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田中敦子著『父のおじさん 作家・尾崎一雄と父の不思議な関係』を読了しました。 これは著者のお父さんの山下昌久さんと、作家の尾崎一雄との不思議な縁を描いたエッセイ集なんですけど、お二人の関係には血のつながりなどは一切なく、単に、家が向かいにあったというお隣さん同士という関係なんですな。で、昌久さんは、尾崎一雄の息子や娘と大体同じくらいの年頃で、昌久さんからすれば尾崎一雄は「隣に住んでいる作家のおじさん」という感じ。 で、隣同士、家族ぐるみで付き合いのあった尾崎家と山下家なんですけど、戦争、とりわけ東京大空襲が両者の命運を分けることになる。 尾崎家は一足先に小田原の方に疎開し、昌久さんも親戚を頼って伊豆の方に縁故疎開するんですけど、昌久さん以外のご家族、すなわちお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんは東京に残っていた。で、そこで大空襲があって、昌久さんの一家は昌久さんを残して全滅するのよ。 で、たまたま尾崎一雄の奥さんも、たまたま用事があって東京に出てきていて、馴染みの山下家を訪問するか悩んだ末、今日は止めておくかと思ってそのまま小田原に帰ったのが幸い、難を逃れたんですな。もし、一泊させてもらおう、なんて思って山下家に泊まっていたら、尾崎一雄の奥さんも空襲で亡くなっていたかもしれない。 で、伊豆に疎開していた昌久さんのもとに、一家全滅の知らせが届く。昌久さん11歳の時。で、以降、昌久さんは親戚の家で育つのですけど、親戚だって戦後で苦しい時ですから、昌久さんも随分、嫌な思いをしながら苦労をするわけ。だけど、そこをなんとか凌いで高校を卒業し、卒業と同時に就職して自立、再び、東京へ戻ると。 で、再び東京の人となった昌久さんは、尾崎一雄が山下一家をモデルにした小説などを書いて昌久さんのことを案じていることを知り、それで昌久さんは8年ぶりくらいに尾崎家の人々と再会を果たすわけ。そしてそれから尾崎一雄はことあるごとに昌久さんのことをサポートし、昌久さんが事業を起こす際には快くお金を調達したりして、なにくれとなく支え続けてくれるわけ。 もう、ほんっといい人なのよ、尾崎一雄って。 で、昌久さんもそんな尾崎一雄を慕って、彼が亡くなるまで付き合いが続きましたとさ。 っていう話。 戦争で一瞬にして孤児となってしまった、というケースは、なにも山下昌久さんのみならず、当時沢山あったでしょうけれど、そういう孤児が抱えた悲しみと苦難の日々の描写は、戦争の悲惨を今に伝えてくれるし、それを言ったら、現に今、ウクライナでそういう孤児が出ているのでしょうから、決して遠い昔話ではない。 そういう悲惨な物語が一方である中で、尾崎一雄という作家の、昌久さんへの決して枯れない温情というのは、ほんと、ほっとさせられるというか。とにかく、この人、いいな、いい人だなという気持ちにさせられます。もうね、私は今まで尾崎一雄の作品を一つも読んだことないですけど、絶対読むもん。『暢気眼鏡』とか『虫のいろいろ』とか。 それにどういうわけか、私は「尾崎」という姓にもともと親近感があるのよね。 あ、あと、山下昌久さんの亡くなったお父さんは、建設会社の鹿島組に勤めていらしたんですけど、この鹿島組(今の鹿島建設?)がね、いい会社なの。社員思いの。孤児になった昌久さんが大学まで卒業できるように、また卒業したら鹿島組に就職できるように、わざわざ伊豆まで行って、昌久さんを預かった親戚に言い含めに行ったりするのよ。結局、手違いがあってそれは実現しなかったのですが、でもそういうアクションを取ってくれたんだから、それだけでも素敵な会社。 ということで、人間味溢れる作家・尾崎一雄をめぐるサイドストーリーとして、あるいは、戦争孤児となった少年の奮闘の物語として、なかなか面白いエッセイでした。教授のおすすめ!です。これこれ! ↓父のおじさん 作家・尾崎一雄と父の不思議な関係 [ 田中敦子 ]
March 31, 2022
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木曜日は母がデイケアに行く日なので、その前の日は夕食がものすごく早くなって、なんと4時半くらいに食べちゃうっていうのが、いつの間にか、実家のしきたりになっておりまして。 しかし、夕食が4時半・・・。本当の意味で「夕」食だよね! で、食べ終わってしばらくしても、まだ陽があるという・・・。普段、7時半くらいに食事をし、道場がある日などは9時半から夕食スタートの我が家からしたら、とんでもない早さということになる。 だけど・・・。 これがね、割といいのよ。というのは、夕食後の時間がものすごく長く感じるという意味で。ほとんど、夕食後にまだ半日ある、っていう印象よ。 さて、その春の夜長に私は見城徹氏の『異端者の快楽』という本を読んでおりました。これも、先日、古書店で110円でゲットしたものなんですが。 見城さんの本を読むのは、これで2冊目だったか、3冊目だったか。結構好きでよく読むんですけど、まあすごいね。編集者としては超のつく一流ですな。『成りあがり』『弟』『ダディ』『誰かのクラクション』『永遠の仔』、あと銀色夏生の本、等々、手がけたベストセラーの数で競ったら、この人に勝てる編集者なんてそうはいないんじゃない? そうそう、『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』も、見城さんのプロデュースなんだって。それはちょっと嫉妬するわ。私は、この本よりはるかにシステマティックな英語の本書いているのに、全然売れてないもん。見城さん、プロデュースしてくれないかしら。 ま、それはともかく、編集者の実績を見ると、ほんとすごいんだけど、たしかにそれだけの実績を作るだけの仕事・努力はしているよね。だから、見城さん本人としたら、それだけずらずらとベストセラーを世に出せるのは当たり前だと思っているんじゃない。そうなるように情熱的に働いているんだから。 偽悪的なところもちょっとあるけど、基本的に真面目一本な人で、同じく偽悪的な編集者ながら人間性に信頼がおけない某安原〇とは明らかに違う感じがする。見城さんはちゃんとした人ですよ。ちゃんとした人が、一生懸命仕事をする話を書いた本。そういう意味で、この本はれっきとした自己啓発本ですな。自助努力的な意味での。 まだ読み切ってはいないんですけど、春休みみたいな時期に読む本としては、なかなかグッド。新年度へ向けてのやる気アップのために、教授のおすすめ!です。これこれ! ↓【中古】 異端者の快楽 幻冬舎文庫/見城徹(著者) 【中古】afb
March 30, 2022
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昨日、春休みで帰省いたしました。新東名で工事渋滞があったので、東名を通って帰ってきたのですが、まあやっぱりそこそこの渋滞はあり、そこそこ時間はかかっちゃった。 実家に戻ったとはいえ、コロナ禍ではどこにも行けず。ただ、家の中にいるだけですけど、それでも母や姉が一緒だと、いつもと違うにぎやかさがあり、それはそれで気分は変わります。 あと、春の彼岸は過ぎちゃったけど、父のお墓参りもしなくては! とまあ、しばらくは実家で新学期に備えての英気を養う予定でございます。
March 30, 2022
