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2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。今回は物語の本筋としては、主人公の北条義時(小栗 旬さん)が戦の命運を左右する上総広常(佐藤浩市さん)を、いかにして味方につけるかになると思います。もちろんその流れも見どころだったのですが、私としては源頼朝の従者の安達盛長を演じる野添義弘さんと、頼朝に味方して参陣した下総の千葉常胤を演じる岡本信人さんの、お二人の絶妙な表情を笑いながら見ていました。けっして大袈裟じゃないセリフの言い方や表情の中に登場人物の思いを感じさせてくれます。これがベテラン役者さんなんですね。そしてラストで登場した、奥州藤原氏の藤原秀衡を演じる田中 泯さん。東北の王者らしい凛としたたたずまいも見事なのですが、源 義経(菅田将暉さん)の旅立ちを見送るときの演技は、義経を我が子同様に可愛がったであろう奥州での時間を想像するに十分なものでした。それにしても、命の危機にさらされかけても次々と難を逃れていく源 頼朝(大泉 洋さん)。今回のは頼朝の危機回避の本能とかじゃなくて、これはもう常人は期待してはいけないような天運でした。「こういう流れがあるのか!」と思わず感心しましたよ。三谷さん、よくこんなことを思いつくなあ。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館、伊豆の国市ではオープンしました ⇒ ⇒ こちら 鎌倉市の大河ドラマ館は現在準備中で、鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 治承4年(1180)8月末、源頼朝が石橋山の戦の後になんとか安房に逃れた頃、平清盛(松平 健さん)は福原に幽閉した後白河法皇に頼朝の死を伝えました。しかし平宗盛(清盛の正室・時子の長子;小泉孝太郎さん)が父・清盛にどうやら頼朝が生きているようだと伝えると、清盛は宗盛にすぐに頼朝を追討して必ず首をとるよう厳命しました。一方、安房では上総広常(佐藤浩市さん)を味方につけるよう頼朝に命じられた和田義盛(横田栄司さん)と北条義時(小栗 旬さん)が広常の館に来ていて広常を説得していましたが、このとき同時に敵方の梶原景時(中村獅童さん)もこの館に来ていて広常を味方につけようとしていました。自分は損得勘定で動くと言う広常は両者に味方についた時の得を語らせました。話が終わって両者が別れるとき、義時は石橋山の戦で景時が頼朝を見逃してくれたことの礼を言い、あの時なぜ頼朝を助けたのかを訊きました。景時は義時と同じく頼朝には天運があると感じたと言い、頼朝の元に来てはどうかと言う義時に「刀は斬り手の腕次第」と謎の言葉を残して景時は去っていきました。密かに伊豆山権現に行き、そこで我が子の千鶴丸の死を知った八重(新垣結衣さん)は、父・伊東祐親(浅野和之さん)に千鶴丸の最期のことが知りたいと訊ねます。祐親は千鶴丸の殺害を自分が善児に命じた、頼朝の子を生かしておくわけにはいかなかったと言い、そのことで八重はさらに父を追及しようとします。そんな八重を兄の伊東祐清(竹財輝之助さん)は、父上とて断腸の思いであったのだとたしなめますが、八重は祐親に父・娘の訣別を伝えて去ろうとしました。しかし頼朝との大戦を控えた今、八重が頼朝方に情報を漏らすと考えた祐親は八重を館に閉じ込めるよう家人たちに命じました。伊豆山権現で身を隠す北条政子(小池栄子さん)たちのところに仁田忠常が来て、頼朝たちは安房に逃れて弟・義時も父・時政も無事であることを伝えてくれました。政子は安堵して嬉しいのだけど、怒って泣きながら仁田に当たっていました。そして仁田は頼朝の異母弟の阿野全成(新納慎也さん)を連れてきていて、全成は京の醍醐寺で兄・頼朝の挙兵を聞き伊豆に駆けつけたのでした。そんな時に数人の僧兵が武器を手に乱入し政子たちを敵方に連れていこうとしたので、全成は20年の修行を積んだ自分が追い払うと呪文を唱えました。「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前! 