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今年もついに大晦日となりました。今日で2022年も終わり。 さて、そんなこの日に私がしたのは、本屋さんで一冊本を買うこと。そう、私は毎年年末に一冊、専門外の本を買い、それを元日に読むことを自らに課しているのであります。 それはブレイン・ストーミングの意味がありましてね。 私のような職業ですと、毎年、山のように本を読むのですが、そのほとんどは仕事に関連するものばかり。だからその時々に調べていることには詳しくなりますが、世間は確実に狭くなる。 だからせめて一年の始まりくらいは、専門外の本を読んで脳ミソを刷新しようというわけなんですな。 で、その専門外の本を買いに、たとえばジュンク堂のような大型書店に行ってしまうと、置いてある本が多すぎてどれを買っていいか分からなくなる。 だから、私は毎年、実家近くの小さな本屋さんである「ブックポート203」に行って、本を買うわけ。この小さい本屋で本を買うというところがいいんだ。 で、今年は何を買ったかと言いますと、大島新さんの『ドキュメンタリーの舞台裏』という本。映像制作というのは、やっぱり本を書くという行為とは異なりますから、私にとっては未知の世界。そういう世界でクリエーターは何をしているのか。ちょっと興味があるでしょ?これこれ! ↓ドキュメンタリーの舞台裏 [ 大島 新 ] ということで、明日2023年の元日は、この本を読むことでスタートすることになった次第。 さてさて、今年もこのブログに色々なことを書き散らしてまいりましたが、こんなものを読みに来て下さる皆さまには感謝しかありません。今年一年、ありがとうございました。新年も、なるべく休むことなく、「昨日と違う今日の私」の在り様を記録すべく、何かしら書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、皆さま、よいお年を! このブログを読まれている方だけに幸せが訪れますよう、祈念しておりますです。
December 31, 2022
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年末も大分押し詰まってまいりました。 さて、実家にいける私の年末のミッションはまず第一に黒豆を煮ること。というわけで、昨夜から水に漬けておいた黒豆を朝から煮始めました。明日の夜まで、まる二日かけて煮るんですが、煮てはさまし、煮てはさましを繰り返しながら、徐々に甘みを入れていくというね。大変なのよ。 で、それは例年のことなんですが、今年はもう一つミッションがありまして。 なんかね、洗面所のカウンターの一部が黒ずんでしまいまして。最初はカビかと思いましたが、漂白剤などを沁み込ませても全然消えない。 ということで、もうこれは私の出番かと。 で、今日、正月用の買い出しに出た時、ホームセンターに寄ってサンド・ペーパーと水性ペンキを買ってきまして。で、サンドペーパーをかけて表面を平滑にし、その上からもうペンキを塗ってみたと。 すると・・・ あーら、遠目に見たら分からないくらい、黒ずみが消えたじゃあーりませんか! これで完全に乾燥させてからもう一度細かい目のサンド・ペーパーをかければ、結構、きれいな仕上がりになるのではないかと。 ということで、今年は黒豆を煮ることの他に、洗面所の改善に貢献してしまったワタクシ。なんかとってもハンディ・マンっていう感じがしてきた。 人の役に立つというのはいい気分。今年はいい年末になりそうです。
December 30, 2022
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今日も今日とて、卒論の添削と、自分の本の校正をやっておりました。 でね、校正をやっていると、まあ、色々直すべきところが出てきて、冷や汗をかくことばかり。 よくあるのが、日本語の同音異義語問題ね。 例えば「意思」と「意志」。どういう時にどちらを使うか、ちゃんと分かっています? あるいは「趣旨」と「主旨」。 あるいは「追及」と「追求」。 日本語にはこの種の同音異義語が山ほどあるんですけど、そういうのをよく間違って使っていたりするのよ、無意識のうちに。 そのほか、例えば「かくして、・・・」のようなフレーズを、近い箇所で続けざまに使ってしまっていたり。そういうのも、何で最初に書いた時に気づかないかなぁ、と思うのですけど、気づかないものなんだな、これが。 とまあ、とにかく直すべきところばかりで、本当に嫌になります。嫌になるというより、不安になる。直しても直しても、直しきれないんじゃないかと。 ま、それでもね、一つ直せば、確実にその一つ分だけは良くなるわけだから。頑張って、最後までやり遂げますよ。
December 29, 2022
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今日は年末・年始を実家ですごすべく、帰省しました~。 上りということもあり、今日の東名・新東名はとくに混雑もなかったんですけど、足柄を越えたあたりで事故渋滞。トンネル内で3台ほどがからむ事故があったようで、3キロ進むのに1時間掛かっちゃった、迷惑な話。ちゃんと運転しようよ。 帰省したって、別に普段とやることは変わらないんですが、それでもね、こちらの方が人数がいるものだから、いつも夫婦ふたりだけの世界とはにぎやかさが違う。この期間だけ、このわっさわっさした雰囲気を楽しむってのがいいわけですよ。 というわけで、今日からしばらく東京からのお気楽日記。どうぞお楽しみに!
December 29, 2022
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卒論の締め切りが来月10日なもので、うちのゼミ生たちも今は卒論提出へ向けて最終コーナーを回ったところ。ということで、ここのところ毎日、最終章のチェックをお願いします! とか、提出版を作ったので、注や文献目録のチェックをお願いします! といったようなメールがゼミ生たちから頻々と届く。 まあ、でも、今年は割と順調だったかな。5人のゼミ生のうち、4人はほぼ終わったもんね。この調子なら、新年まで持ち越すことなく、年内に全部終わっちゃいそうですわ。 とはいえ、ゼミ生が草稿を送ってきてくれないことには添削もできない。 っつーことで、卒論指導の合間に、あれこれ本を読んでおります。 で、今読んでいるのは、吉田修一の『さよなら渓谷』。もう半分くらい読んだかな?これこれ! ↓【中古】 さよなら渓谷 新潮文庫/吉田修一【著】 【中古】afb 何でこの小説を読んでいるかといいますと、この小説の主人公の名前が私のペンネームと一緒だから。 で、小説の中で主人公のフルネームが出てくる度に、なんだか自分のことを言われているみたいで非常に・・・気分が悪い。 そりゃ気分悪いですよ、だって、この小説の主人公って性犯罪者なんだもん。 まあ、人の名前なんて無限にあるわけじゃないから、そういうことが起こるのも仕方がないのでしょうけど、犯罪者の名前と同じにされるのは、嫌なものですな。ま、ペンネームだからいいけど。 さすがに私の本名の「釈迦楽若尊」なんて抹香臭い名前の登場人物は、いかな小説家といえども、思いつかないだろうな!