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今年度のアカデミー賞は、ウィル・スミスによるクリス・ロック殴打事件など、色々騒動があったようですが、低調と言われる米映画界にも賞を獲るに値する作品が何作かは出るんだから大したもの。 映画評論もそうだけど、評論っていうのは、研究とは違って、面白い作品を引っ張ってきて、「この作品は面白い。こういうところが特に面白い」と言うことなわけですよ。つまり、面白い作品があって、それに気づけば、そこに「評論」が成り立つ。 で、ワタクシ、この4月からそういう意味での文学評論をやることになっておりまして。 今まで、研究はしてきたけど、評論っていうのはやったことがない。だから、初めてのことなので、ドキドキよ。 調べると、日本の文芸誌ってのは、各月の6日か7日に発売されることになっているらしい。ということで、私はとりあえず、4月7日に文芸誌5冊を買ってむさぼり読み、2週間ほどのうちにめぼしい作品を掘り出して「これ、面白い」とか言わなくてはならないわけね。 ま、作業は簡単だけど、骨は折れる。だって、文芸誌って二段組で組んであったりして、どれも数百ページあるからね。それを5冊読むだけで、10日くらいかかるんでないかい? そこから数日でまとめなくてはならないとなると、相当な骨だよね・・・。 話をもらったのは半年くらい前で、まだ当分先と高をくくっていたら、もう目の前じゃん! どーしよ。 しかも、面白い作品があればいいけど、なかったらどうするのか。「どれもこれも、みんなつまらないもんばっかりだ!」っていうのもいいけど、なぜつまらないと思うのかを説明しなくちゃいかんから、それも骨。 まあ、とにかく、4月の二週目、三週目は地獄だな。今のうちに出来ることはやって、4月二週目、三週目の予定をガラ空きにしておかないとね・・・。
March 28, 2022
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昨日、3回目のコロナ・ワクチン接種を終えたのですが、一夜明けたら、昨日より今日の方がキツイ。なんか体がだるくて、気力が出ない。まあ、多分、今日一日過ぎれば、と思うのですけれども。 さて、そんなこんなでイマイチ、仕事に精が出ないもので、昨日に引き続き、今日もグダグダと本を読んでおりました。読んでいたのは、『間違いだらけのクルマ選び』シリーズで有名な自動車評論家、「徳さん」こと徳大寺有恒さんの『ぶ男に生まれて』。これこれ! ↓【中古】 ぶ男に生まれて / 徳大寺 有恒 / 飛鳥新社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】 実はこれも家の近所の古書店で330円でゲットしておいたのよ。私は根っからのクルマ好き、かつ、徳大寺有恒ファンでもあるのでね。 で、読み始めたんだけど、これが面白いんだなあ。 晩年に近い頃の徳大寺さんは、白い髭を生やし、お洒落な服を着て、葉巻なんか吸っちゃって、それがまたよく似合っていて、決して「ぶ男」という感じではなく、むしろダンディという印象が強いのですが、もちろん正統派の二枚目ではないことは確か。 そんな徳さんが自分が「ぶ男」であると気づいたのは、水戸での高校生時代だったんですと。地元で一番の進学校に通われ、当然、頭の良さでは自負のあった徳さんですが、ある時通学で電車に乗っていて、自分の近くにいた女子高生たちの会話を耳にした。彼女たちは、徳さんではなく、もっとレベルの低い高校に通っているとっぽい兄ちゃんに夢中で、きゃっきゃいいながら噂話をしていたと。 で、その時、徳さんは、女性が惹かれるのはハンサムな男であって、自分のような男ではないことに初めて気づく。そのショックが、徳さんに初めての「コンプレックス」を意識させることになる。以来、徳さんは、顔の造作といい、足の長さといい、太っていることといい、田舎少年であることといい、ありとあらゆるコンプレックスを抱え込むんですな。自分は、モテる男の対極にあるような男であると。 しかも、その徳さんは、自分でも自覚する無類の女好き。女にもてたくて仕方がない性格。そういう女好きであるにもかかわらず、少なくとも外見上は、もっとも持てないタイプの男に生まれちまったという運命。ここから徳さんの人生が始まるわけですよ。 でまた、徳さんの進学した先が成城大学。茨城一の進学校からすれば、学力的にはちょっと物足りないところがあって、その意味で、学歴コンプレックスまで生じてきただけでなく、何しろお金持ちのボンボンが集まる大学ですから、周りの友人たちがお金持ちの子息だったり、飛び切りのハンサムだったり、既に芸能界デビューしているヤツだったりする。例えば赤木圭一郎とか式場壮吉とか、そういう連中がいるんですからね。ハンサムで金があって女にモテる友人たちに囲まれれば、徳さんの外見コンプレックスにはますます拍車がかかってしまう。 で、徳さんは青春時代をコンプレックスの塊として過ごすんですけど、やっぱりここが徳さんのスゴイところで、そこでガッカリしたまましょぼんとしてしまうのではなく、どうしようもない外見上のハンデを、どうやって克服するか、ということを考える。 まずはオシャレをする。それも、流行に流されるのではなく、自分なりのポリシーをもって。しかも、お洒落ってのは、自腹を切って服を買って、何度も失敗をする場数を踏まないと、しかるべきレベルには行かないということも踏まえて、色々トライする。そして好きな自動車のことに熱中するだけでなく、音楽を聴き、映画を観、それらから粋の極意を学ぼうと、エッセンスを吸収しまくる。 でも、成城大学のハンサムで金持ちの友人たちだって、それぞれのやり方で知性を磨き、センスを磨いていて、結局、徳さんよりも上を行っちゃうところがあって、そこで地団太踏むところもあるんだけれども、でもやっぱり努力は続ける。 そして女性に対してだって、自らを鼓舞して積極的にアプローチし、数多く失敗し、時には成功し、そういうところからも人生経験を積んで、自分の肥やしにしていく。 で、そんな風にして自分のコンプレックスとの長い付き合い方を披歴したのが本書『ぶ男に生まれて』ということになるわけです。【中古】 ぶ男に生まれて / 徳大寺 有恒 / 飛鳥新社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】 とまあ、そんな感じの本なんですけど、面白いよ! すごく面白い。やっぱり自分の経験だからね。自分で悩み、自分で工夫し、自分で考えて、失敗して、成功して、色々あって学んだことの蓄積だからね。 で、それだけ自分自身を見つめて生きてきたから、同じような悩みを持って生きてきたであろう人達のこともよく分かるわけ。例えば寅さん映画を撮った山田洋二監督の映画作法を見て、音楽の使い方とかを見て、ああ、この人にもコンプレックスがあり、またそれを踏まえたロマンチストの部分があるな、というのが分かってしまう、とかね。 あと映画と言えば、フランソワ・トリュフォーがジャン・ポール・ベルモンド主演で撮った『暗くなるまでこの恋を』を見て、ベルモンドが演じる「ぶ男の恋」に徳さんがむせび泣くエピソードなんて、感動的ですわ。この映画の中のベルモンドの愛する女への行動を見て、ぶ男の生きる道を見出すなんて、ちょっとこう、いいんだよね・・・。 で、思うんだけど、この本って、素晴らしい「男のための自己啓発本」になっているのではないかと。この本、タイトルは『ぶ男に生まれて』だけど、もしこの本に副題を付けるとしたら『男の品格』じゃないかしら。 で、それにつけても思うのだけど、昨日読んだ坂東眞理子氏の『女性の品格』と比べて、この本の圧倒的なまでの面白さは一体何なんだと。『女性の品格』は、大所高所からの「こうしたらいい、ああしたらいい」というマナーの寄せ集めだけど、徳さんの本の方は、生きた人間の苦闘の歴史と、その歴史から徳さんが自ら掴み取った学びだからね。味わいが全然ン違う。価値が違う。 ということで、『女性の品格』なんて本はどうでもいいので、徳大寺有恒の『ぶ男に生まれて』は、少なくとも男ならば、是非一度読んでみてよ。考えさせられるところ、学ぶところが絶対にあると思いますよ。教授の熱烈おすすめ!です。【中古】 ぶ男に生まれて / 徳大寺 有恒 / 飛鳥新社 [単行本]【ネコポス発送】
March 27, 2022