急急如律令! ごう!」・・・でも、その後がね(笑)さて義時はというと上総広常をなんとか説得すべく、近くの寺にずっと泊まり、広常の館に何度も足を運んでいました。そんな義時を広常はどこか気に入ったのか、奥州の藤原秀衡が贈ってくれたという砂金を義時にも分けて土産にくれました。広常は頼朝に味方するにはもう一つ決定的な何かがあれば自分は動くのだがと考えていて、義時は亡き兄・宗時のことを語りました。「兄は北条のため、頼朝のために力を尽くし討ち死にした。自分は戦は合わないと思っていたけど、兄の思いを引き継いでようやくわかった。平家を坂東から追い出し、新しい坂東をつくる。こんなに面白いことはない。」義時は広常に胸を躍らせながら語り「愉快だと思いませんか?」と、さらに「必ず勝てる」とまで広常に言い切るので、広常もかなり気持ちが動いてきました。そのころ頼朝は上総広常の返事が待てなくて安西景益の館を出て北上していました。進まない戦況に苛立つ頼朝でしたが、宿の掃除をしていた女(亀)がふと気に入り、従者の安達盛長に頼んで夜こっそり連れてこさせていました。でも頼朝が亀と共に寝ていたら盛長が突如来て、亀の夫・権三(竹内まなぶさん)が乗り込んできたからすぐに逃げるように言われ、頼朝と亀は物陰に身を隠しました。権三が亀を探して部屋を荒らしていると、そこへ大庭景親に命じられて頼朝を夜討ちしにきた長狭常伴(黒澤光司さん)たちが来て「頼朝が首、もらいに参った」と。権三と長狭の双方が探す頼朝が不在のまま、両者の間で乱闘が始まりました。自分の命を狙う両者が突如おっ始めた乱闘を、物陰に身を潜めてただ成り行きを見守るしかなかった頼朝のところに、頼朝の動きを怪しんで一部始終をずっと見ていた三浦義村が助けに来てくれました。盛長が義村に口止めを頼み、頼朝は今度もまた危機を脱出できました。自分は頼朝に付くと決め、実は上総広常に助言もしてくれていた千葉常胤(岡本信人さん)が頼朝のところに参陣して挨拶に来ました。頼朝の姿を見て亡き・源義朝を思い出すという常胤を、頼朝は「これより父と思う」と歓待し、常胤もまた頼朝に喜んでもらおうと手土産で甕を持ってきていました。でも甕の中身は、来る途中に下総で討ち取ってきたという平家方の・・。(このサイズの桶や甕を見ると先が想像できてしまう方も多かったと思われます)頼朝の並外れた強運にようやく重い腰を上げた上総広常でしたが、大軍を誇る進軍の歩みはゆっくりで、そのため頼朝をかなり長い時間待たせることになりました。そんな広常を頼朝は「無礼にもほどがある、帰れ!」と。さらに「遅参する者など戦場では役に立たん。お前の軍勢は敵に回れば恐ろしいが、だからどうした。礼儀を知らぬ者とは天下草創の志を同じにはできん」と、広常を相手に臆することなく言い放ちました。「さっさと帰れ!一戦を所望なら受けて立とう。」ーー大軍を擁する自分にひるむことのない、頼朝の迷いのない言葉に広常は決断しました。遅参した無礼を頼朝に手をついて詫び、これより自分は身命を賭して頼朝に仕えると広常は表明、それを聞いた頼朝も広常にこれからの助力を頼み、共に平家を打ち果たそうと言葉を送りました。義時は館に戻る広常を追いかけ、味方に付いてくれたことの礼を言いました。そして広常も、頼朝が棟梁の器じゃなかったらその場で討ち取り首を平家に差し出すつもりだったと頼朝に伝えてほしい、と義時に頼みました。「なかなかの男よのう、源頼朝。これで平家も終わったぞ!」ーー広常は満足そうにそう言うと、自軍を率いて館に帰っていきました。坂東武者たちがいよいよ平家打倒の機運で盛り上がってきた頃、奥州の平泉では頼朝の異母弟の源 義経(菅田将暉さん)が、兄・頼朝の軍に加わるべく、長年世話を受けてきた藤原秀衡(田中 泯さん)の元を去ろうとしていました。長年可愛がってきた義経だから心の内もわかっている、引き止めても仕方がない。別れの挨拶でひざをついて礼をとる義経に秀衡は「時が来れば我が兵も送ろう。思う存分、戦ってくるがよい。」と言葉を送りました。義経は「行ってまいります」と応え、弁慶たちを連れて旅立っていきました。
February 22, 2022
