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さて「ためしてガッテン」で「動体視力改善効果がある」として紹介されたムチン分泌促進薬ですが、現在2種類が発売されています。 まずは先行発売された ジクアス点眼液 についてです。 このジクアス点眼液は画期的な効き目があると同時に、世界一新薬の承認が厳しいと言われるこの日本で、眼科専門の製薬会社の参天製薬が全世界に先駆けて先行発売に成功した薬です。また新薬の開発には製薬会社だけではなく、大学病院を中心とした研究・臨床の協力が不可欠であり、「日本発世界初」の効果抜群な目薬が誕生したと言うこの事実は、日本の眼科医療が総合的に見て世界最高水準であることの何よりの証明となりました。 ちなみに最近ではiPS細胞の臨床応用で加齢性黄班変性症が良くニュースでも取り上げられますが、これも日本の眼科医療が世界トップレベルであることが前提としてあると思います。 少し逸れてしまいましたが話をムチン分泌促進薬に戻します。まずは、ジクアス点眼液発売前夜の状況からです。 ドライアイの画期的新薬、ジクアス点眼液、もうすぐ登場です。 続いて、実際のサンプル品を使って見た時の感想です。 ジクアス点眼液、実際に体験して見ました。 発売後の患者様の感想です。 ドライアイ新薬 ジクアス点眼液、やっぱり大好評です。 発売1ヶ月が経過し、たくさんの患者様に実際に使用して頂いたことによって、ジクアスの長所と短所が見え始めて来た頃の日記です。 ジクアス点眼液発売1ヶ月が経過して思う。 このジクアス点眼液の登場によって日本のドライアイ治療は大きく飛躍しました。それには眼科一筋の頑固な製薬会社の参天製薬の力が何よりも大きかったと思います。参天製薬は薬の成分を溶かして目薬にする技術力が世界一で、それが今回の画期的な新薬発売に繋がったと思っています。私もドライアイ治療医として新薬の恩恵をしっかりと患者様にお届けできるように、参天製薬に負けないくらい日々精進していきたいと考えています。
2012.10.28

一昨日のこの日記のアクセス数の急騰、これはNHKで「ムチン(納豆やオクラなどのネバネバ成分のこと)分泌を促すドライアイ治療薬(ジクアス、ムコスタ)を点眼すると動体視力が改善する。」と言った内容の番組が放映され、 それに関連してどうやら私が以前に書いたムコスタ点眼液とジクアス点眼液を比較する日記がネット上で取り上げられた ことが影響したようなのですが、「それにしてもアクセス数が異常に多いな。」と考え直してもう一度色々と調べて見ると、 話はもっと単純で、グーグルで「ジクアス点眼液」と打ち込むと、私が以前に書いた、「ジクアス点眼液発売1ヶ月が経過して思う」 という日記が検索結果の3番目で表示され、それでためしてガッテンを見てからネットで検索をかけた多くの方にご訪問戴けたのでした。(笑) ま、どういった理由であれ、多くの方にこのマニアックな日記を見て頂けるのは光栄なことです。せっかくの機会ですので、次回は悪乗りして私が今までに書いた「ムチン分泌促進薬」関連の日記をまとめて紹介しておきます。(続く)
2012.10.26

私はほぼ毎晩温泉に出かけることを日課にしているのですが、昨日の夜も出かけると、いつもの常連さんが、「おっ、先生、いいところに来た。さっきNHKの ためしてガッテン という番組でムチン?とかなんとか言う目薬すると視力が良くなるって言ってたけどほんとなの?」と問いかけて来ます。 私はその番組を見ていなかったので、「最近はドライアイ領域でジクアス、ムコスタの2つの 日本発世界初 の目薬が登場していてドライアイ治療が劇的に進歩したのは事実です。 まあ、眼の表面がスムーズに滑らかになるので実際に視力改善に大きな効果はあると思いますが、その番組を実際に見ていないのでなんとも言えないです。」と返答しました。 ところが、その後サウナに入っていてもたくさんの方から、「先生、ムチン?を点すと視力が回復するらしいね。明日目薬貰いに行くよ。」などと声を掛けられます。私は、「これは何かテレビでドライアイ治療薬のムチン産生薬(ジクアス、ムコスタ)のことが取り上げられたんだな。家に戻ってチェックしないといけないな。」と思いながら家に戻りました。 家に戻って自分の「にしわき眼科クリニック院長日記」を見てみると、突然アクセス数が急増しています。出かける前は277000前後だったのにいきなり282000になっているのです。! 最近の1日平均アクセス数は400前後なのに、昨日は一日だけでなんと驚愕の5000越えです。! これは一体どうして、、、、、(続く)
2012.10.25