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3回目のワクチン接種券をもらったのは、かれこれひと月以上も前のこと。その時はファイザー社製ワクチンはどこも予約一杯で、もう少し様子を見ようと放置しておいたのですが、昨日、家内が市のHPを見たら、集団接種会場に空きがあることが判明したので、昨日の今日で今日、3回目のワクチンを打ってきました~。 ま、まだ打ってから数時間と言うところですけれども、今のところ異変なし。でも、まあ、とにかく、帰省前に打つことができてよかった。これが4月に入ってからになると、新学年のスタートと重なって、忙しくなってしまいますからね。 で、今日は様子見でのんびりと気軽な仕事をしようと思い、坂東眞理子さんが書いてベストセラーになった『女性の品格』なる本を読んでおりました。 これね、実は昨日、自宅近くの古本屋で110円でゲットして置いたの。というのも、実は4月上旬に、やんごとない女性たちの前で「女性向け自己啓発本」について御進講をすることになっているので、万が一、この本についてフロアから質問が出た時に「あー、それ、読んでません」と答えるのも癪だなあと思って、買っておいたのよ。 日本の出版界というのは節操がないというのか、『聞く力』がベストセラーになれば、『〇〇の力』というタイトルの本が巷に溢れ、『人は〇〇が9割』という本が売れたとなると、『○○が〇割』という本が次々と出版され、『国家の品格』という本が話題になると、『〇〇の品格』だらけになる。まあ、この本もその類で、『品格』ものの二匹目のドジョウですな。 でも、二匹目のドジョウとしては成功した部類で、ワタクシが買ったのは2008年版ですが、その時点で第53刷だもんね。オリジナルが出たのが2006年だから、わずか2年間で53刷だよ! まあ、売れたんですなあ。 で、じゃあ、そのベストセラーとなった『女性の品格』にどんな素晴らしいことが書いてあるかっていうと・・・何もないよ。別に大したこと、感心するようなことは一つも書いてない。書いてあるのは、ごく当たり前のこと、常識だけだよね。 例えば、「人から何かよくされたら、礼状を出そう」とか。「型どおりの挨拶くらい、出来るようになろう」とか。「流行りの服ばかり買わないで、流行に流されない上質な定番服を買おう」とか。「落ち着いた声で、大きくハッキリとモノを言おう」とか。「「ありがとう」という言葉を活用しよう」とか。「家にいる時でも最低限の身だしなみは整えよう」とか。「出来あいの総菜を買うにしても、食べる時にはちゃんとした器に盛ろう」とか。「他人のことを詮索するのはよそう」「勢いのある人におもねったり、下の人をぞんざいに扱ったりするのはよそう」「人の悪口を言うのはよそう」「人から頼まれたら、出来ることは快く引き受け、出来ないことはハッキリ断ろう」「縁の下の力持ちたることを厭わないようにしよう」とか。そして「男性と付き合うなら、その人の地位とか金のあるなしではなく、本質的な高潔さを見て選ぼう」とか。 どう? 何か珍しいアドバイスあった? フツーでしょ? そうなのよ、どこまで行っても、当たり前のことばかり。啓発的というよりは、常識的なマナー集だよね。 じゃあ、この本のどこが凄いかっていうと、著者が凄い。 だって坂東眞理子さんって、東大卒で総務省入省、その後、埼玉県副知事、女性初のオーストラリア・ブリスベン総領事を務め、公務員生活を終えた後は、昭和女子大の教授を経て学長にまでなっているからね。功成り名遂げた、とーっても偉い人。 そうなの。自己啓発本っていうのは、しばしばその内容がどうのというより、誰が書いたかがモノを言うのよ。 それは昔からそうなので、例えば松下幸之助の『道をひらく』とか。あれも、別にどうってことない本なんだけど、松下幸之助翁が書いているからもてはやされるのね。 まあ、それは仕方がないことで、功成り名遂げてない人が「こうすればいい」とかアドバイスしたって、たとえそれが素晴らしいアドバイスであったとしても、誰も耳を傾けないからね。 悲しいね。悲しいけど、それが現実。 まあ、でも、坂東さんがどんなに偉い人だったとしても、110円で買って、1時間半で読んで、1時間半後には内容をすべて忘れて、いずれもう一度ブッコフに売り飛ばすっていう類の本ですな。私が買った本も書き込み一つないキレイな本だったからね。そうやって、キレイなまま何度も売り飛ばされる本なのよ。いや、別に悪口を言っているのではなくて、ただ、ライターとしての坂東さんの位置なんてそんなもんだ、という意味で。そりゃそうでしょ。坂東さんはプロのライターじゃないんだから。別な方面で活躍されたかも知れないけど、ライターではないからね。人の魂をゆさぶるような本は書けない。これもまた、悲しい現実。 でも、もちろん、常識的なマナーを知らない人が常識的なマナーを仕入れるという意味では、悪い本ではないですよ。 ちなみにこの本、古本市場では「2円」で売ってます。市場って、モノの価値に関してはシビアだからね。でも、2円なら「買い」でしょう!これこれ! ↓【中古】女性の品格 (PHP新書) [新書] 坂東 眞理子
March 26, 2022
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ネット・サーフしていたら、ビージーズの往年の大ヒット、「ナイト・フィーヴァー」のラインダンスのレッスン・ビデオを発見。 で、視聴していたのだけど、これがまた教え方が上手いのよ。アメリカって、通信教育大国だから、この手のレッスンものって優れたものが多いのよね。 ということで、このビデオの通りに学んだら、ずぶの素人でも、とりあえずあの映画の中のラインダンスの真似事くらいは出来そうよ。これこれ! ↓ナイト・フィーバー、ラインダンスのレッスン 最近では、中学校あたりで「ダンス」の授業があるとか聞いて、もしそんなのが自分の中学時代にあったらこっぱずかしかっただろうなと思ってゾッとするんだけど、こういう上手なレッスンをしてくれるのなら、受けても良かったな。 さて、トラボルタ世代の私、深夜密かに踊るとしますか。
March 25, 2022
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今日は私たち夫婦の24回目の結婚記念日でしたが、30年に亘ってお世話になってきた「アニキ」こと先輩同僚のK教授の退職記念と合わせて、K教授をお招きし、3人でディナーと洒落ることに。本当はK教授の奥様もお誘いしたのですが、先約があるとのことでそは残念。 で、向かったのは本山にある「キガルニ和ショク華」というお店。創作系の懐石料理のお店ですが、シェフというか、大将のセンスと腕が抜群で、出てくる料理のすべてが旨い! 素材が素晴らしく、全てに手が込んでいて、センス抜群。独創的かつコスパも良くて、これ、東京で出したら倍の値段が付くだろうな、というものばかり。まあ、いいお店なのよ。これこれ! ↓本山・キガルニ和ショク華 で、K教授はもちろん初めてのお店でしたが、出てくる料理があまりにも工夫に富み、しかも旨いので、目を丸くして舌鼓を打っておられました。これはもう、お招きした甲斐があったなと。 というわけで、和やかで楽しい結婚記念日&退職記念ディナーとなりました。キガルニ和ショク華の大将、ありがとうございました。 そして帰り道、ちょいとブックオフに立ち寄って本とかCDなどを買い、その階下にある24時間オープンの西友でちょっと食材を調達。実は私、夜遅くまでオープンしているお店というのが大好きなのよ。深夜のスーパーとか、わくわくしない? とまあ、そんな感じで、今日は夜遅くまで色々楽しんでしまったのでした。
March 24, 2022
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今日は勤務先大学での卒業式の日。 一週間くらい前まで雨の予想だったのでちょっと心配しましたが、快晴とまではいかないものの薄日差すまずまずの天候で、やはりワタクシの日頃の心がけかなと。 学生を送るという意味での卒業式に関しては、あいにく私のゼミ生が今年度で卒業することを選ばなかったので、ちょっと寂しいものとなりましたが、何しろ今年は長年の同僚が4人も一気に大学を去る(三人は定年、一人は他大学移籍)もので、そちらの「卒業式」が盛りだくさんでしたね。 で、直接の先輩同僚であるお二人には、花束と、私のセレクトになるワインを進呈。喜んでもらいました。 だけど・・・ 卒業式ってのは、華やかなだけに、そのあとが寂しいよね・・・。何度やってもね。 まあ、私も既に30回くらい、卒業生を送り出しているわけですが、そういう私だって、あと数年も経てば送られる側になる。数年先なんて、まだまだ先と思っても、実際にはあっという間に近づいてくるんだろうな。 研究室の撤収に忙しい先輩同僚お二人の姿を横目で眺めながら、明日は我が身と思う今日この頃なのでございます。
March 23, 2022