2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。坂東武者たちが戦って新しい世をつくっていったこの時代、平家への怒りが大志を成し遂げようとするエネルギーになるのですが、事はそう簡単には進みませんでした。思うように事が進まなくて、さらにそこに自分たちの命がかかってくれば、状況次第で心が揺れるでしょう。この回では、北条時政(坂東彌十郎さん)と源 頼朝(大泉 洋さん)と、密かに三浦義村(山本耕史さん)でした。成し遂げようとすることが大きければ、たいていは苦労も大きかったり、予想だにしていない事が起こったりして、途中で気持ちがくじけることもあるでしょう。でもだからこそ兄・宗時の最後の言葉は、北条義時(小栗 旬さん)がこの先、新しい世をつくっていくための困難に出会ったときに、義時の心を支えて奮い立たせる「七転び八起き」のエネルギーになると思います。どんな展開になるのか、楽しみになります。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館、伊豆の国市ではオープンしました ⇒ ⇒ こちら 鎌倉市の大河ドラマ館は現在準備中で、鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 治承4年(1180)8月24日、石橋山の戦で大敗となった源 頼朝(大泉 洋さん)と頼朝の供をする安達盛長(野添義弘さん)と土肥実平(阿南健治さん)は命からがら逃げて洞窟に身を潜め、山狩りをする敵方が退くのを待っていました。しかし敵の大庭方の梶原景時(中村獅童さん)に見つかってしまい、もはやこれまでかと思われたのですが、なぜか景時は頼朝たちを見逃し、さらに大庭方の兵を向こうに誘導して頼朝の命を助けてくれました。一方、援軍を乞うために北条時政(坂東彌十郎さん)と北条義時(小栗 旬さん)は甲斐の武田信義の陣に向かったのですが、信義は源氏の棟梁は頼朝でなく自分であると認めるならば加勢するとか、法皇様の院宣を持ってくるならば北条は助けるとか、時政と義時にいろいろ要求します。父・時政はその場では信義の要求を快諾し、小豪族の北条が生き残るために頼朝を見捨てる気でいたのですが、その戻り道で二人は信義の兵に襲われました。兵たちは切り伏せたのですが、時政はいろんなことがもう嫌になり、このまま妻のりくや家族の皆を連れてどこかでひっそりと暮らしたいと思うようになりました。そんな父を義時は、頼朝を放ってはおけない、(二人はまだ宗時の死をしらない故)兄・宗時がいれば道は必ず開けると説得し、頼朝の元に戻っていきました。義時が戻ってくると浜に船を用意した三浦義村(山本耕史さん)がいました。石橋山の戦のときには大雨の増水で援軍ができず、領地の三浦に戻る途中で敵方の畠山重忠と遭遇、互いに戦を避けようとしていたのにはずみで開戦に。そういった事情で義時を助けられず、でも代わりに味方の安房の安西景益の元に頼朝を逃がすために、船を用意して待っていたのでした。戦の状況も頼朝や北条家の皆の安否もわからぬまま伊豆山権現に身を隠して待つ政子(小池栄子さん)たちのところに、突然、頼朝の前妻の八重が訪ねてきました。八重は、頼朝が自分の夢枕に立って案ずるなと言ってくれた、と言います。それを聞いた政子は、頼朝が自分のところに先に来ていて同じことを言ったと返し、共に頼朝の無事を祈ろうと言って八重を見送りました。でも自分の夢枕のことは政子のハッタリで、八重の姿が消えたら政子の怒りが爆発!頼朝のことで姉上を怒らせてはいけないと痛感した実衣(宮澤エマさん)でした。八重(新垣結衣さん)が寺を出て帰ろうとしたとき頼朝と政子の子の大姫の姿を見て、5年前に生き別れとなった頼朝と自分の子の千鶴丸のことを思い出しました。この寺に預けられたはずの我が子を、遠くから一目でいいから姿を見たいと、座主の文陽房覚淵(諏訪太朗さん)に頼み込みました。何も知らない八重を哀れに思ったのか、覚淵は八重を千鶴丸の墓に案内しました。そしてこの立派な墓が八重の父・伊東祐親のたっての願いであったことも覚淵は伝えました。(祐親にしたら、頼朝の子であったがために殺害を命じたとはいえ、可愛い娘の生んだ可愛い孫だったでしょうから)石橋山の戦で勝ち戦を収めた大庭景親(國村 隼さん)は館に戻って頼朝方の首の検分をしていて、その中には闇討ちにされた北条宗時の首もありました。