という白内障手術装置を使用して皆様の手術を施行しています。 このインフィニティは、白内障手術機械の歴史上最も多く売れ、現在世界で最も多く使用されているベストセラーマシンです。発売は2003年と古く既にモデル末期なのですが、この9年間続々と新機能が搭載され、絶え間なくアップグレードされてきたことにより未だに高い戦闘力を誇っています。その最大の特徴は、 通常の白内障手術機械が、水晶体を削るための超音波が縦にしか出ないのに対して、このインフィニティは横にも出るということです。 そして横に出る超音波というのは、縦に較べて効率が良い上に目へのダメージが少ないのです。ただ、横発振だけでは機械が詰まったりすることもあったのですが、 数年前にOzil IP(オジールアイピー)と言って、横発振だけでは無理な場合に必要に応じて縦発振を入れることが出来るようになり、その欠点もほぼ解消しました。 私がクリニックを開業させて戴いている愛媛県八幡浜市は、高齢化率が極めて高く、そのために白内障が非常に進行した患者様が多い地域です。そういった進行した「固い核の白内障」に対してはこのOzil IPを搭載したインフィニティが他社のマシンに較べて相対的に優れていることもあり、 現在御機嫌で稼働中なのです。 このインフィニティ、発売後9年が経過し、その間に欠点・弱点を一つずつ潰してきたためにとにかく完成度が高いです。良く「輸入車買うなら、熟成度の高いモデル末期を買え!」みたいな話がありますが、このインフィニティも全く同じ状況です。そしてインフィニティの製造販売元の日本アルコン社の素晴らしいところは、常に開発・進歩の手を緩めないことです。 白内障手術では、IA(アイエー)と言って、水晶体の皮質という周辺部分を取る手技があるのですが、これには専用のIAチップという道具を使います。このIA中というのは、我々白内障手術専門医が最も恐れている合併症の破嚢(水晶体の袋が破れること)が割と起こりやすい時間帯であり、非常に神経を使います。 今回この大切なIAに関して、日本アルコン社から画期的な新チップが発売されました。 この新型IAチップは、先端が従来型の金属製ではなく柔らかいポリマー素材で出来ています。そして、チップ先端で眼内レンズを移動したり回転させたりすることがスムーズに行えるような表面処理がされています。また、スリーブを確実にセットできるように設計されてもいます。 実際に使用してみてすぐに感じたのは、「とにかく前房(目の中)が安定している」ということでした。スリーブのセットが確実で隙間がないことが影響しているのでしょうか?、後嚢(水晶体の袋の底面)がピシッと安定していて自信を持ってフットペダルを踏めます。 またチップ先端の表面処理も効いています。眼内レンズを思ったように躍らせて粘弾性物質(手術時に目の中を保護しているヒアルロン酸製剤)を快適に安全に除去できます。 逆に欠点としては性能が高くて吸引力が強いので従来型のIAに較べると5センチほどボトルを上げなくてはならないことと、完全ディスポで1本1500円(定価)するということですが、これは一回使って見ればその価値・凄さはすぐに分かると思いますし、当院でも是非採用したいと願っています。そして、全国のインフィニティユーザーの先生方にも是非一度お試し戴きたいと考えています。
2012.09.20

このところ、「まつげエクステ」による眼のトラブルが急増しています。以下に最近見つけたニュースを引用します。 まつげエクステ、摘発増加=無資格で営業、トラブル相次ぐ-注意呼び掛け・警察庁 時事通信 9月3日(月)14時31分配信 目元のおしゃれとして幅広い年代の女性に人気がある「まつげエクステンション(エクステ)」をめぐり、視力が低下したり、角膜が傷ついたりするトラブルが後を絶たない。警察による美容師法違反(無免許営業)容疑での摘発は今年上半期だけで4件あり、2010年と11年の2年分に並んだ。 東京都内に住む30代の女性は、まつげエクステをした日の夜から目が痛くなった。救急車で病院に運ばれ、「角膜全体に傷が付いている」と診断された。 国民生活センターなどによると、まつげエクステをめぐる健康被害の相談は、店舗の増加に伴い、07年ごろから目立つようになった。09年以降は「目が痛い」「充血が治らない」といった相談が毎年90件前後寄せられている。 業界団体「日本まつげエクステンション協会」は「人気が先行し、技術が未熟なままサロンを経営するケースはある」と指摘。技能検定を実施するなど、技術力の底上げに力を入れる。 厚生労働省も9月以降、全国の眼科や皮膚科の医師約3500人を対象に健康被害の実態調査に乗り出す方針だ。 警察庁によると、今年上半期に摘発したのは埼玉、千葉、京都、兵庫の各府県警で計4件。いずれも施術に必要な美容師免許を持たずに、顧客にまつげエクステをしていた。 同庁幹部は「無免許営業は、健康被害に遭った顧客の訴えで発覚するケースが多い」と指摘。発覚した分は氷山の一角にすぎないとして「トラブルがあれば積極的に警察に届けてほしい」と呼び掛けている。(引用終わり) まつげエクステは簡単に女性の「目力」を上げてくれるので大人気ですが、 接着剤が目に入ってしまい、角膜(黒目)の上皮ごと剥がさざるを得なかった患者様や、まぶたの裏に接着剤が入り込み重いアレルギーを起こした患者様など、当院でも様々なトラブルを抱えた症例を経験しています。 皆様も「まつげエクステ」後に目の異常を感じたら、すぐにお近くの眼科専門医で診て貰う様にしてくださいね。
2012.09.17