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大阪万博のロゴが決まったという報道を見て、そのロゴを見たのですが、これがびっくりよ。 個人的な感想としては、ただ一言、「気持ちが悪い」。 ナニコレ・・・。妖怪じゃん。 本当にこれを押し出して、万博を成功させるつもりなのか。それとも、失敗させようとしてわざと妖怪を選んだのか。 候補は3つあったというけれど、これがまた3つとも妖怪ちっくでまったくかわいくない。 東京オリンピックのもかわいくなくて、北京オリンピックのビン・ドゥンドゥンに大差をつけられたけれども、今回のロゴは東京オリンピックのロゴどころではない気持ちの悪さじゃない? もう一度、最初っから選考し直した方がいいと思うよ・・・。まじで。これこれ! ↓これはひどい・・・大阪万博ロゴ
March 22, 2022
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アマプラで『ナイト・マネージャー』なるTVドラマを見始めたのですが、これがまた面白い。テーマソングが流れる冒頭のオープニングの映像も実に洒落ていてね。アメリカって、ハリウッド映画こそ低調が続いているけれども、TVドラマはずっと好調が続いているような気がする。それこそ『24』あたりから。 で、『ナイト・マネージャー』ってのは、某高級ホテルの夜間のマネージャーのことで、そういう職にある人のとある体験を描いているのですけれども、そう言えばこの間見てえらく感動した映画『グランド・ブタペスト・ホテル』も、ホテルのマネージャーの話だったなと。 ホテルのマネージャー。 オーナーではないから、雇われ人ではあるのだけど、すべてを司る立場にある。顧客とも良好な関係を保たねばならず、マナーも完璧である必要があり、かつエンターテイナー的な才能も必要になってくる。つまりはそのホテルの顔。 そういう意味で非常に面白く、またやりがいのありそうな仕事ではあるんだけど、私自身のことを振り返って、「ホテルのマネージャーになりたい!」って、子供の頃思ったことがない、という。そういうのになるために、努力しよう!とか思ったことがない。なかなか、子供の夢にはならない職業ではありますな。まあ、子供の目にふれるような職業ではないんだから、当たり前だけれども。 でも、よく考えてみると、面白そうな職業ではある。その辺に、アメリカの映画界/テレビ業界が気づいたってことなのかしらね。 例えば、最近で言えば『ジョン・ウィック』シリーズとかね。アメリカ中の殺し屋を束ねるホテルがあって、そのマネージャー(及びコンシェルジェ)には絶大な権力がある、という設定。 さて、『ナイト・マネージャー』は、第一回目からして、主人公のマネージャーが、とんでもないことに巻き込まれてしまうのですけれども、この先、どうなるのか? ちょっとずつ見ていくのが楽しみです。教授のおすすめ!
March 21, 2022
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遅れてきた鬼滅ファンとして、アマゾン・プライムで「立志編」を毎日一話ずつ順に見ているのですが、今、第20話くらいかな? 鬼殺隊の一員でありながら、鬼を連れている炭治郎の進退をどうするかというので、炭治郎がお館様のところに連れて来られたというところ。 で、いわゆる「柱」の人達がずらり勢ぞろいなんですけど、ここで面白いと思ったのは、柱の人達って、必ずしも人格者じゃないんだ、ってこと。 鬼滅なんて子供の見るようなもんだから、鬼殺隊なんてのは、ウルトラ警備隊みたいなもので、柱ともなると、その中のトップなんだから、みんなモノの分かった人達なのかと思いきや、そうでもないという。 そこがいいね。リアルで。子供向けになってないんだ。 でも、そんな中でもやっぱり煉獄さんはいいな! まっすぐで。もちろん、富岡さんも、なかなかいいけど。 って、おい! 柱の中で誰が一番好きか? なんてことを言っているようじゃ、わしがガキんちょと一緒のレベルじゃないかっ!! ま、今日もまた、寝る前の鬼滅の一話が楽しみ! なんだから、実際、ガキなんですけどね。
March 20, 2022
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宝田明さんが亡くなりました。享年87。 私が物心ついた時から存在していた俳優さんですなあ。でも、子供の頃の私の宝田さんに対する印象と言うのは・・・悪いものではなかったけれども、決していいものではなかった。何と言うか、顔の造作といい、立派な体格といい、よく通る美声といい、あまりにも常人離れしていてインチキ臭いというか、そういうイメージ。要するに、華やかなプレイボーイを見た時のような感じで、どうもこの人は信用できないな、という感じを常に持っていた。名前からしたって、「宝」に「明」でしょ。「これは明らかにお宝だ!」なんて、なんだかパチモンのダイヤとか真珠とかを売っているインチキ商人みたいな感じじゃないの。 そういう、若干マイナスなイメージが払拭されたのは、大学時代。ゼミの仲間と一緒に、この人が出たお芝居を観に行ったことがありまして。 何というお芝居だったかは忘れてしまいましたが、あるいはミュージカルだったか・・・とにかく、若手の俳優さんが中心の劇だった。で、いかにも若手俳優たちによる・・・学芸会にちょっと毛が生えたような、青臭い劇だったのよ。 ところが、最後の方でいきなり宝田明登場! そうしたらね、もう、劇が一変したというか。ガタイの大きな、声のでかい、存在感アリアリの宝田明が登場した瞬間に、素人劇がお金の取れるプロの劇になったのよ。もうね、間近で見た生身の宝田明のド迫力!! 劇は一瞬にして引き締まり、観客の目はその中心にいる宝田明に釘付け。 まあ、あの瞬間、私は「宝田明ってすごいんだ」ということを理解しました。もう、若手俳優たちとはオーラが違う。 そして、後には、あのお日様の下ばっかり歩いてきたような派手で陽気な見た目とは裏腹に子供の頃は大陸で苦労されたこと、そしてその自らの体験を基に反戦運動を続けて来られたことなども知るようになり、ますます高感度アップ! そんな日本を代表する名俳優、宝田明さんが、文字通り急逝されたと知り、私はまた一つ、昭和の灯が消えたという感を強くしているのでございます。 学生時代の私に強烈な印象を残した偉大なるステージ・キャラクター、宝田明さんのご冥福をお祈りいたします。合掌。
March 19, 2022
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先日、勤務先大学で退職者を送るセレモニーがあり、今年度で退職される先生方が簡単なスピーチをされたんです。 で、ちょっと印象的だったのは、美術科の先生の退職スピーチ。 その先生曰く、自分は好きな美術のことをやっていて、非常に心苦しかったと。つまり、普通に企業とかに就職していたら、辛いことや嫌なことが沢山あっただろうに、自分は子供の頃から好きだった美術で食ってきたので、いわば遊んで暮らしたようなものだと。それが、引け目になっていたとおっしゃるわけ。 で、その先生は研究の一環として、かつて文科省からお金をもらって、二週間くらいヨーロッパ各国の美術館めぐりをしたことがあったのだけど、その時も母親から「あんたは外国に遊びに行くために国からお金まで貰うのか」と難詰されたと。 で、そういう恥ずべき職務からようやく外れることができて、ホッとしている。まあ、その先生はそう言う趣旨のことをおっしゃったわけ。 で、それを聞いたワタクシはビックリですよ。ええっ! 好きなことやって生活して何が悪いの?? それで食えるなら、申し分なくないか?? それ言ったら私だって、世の中の役に立っているかどうかは知らず、好きな文学読んで、好きなことを論じて、それで三十年も国の禄を食んで、何の罪の意識もないぞ。好きなことをやって暮らせるように、大学での研究生活が送れるように、学生時代から計画して頑張って勉強してきたんだから、やった~ってなもんだ。 まあ、同じ大学の先生でも、自分がやっていることに対する思いというのは、様々なんですなあ・・・。あの先生からしたら、今、YouTuber として食っている連中なんて、恥ずべき輩だと思っているんだろうな。わしなんか、むしろ羨ましいけどね!