そして景親は直前に裏切った三浦を許すまじと、三浦の本拠の衣笠の館を攻撃するよう畠山重忠(中川大志さん)に命じました。一方、義時は義村が用意した船に頼朝を乗せるために、洞窟に戻ってきていました。義時は頼朝に、武田の援軍は無理であることと、岩浦の浜に三浦が船を用意していてそれで安房に逃れることを説明し、皆を急かしました。ただ洞窟には兄・宗時の姿はなく、依然安否がわからないままでした。岩浦の浜では頼朝たちが到着するのを待っていたのですが、義村たちが伊東の兵に見つかってしまい、義村と時政は船を出して先に行ってしまいました。(戦って勝ち目がないなら逃げるとすぐ判断。これが時政の戦の経験値でしょうね)日没のころに頼朝たちはやっとの思いで浜にたどり着いたのですが三浦の船はなく、文句の多い頼朝を義時はなだめながら土肥実平の領地の真鶴まで移動しました。真鶴からやっと小舟を出せた皆は月明かりを頼りに、ひたすら安房を目指して夜の海を力いっぱい小舟を漕ぎました。朝になり、やっとの思いで安房の浜辺に着いた一行は安西景益の館に入り、同志との再会を喜びあってまずは疲れ果てた身体を休めました。(荒波だとすぐにもひっくり返りそうな小舟だったけど無事に着きました)義時は三浦義澄と和田義盛が衣笠で戦っていることを義村から聞き、しばらくして安西の館に着いた義澄から衣笠の館が落ちたことを聞きました。義澄の父・義明は戦死し、一同は「大介殿…」と義昭の死を悼みました。そして一同が思うのは、頼朝はまだ戦を続ける気があるのか、ということでした。ただ時政にとっては未だに合流できない宗時(三郎)のことが心配でなりません。皆に宗時のことを尋ねましたが、宗時の安否を知る者は誰もいませんでした。兄・宗時はどうしてしまったのかと思う義時のところに仁田忠常が伊豆から到着し、北条館に寄って取ってきたという観音像を渡しました。それは宗時が取りに行ったもので、それが館にあったということは、つまり宗時は館に戻っていないということで、義時は兄が途中で討たれたことを察しました。義時が父・時政の元へ行って観音像を見せると、宗時は無事であると信じていた父もようやく宗時がこの世にいないことを悟りました。そして時政は義時に「わしより先に逝くな。これからはお前が北条を引っ張っていくんだ。兄がやりかけていたことをお前が引き継ぐんだよ。」ーーそう言って義時から離れたとき、義時は兄・宗時が言った最後の言葉を思い出しました。「俺はこの坂東で坂東武者の世をつくる。そしてそのてっぺんに北条が立つ」と。坂東武者たちはもう頼朝の存在はどうでもよくて、自分たちの力で関東から平家を追い出そう、そのためにとことん戦おう、という気持ちになっていました。その頼朝はというと、石橋山の戦で大敗してから続く逃亡・潜伏の生活に疲れ果ててもう戦はしないとまで言います。義時は頼朝に「このままでは石橋山で佐殿を守って死んでいった者たちが浮かばれない。平家の横暴に耐えてきた者たちの不満が今一つの塊になろうとしている。佐殿がいなくても坂東武者は戦い続け、平家一味を坂東から追い出す。」と強く訴えました。そう聞いた頼朝は「戯言を。お前たちだけで何ができる。」ーー「この戦を率いるのはこのわしじゃ!武田でも、他のだれでもない!」頼朝は義時にそう力強く言い返し、そして宗時のことを詫びました。気持ちが奮い立った頼朝は甲冑を身に着けて皆が待つ広間に出て、戦の状況とこちらの豪族の千葉常胤と上総広常に共に決起する書状が送られていることを確認しました。そしてこの戦で一番怒りが大きい和田義盛が立ち上がり頼朝の前に進み出ると「この先一番の働きをするのはこの自分。なので大願成就の暁には自分を侍大将にしてほしい。」と要望すると頼朝は快諾、源氏方の士気はぐんぐんと高まっていきました。(皆が深刻な面もちで話していても一人だけこの表情の佐々木秀義(康 すおんさん)。これは「もう年だから・・」という設定なのかな。康さん、笑えます。名演技です)頼朝は千葉と上総介を必ず説き伏せるよう義盛と義時に命じ、「戦はまだ始まったばかりじゃあ!」と力強く皆を鼓舞し、皆も「おう!」とそれに応えました。各自が次の戦をどうしようかと話し合っていると、その中には毎夜夢枕に立って頼朝を悩ませる後白河法皇(西田敏行さん)の姿が!ついには幻覚まで見るようになった頼朝ですが、どこか嬉し気な顔をしていました。(これはかなり病んでるような、現代なら精神科を受診したほうがいいレベルかも。でもこの意表をつく出し方の三谷さんと、ここで笑いがとれる西田さん、さすがです。)