さて今日は「瀬戸内眼科コロシアム2012」参戦記の続きです。 9月23日(日)最初のプログラムは「コンタクトレンズ・アレルギー領域」でした。 この中で一番印象に残ったのは、この数年でカラーコンタクトレンズ(以下カラコン)による眼の障害が激増しているという話でした。昨年のコンタクトレンズによる眼の障害の半分以上がカラコンによるものだったそうです。 カラコンは以前は「おもちゃ」扱いで販売されていたのですが、2009年のカラコンに対する薬事法改正で逆に焼け太りの結果となり、2011年以降書類審査のみで劣悪な品質のものもガンガン承認されるようになりました。その結果、医師の処方箋無しに合法的にネットやドンキホーテなどの大型ディスカウントショップで販売されるようになっています。 カラコンには大きく分けて2種類あり、1つは一般の眼科クリニックで処方するジョンソン&ジョンソン社の「ワンデーアキュビュー ディファイン」のような酸素透過性が高く安全性の高い(グループ4 高含水イオン性)タイプ、もう1つが2011年以降に承認されたキャンディマジック、ラバーズカラーなどの酸素透過性が低かったりレンズの作り方が雑だったりと安全性にリスクのある(グループ1 低含水イオン性)タイプとなります。 ところが我々眼科専門医が処方させて頂けるような前者のタイプは、「デザインが地味で目力が大幅にはアップしない」ので不人気なんですね。後者の新承認のレンズはデザインが派手でカワイイのでどんどんシェアが上がっているのが現状なのです。具体的には以下のような商品群ですね。 今回のプログラムでは、「女子中学生の3種の神器」が紹介されていました。それは、「スマホ、つけま(つけまつげ)、カラコン」で、講演された先生は都会の繁華街で開業されていることから実地に女子中学生に調査したところ、カラコンは、「ドンキで買ってるよ。」、「目医者なんて行ったこと無いよ。」、「カラコンで眼が痛くなっても、目医者に行くと怒られるから絶対行かないよ。気合で治すよ。」とのことでちょっと唖然としたとのことでした。 またこの講演された先生は、素晴らしいことに若い女性が大量に働く飲食施設(分かりやすく言うとキャバクラ)でも、崇高な私財を投じて実地調査を行い、その結果、働く女性の「4人に3人」が新承認のカラコンを使用していること、その購入の際に眼科を受診された方は0%!だった、という貴重なデータを発表されていました。そして、これらの独自調査の結果から「2020年には球面レンズを使用している女性の80%はカラコンを使用している状況になるだろう。」という予想をされていました。 このように新承認のデザインの優れたカラコンは、 1. 10代の年齢層の構成比が極めて高い。 2. 中学生からの使用開始が多い。 3. 大型ディスカウントストアやインターネットでの購入が多い。 という特徴があり、またその販売・管理に我々眼科専門医がほとんどタッチ出来ていないことから、眼の障害が起こっても治療できない、もしくは重症になってから眼科に駆け込んでくるという問題点が指摘されていました。 そして、カラコンを使用している患者様との接点は「トラブル発生時のみ」であることを十分に認識して、 1. カラコントラブルの患者様に決して怒ったりしてはならない。治療させて頂ける唯一の機会と考えて、優しくかつ全身全霊をかけて治療にあたることが必要である。 2. 新基準のカラコンは酸素透過性が極度に低かったり、酷いものになるとレンズの内側を綿棒でこすると色素が取れたり、と品質に大きな差がある。しかも患者様はそのカラコンを説明書を全く読まず使用期限も守らず滅茶苦茶な使い方をしている場合も多いので、「最長でも使用は1ヶ月にしてくださいね。」など、最低限のガイドラインを示すようにする。 ことが大切であると、提案されていました。 このように「カラコン」を巡る状況は急激に変化しています。実際にドンキホーテに行くといつの間にかカラコンの販売売り場はどんどんと大きくなっていますし、都会ではゲームセンターの横にカラコン販売専門店が出来たりしています。我々眼科専門医は、今後カラコントラブルが激増することを前提として、角膜(黒目)感染症に関する知識を深めるべく全力で勉強していかなくてはならない、と気持ちを新たにしました。
2012.10.24

当院では待合室の一角にティーサーバーを設置しており、 上煎茶、玄米茶、ウーロン茶、グレープフルーツウォーターなど、4種類のドリンクがコールド、ホットで楽しめて患者様から大変ご好評を戴いています。 それ以外に、診察までの待ち時間のために各種のあめ玉や、「種なし梅」という、お茶に抜群にあう「梅に味付けし、天日で干したものを種を抜いて仕上げた干し梅」などもご用意しているのですが、 今月はハロウィンということで、限定お茶菓子が追加で登場しています。 今月いっぱいの期間限定となりますので、良かったら手にとって見てくださいね。
2012.10.20