December 27, 2022
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ネットフリックスでダニエル・クレイグ主演の映画『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』を観ましたので、心覚えを。以下、ネタバレ注意ということで。 ダニエル・クレイグが南部訛りのある名探偵ブノワを演じる『ナイブズ・アウト』シリーズの第二作目ですが、前作が割と面白かったので、今回も期待して観た次第。 IT企業の創業者社長で億万長者のマイルズが、同社の創業に力を貸した仲間をギリシャの島に招待し、マイルズ自身が殺されるという筋立てのミステリー・ゲームを楽しむのですが、そこで本当の殺人が二件勃発。たまたま招待されていた名探偵ブノワがこの殺人事件の真相解明をするというストーリー。 なんですが・・・ なんか取って付けたようなストーリーで、億万長者が自らの殺人ミステリーを仕組むというのも陳腐な話。そして実際の解決も納得できないことばかり。せっかく出だし好調だった『ナイブズ・アウト』の第二作としては、大失敗だったのではないかと。私の評価点としては、55点。赤点不合格でございます。 だけど、観終わった後でrotten tomato を確認したら、評論家点も一般店も90点台でえらく評価が高い。はい、いつも通り、私と世論はこれほどかけ離れているというね。 でも、アレだね。007シリーズを降りたダニエル・クレイグ。この先、どういう風になるのだろうか。『ナイブズ・アウト』では、南部訛りの名探偵というちょっとおちゃらけたキャラを演じ、ジェームズ・ボンドのイメージからの脱却を試みているのかも知れないけれど、必ずしも成功しているようには見えず。一度染みついたボンド俳優のイメージを払拭するのは、苦労するかもね。 でも今回の第二作でも、ブノワと同居する男性(ヒュー・グラント)がチラッと登場したところを見ると、ブノワはゲイという設定なのかな? まあ、ボンドから離れるために、そこまでやらないといかんのかと思いますが、第三作にはおヒューも登場するのかも。なんか惨状が思い浮かびますが、おそるおそる、クレイグの将来に期待することにしましょうか。これこれ! ↓『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
December 26, 2022
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この時期、新聞各社はその書評欄において「書評委員による、今年の3冊」みたいな企画をするのがお決まりで、我が家が取っている某Y新聞も、今日、その特集でした。 が! 最近、各書評子が挙げる「今年の3冊」で、読みたいと思う本がないんだよな~。その存在すら知らない本ばかりが挙げられていて、しかも、あまり興味を惹かれない本ばかりという。 ま、こういうのを多様性というのでしょう。色々な方面に興味を持った人たちが、それぞれの興味の向く範囲で本を読み、その中からベストを選ぶという。 しかし、それだと、「この時代を生きた人なら、誰もが読むべき本」みたいなものが定まらないよね・・・。 聞くところによると、朝日新聞の書評も似たり寄ったりのようですが、毎日新聞では、何人かの書評子が『編集者ディドロ』を挙げたという噂もあり。だとしたら、少なくとも人文系の本の中では、2022年の読むべき本は、これだったのかもね。これこれ! ↓編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森 [ 鷲見 洋一 ] この本に関しては、学会の先輩からも薦められたこともあり、やっぱり読んでおこうかな。
December 25, 2022
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昨日、夕方6時過ぎからちょいと家内とドライブしまして。いや、クリスマスも近いということで、どこかクリスマスっぽいイルミネーションでも見に行こうかなと。 まあね、名古屋も栄あたりまで行けばきれいなイルミネーションが見られるのでしょうが、そこまで行く時間がない。ということで、自宅近くでちょっとでもそれっぽいものが見られればいいかなと。 で、近くのイオン・モールに行ってみたと。まあ、行く先がイオンというところが、ちょいとダサいところなんですが。 ところが! 全然、クリスマス・イルミネーション的なものがないのね、イオンって。いやあ、イオンなんて儲けているんだろうから、この時期、モールのどこかにはでっかりクリスマス・ツリーでもぶっ立てて、燦然とLED満艦飾をかましているのかと思っていたら、なんとこのざまよ。 だから、せっかくクリスマス・イルミを見に行ったのに、何もなしという結果に。もちろん、適当にショッピングは楽しみましたから、いいんですけれども。 それにしてもね! クリスマスといったら、町中のどこもかしこも電飾で輝いて、うるさいほどにクリスマス・ソングがあふれていた、あの昭和のクリスマスを覚えているおっさんとしては、寂しいなと。令和って、こんな感じか・・・。 まあ、それはそれとして、一夜明けて今日はクリスマス・イヴ。我が家では、私がディナーを調理することになっております。ワインも用意してあるし、プレゼントも用意してある。いいよ、イオンが湿気ているとしても、我が家はド派手な昭和のクリスマスだ。大いに楽しむことといたしましょう。 それでは、これをお読みの皆さんも、メリー・クリスマス! 良い休日をお楽しみください。
December 24, 2022
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来年2月に出る予定の新著のゲラが、今日、届きました。 ゲラになって初めて、どのくらいのページ数になるのかが正確に分かるわけですが、出てきたゲラを見たら、なんと、343頁もあったという・・・。 いやあ・・・。せいぜい250頁くらいかと思ったら、またまた分厚い本になっちまったよ・・・。 はい、この本は売れないな。人はね、300頁を越すような本を買いませんから・・・。 まあ、仕方がない。書いちゃったものは今更削れないし。 ということで、早速校正作業に入りたい・・・ところなんですが、今は次から次へとゼミ生から卒論の草稿が送られてくる状況で、そちらの添削を優先させなければならないので、当面、ゲラはお蔵入り。とりあえずは卒論の仕事を片付けてから、年末・年始に頑張って校正をすることにいたしましょう。 あー、だけど、ゲラっていいな。いよいよ自分の書いたものが実際に本になるという手応えがある。本を出すってのは、何度やってもいい気分。自分で思うけど、私はホントに本を出すのが好き。 よーし、早く校正作業に入れるよう、卒論の方をやっつけますか!