February 15, 2022
2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。この回は初めから終わりまで、ドラマの各所で主人公・北条義時(小栗 旬さん)の兄の北条宗時を演じる片岡愛之助さんの回でした。第1回から描かれてきた宗時兄上は思うに、いかにも嫡男らしいしっかりとした頼れる兄というより、性格は明るいのだけどその場の思いつき的な行動で結果的に弟の義時を振り回す、調子のいい兄上でした。でもその実は、戦に強くて、父・時政のもとでちゃんと北条一族を統率していて、伊豆の小豪族にすぎず力のない北条家をもっと強く大きくしたいという願いがありました。そして今思うと、そういう願いが強くあったからこそ頼朝との出会いがあり、そこから北条家の運命が動き出したのでは、と思うような展開でした。ただ出会った頼朝は、血筋は良くても武家を束ねる人とは思えない器量で、でも流れからどう展開するかわからないから周囲は我慢している、そんな感じでした。それを見抜いていた宗時は、弟・義時に我が志を打ち明け、「いつか来る日のために(一緒に)辛抱しようぜ。」と言って弟を引っ張ってくれる、実は頼れる兄上でした。兄・宗時は志半ばでこの世を去ることになったけど、その思いは弟・義時にしっかり引き継がれました。これから義時が北条家をどうやって強大にしていくのか、楽しみであります。さて、今回で退場となった北条宗時役・片岡愛之助さんの収録現場から撮影直前・直後のコメントがあります。 ⇒ ⇒ こちら こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館、伊豆の国市ではオープンしました ⇒ ⇒ こちら 鎌倉市の大河ドラマ館は現在準備中で、鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 治承4年(1180)8月17日、源頼朝を総大将とする北条宗時(片岡愛之助さん)らの軍勢は伊豆国目代の山木兼隆と目代後見役の堤信遠の館を襲撃しました。父・北条時政(坂東彌十郎さん)から「武士の情けでひと思いに堤信遠にとどめを」と言われても初めての戦で思うように堤にとどめを刺せない北条義時(小栗 旬さん)。そこに兄・宗時が来て堤にとどめを、そして父・時政が堤の首をとり、その後は山木の館に入って山木を討ち取ってきました。翌日、頼朝による首実験も済み、宗時は次の戦に備え同志の武士たちを鼓舞しました。頼朝が土地の分配による東国の支配を勝手に始めたことで、平家側にたち東国の後見を自負する相模の豪族の大庭景親は頼朝を許せないと成敗を決め、梶原景時ら家臣たちに出陣の支度を命じました。また北条宗時が率いる軍勢によって山木と堤が討ち取られたことを次男の伊東祐清(竹財輝之助さん)から報告を受けた伊東祐親(浅野和之さん)は、このまま頼朝を生かしておくわけにはいかないと考え、そのためにも自分の孫ではあるけれど宗時を密かに殺害するよう下人の善児(梶原 善さん)に命じました。8月20日、源 頼朝(大泉 洋さん)は300の兵と共に北条館を出立しました。頼朝は戦旗の頭に以仁王の令旨をくくりつけ、亡き父・源義朝が治めた鎌倉を目指し、一行は伊豆の山中を進軍していきました。一方、頼朝の前妻であった八重(新垣結衣さん)は父・伊東祐親の家人の江間次郎(芹澤興人さん)と再婚してもいまだに頼朝のことが忘れられず、江間から伊東勢が北条勢を挟み討ちにすると聞くやいなや、対岸にいる頼朝にこの危機を知らせようと、夫の江間に舟を出すよう命じました。江間は「私はあなたの夫だ。侮るな!」と頑張って八重に反論しますが、結局は惚れた弱みで?八重に負けて、舟をこぎながら泣いていました。(それにしても江間さん、なんでこうも八重にペラペラしゃべるのかな。黙っていればいいのに。