さて、瀬戸内眼科コロシアム1日目のプログラムも全て終了しました。 懇親会で色々な先生方と楽しくお喋りした後は、 JR広島駅前に立つ雑居ビルへ突撃です。6階にお好み焼き屋さんがぎっしりと詰まっている「お好み広場」と言うところがあり、そこへ仲良しの先生と出かけます。 選んだのは、エレベーターを降りてすぐのところにある 「HOPE」 というお店です。同じフロアには 「電光石火」 などの超有名店もあるのですが、込み具合と味のレベルを考えるとこのお店は非常に総合的なレベルが高いんですね。実は去年も来たのですが、今年もまた来てしまいました。 広島名物の「カキ焼き」を食べながら、お好み焼きが焼きあがるのを待ちます。 一番人気は高価格の「HOPEスペシャル」とのことでしたが、私はよりシンプルな「肉玉そばライス」の方が更に美味しいと思いました。きっと人間が安く出来ているのでしょう。(笑) 鉄板を囲んでお酒もどんどんと進みます。楽しい広島の夜が更けていきますね。。。。。。
2012.10.16
瀬戸内眼科コロシアム、続いてのセッションは、「サージカルレチナ・涙道領域」でした。 この中では、先天鼻涙管閉塞症(せんてんびるいかんへいそくしょう)という、赤ちゃんの鼻涙管が下鼻道に開口する部分で閉鎖しているため、涙やめやにが止まらない病気の治療についての話が印象に残りました。 ほんのしばらく前までは、抗菌薬の点眼と涙嚢部のマッサージで生後3~4ヶ月までは経過観察をし、この方法で治らなければ生後4~5ヶ月をめどにブジーという細い針金のような器具で開通させるというのが一般的で、当院でもしばしば施行していたのですが、最近になって、「治療は観察のみでよい。目やにのあるときのみ抗菌薬点眼を短期間使用しても良いが2週間以上は使用しない。涙嚢部のマッサージは炎症のある時は破裂の恐れがあるので注意しなくてはならない。ブジーは汚染手術で敗血症などのリスクも0ではないし、自然開通が極めて多いので急性涙嚢炎などの場合を除き、7~12ヶ月は経過観察するべき」という意見を述べる専門家の方が多くなっているのです。 そのため、先天鼻涙管閉塞症は以前よりも積極的な治療に踏み切るかどうかの判断時期が遅れる傾向が強まっています。 今回のセッションでもまさに上記の意見を仰る専門家の方がいたのですが、この方法には1つ問題点があり、もしも12ヶ月待っても治らなかった場合に、赤ちゃんがかなり大きく力が強くなっているので、沈静や全身麻酔をかけないとブジー治療がかなり困難であるということがあるのです。 今回のセッションでも結局ベストの治療法の姿が提示されず、私の心の中にはかなりのモヤモヤ感が残りました。「全ての病気の治療法がすっきりクリアカットになるわけではないこと」、これもまた医学の真実の一つなんですね。
2012.10.13