December 23, 2022
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今日は冬至だそうで、一年で最も昼の時間が短い日。ということは明日から日一日と日が伸びていくわけで、ある意味、一年が陰から陽に変わる転換点でもある。 ってなことも含みまして、今日は2022年という年が自分にとってどんなインパクトがあったか、カウントダウン形式で振り返ってみましょう。第8位:学内で一人ぼっちになる 私がかつて所属していた学科がお取りつぶしとなって、数年前に私は今所属している新設学科に移籍したわけですが、新設学科の同僚の数人は、私と同じ旧学科からの流れ者であったんですな。ところが、その流れ者仲間の人たちが定年を迎え、一人、また一人と去っていった結果、今年度、私はついに旧学科からの仲間を全員失って一人ぼっちになってしまった。 職場環境という点からみると、結構大きい変化でしたかね・・・。 そういうこともあって、今年、私は、なるべく自分より若い世代の同僚と交流することを心がけてきました。昔と違って、今は教員間の結びつきが薄いので、自分から積極的に出て行かないと、親しい人間関係は築けないのよ。 ま、その結果、何人か、新たな「茶飲み友達」的な同僚もできたところもある。私がこの大学にいるのも後数年ですが、せめてその間、楽しい職場にしたいですからね。第7位:結婚保証人になる これはつい最近の出来事ですが、生まれて初めて、結婚保証人になることを頼まれました。これも上に述べたことの一環ではありますが、そういうことを頼まれる身になったということが、自分的にはちょっと印象的な出来事として、心に残りました。第6位:大手出版社に頼まれ、ネット記事を書いた 日本最大の出版社から頼まれて、ネット上の雑誌記事を書いたのですが、紙媒体でないものに書くという経験をしたのは、ちょっと面白かったかも。第5位:文庫本の解説を書いた これも新しい経験でした。面白かった。第4位:講演を沢山した 学会の支部大会規模の講演や、地元の市民団体に依頼されての講演、あるいは女性団体に頼まれての講演など、今年前半は講演続きでした。学会発表は数をこなしてきたけれど、一年で3度も講演をしたというのは初めて。第3位:文芸評論を書いた これも新しい経験。学術論文は数多く書いてきたけれど、文芸評論、それも日本文学の文芸評論となると初体験。担当月になると、出たばかりの文芸雑誌をかき集めて一気読みし、その中から取り上げるべきを選んでなにがしかのことを書く。こういう一連の作業を定期的にこなしたことは、プロのライターとして貴重な経験となりました。第2位:体調を崩した 今年の秋口は体調が悪かった! おかげで結構、鬱々とした日々を過ごしましたね。 それと同時に、間もなく還暦となる年齢のこともあり、いつ死んでもおかしくないし、最もラッキーな場合ですら、あと20年か30年もしたら死んじゃうんだと、つくづく気づかされました。20年、30年と言ったって、こう一年が飛び退るように過ぎ去っていくとなると、あっという間だからね。 そういう意味で、ここらで今一度、死ぬまでに自分は何がしたいのか、その中で一番プライオリティーが高いのは何か、しっかり考えて計画を立てなおした方がいいのかもね。 そういうことを考えさせられたというのは、いいことだったと思います。第1位:本を一冊書きあげた 今年は本を一冊書きあげ、もうすぐゲラが出る状態。単行本を一冊書きあげるというのは、いつだって苦労するし、その分、ワクワクもする。やっぱり、今年の私的ニュースの一番は、コレです。 とまあ、こんな感じかな。 とにかく、今年は沢山文章を書いたなって思います。書く仕事を沢山した。だから、私にとって今年を表す漢字一字は「書」なの。浅学菲才の身からすれば、ずいぶん頑張りました。あんたはエライ! 今年もまた、自画自賛で暮れていくのでありました、とさ。
December 22, 2022
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高見知佳さんが亡くなられたとのこと。享年60。ううむ、ほぼ同世代。同世代の人が亡くなると、なんかゾッとしますなあ。しかも高見さんはこの間の選挙にも出られて、お元気そうだったのに、それが秋に癌と診断されて年内に亡くなったわけでしょ。やっぱり癌って怖い病気ですな・・・。ご冥福をお祈りします。 ところで、癌も怖いけれどコロナも怖い。愛知県のコロナ罹患者数も鰻登りですけれど、なんとなんと、うちの科でも若手の准教授二人が同時にコロナにかかったらしく。今日の会議を欠席しておりました。 かかった先生のうちの一人は、持病があるので、若いのにしんどい思いをして5回目のワクチンを既に打っていたはず。それなのに結局、罹っちゃうんだから、可愛そうだよね! っていうか、ワクチン打つ意味ある? ワタクシも、この間4回目の接種をして、しばらくは大丈夫だろうと思っていたけれども、5回打った人が罹患するんじゃ、安心できないな。 年末・年始、また人混みを避けて蟄居か。もう、この状況、一体いつまで続くのやら・・・。
December 21, 2022
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ワタクシ、生まれて初めてアレになってしまいました。 結婚保証人。 ふうむ。わしもついにそういう年齢になったのだのう・・・。 いや、年下の友人から連絡があり、近々入籍するので、ついては結婚保証人になってもらえないかと。 めでたい話なので、もちろん即答で引き受けることに。そりゃそうだよね。まあ、こういうことを頼まれるというのも、そうそうないことではあるし。 コロナ禍ということもあり、当分は結婚式を挙げるというような予定もなく、しかし、入籍だけは新年早々に済ませたいということで。まあ、この時期、結婚する人の中には、これと同じようなケースが多いんだろうな。 ま、とにかく、「戦」なんて字が「今年の漢字」に選ばれるような一年ではありましたが、その最後の最後にこういう目出度い話が舞い込んできたのも、いい兆候なのかもね。 ・・・いや、あれか。結婚もまたいずれ「戦」に転じるのか? ま、それは結ばれるお二人にお任せするということで。
December 20, 2022
