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鑑賞日:2015年4月12日(日)10:00開演入場料:¥3,600 (スクリーン2・J列)【制作・配給】松竹(株)METライブ・ビューイング2014-15ロッシーニ作曲歌劇「湖上の美人」(全2幕、イタリア語上演/日本語字幕付)会場:名古屋ミッドランドスクエアシネマ(スクリーン2)(MET上演日:2015年3月14日)指揮:ミケーレ・マリオッティ演出:ポール・カラン管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団合 唱:メトロポリタン歌劇場合唱団出演:ダグラスの娘エレナ :ジョイス・ディドナートスコットランド王ジャコモ5世:フアン・ディエゴ・フローレス反乱軍の騎士マルコム :ダニエラ・バルチェッローナ反乱軍の首領ロドリーゴ:ジョン・オズボーン反乱軍貴族のダグラス卿:オレン・グラドゥス感想: まだ観たこと無いロッシーニ「湖上の美人」、MET初演でロッシーニ歌いの歌手が揃ったとの前評判を聞き、花曇りの天候の下、名古屋駅前のミッドランドスクエアまで出掛けた。 前回「メリー・ウィドウ」の人気状況から、今回はチケット発売日に予約し見やすい最後列中央を確保。予想通り、当日はチケット売切れの満席状態に。METライブ・ビューイングの知名度は確実にアップしてるので、ぜひ来シーズンは二週間上演やアンコール上演を希望。 冒頭のパトリシア・ラセットの作品紹介から直ぐに演奏が始まる。序曲はなく、前奏に続いて直ぐに狩人や王家の人々の合唱が入る。 ロッシーニなので小規模オケながら、テンポ良くどんどん音楽を引っ張って行く。指揮者のミケーレ・マリオッティはロッシーニと同じペーザロ生まれ、三十代半ばながら、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルの常連指揮者で、歌手にはタップリと歌わせてもタイミングはぴったり。 ロッシーニの素晴らしい音楽を表現できていた。 演出は大きな舞台装置はなく、舞台奥の映像と舞台上中央に丘や森があるのみで、照明も舞台中央のみに当てられ、より歌手達に意識が向くように演出されている。と言っても、瞬時に狩人小屋が下から出て来たり、森から瞬時に王宮広間に転換され、音楽を途切れさせない。衣装も、最後の王宮場面のためだけに見事なスコットランド貴族達の衣装が用意され、さすがMETです。 何と言っても、歌手たちが全て素晴らしい。4人いずれもロッシーニのタイトルロールが歌える歌手達であり、特に2幕前半のジャコモ5世とマルコムの決闘にエレナが加わった3重唱のクレッシェンド、緊迫感は素晴らしく、フローレンスとオズボーンの高音テノールの戦いにメゾのディドナート美声が加わって正しく歌声のバトル状態! 映画館音響にも関わらず鳥肌が立った程。 その後のマルコム役バルチェッローナがエレナを心配して歌うアリアも、溢れんばかりの愛情表現でズボン役にも係わらず、大柄な体格も加わって若い騎士に見えてしまう。 2幕最後のエレナのフィナーレ・アリアは、ロッシーニが当時最高のソプラノ歌手を想定した曲で超絶技巧を駆使しているが、ディドナートはほぼ完璧に歌っており流石です。 近年ロッシーニ作品が世界的に見直され「セビリアの理髪師」以外の作品も演奏される機会増えているが、これだけのロッシーニ歌手を揃えられるのはMETならではで、ぜひ生の演奏を聴きたい所。 但し、3800人収容の大ホールのためか、ディドナートやフローレスは少々無理に大きな声を出していたように聞こえた。前回のMET「セビリアの理髪師」でもロジーナ役のイザベル・レナードの声が小さいとの悪評が出ていたようで。 作曲当時の劇場の大きさを考えれば、1000人以下の劇場で演奏した方が作品に合ったバランスで、曲本来の良さが聴けるのでしょうが、興行的には困難なのでしょう。End
2015.04.12
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鑑賞日:2015年4月4日(土)15:00開演入場料:¥6,200 (D席:4階R3列) 【主催】東京・春・音楽祭実行委員会東京・春・音楽祭 -東京のオペラの森2015-東京春祭ワーグナー・シリーズvol.6楽劇「ニーベルングの指環/第1日《ワルキューレ》」(演奏会形式/全3幕/ドイツ語上演/字幕・映像付)会場:東京文化会館大ホール出演指 揮 :マレク・ヤノフスキジークムント :ロバート・ディーン・スミスフンディング :シム・インスンヴォ―タン :エギルス・シリンス ジークリンデ :ワルトラウト・マイヤーブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター フリッカ :エリーザベト・クールマンヘルムヴィーゲ:佐藤路子 ゲルヒルデ :小川里美 オルトリンデ :藤谷佳奈枝 ヴァルトラウテ:秋本悠希ジークルーネ :小林紗季子ロスヴァイセ :山下未紗グリムゲルデ :塩崎めぐみシュヴェルトライテ:金子美香管弦楽:NHK交響楽団ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル音楽コーチ:トーマス・ラウスマン映像:田尾下 哲 感想: 春恒例の「東京のオペラの森」は小澤征爾の降板、東日本大震災等の数々の問題を乗り越え今年で11回目。昨年から指輪4部作の連続公演が始まっており、今年は第1日「ワルキューレ」とのことで生憎の雨模様の中、桜が散り始めている上野まで出掛けた。 舞台上には、ハープ6台、コントラバス8台他、広い大ホール舞台いっぱいに100人以上のオーケストラが広がっている。ワーグナーチューバも4本あり。 これだけ大編成でも、大音量で鳴らすのではなく、一つ一つの楽器の音色が聞こえてきてライトモティーフが明確に表現されている。3幕「ワルキューレの騎行」もやや遅めのテンポで重厚な音楽になっており、指揮者の功績でしょう。 演奏会形式だが、歌手たちは指揮者の左右の椅子付近で歌うが、譜面台はなく、全て暗譜での歌唱。3幕登場のブリュンヒルデ以外のワルキューレたちは、舞台下手に並んで譜面台を前に歌っていた。 皆さん素晴らしい歌声で、同じ舞台の大編成オケの中でも、よく聞こえてくる。 場面に合わせセピア色の風景静止画の映像が入り、3幕の最後は炎が映されたが、元々神々の物語であり、余り必要性は感じなかった。 残念だったのは3幕最後、音が無くなった所で直ぐに一度拍手が入ったこと。ワルキューレの幕切れは、ヴォータンの真意を汲んだ娘ブリュンヒルデをフリッカの忠告に従い神の世界から追放、眠らせ炎に包む苦悩の場面であり、音楽がPになって消え入る所。指揮者は指揮棒を止めたままなので、静寂な時間が欲しかったことは明らか。拍手は直ぐに止んで、しばらくの静寂の後、指揮者に合わせ大拍手とはなったが。 3幕、20分休憩2回を挟み5時間弱だったが、充実した演奏で意識がなくなること無く、最後まで楽しむことが出来た。これだけハイレベルのコンサートを毎年続けてこれたのは、何と言っても鈴木幸一委員長のリーダーシップでしょう。 来年の第2日「ジークフリート」も今から楽しみだ。 End
2015.04.04
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