March 18, 2022
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出先から戻って来た家内が言うには、名古屋のFM局ZIPのDJ、ジェイムズ・ヘイブンスがこの春、ZIPを解雇されることになったとのこと。 え¨ーーーーー。そうなの? ZIP開局時から残っていた唯一のDJだったのに? ぽわん、ぽわん、ぽわん・・・・(思い出モード) 思い返せばあれは1993年、今から30年近く前のこと。私が名古屋の大学に赴任して1年ほどが過ぎようとしておりました。 その頃、名古屋では新しいFM局がオープンしようとしていて、開局前から試験放送としてDJなしで洋楽をガンガンかけていた。で、名古屋に赴任したばかりで、まだ東京への執着が強かったころだったので、この新しいFM局が東京のJ-WAVE 的なものになるのではないかと期待したのよ。 で、実際、本放送が始まった当初のZIP は、DJに多数の外国人を採用し、なかなかカッコ良かった。 で、その中でもジェイムズ・ヘイブンスは、妙に日本語のウマいDJで、その笑いのセンスというか、時に強烈な皮肉も含めて、とても面白かった。私の友人の中には彼が嫌いというのもいたので、万人受けはしないかも知れないけど、私は好きだった。ぽわん、ぽわん・・・(現実に戻る) しかし、その後、ZIPも様変わりして、DJも日本人(女性)が増え、内容はリスナーからのお便りを読み上げるだけ、しかもそのリスナー発信の話題が、まあ、恐ろしいほどにつまらないものばかりで、とても大人の鑑賞に堪えないものとなりました。洋楽もかからなくなってしまったしね。 その中で、唯一、気を吐いていたのが、開局以来のDJたるジェイムズ・ヘイブンスよ。彼の番組だけははZIPの中で唯一、面白かった。まさに「掃き溜めの鶴」。 ところが、そのジェイムズ・ヘイブンスが今度、解雇されるっていう・・・。理由は「番組の若返り」。 まあーーーー、ZIPの社長が誰なのか知らないし、誰が番組編成の責任者なのか知りませんけど、〇鹿だね~。 普通に考えたら、この局で面白い番組をやっているのはジェイムズ・ヘイブンスただ一人なんだから、彼の番組をキープして、他のDJを全員解雇するべきだったのに。 まあ、とにかく、ジェイムズ・ヘイブンスのいないZIPは、最早、聴く価値のある番組はないと見た。これから一層、リスナー離れが進行することでしょう。まあ、自業自得だよね。 一方、ジェイムズ・ヘイブンスさんには、どうか他局でもいいので、これからも面白い番組を聴かせてもらいたいものでございます。解雇を見返してやれ!!
March 17, 2022
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私が編集を担当している紀要の全体校正が上がってきたのですが、これがなかなか表紙のデザインがよろしい。 今号は、お二人の先生の退職記念号なのですが、お一人が「乗り鉄」、もうお一人が静岡県出身なので、このお二人の記念号となったら、「大井川鉄道」を表紙に使うしかないだろうってことで、今回は大井川鉄道のSLをモチーフにしたものにすることとし、そのように発注をかけておいたのよ。で、出てきたものを見ると、まさにこちらの要望通りのものが出来てきて、私としては大満足。 もっとも、他人が見たら、「どうして英語科の紀要の表紙が大井川鉄道なんだ?」ってなるでしょうけどね。まあ、内輪受けということで。 ところで。 私は自分が編集しているこの紀要が好きなので、ここを自分の主戦場と見なしていて、毎年、ここにその年の研究成果を発表するのですけれど、実は科の紀要ってのは、論文の発表場所としては、一番格が低い。 つまり、世界的学会の学会誌が一番格上で、その次が全国的学会の学会誌、次が地方的学会の学会誌、次が大学が発行している紀要、そして一番格下が、科の紀要というわけ。 まあ、それは一般論としては分からないでもないので、と言うのも、科の紀要というのは、科に所属している先生方が勝手に投稿するもので、レフリーがいない。つまり無審査なわけ。だから一般には格下の発表場所ということになる。 まあ、私は今更自分の実力を発表媒体の格で示さなければならないという立場ではないので、無審査の紀要で十分なんだけど、これから昇任しなければならない助教とか講師・准教授の人たちにとっては、旨味の少ない発表場所ということにはなるわけよ。ポイント加算が少ないからね。 だーけーど。 どうなんだろうね。今、そういう時代かね? 今は、どこに発表するにせよ、結局、電子媒体として表に出る。だから、問題なのは、発表媒体の格ではなく、自分が発表した論文が、世間でどのくらい閲覧され、ダウンロードされるか、っていうことじゃないかと思うんだよね。 だってさ、いかに全国的な学会の学会誌に掲載されたからといって、閲覧され、ダウンロードされなかったら意味なくない? 逆に、無審査の科の紀要だって、そこに載った論文が世間で注目され、何百何千回もダウンロードされるんだったら、そっちの方が社会的なインパクトがあるってことじゃない?? 実際、ワシの論文なんて、ダウンロード数すごいよ。ウィキペディアの記事とかでもガンガン引用されているし。 だから、論文に格付けするんだったらさ、掲載紙の格ではなく、ダウンロード数の多寡でやるべきじゃないかと思うんだよね。 でも、まあ、私はもう既に教授だし、今更発表媒体の格なんかどうでもいいですわ。無審査の科の紀要で、世間をあっと言わせるだけだから。
March 16, 2022
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今年、退職される先生方に、科からのプレゼントとしてワインと花束を渡すことになりまして、私はワイン担当となった次第。 ということで、本日はそのワイン選びをしてきました。 まあね、素人さんですと、三越とか行ってエノテカで買う、みたいになるのでしょうが、私はそんなところには行かん! リカマンで十分だ! っていうか、千円台で十分美味しいワインが買えるリカマンで、その何倍もの値段を掛ければ、相当いいワインが買えるぜ! で、リカマンに行って来たのですが、うーん、悩むね。 自分が飲むために買うのだったら、カリフォルニア産だろうがチリ産だろうが、スペイン産だろうが構わないのですけど、これは贈り物ですからね。そうなると、やっぱりフランス、ブルゴーニュかボルドーかっていうことになるでしょうなあ・・・。 赤? 白? うーん、やっぱり赤か。 となると・・・メルロー、ミディアム・ボディで行くか。 ってな感じで、予算と格式を加味しつつ、これぞというのをセレクト。この値段でこれが買えれば御の字でしょう。 ちなみに、会計の時、ウクライナ産のハチミツが売っていて、売り上げの一部を寄付するとのこと。おお、いいじゃないの、いいじゃないの。私もウクライナのために、このハチミツを買っちゃおう!! というわけで、納得の買物が出来たのですけれども、プレゼントとして渡すわけだから、丸腰ってわけにもいかない。ラッピング、ラッピング。 で、向かったのがダイソーね。ここでラッピング用品と、ワイン用の細長い紙袋をゲット。後は、器用な家内にお任せして、うまいことラッピングしてもらうことにいたしましょう。 しかし、ワインを買うってのは、自分用じゃなくても楽しいな。私が悩みに悩んで買ったこのワイン、退職する先生方が喜んでくれるといいのだけど。
March 15, 2022
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明後日は今年度最後の教授会の日。この日には、今年度で退職される先生方を送るセレモニーがあります。 が! 最近、このセレモニーに出ない退職者が増えまして。今年も半分くらいの方が辞退されたと。 それはね、私思うに、大学側の運営の問題なんだよね。 昔はね、学長が自ら退職される先生方や、その周辺の先生方、あるいは学生なんかにも取材して、その退職される先生にまつわる面白いエピソードをセレモニーの時に紹介したりして、非常になごやか、かつ、ハートフルなセレモニーだったのよ。 それが、二代前のアホ学長の頃から、事務的なセレモニーになっちゃって、先生方の紹介も学歴・職歴などをスクリーンに映し出すだけのものになっちゃった。 もう、最近は、すべてが事務的で、退職者に対するセレモニーの案内も、1週間前に所轄部署から事務的なメールが行くだけ。「出席されますか、されませんか」の二択で。 そんなのじゃ、セレモニーに出たくなくなるのも当然だよね! 本当は、何十年も勤務した大学なんだから、そこを去るのは誰だって寂しいはず。そこを汲んでさ、華やかで心づくしの会にしなくちゃダメじゃないの。 で、それを仕切るのは、事務屋さんじゃなくて、学長であるべきでしょ。そういうことが、最近のダメ学長どもは、分かってないんだよね・・・。 結局、事務屋上がりみたいな学長ばっかりで、人間的な魅力のある、人間の心ってものが分かってない連中がなるからね。ほんとに情けない。 今回はもう間に合わないけど、今度、ダメ学長に逢ったら、一言言ってやろうかな。