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文芸時評を書いていて、一つ、悩ましいことがありまして。それは作家の呼び方なんですが。 文芸時評だから色々な作家の名前を出さなければならないのですが、さて、どういう風に言及するのが正解なのか。 例えば夏目漱石に言及する時、どうします? まあ、漱石、と呼び捨てにしますよね? 「漱石の『こころ』」と言えばパッと分かる。一方、「夏目の『こころ』」と言って果たして通じるのか? では古い有名作家は名前の呼び捨てでいいとして、最近の有名作家は? 例えば多和田葉子だったら? まさか「葉子」ではないですよね? ならば「多和田」と呼び捨てていいの? それとも「多和田さん」とさん付け? それとも「多和田氏」? で、もし同じ文章の中で、夏目漱石と多和田葉子の両方に言及する場合は? 例えば「多和田氏も指摘するように、漱石の『こころ』には・・・」と書いた場合、多和田葉子の方には氏をつけ、夏目漱石は名前の呼び捨てになるけど、それでいいの? 統一とれてないけど? あるいは、個人的に知っている人の場合は? 例えば私は、坪内祐三さんのことに言及する場合、「坪内」と呼び捨てにするなんてとてもできない。どうしても「坪内さん」になってしまう。そうなると、「漱石」「多和田氏」「坪内さん」と、三者三様になっちゃうんですけど? ほら。作家の呼び方だって、結構、難しいでしょ? ま、結局、ケースバイケースというか、その場その場で、一番ふさわしいと思う呼び方で呼んでいくしかないのでしょうが、そうなると、どうあがいても統一はとれないな。 日本語って、難しいよね。
December 19, 2022
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お笑い好きのワタクシ、つい先ほどまでM1グランプリを見ておりました。 最終審査に残った三組の中で、ウェストランドはまあ、論外として、ロングコート・ダディとさや香、どっちかなー。どっちも同じくらい。ワタクシはさや香のネタが好きだけど、ワタクシの好みは大概、世間様とは合わないので、おそらくはロングコート・ダディの優勝かな・・・と、そんな風に予想していたわけ。 そしたら優勝はぶっちぎりでウェストランドだったという・・・。 いやあ、ここまで私の意見は世間様とは異なるのかと。笑うしかないな。 さて、今週末のもう一つの楽しみは、もちろんサッカー・ワールドカップ決勝戦。 私としては、メッシの優勝が観たいけれども、ワタクシの意見は世間と真逆だからな。フランスが優勝するんでしょう。いや、こればっかりはワタクシの意見とは関係ないか。 まあ、どちらにしてもいい試合が観たい! 明日は若干、応援疲れしちゃうかも知れませんが、今日は試合終了までしっかり応援して、結果を見てから寝ることにいたしましょう。
December 18, 2022
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2022年を振り返るシリーズ第3弾、「今年のベストバイ」、行ってみましょう! と言っても、今年は忙しすぎて、あまりモノを買ってないんですわ。だから、ベスト10すら構成できないという。申し訳ないですけど、第8位から。第8位:パイロット水性ボールペン「Juice up」【お買い得品】パイロット ゲルインキボールペン ジュースアップ 0.3mm ブラック LJP-20S3-B・50個までメール便可 最近買って、年賀状はすべてこれで書いたのですが、書き味が良くてすっかり気に入りました。文房具好きにはたまらない。ジェット・ストリームばかり使っているあなた! たまには他社製品に浮気してみるってのもいいですよ、文房具に関してはね!第7位:無印良品 フランネルスタンドカラーシャツこれこれ! ↓無印良品 フランネルスタンドカラーシャツ たまたま手に入れて、秋冬のシャツとして愛用しました。すごく暖かいんですよね。肌ざわりもよくて。スタンドカラーというところも、私にはちょっと珍しいところ。第6位:オールデイズのCDこれこれ ↓オールデイズ コンピレーションCD まあ、洋風の懐メロですわな。でも550円で買えるこのシリーズは見つけものでした。ロック編、ポップス編など、大いに楽しみました。第5位:サガミ食品「ピスタチオ・スプレッド」 今年はピスタチオ・ブームでしたが、ワタクシ的には今一つ。でも、このスプレッドだけは抜群に旨かった。お薦めです。これこれ ↓SAGAMI ピスタチオスプレッド 200g第4位:雲切目薬これこれ! ↓雲切目薬 仕事でパソコンとずっとにらめっこした後、目が疲れた時には、これですわ。第3位:ワークマン・ダウンジャケット 久しぶりに買ったダウンジャケット。コスパが素晴らしい!これこれ! ↓ワークマン・ダウンジャケット第2位:パリーミキのメガネ メガネ、新調しました。今回は黒縁。眼鏡は顔の一部ですからね。重要なお買い物でした。 そして栄えある第1位は・・・第1位:ゲーミング・チェアこれこれ! ↓ゲーミングチェア ゲームチェア チェア リクライニング ゲーム eスポーツ ブルー 青 東馬 SeAGA-03 BL 【同梱配送不可】【代引き不可】【沖縄・北海道・離島配送不可】 新生活 書斎用に買ったのですが、座面が広く、椅子の上であぐらが組める。しかもオットマン付きで、背もたれもほぼ床面に水平になるまで倒れるので、この上で寝れる。パソコンの前に長時間座る身としては、とてもいいです。 ま、今年はこんな感じだったかな~。 買い物はレクリエーション、そしていい買い物は、人生における良き出会い。そんなつもりで、来年も素晴らしいグッズと出会い、それを入手できればいいなと思っております。
December 17, 2022
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前に読んだ林真理子さんの『野心のすすめ』が面白かったので、その続編・・・というわけでもないだろうけれども、野心家のその後を綴った『成熟スイッチ』も読んでみようかと思い、実際に読んでみました。 で、本作は、母校である日大の理事長になったことを一つの節目と見て、そこから自分の過去を振り返ってみた、という体裁なんですけど、まあ、ご本人もこの本の中で言っているように、田舎の本屋さんの娘として生まれ、本ばかり読んでいるぐーたらな若年時代を過ごし、大学時代にバイトをしても、後から入った高校生のバイトに先に上位職を奪われるなど、まあ、パッとしない青春時代を過していたわけですな、林さんは。 ところが、そのパッとしなかった本屋の娘さんが、今や日大の理事長。本人だって、若い時には想像もしなかった状況。でも、理由なくそうなるわけはないのであって、実際、今日の状況を創り出すだけの努力を林さんはやってきた。 実際、本書を読むと、すごいですよ、林さんの努力ぶりって。『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がヒットして一躍、時の人となったけれども、出版社/者の中にはそういう林さんを快く思わない人もいたらしく、林さんも相当いじめられたりもしたんですと。 でも林さんが凄いなと思うのは、そういうプラスの状況、マイナスの状況を、結構、冷静に遠くから見ているところがあって、マイナスならマイナスで、「ああ、こういうことをすると、こういう反応をされるのね」というのを敏感に察知、そこで反省すべきは反省し、放っておくべきところは放っておくなどして、次に進むための糧にしちゃうんですな。でまた、嫌なことをされて嫌だなと思ったことについては、自分は他人に対してそういうことは絶対にすまい、という形で、自分の人生の指針にしてしまう。