そして八重さんも家臣と結婚したとはいえ、自分の好みのタイプじゃないというのがありありと出てますね。好みのタイプなら今頃は「殿~。(*^^*)」ですから)義時は兄・宗時に頼まれて義母のりく(宮沢りえさん)と姉の政子(小池栄子さん)と妹の実衣(宮澤エマさん)を伊豆山権現に預かってもらうべく、3人を送っていました。戦の間の危険回避のためとはいえ、座主の文陽房覚淵(諏訪太朗さん)からは、ここでは質素な僧衣を着て寺の掃除もするよう言われ、りくと実衣は不満タラタラでした。この後、義時は兄たちに合流するために土肥郷に急ぎました。鎌倉へ向かった頼朝軍は大雨で思うように進めず、23日、石橋山の山中に陣を構え、時を同じくして東の相模からは大庭勢が石橋山の麓に到着して布陣しました。一方、三浦義澄(佐藤B作さん)らの三浦勢は酒匂川の増水のために動けず、義澄は川の向こうで自分たちの到着を待つ北条のことを気にしていましたが、嫡男の三浦義村(山本耕史さん)は無駄に兵の命を落としたくないと引き返すことを提案します。結局、朝まで待って進退を判断することになり、その間に義澄の甥の和田義盛(横田栄司さん)が大庭の縁者の屋敷を襲うと言い出し、三浦は大庭の味方と思わせたい義村は反対しましたが、父・義澄が認め、義盛は行動を起こしました。味方と思っていた三浦の寝返りに大庭は激怒し、雨が止む前にと夜出陣しました。大庭の大軍を前に頼朝軍は迷いましたが、宗時が大庭軍を挑発して山中に誘い込み、狭い山中で時を稼いで三浦勢の到着を待とうと言うと頼朝も納得しました。敵方の挑発を父・時政に頼み、時政も「任せておけ」と勇んで前に進み出ていきました。この時代の武士の習わしだった、戦う前の口上での合戦が始まりました。対峙する大庭軍からは大将の大庭景親(國村 隼さん)が進み出てきました。時政は頼朝の正統性を、景親は軍事力を口上で誇り、そして互いに相手をののしり嘲笑しながら、どちらかが動き出すのを待ちます。一方、義時はここに来る途中で山中に伊東の兵が潜んでいるのを見ていたので、今戦いが始まったら自軍は負けると考えて兄・宗時との合流を急いだのですが間に合わず、さらに時政が景親の挑発に我慢できなくなって家臣たちに出撃の命令を出してしまい、少数軍に不利と言われる平地での戦が始まってしまいました。圧倒的な兵力の差で北条軍は壊滅状態になり、頼朝たちは命からがらなんとか山中の洞窟に隠れることができました。宗時や時政は皆が気落ちしないよう明るく振舞いますが、逃げ惑い隠れなければならない状況に頼朝は極めて不機嫌になり、皆を責めて当たり散らしていました。あまりの我儘ぶりを従者の安達盛長(野添義弘さん)が本気で怒っていることに気づいた頼朝はようやく落ち着きましたが、北条館にある観音様のご本尊が今欲しいと言い出し、そう聞いた宗時と工藤茂光が取りに行くことになりました。洞窟に身を隠す頼朝の夢枕に、またしても後白河法皇(西田敏行さん)が来ました。法皇様の生霊は、愚痴と文句ばかりたれる頼朝を𠮟咤激励に来たようです。「お前には神仏が付いているんだからさ」というセリフが私には「お前には生霊の俺が付いているんだからさ」に聞こえますわ。(生霊なんて、ふつうのドラマならまず登場しないか、しても面白くない役柄だけど、三谷さんの脚本と西田さんの演技だからか、紫の袖が見えたとたんに笑えた~~)宗時の提案で甲斐の武田信義に援軍を乞いに出発した時政と義時でしたが、その途中で父・時政がもうこのまま逃げてはどうかと言いだします。義時がそんなのは大庭が許さないだろうと言うと、時政は「頼朝の首を持っていけば」とまで言い、時政は舅の自分をただの家臣扱いし、大事な場面でうろたえるだけの頼朝に大将の器量を感じず、頼朝を見限っているようでした。義時は父の思いを理解しつつも、今ここで仲間割れを起こしてはいけないと父をなだめ、時政も義時の思いを汲んで甲斐への道を進めました。宗時と工藤茂光は、あの丘を越えれば北条館というところまで来たとき、伊東祐親の命をうけた善児に殺害されてしまいました。兄・宗時の身にまさかそのようなことが起こっているなんて知る由もない義時は、さっき兄が別れ際に言い残した言葉を振り返っていました。「俺は平家とか源氏とか、実はどうでもいい。俺はこの坂東を俺たちだけのものにしたい。西から来たやつらに支配されるのは真っ平だ。坂東武者の世をつくり、そのてっぺんに北条が立つ。そのために頼朝の力がいる。どうしてもな。だからそれまでは辛抱しようぜ。」兄は頼朝の家臣になりたいわけでなく、その心の奥には自分たち北条が武者の頂点に立つという、もっと大きな志があったのでした。いつか兄の志が叶うときまで北条一族の皆で、腹の立つことがあっても「辛抱しよう」、ーーそれが義時の心の支えとなりました。