March 14, 2022
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今日も今日とて原稿書き。6月に広島の学会でやる講演の原稿なんですけど、これがね、ガンガン書ける。二日で1万2千字書いた。原稿用紙で言うと二日で30枚か。なかなかいいペース。 しかし、今年に入ってから、紀要原稿と本の原稿と講演原稿、3種の原稿を書き続けているもので、その間、ほとんど本を読んでいないという。アウトプット・オンリーで、インプット・ゼロ。これは私の悪い癖というか、性分というか、インプットとアウトプットを両立出来ないというね。まあ、しかし、あの三島由紀夫ですらそうだったというのだから、仕方ないやね。 そうなってくると、もう楽しみは食べることくらいなんですけど、最近、我が家で愛用しているのが、業務スーパーの「かんたんパスタ」シリーズ。これがバカみたいに旨いのよ。しかもバカみたいに安い。一袋二人前で、200円くらいだから、一人分は100円か! こんなに旨くて、本格的で、こんなに安かったら、もうお店なんかに行けないね。これこれ! ↓業務スーパー かんたんパスタシリーズ4種 まあ、騙されたと思って、食べて御覧なされ。きっと仰天しますよ。
March 14, 2022
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すっかり懐メロの人になってしまったワタクシ、一仕事の後は、60年代、70年代のポップス&ロックで息抜きをしております。 で、昨日聞いていたのは「ザ・ホリーズ」の「He Ain't Heavy, He's My Brother」という曲。まあ、いい曲だから一度聞いてみてちょ。これこれ! ↓ザ・ホリーズ「He Ain't Heavy, He's My Brother」 ところで。 上のサイトでこの曲を視聴すると、誰だって「ああ、これはベトナム戦争の歌なんだ・・・」って思うじゃない? つまり、戦闘で負傷した戦友を担いで、自軍の陣地まで戻る話なんだって。そう思うよね? で、私もすっかりそう信じ込んで、「ベトナム戦争って、もちろん色々問題はあるけれども、少なくとも兵隊となった若者たちも含め、若者の間から反戦の歌や反戦の文学・映画が数々出たことも事実。そういうストーリーっていうのは、後から戦争の本質を考える上で重要な視点になるのであって、果たして今回のウクライナ戦争って、そういうものが後で出てくることってあるのかな?」なんて考えちゃったわけ。 だけど・・・。 ン? 待てよ? これ歌っている「ザ・ホリーズ」って、イギリスのバンドじゃね? ベトナム戦争とあんまし関係なくね? で、調べてみたら、あーた、この歌はベトナム戦争とはなんの関係もござんせんでした。 むしろね、ワタクシの専門の「自己啓発思想」と関係があるんだなあ。 つまり「He Ain't Heavy, He's My Brother」というのは、自己啓発思想なのよ。実際には非常に重いものであっても、それが自分の弟だと思えば、軽く感じると。要は、心の持ちようで、重いものも軽くなる。愛する者のための労働なら、苦労も苦労と感じない。おかあちゃんのためなら、えーんやこらだと。 元々は、スコットランドだかどこだかで、誰だったかが小さな女の子が自分と同じくらいの大きさの弟を抱えているのを見かけて、「重くない?」って話かけたら、「ううん、ちっとも! だってこの子、私の弟なんだもの!」って言ったのに感動して、そういう詩を書いたと。それが自己啓発文学の中で語り継がれたらしいんだなあ。例えば、著名な自己啓発本ライターである、ラルフ・ウォルドー・トラインの本の中にも、この挿話が出てくるらしい。 なるほど~。 そんな自己啓発思想を、もう少しでベトナム反戦歌だと勘違いするところであった・・・いや、勘違いさせるためにザ・ホリーズはこういう歌を歌ったのかもしれないけれども。 ま、そんなこんながちょっと面白かったワタクシなのでありました。
March 12, 2022
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毎日、ウクライナ情勢が気になってニュースを見るのですが、見てるだけで辛くなるようなシーンばっかり映し出されるので、じきに消したくなってしまう。まあ、我々はテレビを消せばいいですけど、ウクライナの人たちにとってはそれが現実で、消そうったって消せはしないのだから、我々が安全な日本にいてテレビを消すこと自体、罪深いことのようにも思えて、もうどうしたらいいのかって感じですな。 これだけ酷い状況を、刻一刻とテレビは伝えるけれども、それに対して何の手出し口出しもできないというのは、常軌を逸してますよね。学校で、いじめっ子がいじめられっ子を散々虐めているのをただ茫洋と眺めていて、誰も何もしない、止めもしないという風だったら異常だけど、まさにそれが目の前で起こっているんだからね。 いやあ。 それにしても独裁者が支配する悪の枢軸がみんなかつての共産世界だってのは、皮肉だねえ。共産主義というのは、絶対王政の独裁を無くすということだったんじゃないの? そういうのを目指した国家が、どれもこれもみんな独裁者の温床になっちゃったって、どゆこと? クーで生まれた国は、結局、クーで倒れるしかないのかもね。だったら、ウクライナの国土が焦土と化す前に、早くそうなってほしい。鬼と化した奴には、鬼滅の刃が必要だね。
March 11, 2022
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今年は、どういうわけか講演を依頼されることが多くて、現時点で夏までに3件の講演がある。 4月と6月と7月なんですが、4月と7月の講演はアメリカ文学関連で、自分の専門のことを話せばいいので、まあ、楽というか、何を話せばいいかは自分では分かっているし、4月の講演に関しては、講演用の原稿もほぼ仕上がっている。と言うのも、これ、本来はもっと前にやる講演だったのが、コロナで延期に延期を重ねたものなのでね。 問題は6月よ。舞台は広島。 これは、研究上の成果を講演するのではなく、私の恩師について思い出を語ってくれ、という趣旨で頼まれているもので、私の恩師が広島出身だものだから、そういうことになるんですけど、ううむ、これはどうしたものか・・・。 だって、研究発表とか専門に関するシンポジウムだったら百戦錬磨の私ですけれども、恩師の思い出話を語るなんてのはやったことないし、そんなので与えられた時間もつのか? っていう不安もある。 で、今までは「まだ先の話」と思って放ってあったんですけど、よく思い出したら、3月中旬までに講演内容のレジュメを出して欲しいと頼まれていたんだった! っつーことで、1000字ほどのレジュメを書いて、早速、担当者の方に送ったのですけれども、レジュメは大雑把なことを書いておけばいいので、問題は中身。さて、3ヵ月先に迫った講演をどうするか・・・。 で、しばし悩んだ末に、こういうことをやってみた。 想像の世界に遊んでみたの。時は既に6月、広島の某会場。聴衆の皆さんも集まっている。司会の先生が私の経歴などを紹介して下さっている。それも終わり、いよいよ演台に進み、マイクの前に立ったと。 さあ、第一声。俺は何を語る? そう、当然、司会者へのあいさつと自己紹介だ。一瞬のマイクのハウリングをやりすごして・・・「ただいま、〇〇先生から過分なるご紹介にあずかりました、〇〇大学の釈迦楽と申します、本日は拙いお話をさせていただきます、どうぞよろしくお願いします」 よし、我が声の張り、落ち着き、申し分なし。聴衆の視線を吸収して、全部跳ね返すだけの自信がある。 さて、次。いよいよ冒頭、何の話から始めるか? ・・・とまあ、空想の中で演台に立ち、聴衆の視線や期待を肌身に感じながら、最初に何の話をするか、次に何の話をして、どっちの方向にもっていくか。どこで笑いを取り、どこで泣かせるか。そういうのを想像していったわけ。そしたら・・・ うん、分かった。大体、何をどう話せばいいか、どの話題を持って行けばいいか、分かった。 本番に先立って空想上で演じて見て、何となくですけれども、どういう講演にすればいいか、大体見当がつきました。 なるほど。こういうやり方は初めてトライしてみたけれど、割といい感じだなあ。空想の力ってすごいね。 ということで、6月へ向けての不安がちょっとだけ解消した、今日のワタクシだったのでありました、とさ。