逆に、自分が先輩からされて嬉しかったことは、後輩の人たちにお返しする。そういう意味で、林さんは、リアクションがものすごく上手いわけ。 で、そういうリアクションの上手さの秘訣になっているのは、人生を長いスパンで見る、ということをご自分に課しているということ。だから、多少のマイナスがあっても、いずれプラスなことが生じれば、プラマイゼロになるじゃん、というような大局観があって、それで個々の嫌なことに対して過剰な反応をしなくて済む。そういう知恵を持っているんですな、林さんは。そして、そのことは素晴らしい人生の知恵だと思う。私も勉強になります。 だから、林さんは、例えば書いた小説がベストセラーになったりすると、人間ドックを受けるんですって。いいことがあれば、悪いこともあるんだから、それに備えるわけね。賢いね、この人は。 でまた、林さんは、自分の得意なことを育てるのも上手いのよ。 林さんはコピーライターから小説家に転じたわけですけれども、最初は一人称小説でスタートしたんですな。 だけど、それだけではダメだと思い、次にモデル小説にチャレンジして三人称小説を書くトライをするわけ。だけど、歴史上の人物をモデルにした小説だけじゃだめ、もっと男女の性愛まで描かなければなどと先輩作家(渡辺淳一)からアドバイスされたら、それに素直に従って、そういう小説にもトライしてもる。そうやって、自分に書ける小説のカテゴリーをどんどん増やしていくんですな。だから、ますます書くことに対する自信もついてくると。 ほんと、林さんの快進撃を見ていると、この人は人のアドバイスをよく入れる人だし、努力もする人だなというのがよく分かる。礼儀正しいしね。 だから、この本を読むと、林真理子という人は、100年に一人の大天才ではないかも知れないけれども、ほんとにまともな考え方をする人が、常識・良識をよくまもり、自分の才能を大切に育て、磨きをかけていき、人との交際を大切にしていけば、やがては人の上に立つ人になれるんだ、ということがよく分かる。いわば、種も仕掛けもある人生のマジックですわ。 そういう意味で、この本も立派な自己啓発本ですな。『野心のすすめ』もそうだったけれども。 ということで、私はこの本、評価しますよ。いい本です。おすすめ!これこれ! ↓成熟スイッチ (講談社現代新書) [ 林 真理子 ] それにしても、この本を読んでいると、林真理子って、小説家として稼いでいるんだなあ、というのがよく分かる。お金の使い方が凄いもん。それだけだって、大したものだよね! スゴイ人ですよ、この人は。
December 16, 2022
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ダンスの動画が好きで、よく見るのですけど、最近見つけたこの動画はスゴイと思う。一体これはどういうことになっているのだろうか? 昔、ブレークダンスを初めて見た時もスゴイと思いましたけど、これはまた一体、何がどうなっているのか、こんなことが人間に出来るのか、ビックリしました。これこれ! ↓異次元のダンス?
December 15, 2022
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さてさて、今年を振り返る企画第2弾として、今日は「今年読んだ本ベスト」の発表と参りましょうか。 とは言え、まず最初にお断りしておきたいのは、私は今年、ろくに本を読んでいないということ。例年の5分の1くらいじゃないでしょうか。 というのはですね。自分が本を書いていたからですね。このブログでも何度か言っておりますが、私、自分が本を書いている時は、他人の本は読めないの。で、今年はずーーーーっと本を書いていたので、ずーーーーっと本を読んでないの。 ってなわけで、以下に示すベストは、ほんの少量読んだ本の中から選んでいるので、とても自慢できたシロモノではござんせん。それをご承知おきの上、何かの参考にしていただければと。では、第6位から。第6位:三浦知良著『やめないよ』 はい。キング・カズこと三浦知良さんの本ね。っていうか、これは仕事がらみで読んだのですが、今年、スポーツ系自己啓発本として、サッカー選手の書いた本をかなり大量に読んだんですな。で、それはそれぞれ面白かったのですが、カズさんのこの本は、その種の本の代表として挙げております。一つ、発見したのは、同じスポーツ系自己啓発本でも、(元)野球選手の書いたものと比べて、(元)サッカー選手の書いた自己啓発本の方がはるかに面白いということ。これがなぜなのか、ちょっと考えてみると面白いかも知れません。 いずれにせよ、カズさんが日々、どういう風にご自身のサッカー選手としての在り方を追求しておられるかというのが、この本を読むとよく分かる。いい本です。やめないよ (新潮新書) [ 三浦 知良 ]第5位:徳大寺有恒著『ぶ男に生まれて』 自動車評論家・徳さんの自伝ですが、「男の自己啓発本」の典型として、とても面白い。男の自己啓発本というのは、要するに、「なりたい自分」と「現実の自分」のギャップに苦しみながら、どうやって後者を前者に近づけるかという課題に取り組む、というタイプの自己啓発本ね。だからそこに葛藤があります。で、その葛藤が面白いわけ。一方、「女の自己啓発本」は、自分を棚にあげて「こうしたら美しい自分になれます」という指南をするだけだから、そこに葛藤がなく、ちっとも面白くない。『女性の品格』とか、そういう奴ね。 なお、男の、女の、というのは単なる名称で、女性著者が「男の自己啓発本」を書くこともある。例えば林真理子さんの書く自己啓発本は、葛藤を描くので「男の自己啓発本」です。【中古】 ぶ男に生まれて / 徳大寺 有恒 / 飛鳥新社 [単行本]【ネコポス発送】第4位:吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』 仕事の都合で小学校6年生以来何十年かぶりで読み直しましたが、やっぱり面白かった。小説として、ちゃんと読める。そして、色々考えさせられる。大したもんです。宮崎駿氏がこれをネタに新作アニメを制作するようですが、それも分かる気がする。君たちはどう生きるか (岩波文庫 青158-1) [ 吉野 源三郎 ]第3位:田村隆一著『詩人の旅』 旅行記として最良の部類。その文章のテクニックたるや、ものすごいものがあります。ライターとしての詩人の腕を舐めてはいかんなと、つくづく思いました。詩人の旅 増補新版 (中公文庫 た43-2) [ 田村 隆一 ]第2位:石光真人著『ある明治人の記録』 会津藩士がいかに薩長の連中のおかげでいかにひどい目に逢ったかというドキュメンタリー。明治維新のサイド・ストーリーとして、日本人の誰しもが一読して置いていい本なのではないかと。ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書 (中公新書) [ 石光 真人 ] そして栄えある第1位は・・・第1位:奈倉有里著『夕暮れに夜明けの歌を』 まあ、今年はこれでしょう。著者のロシア留学時代の話ですが、濃密な恋愛小説として読める・・・というか、傑作恋愛小説ですこれは。夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く [ 奈倉有里 ] とまあ、こんな感じかな。 ちなみに、今、保苅瑞穂さんの『プルースト 読書の喜び』という本を読んでいるのですが、これがなかなか面白い。もし年内に読み終わったとしたら、上位に食い込むこと間違いなし。ということで、番外でこの本のこともご紹介しておきます。プルースト 読書の喜び 私の好きな名場面 (ちくま学芸文庫 モー21-1) [ 保苅 瑞穂 ]