February 8, 2022
2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。この回あたりで、主人公の北条義時(小栗 旬さん)の人物像がだんだんと出てきた感じです。自分が見下されて酷い目に遭わされるだけならなんとかまだ我慢できるのだけど、でもそれが自分の大事な父が理不尽に酷い目に遭わされたり、あるいは自分の仲間である関東武士たちが見下されるのは我慢できないのです。だから機会が到来すれば、きっちり反撃する、ちゃんと反論する、そんな義時像に見えました。そしていよいよ平家との戦いが始まり、同時に女たちのそれぞれの戦いも始まりました。巴御前のように戦場には出ないけど、裏方として自分も共に戦うことを望む頼朝の妻・政子(小池栄子さん)。戦のことは男に任せ、でも男には戦に勝ってもらわなきゃいけないから男をさりげなく鼓舞し、自分は勝った後の楽しいことを思い描く時政の妻・りく(宮沢りえさん)。この先も個性豊かないろいろな人々が登場しそうです。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館、伊豆の国市ではオープンしました ⇒ ⇒ こちら 鎌倉市の大河ドラマ館は現在準備中で、鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 治承4年(1180)、平家打倒の挙兵を決意した源 頼朝(大泉 洋さん)は北条時政(坂東彌十郎さん)の妻・りくが用意した御籤で日を占い、挙兵は三島明神の祭り日でもある8月17日と決まりました。大将の北条宗時(片岡愛之助さん)は自分と父・時政が率いる先陣が目代の山木兼隆の館を襲い、火を放って平家討伐のための関東挙兵の狼煙とするとしました。そのときに北条義時(小栗 旬さん)が進み出て、この挙兵で目代後見役の堤 信遠も討ってしまい、平家に味方する者はこうなると広く知らしめるのがいいと発言。兄・宗時もそれに賛同し、同時に三浦義澄(佐藤B作さん)三浦義村(山本耕史さん)、さらに坂東中から鎌倉に兵を集めることになり、皆の士気は高まりました。出陣の前日だというのに自分が想定した兵の数に全然足りなくて困っている義時ですが、頼朝の妻となった姉の政子(小池栄子さん)がもっぱら気になるのは、川の向うの山の上に住んでなにかとこちらの様子をうかがう頼朝の前妻の八重のことでした。結婚前の政子は八重に対して礼をとっていたのですが、頼朝との間に姫もできた今では八重のことを陰では「あの女」呼ばわりです。まあもっとも八重も、再婚してもいまだに頼朝に未練があるのでそうなるのでしょうが、同時に八重は、近頃の周囲の様子からいよいよ頼朝が挙兵するのではと感じて、義時が自分を訪ねてきたときにそれとなく探っていました。出陣を明日に控え、北条家の皆はそれぞれに戦支度を整えていました。義時の父・時政は早々に鎧兜で身を固めて意気揚々としています。ただ時政の甲冑は地味で古めかしくて、妻のりく(宮沢りえさん)には不満です。りくは夫の立場を「源氏の棟梁の舅」ととらえていて、その装束では自分が嫌なので、この戦で武功を立てて立場にふさわしい立派な大鎧を京から取り寄せて着用するよう、時政を奮い立たせていました。挙兵したからには負けられないのに、味方の戦力が思うように集まらなくて頼朝は苛立っていて、気分転換に姫と遊ぶ気にもなれませんでした。一方、人集めに奔走する義時でしたが快く味方になってくれると思っていた武将たちも思うように動かず、その理由は兄・宗時の話では戦の後に本領安堵してもらえるのか、なにより頼朝を信じていいのかわからなくて不安だ、ということでした。そこで義時は頼朝に、武将たちに直接頼んで欲しいと進言しますが、頼朝は源氏の棟梁たる自分が坂東の田舎武士に頭を下げるのは嫌だと言います。