March 10, 2022
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この3月で定年で大学を去るK教授とR教授と、夕方、コーヒーを飲みながら雑談していたのですが、あと3週間後に迫った退職のこともあって、話題は昔のことばかり。まあ、先の話をしてもお二人には先がないんですからね。 ところが60歳前後の人間が昔語りをすると、まあ、固有名詞が出てこないのよ・・・。 ほら、あの写真家になった卒業生、いたじゃない、あれなんていう名前だっけ? ほら、あの時、あの人とあの人と、一緒にあそこに行ったじゃない? ほら、あの時、あの先生の出版祝いで、あの、なんとかいう駅の近くのレストランで食べた時、偶然、あの人と会ったじゃない、ほら、あの、国語科のあの先生の後輩で、英語科のあの先生の先輩だとかいうあの人・・・。 顔は思い出せるのだけど、名前が出ない。 というわけで、傍で聴いていると、誰が誰のことを話しているのかさっぱりわからないでしょうけど、本人たちは一応、話は通じているという。固有名詞が出ないだけで。 だけど、一番ショックだったのは、二年前に東京の私学に転出した、同じ科の先生の名前が出てこなかったこと。 ほら、あの、アラビア語の堪能な・・・ そうそう、謝恩会とかで、サリーみたいなのを着てくる人。 三人とも、その先生の顔や声は思い出せるのだけど、名前が出てこない。たった二年前まで同僚だった人だよ! で、R先生曰く、「私もK先生も、二年も経てば、同じ科の同僚からすら名前を忘れられるんだろうな・・・」。 いやー! 私は覚えていますよ! さすがに二十年、三十年一緒にいた人を忘れるわけない。だけど・・・私ほどお二人と親しくない同僚だったら・・・わからないな。 というわけで、「去る者、日々に疎し」のことわざの確かさを、今更ながら証明してしまった我らだったのでした。悲しいね・・・。
March 9, 2022
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段々、年度も押し詰まってまいりました。 さて、この時期、いろいろ多忙なんですけれども、そんな中に時折、ぽっかりと暇な時間が生まれることがある。 そんな時、私がやるのが、「無駄紙を使ったメモ帳づくり」。年度末の恒例行事みたいなもんでね。 先生稼業をしていると、毎年たーくさんの印刷物を作るのでありまして、授業で使う資料やテスト、それから紀要の版下などを作っていると、どうしても打ち損じなどが出ることがある。そういう裏白の無駄紙を一年間溜めておいて、それを適当な大きさに裁断し、木工用ボンドを一か所だけ木口に塗るわけ。そうしてボンドが透明に乾くと、立派なメモ帳が何冊もできると、まあ、そういう仕組みなわけ。 で、今日も紙を集めたり、裁断したり、ボンドを塗ったりしながら、結局、6冊程度の分厚いメモ帳が完成。これだけあると、結構、一年間もつんですよ。 無駄紙が多いというのは、もちろん、あまりよくないことですが、それでもたくさん仕事をしないと、無駄紙もたくさん出ないわけですから、メモ帳がたくさん出来るということは、それだけこの一年、一生懸命仕事した、ということでもある。 というわけで、今日は来年度に使う分のメモ帳を作りながら、まあ、今年はそれなりに仕事をしたんだよなあと、いささか悦に入っているところなのでございます。
March 8, 2022
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NHK教育テレビの番組「100分で名著」、今月はアメリカ作家ポーということで、巽孝之先生登場! 先ほど第1回の放送を視聴してしまいました。 この番組、前々から話題でしたけれども、今まで見たことがなくてですね、今回初めて見てしまいましたけれども、面白い! なるほど、一人の作家を一回25分、これを4回かけて合計100分で料理するというわけなのね。 で、今回は『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』の内容を紹介しつつ、それを巽先生が解説するという趣向でしたけれども、これが単なる冒険譚であると見せかけて、人肉食の話が出てきたり、未知の南極大陸の話が出てきたり、地球空洞説がほのめかされたり、冒険譚→ゴシック・ロマンス→サイエンス・フィクションと、文学ジャンルを横断するような仕組みになっていることを読み解くというね。しかも、そういうことを狙ったのも、そもそもポーが「雑誌編集者」であったからではないかという形で、ポーの「マガジニスト」としての本質までも見抜くという。さすが巽先生、切れ味がいいですなあ。 でまた、巽先生の解説を見事に受ける伊集院光の頭の良さね。これは伊集院氏あっての番組ですなあ。これまたさすがの一言。 ふうむ。これはまた次週の続きが楽しみ! 四夜通して視聴したら、またポーの作品が読みたくなるでしょうな。
March 7, 2022
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今日も朝から原稿書き。お金儲けのための。 なんかね、ガンガン書けるのよ。なんだろうね。こういうペースで書くってのは、あんまりない感じ。苦も無くっていう。 その代わり、穴だらけ。今のところは。つまり、書いていることに確認とってない。記憶でテキトーに書いている。だからある程度書き上がったところで、一からチェックしていかないとダメな奴。 何だろうね、こういうの。 自分でも嫌になるくらい、ナメクジのようにのろのろとしか書けない時もあり、矢のように書ける時もあり。 でも、どうせどっかで詰まるんだよなあ。 まあ、そうなったらそうなったで、ナメクジ作戦に戻ればいいのか。 それにしても西村京太郎。著書が680冊あるって言うじゃない? すごいな、それ。どうやったら、そんなにたくさん書けるんだ? 今の自分のペースで行くと、わしは生涯で10冊とか、マックス15冊くらいかな。それでも、文学者としては多い方だと思うけどね。 まあね。とりあえず、今書いているものに全集中するしかないな。
March 6, 2022
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ロシア軍がウクライナの原発を砲撃した挙句、それを国際社会から問い詰められると、「あれはウクライナ軍の自作自演だ」と主張したとか。 もう、こうなってくると、ロシアという国に理屈とか、善悪の区別とか、そういうものは通用しないんだなと言うことがよく分かる。理屈が分からないのだから、最早説得は出来ないということですよね・・・。それは西欧社会も説得できないし、ロシア国内で戦争に反対している良識ある人々にも説得できないということでもある。 結局、プーチンが常軌を逸したということに尽きるわけですが、これって、もう万策尽きたというのと同義じゃない? 彼を止めるのに、もし西欧諸国が軍を差し向けたら、本格的な戦争となって、最終的には核戦争になるかも知れない。西欧諸国は多分勝つでしょうけど、国土は双方荒廃する。そして中立を保った中つ国が今度は世界を支配すると。 西欧諸国が軍を差し向けなかったら、当初の思惑通り、ロシアはウクライナを支配し、次はバルト三国、そして北欧諸国を狙い、武力による実効支配が可能だと分かった中つ国は台湾に攻め入り、次はその隣の国に攻め入るかも知れない。 これ以外のシナリオで期待が持てるものって、ロシア国内でクーが起こることだけじゃない? そうだとして、果たしてその可能性がどれだけあるか。 困った状況だよね・・・。どうなるんだろう、この先。不安しかないわ。自分が生きている間に、これほど危機的な状況が起こるとは、まったく想像していませんでした。つい二週間前まで。世界は戦争という大惨事を卒業したんだと思っていた。 そうじゃなかったんだね。