December 14, 2022
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昨年亡くなられた山本文緒さんの闘病記・・・ならぬ「逃病記」、『無人島のふたり』を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。 ちなみに山本文緒さんは1962年生まれなので、私と一つ違い。しかも神奈川県出身だから、若い頃どこかですれ違っていてもおかしくない。 で、そういう共通点を持つ人が、昨年の4月にすい臓がんでステージ4、余命4ヶ月と診断され、結局、半年後の10月に亡くなるまで、綴り続けた日記がこの本作であるわけ。 多少体調の悪いことがあっても、せいぜい、ストレス性胃炎くらいのものだと思っていたところ、余命4ヶ月と診断されてしまうわけだから、これはキツイ。そのキツイ中、それでもその時々の心情なり状況なりを綴ったのだから、さすが作家というのは、書くことにおいて根性があるなと。 だから、当然、これを読むのも相当辛いです。 よく、「どうせ病気で死ぬなら、癌がいい。癌なら死ぬまでにある程度時間があるから、その間、身辺整理をしたり、お別れを言いたい人にお別れが言えるから」なんてことを言う人がいる。でも、山本さんのこの本を読むと、余命宣告されてからの妙に間延びした日々ってのが、そんな悠長なことを言っていられない時間だっていうのがよく分かる。 だって、お気に入りのカフェに行くにしても、鰻を食べるにしても、友達に会うにしても、何をするにしても、「ひょっとしたら、これが最後だ」っていちいち思いながらやらなければならないんだから。 そして自分で自分の断捨離をして、まだまだ当分使うつもりで買った品々を「もう必要ないから」という理由で捨てていくわけでしょ。冬物の服を買おうったって、「冬まで生きてないかも」と思って断念しなきゃいけなわけだから。そういう、一瞬一瞬の辛い思いを、4カ月なり6カ月なり味わい続けなければならないなんて。想像するだに辛い。 でまた、癌の進行ってのが残酷なまでにいたずらなもので、どうかすると調子のいい日が続いて、「あれ? ひょっとしてまだまだ生きられるんじゃね?」っていう時期があると思うと、いきなり翌日にはものすごい倦怠感なり、発熱なり、嘔吐なりに襲われて、希望を打ち砕かれることがあったりする。そういう神経にダメージを与える状況がずっと続くんですから。 例えば2021年6月6日の日記にこう書いてある: 寝ても寝ても眠い。 お昼前に一度起きたが、倦怠感半端なく午後もまた寝る。 夜になって少しマシになり、起き上がって夕食。 食後、夫と録画してあった「アメトーーク!」を見る。 アッハッハと笑って全部みおわったら気持ちが無防備になったのか、「あー、体だるい。これいつ治るんだろう」と思ってしまい、「あ、そういえばもう治らないんだった。悪くなる一方で終わるんだった」と気が付いてだーっと泣いてしまった。(33ページ) こういう記述のリアリティが凄い。 実は私、この9月、10月に非常に体調が悪く、なんか悪い病気なのではないかと心配した時期があったもので、「ひょっとしたら、自分がそういうことになっていたかも」的な思いで読んでいたのですが、それだけ余計、読むのが辛かった。 辛い思いをされた山本さんのご冥福をお祈りすると同時に、今後、毎年線虫検査と人間ドックを欠かさずやろう、それも家内と一緒に、と天に誓ったのでした。これこれ! ↓無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記 [ 山本 文緒 ]
December 13, 2022
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今年も年末が近づいてきたということで、そろそろ「今年を振り返る」企画を始めましょうかね。 ということで、第1弾は「今年観た映画ベスト」。まあ、先生稼業は師走は忙しすぎて、この先、年内に映画を観る機会があるかどうか分かりませんのでね。 では、第5位から。第5位:『トップガン・マーヴェリック』 映画としていい悪いとか、そういうことを論じ始めたらリストには挙がってこない作品ですが、あのトップガンが帰ってきた、お帰りなさい、という意味で、どうしても挙げざるを得なかったという。そういうひいき目がなかったら、第5位に韓国映画の『モガディッシュ』を入れても良かったかも。第4位:『ファーザー』 見どころは、アンソニー・ホプキンスの一人芝居。年老いて頭がぼけていく様を、これほどリアルかつ幻想的に映像化したというところを評価して。まあ、自分もじきにこうなるのかということを考えると、観ていて辛くなりますが。第3位:『ホドロフスキーのDUNE』 カルト映画監督のホドロフスキーが計画し、半ば実現しかけながら、ついに幻に終わったSF映画『DUNE』の顛末を描いたドキュメンタリー映画。映像化不可能と思われたSF小説を、なんとか映画化しようと奔走するホドロフスキーの情熱と工夫のすばらしさ。実現はしなかったまでも、ホドロフスキーが集めた鬼才・奇才たちのその後の活躍を見ると、ある意味、1970年代半ば以降のSF映画は、この幻の映画化計画がなかったら存在しなかったんじゃないかと思われるほど。存在しない映画が後の映画に影響を与えるってどういうこと? と思いますが、実際にそうなんだから仕方がない。まあ、面白いドキュメンタリーでございます。第2位:『グランド・ブダペスト・ホテル』 かなり昔に封切られた映画を今年になって観た、ということなんですが、この退屈そうなタイトルの映画が、実に面白かった。ファンタジーのようでいて、実にリアルな話でもある。映画という形式でなければ語れない語りの世界。素晴らしい。 そして栄えある第1位は・・・第1位:『キングスマン ファースト・エージェント』 『キングスマン』シリーズはどれも傑作ですが、この作品も素晴らしかった。マシュー・ヴォーン監督作に駄作なし! キングスマンという秘密エージェントがいかにして設立されたか、そのエピソードを語る本作は、スリルとユーモアにあふれ、まったく観る者を飽きさせない。映画の楽しさを堪能できる作品でありました。 っつーことで、今年のベスト5は以上の通り。 ところで、これとは別に、今年は映画以上にテレビ・ドラマを堪能した年でした。 特に面白かったのは、アマゾン・プライムで観たアメリカのテレビ・ドラマ『ファーゴ』の「シーズン2」。これは実に面白い作品で、全10話を一話ずつ堪能しました。最近、ハリウッド映画は不振ですけど、ひょっとしてこの業界、今は映画ではなくテレビ・ドラマの方に注力しているのかなと思わせるほど、力の入ったサスペンス・ファミリー・ドラマ。これがあまりに面白かったもので、ついネットフリックスにも加入しちゃった。というわけで、今後はネトフリが制作した映画とかも観られるようになったので、来年のリストは、そっち系の映画・ドラマで占められるかも。 まあ、映画も、時代によって変わっていくものですな・・・。