しばらく前にテレビのバラエティ番組を見ていると、「人間の視力の限界はどのくらいなのか?」を、視力が良いので有名なアフリカのマサイ族の元に出かけて調べるという企画をやっていました。 前提として眼科専門医として基本的な事項を説明すると、人間が持っているレンズ(水晶体)の光学的限界からは視力4.0程度が、また光を感じる網膜の視細胞の密度からもその程度が限界であろうとされています。 では、果たしてその実際はどうだったのでしょうか? 以下に番組の内容を引用しながら見て行きましょう。 なんと視力5.0はあっさりとクリア。アフリカの人たちは遠くの獲物を見つけなくてはならないので、人間が持っている能力の限界まで使い切っているのでしょうね。 次はなんと視力20.0!に挑戦です。 まさかの視力20.0もクリアでした。また、以前の別のテレビ番組でも、視力8.0 の方が紹介されていました。ただ、日本人で視力検査をすると3.0以上の方はほとんどいないと言われています。育った環境によっては人間は驚異的な能力を発揮できる、ということでしょうね。
2012.09.11

しばらく前にテレビを見ていると、 都市型スズメバチが増えてしかも現在繁殖のシーズンを迎え、猛威を振るっているというニュースをしていました。 「スズメバチに刺されたら大変だ」と言うのは皆様もなんとなく意識されていると思うのですが、もしもこの恐ろしいスズメバチに眼を刺されると、 目は上記のような状態になってしまいます。この患者様はスズメバチに角膜(黒目)を刺され前房(目の中)にまで毒素を注入されてしまい、その結果、角膜の一部、水晶体(目のレンズ)が溶けてしまいました。何度かの手術を経て何とか眼球自体は摘出せず温存することはできたのですが、残念ながら視力は失ってしまいました。 このようにスズメバチと言うのは、「目にとっても大敵」なのです。皆様も十分に気をつけてくださいね。
2012.09.08

今日は7月に参加してきた学会 フォーサム2012横浜 参戦記の最終回です。 さて学会も終わって私は羽田空港に到着しました。帰りの四国愛媛の県都松山までの飛行機はボーイング社の新型機の787でした。私は初めて乗るのでワクワクして乗り込みました。 乗り込んで見ると、天井が高くシートの出来も良くとっても快適でした。 しばらくすると、「あれ? 目が乾かないな。」ということに気付きました。後で調べてみると、このボーイング787は、機内の湿度が従来型機(1桁台)に較べて2~3倍(25%前後)に改善されているとの事で、それで目が乾かなかったのです。 従来型の飛行機の中というのは砂漠並に乾いており、ドライアイの患者様にとって長時間のフライトと言うのは目薬と二人三脚の「地獄の空間」だったわけですが、このボーイング787ならばそんな心配はなさそうです。 「技術の進歩って凄いなあ。これからはドライアイの患者様にはボーイング787を強力にお勧めしないといけないなあ。」と感じながら、印象深くフォーサム2012横浜の旅は終わりました。 皆様、長い間 「フォーサム2012横浜 参戦記」 にお付き合い戴き有難う御座いました。また近い将来に次の学会旅日記が始まりますのでよろしくお願いいたします。
2012.09.05

まだまだ蒸し暑い時期が続きますね。草刈り等の農作業も多く、「目にゴミが入った」などの訴えで受診される患者様が多い季節です。 さて、この目の中なのですが、実に様々な異物が入り込みます。今日はどのようなものが入るのか、いくつかその内の珍しい事例を見て頂きましょう。 ↑ この患者様は以前も紹介したことがありますが、農作業中に田んぼで転んでその時に目にヒルが食い付いてしまいました。非常にすばしっこく逃げるので摘出するのが大変でした。 ↑ この患者様はみかんの摘果作業中に目にゴミが入り「洗っても何してもどうしても取れない」との訴えで受診されました。それもそのはず、蟻が目から振り落とされないように結膜(白目)に足を深く刺してしがみついたまま絶命していました。このありんこも引っぺがすのが大変でした。 ↑ この患者様は、「まぶたの裏で何かがもぞもぞ動いている!」との訴えで来院されました。上まぶたをめくって調べて見ると、ショウジョウバエと思われる2ミリ大の虫が目の中で既に絶命していました。 このように、目の中と言うのは様々な異物が入り込みます。自力ではなかなか取れないもの、取るのが危険なものもあります。ですので、「あれ?何か目にゴミが入ったぞ。」という時には、是非気軽にお近くの眼科専門医を受診するようにしてくださいね。
2012.09.01
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