March 5, 2022
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私より7つ年長の先輩同僚、アニキことK教授が、この3月で定年を迎えることになりまして。 で、後期の期末試験も終わり、成績も出してしまうと、K教授にはもうやることがない。入試関連の仕事にも、もう関わっておられないのでね。 となると、後は長年使ってきた研究室を明け渡すべく、部屋の片づけをする以外ない。 ということでK教授はこのところ毎日、研究室の片付けに明け暮れております。研究室配架の本を附属図書館に返却したりね。 そして私費で買った本に関して、既に大概は古本屋に売っちゃったんだけど、残りはもう捨てるしかない。ということで、そういう本や雑誌を紐で縛って、大学のゴミ捨て場に持っていく。 そんな作業をしていると、すぐに疲れちゃうんですって。 しかし、想像するに、その疲れには、寂しさの分も含まれているんだろうなと。 一昔前であれば、定年退職する先生方のために、大学も送別会を用意したりしたんですけど、コロナでそれもなし。もちろん、学生主宰の謝恩会もありません。それに退職教授の花道たる「最終講義」も、コロナでなくなってしまった。となると、もう黙って消えるのみ、という感じになってしまう。寂しいですよね・・・。 で、K教授曰く、この状況の中で何が一番寂しいかというと、退職するのに花束をもらうチャンスがないということだそうで。 ふうむ、そうか。花束か。 そうね。人生の節目には、花束があるべきだよね・・・。花束って、そういうもんだよな。 ま、K教授とは同僚として三十年の付き合い。私も7年後には、先生と同じ気持ちになるのかなと思いながら、いつもアニキのことを見ていた。7年先の自分を先生に重ねて見ていたといいましょうか。 だから、7年後に、誰かが私に花束をくれることを期待しつつ、いよいよご卒業のアニキには私から花束をお渡しすることにしましょうかね。
March 4, 2022
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昨夜、NHKのニュース番組を見ていたら、ニュースの終了と同時にアントニオ猪木の現在を取材した番組が始まったので、思わず続けて見てしまいました。 何を隠そう、子供の頃の私は熱狂的なプロレス・ファンでね。当然、猪木の全盛期も知っているし、猪木対モハメド・アリの試合も観ておりました。まあ、アリ戦は、子供心にも「とんだ茶番だな」とは思いましたが。 もっとも私は全日のジャイアント馬場ファンだったので、アントニオ猪木にそこまでの思い入れはないのですが、それでもこのところ猪木さんも体調が悪そうで、しかし、それでも病魔と果敢に戦っていて、そこはすごいなと。 今書いている自己啓発関連本には、「スポーツと自己啓発」という一章も組み込むつもりなんですが、その中で猪木さんの「元気ですかーーー! 元気があれば何でもできる」という名セリフについては言及しようと思っております。あれは、日本が誇るべき自己啓発的格言だからね。ほんとに元気があれば何でもできるからね。 とまあ、そんなことを考えながら見ていたら、突然、懐かしい顔が画面に登場してきた。 私の中学時代の同期生M君。 彼は学校を出た後プロレスラーとなり、猪木の信頼も得て、今もなおプロレス界で仕事をしているようですが、そんな懐かしい顔がテレビに大アップになったので、思わず見入ってしまいました。 ちなみに、私もかつて、M君と柔道で戦ったことがあるからね。15秒で負けましたが。 だけど、昨夜、テレビの画面で見たM君は、穏やかな顔をしていてね。彼も歳をとって丸くなったんだなと。 私がM君に関して一番印象に残っているのは、中学2年の時、彼がうちのクラスに殴り込みに来た時のこと。 私のクラスの友人の I君(柔道部)が、柔道で戦ったらMなんて一ひねりだ、みたいなことをどこかで言ったらしく、それを人づてに聞きとがめたM君が、殴り込みに来たのよ。 ホントに殴り込みに来たので、一言二言、「てめえ、俺より強いとかほざいたらしいじゃねえか!」みたいな感じでいきなりIに殴り掛かり、そのままボコボコにしてしまった。I君も相当に強い奴でしたが、一方的でしたね。それでそのままI君は病院送り。あの時は、M君の激高ぶりと中学生レベルを超えたパンチにあっけにとられ、仲裁とか考えられもしなかった。ただただ呆然。まあ、でもあのくらい強い奴がプロの格闘家になるんだろうなと。 あの時から比べると、昨夜のM君のなんと穏やかなことよ。 とまあ、かつての同期生の顔を久々に見て、ちょっと懐かしくなった私だったのでありましたとさ。
March 3, 2022
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実家で母の面倒を見ている姉からラインが来まして。 今日のお昼は、肉まんで簡単に済ませたようなのですが、それを出したら90歳の母が珍しがって、「こういうものは食べたことがない」としきりに言っていたと。 なるほど。 そういえば、たまに実家に帰った時など、お土産のお菓子などを食べながら、母がよく「こういうものは食べたことがない」と言うことが増えたような気がする。たとえそれがいつも決まって持っていくお菓子であっても。 あれですな、齢も90を過ぎると、世の中のことが退屈になるどころか、どれもこれも新規の経験になっていくもののようですな。 私もあと30年くらいしたら、そうなるのかな。「ほう、これが卵焼きというものか。初めて食べるなあ」とか。「へえ、これがシュークリーム? これはまた珍しい。初めて食べます」とか。 まあ、それはそれで楽しいよね? 日々、新たな経験が待っているなんて。お天道様の下に珍しいものなし、なんて分別ぶるよりも、ひゃー! こんなの初めて~! という方が退屈しなくていいのかもね。
March 2, 2022
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私が編集を担当している科の紀要、ようやく版下が完成し、今日、出版社の方とスタバで会って、無事入稿を済ませました。いやはや、これが終わるとホッとする。入稿しちまえば・・・まあ、校正はあるけれども・・・ほぼこちらのやることは無くなって向こう任せの状態になりますからね。 ということで、今日のお昼は家内と近場で外食し、帰りがけに業務スーパーに寄って色々買ったり、大型電器店に寄ってスマホの急速充電用のコンセント(壊れちゃったので)を買ったり、市立図書館に寄って雑誌を借りたりして、面白く過ごしました。 で、電器店で買い物をした時、たまたまレジを担当してくれたのが、おばちゃんの店員さんだったんですけど、この人が実に有能かつ親切でねえ。 レジを打つ前に、この店のポイントがあるかどうかを確認してくれて、そのポイントのうち数ポイントが今月で切れてしまうことを発見するや、コンセントの料金の内、1000円を超す部分をポイントで支払ってはどうですか? と提案、さらにこの店のクレジットカードの暗証番号を忘れちゃったと言うと、心当たりの番号をトライしてみてはどうか? と言ってくれて、実際やってみたらビンゴ。万事うまいこと買物を済ますことができた次第。 この一連の流れを、そのおばちゃんは押しつけがましくもなく、実にスマートに親切にほがらかに担当してくれて、客としては実に気分がよろしい。こういう気の利く店員さんは、店の宝だよね! それにしても、私の経験から言うと、ある程度年配のおばちゃん店員さんに、この手の優秀な人が多いなと。 例えばコンビニなんかでも、若い女性の店員とか、ぶっきらぼうな子が多くて、ブスっとした態度でレジ打ちされてヤレヤレと思うことが多いのですが、そういう時におばちゃんだと親切気があって、いいよね。選べるなら、私は断然、おばちゃんレジを選ぶ。 ということで、今日は超有能で親切でニコニコしているビューティフルなおばちゃん店員さんのおかげで、一日いい気分だったのでした。やっぱり人間、亀の甲より年の劫だねえ・・・。
March 1, 2022
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