December 12, 2022
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ケネス・ブラナーの映画『ベルファスト』が、アマゾン・プライムで観られるようになっていたので、短い映画だし、と思って観ちゃった。師走のクソ忙しい時に。以下、ネタバレ注意。 これ、1969年という時代設定で、当時のアイルランド、ベルファストを舞台にし、そこで暮らすある一家の物語を、その一家の少年(バディ)の視点を中心に描くというもの。ケネス・ブラナーの自伝的映画ということですから、バディはケネス・ブラナーその人なのでしょう。ブラナーは1960年生まれだから、映画の中の少年の年齢と一致します。 で、当時のベルファストは、プロテスタント住民とカトリック住民との折り合いが悪く・・・というか、その地域の内部では両者の折り合いはいいのですが、それが気に食わない外部の過激派(特に若い連中)が、カトリック住民を地域から追い出そうと、暴徒となって襲ってくるわけ。それで、その一角は軍隊によって取り囲まれ、その警備下で息をひそめて暮らすような感じになっている。 で、そもそもそういう地域トラブルが発生した原因としては、ベルファストの景気の悪さもあるんですな。それで主人公の一家も、お父さんはベルファストには仕事がなく、ロンドンまで出稼ぎに出ている。家族に会えるのは二週間に一度の週末だけ。だから、主人公のバディとその兄は、実質、母親に育てられている。そういう、経済的な不安があるので、たまに帰宅するお父さんとお母さんは、ケンカばかり。 とは言え、ケンカの原因は経済的な不安によるものであって、二人の関係が悪いわけではないのね。むしろ二人はすごく仲がいい。仲がいいのに一緒に居られないことが、しばしば起こるケンカの原因なのであって。 それにバディは、母親だけに育てられているわけではない。父親の両親が近くに住んでいて、このおじいちゃん、おばあちゃんにも可愛がられているし、近所の住人にも可愛がられている。だから、バディは、父親がたまにしか帰ってこないことを除けば、幸福な少年時代を過しているんですな。学校でも、キャサリンというガールフレンドが出来たし。 そんな時、父親は、ロンドンの勤め先から、好条件を示され、いっそロンドンで働かないかという話を持ち掛けられるんです。で、父親はその話に惹かれていく。何しろ、政情不安のあるベルファストで一家を養っていくのは大変なので。 でも、母親の方はベルファストに愛着があり、どうしても動きたくない。そしてそれはバディも同じ。で、ロンドンに引っ越すか、ベルファストに留まるかが、一家の悩みの種、火種としてくすぶり続ける。 でも、その後、ベルファストの政情はますます不安なものとなり、バディまでその暴動に巻き込まれてしまうと言うことが起こる。そして、一家の精神的支えでもあった祖父が亡くなるということも起こる。 かくして、一家はベルファストを離れる決意をするんですな。 とまあ、ベルファストという町で過ごした幸福な少年時代、そしてそこを離れることになってしまった一連の事情、そういうものをバディの心情から描きつつ、ある時代のある地域のことを語った映画、それが本作ということになるわけ。 少年が町を離れる映画、ということになると、『リトル・ダンサー』というスゴイ映画があって、本作をそれと比べちゃうと、大分見劣りはする。だけど、『ベルファスト』は、これはこれで、ノスタルジー溢れる佳作ではあります。私はケネス・ブラナーという俳優・監督が嫌いで、彼が出る映画や監督した映画は、とりあえず観ない方なんですが、本作はブラナー臭がそれほど出てないところがいい。 っていうか、俳優さんたちが結構いいのよ。おばあちゃん役のジュディ・デンチはちょっと演じすぎだけど、おじいちゃん役がいい。で、そういう脇役がいいので、それに支えられて成立しているっていうか。 といういわけで、ある時代のベルファストを描いた『ベルファスト』、興味のある方にはおススメです。 ちなみに、ケネス・ブラナーと私は3歳差で、ほぼ同世代と言っていい。だから、ケネス・ブラナーがベルファストで暮らした少年時代と、ワタクシの少年時代はほぼ同じ頃ということになるわけですが、ワタクシは暴徒に襲われるなんてことなかったですからね。世界の違う場所に住んでいると、違う経験をするものだなと。そんな感慨も得たことでありました。これこれ! ↓ベルファスト ブルーレイ+DVD【Blu-ray】 [ ジュード・ヒル ]
December 11, 2022
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昨夜のブラジル対クロアチア戦、観ました? いやあ、クロアチア・チーム、さすがにブラジル相手だとあっさり負けるかと思いきや、堂々の闘いぶりで1対1の同点に持ち込み、PK戦で勝利するという大どんでん返し! 腕利きのGKの存在も含め、下馬評を覆して最終的になぜか勝ってしまうクロアチア・チームの不思議な強さに惚れました。 でまた、このチームは、試合後の在り方も素晴らしい。 日本に勝った後、クロアチアの雷帝ことペリシッチが、歓喜に沸くチームの輪に飛び込むのではなく、悲嘆にくれる日本チームを慰めに来たじゃない。敵軍とはいえ、試合が終われば同じくサッカーを愛する者同士。相手チームのプレーヤーに対するこの敬意あふれる行為。 でまた、ブラジル戦でも、ペリシッチの息子が、号泣するブラジルのネイマール選手のところに慰めに行ったじゃない? あれもさ、あの父にしてこの息子っていうことだよね。 なんか、クロアチアって、いいじゃない。 その一方、アルゼンチン対オランダの一戦で、アルゼンチン・チームの何人かは、試合直後、負かしたオランダ・チームに対して、「ざまを見ろ」的に挑発するような行為をして、本当にガッカリさせられました。荒れた試合の直後ということを考慮しても、あれはちょっとガッカリだな。 まあ、そういうこともあって、ワタクシは今回のW杯に関し、メッシのいるアルゼンチンでもなく、ムバッペのいるフランスでもなく、クロアチア推しで行こうかなと、そう思っているところ。 しかし・・・あれだよね。クロアチアはブラジルに対して1対1だったわけじゃん? で、日本はクロアチアに対して1対1だったんだよね? ということは・・・もし日本がPK戦でクロアチアに勝って、ブラジルと対戦していたとしたら、ひょっとして対等の勝負が出来たんじゃね? そう思うよね? 返す返すも惜しいことをしました・・・。