瀬戸内眼科コロシアム、続いてのセッションは「緑内障領域」でした。最近、検査機器の進歩で早期発見が出来るようになったこともあり緑内障の患者様が激増しています。その意味で、眼科専門医として緑内障治療に長けることは今や必須の状況となっています。 このセッションでは、まず「緑内障と診断されると約半数の患者様は失明を意識する」ことが説明されました。そのため我々眼科専門医は、すでに精神的に詰まっている患者様をより追い込むような説明を安易にしてはならないということが強調されていました。 具体的には早期の緑内障の患者様には、「緑内障は失明する病気ですから絶対に点眼を忘れずにしてください。」ではなく、「早めに緑内障が見つかってよかったですね。点眼はあなたの神経を守るための貯金ですよ。」と説明したほうが治療に対するモチベーションが上がること、また、進行してしまった緑内障の患者様には「どうしてこんなに悪くなるまで眼科に来なかったのですか?」ではなく、「両目で見ているとなかなか視野の異常は分かりにくいですよね。まだ残っている視野を残すために積極的に治療していきましょう。」というように、気持ちを傷つけないように日々の診療に当らなくてはならないことが説明されました。私も今までも気をつけているつもりでしたが、これから更に意識して緑内障の患者様が前向きに治療に向き合っていける、その手助けができるように頑張りたいと気持ちを新たにしました。 また、患者様の治療へのモチベーションを上げるためには、点眼で眼圧が下がればきちんと誉めてあげることが大切であること、日常生活で困ったことが無いか(階段の上り下りは大丈夫か?など)を尋ね、視野の状況に応じて適切なアドバイスをすることが肝要であることも強調されていました。 次に緑内障診察の実際については、隅角(ぐうかく:目の中の水の出口のこと)検査をしっかりすることの必要性が説明されました。そして目の中の炎症に続発するセカンダリー緑内障に注意すること、炎症のある緑内障ではステロイド+ピバレフリンやアイファガンなどのフレア(炎症)を抑える点眼を使用するのがポイント、という話も印象に残りました。 また、新薬のアイファガンは、 2歳未満は禁忌(めまい、頭痛、傾眠などの神経障害がある)なこと、またトラフが低いので注意が必要なこと、現在緑内障薬物治療で第一選択薬のPG(プロスタグランジン)製剤の中で、シェアナンバーワンのキサラタンから一番効果の強いルミガンにスイッチすると60%の患者様にDUDE(デューズ)という目の周りが窪む合併症が出ること、などの緑内障の最新豆知識も勉強になりました。 そして最後に、緑内障薬物治療は一人ひとりの患者様に一番合う目薬を探してできるだけ眼圧を下げることで視野を維持していけるよう、「テーラーメイド」の治療を目指すべきであることが強調されました。 現在では緑内障の目薬は様々な系統のものがあり、新薬もどんどん登場しています。私はその全ての薬の薬理作用、長所、短所、防腐剤濃度を完全に把握してかつそれを暗記し、目の前の患者様に合わせて最適解を瞬時に判断できるように常に心掛けています。
2012.10.09

さて広島の町の散策も終わって学会場のホテルに戻ってきました。 瀬戸内眼科コロシアム、最初のセッションは「白内障領域」でした。日本を代表する白内障サージャンの2人による示唆に富んだ内容で大変印象に残りました。 以下に自分用のメモ書きとして勉強になったことを列挙しておきます。眼科専門医向けのやや特殊な内容となりますことを御了承下さい。 白内障手術終了時の前房(ぜんぼう:目の中のこと)内の細菌汚染頻度は少ない報告でも1.7%あり、眼内レンズ挿入後に徹底的に粘弾性物質(手術時に使う目の中を保護するゼリー状の物質)をしっかりと除去することがとにかく大切。 そのためのポイントは、眼内レンズ裏面をIAチップで「2方向」から洗うこと。1方向からだけだと、クレセント(三日月)状に粘弾性物質が残ってしまう。 また、手術終了時に抗生剤(モキシ)の前房内投与をする場合には、針先で眼内レンズをずらしてレンズの裏面に向かってフラッシュするようにすると良い。 核片の処理にはサイドベベルを使うと安全。ただし、その前提として核を完全に遊離しておくことが必要。
2012.10.05

さて学会が始まるまでに少し時間があったので、 路面電車に乗って広島の中心繁華街に向かいます。この規模くらいの大きな町で路面電車が残っている所って珍しいですね。 「パセーラ」と言うお気に入りの商業ビルを一通り見て回った後は、広島のアーケードをブラブラと散歩します。 お腹が空いてきたので1本路地裏に入ります。「表通りよりも裏通りに確率的に美味しい店が多い。」と言うのが様々な街を旅してきた私の持論なのです。 少し歩くと、強烈なカレーの匂いがしてきました。あまりにも美味しそうな香りで思わずそのままお店に吸い込まれます。 ガリバー というカウンターのみのお店ですが、人気店らしく満席です。何にしようかなあ。 結局、山の幸スペシャルカレーを選びました。 一口目はフルーティーですが、食べているうちに自然な野菜の甘みとスパイスの複雑な味わいが見事に調和していることが感じられ、抜群に美味しかったです。 「これは来年も食べに来ないといけないなあ。」と、学会が始まってもいないのに早くも心の中で誓う、食いしん坊な私でした。(笑)
2012.10.04

さて9月22日(土)になりました。起きてシャワーを浴びて朝食会場へ向かいます。 会場のホテルはJR広島駅に隣接しているのですが、窓から外を眺めると空き地がたくさんあります。広島の町はJR駅とは違う場所に発達したと言うことですね。私の住む愛媛県の県都松山市もJR松山駅の周りはほとんど発達していないのですが、なんだか似ていて面白かったです。 学会場のシェラトン広島は高級ホテルということもあって、オムレツを作ってくれるシェフの方がいました。私の発見した オムレツ理論 通りで非常に美味しい朝食でした。 さて、朝食を食べた後は、、、、、、、、(続く)
2012.10.02
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