頼朝の態度に我慢ならなくなった義時は「今は坂東の田舎者の力を合わせねばならぬ時、彼らあっての佐殿。それをお忘れないきよう」と。義時の忌憚のない意見に感心して納得した頼朝は早速、別室で待っていた土肥実平(阿南健治さん)のところに出向き、実平に手をとり思いをこめて「よく来てくれた。お前にだけ話す。誰にも言うな。わしが一番頼りにしているのは実はお前なのだ。お前なしでどうして戦に勝てる。どうか一緒に戦ってくれ!」と実平に訴えました。頼朝から直接頼まれたことに感激した実平は参陣することに快諾。この後、頼朝は岡崎義実と佐々木秀義にも同じことをして彼らを味方につけました。そして義時には「嘘も誠心誠意つけば誠になる」と教えました。ただ頼朝の味方になってくれる者はどう見ても頼りなさそうな者ばかり。頼朝もさすがにこの戦に勝てる気がなくなってきました。しかも頼朝は、実は毎晩のように夢枕に立って頼朝を𠮟咤激励する後白河法皇(西田敏行さん)に悩まされていました。法皇様、関東の情勢が気になって仕方がなくて、生霊がじっとしていられないようです。そして挙兵する8月17日となり、平家側の大豪族の大庭景親や伊東祐親は、頼朝が挙兵するという情報をつかんでいて、用心をしていました。夫の頼朝からは何もすることはないと言われていた政子(小池栄子さん)でしたが、せめて神仏に祈りをと読経していました。そこへ義母・りく(宮沢りえさん)の侍女が呼びにきてりくの部屋へ行くと、りくは「祈るのはやめて、その先のことを考えましょう」と言い、戦に勝った後に夫・義時が自分のために建ててくれるという館のことを思い描いて楽しんでいました。「楽しみですね」と笑顔を向けるりくに、政子も思わず「はい」と笑顔で返事をし、政子は張り詰めていた気持ちが少し軽くなりました。出陣のときが迫りくる中で、頼朝たちは情報の確認をしていました。頼朝の従者の安達盛長(野添義弘さん)によると、山木の館も堤の館も今日はやはり祭りで家人が出払って守りが手薄とのことでしたが、肝心の山木や堤が館にいるのかがはっきりしませんでした。そこで義時が自分の味方と思っている八重のところに行って山木の居所を父・伊東祐親から聞きだしてほしいと頼んだのですが、八重は父を裏切れないと拒否しました。北条に戻った義時は、大事なことを伊東の娘にしゃべったことを兄・宗時から厳しく叱られ、父・時政が取りなしてくれましたが、いよいよ後に引けなくなりました。頼りない味方、敵に知れてしまった情報、戦の大将の宗時は気が立っていました。「祐親は頼朝の命は守らない。このまま平家の専横を許せば飢饉がくれば多くの民が死ぬ。だから無謀でも我らは立つ!」ーー去り際に義時の言った言葉が胸に残っていた八重(新垣結衣さん)はどうしたものかと迷っていました。するとそこへ夫の江間次郎が来て八重を祭りに誘い、そのときの話で八重は今夜は山木が館にいることを知りました。夫と待ち合わせたわずかな時間の間に八重は急いで河原に行き、頼朝に届くことを祈って白い布を巻いた1本の矢を放ちました。八重の放った矢は頼朝の元に届き、白い布の意味に気が付いた頼朝は出陣の強行を決意、そして「我らはこれより大事を成すのだ。(祭りでにぎわう)大通りを堂々と行け。敵に悟られても構わぬ。」と皆に命じ、頼朝の決意に一同は覚悟を決めました。さらに「これは都におわす院の思し召しである。山木が首を見事挙げて参れ!」と力強く言い、一同の士気は一気に高まりました。治承4年(1180)8月17日深夜、北条宗時率いる頼朝の軍勢は大通りを堂々と行軍して出陣しました。八重と祭り見物に来ていた祐親の下人の江間はすぐさま祐親に知らせに走りました。頼朝は政子とともに館で静かに戦の結果を待ち、堤 信遠の館に着いた軍勢は各自が持ち場に着いて、誰もが戦が始まる緊張と怖れを抱えながら待機しました。宗時の合図で佐々木経高(江澤大樹さん)が火矢を放ち、これが開戦の合図となって宗時の号令と共に皆が一斉に館の中に襲い掛かりました。この瞬間から、4年7カ月に及ぶ源平合戦が始まりました。
February 1, 2022
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