December 10, 2022
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今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーが日産サクラ(&ekクロスEV)に決定したそうで。 ということで、これを受けて、毎年恒例の「釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤー」を決定して参りましょう。 ちなみに、カー・オブ・ザ・イヤーの候補車となったのは、サクラのほかに「スズキ・アルト」「トヨタ・クラウン」「日産・エクストレイル」「日産・フェアレディZ」「ホンダ・シビックe:HEV」「マツダ・CX-60」「BMW・iX」「ヒョンデ・IONIQ5」「レンジローバー」「ルノー・アルカナ」というメンツ。 まあ、伝統的な観点から言えば、クラウン、そしてフェアレディZが今シーズンの大物ですかね・・・。ただ、クラウンは、クラウンらしさがまったく無くなってしまったし、フェアレディも、まあ、今更っていうね。 上に挙げた日本車の中で、ワタクシ的に興味があるのは、唯一、日産エクストレイルかな。日産独自のe-Power の完成度は相当高いらしいですし、なにより私は今までの車歴に日産車がない。だもので、一層、興味がある。 ただ、それ以上に興味があるのは、ルノー・アルカナね。これはワタクシも試乗したことがあるのですが、ルノー式のハイブリッドはすごかった。トヨタのハイブリッドとは雲泥の差の面白さ。ま、それはそうとして、現実問題としてはアルカナは大きすぎるので、ワタクシからすると、同じパワー・ユニットを積むキャプチャー・ハイブリッドの方がさらに興味があるけれども。 ならば今年の釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤーは「ルノー・キャプチャー・ハイブリッド」で決まりかっていうと、実はそうではない。 キャプチャー・ハイブリッドもいいけど、今年出たクルマの中で、ワタクシ的に最も魅力があると思うのは、DS4なのよ。やっぱり、クルマは美しくなければ! ということで、今年の釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤーは、「DS4」に決定! おめでとうございます!これこれ! ↓世界で最も美しいクルマ DS4 ということで、現在のワタクシの次期愛車候補は、1位:DS4(ディーゼル)2位:シトロエンC4(ディーゼル)3位:ルノー・キャプチャー・ハイブリッド4位:プジョー2008(ディーゼル)5位:マツダCX-30(ディーゼル)6位:日産エクストレイル7位:マツダ・ロードスター8位:ポルシェ911カレラ といった感じかな・・・。もう、乗りたいクルマが沢山あり過ぎて、困るわ!
December 9, 2022
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すっかり懐メロ派になってしまったワタクシ、通勤の行き帰りにはクルマの中で昔のCDを聴いております。 で、最近、聴いているのがサイモン&ガーファンクルの有名な「セントラルパーク・コンサート」のライブ・アルバム。これこれ! ↓セントラルパーク・コンサート [ サイモン&ガーファンクル ] で、このアルバム、とてもいいのですが、今回、久しぶりにこのCDを聴いて、中でも「American Tune」という曲に聴き惚れております。 不思議なことに、聴く時の状況やらなにやらで、「その時は、この曲が特に気に入った」というようなことがあるもので、今回はそれが「American Tune」だったというわけ。これこれ! ↓American Tune ところで、この曲を久しぶりに聴いていて、ハタと思い当たることがありまして。この曲の歌詞に、こういう一節があるのよ。And I dreamed I was dying, I dreamed that my soul rose unexpectedlyAnd Looking back down at me, smiled reassuringlyAnd I dreamed I was flying, and high up above my eyes could clearly seeThe statue of liberty, sailing away to sea, and I dreamed I was dying この歌詞、どう見ても「臨死体験」の話じゃん。 この曲、1973年発表ですが、エリザベス・キューブラー・ロスが『死ぬ瞬間』を出したのが1969年。これがベストセラーとなって、アメリカに臨死体験ということの概念が広まるんですけど、それとの関連で見ないと、なぜこういう歌詞が生まれたのかって、わからないよね? 映画『天国から来たチャンピオン』が1978年にリメイクされたってことも、1970年代のアメリカで「死後生」というものが話題になっていたことの傍証にはなる。それと同じように、サイモン&ガーファンクルのこの曲も、臨死体験や死後生の流行の傍証になることは間違いない。 とまあ、別々に得ていた知識が、ふいにつながって、面白いなと思った次第。この曲の話は、次の本の中で使おうかな。
December 8, 2022
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俳優の渡辺徹さん、そして志垣太郎さんが亡くなられたという報には色々ビックリさせられました。お二方とも、年齢的にはまだまだこれから、というところで、非常に残念なことでありますね。 さて、まずは志垣太郎さんですが、実はですね、志垣さんは玉川学園の出身で、私にとっては先輩に当たる。一時的にではありますが、玉川のキャンパスに通っていた時期が重なるんですな。 というか、実は私の父が、志垣さんの担任だったんですわ。だから、父から志垣さんの話を何度か聞いたことがある。そういうこともあって、私は昔から、なんとなくこの人には親しみがあるわけ。それに、私もまた『俺は男だ!』世代ですしね。 その志垣さんが亡くなられた、それも9カ月も前に亡くなられていたというのを聞いて、ちょっとショック。どういう事情でそういうことになったのかは知りませんが、浮き沈みの多い芸能界で苦労されたところもあったのかなと。 あんな二枚目に生まれたら、いいことばかりかと思うのですけど、実際にはそうじゃないんでしょうね。その辺、人の世って、平等にできているのかも知れません。 さて、一方の渡辺徹さんですが、やはり印象に残っているのは『太陽にほえろ!』のラガー刑事役。 しかし、ああいう風に若くして一躍人気が出ると、その後が続かないということがよくあるのに、渡辺さんの場合は、テレビのお仕事だけでなく、文学座のお芝居にもずっと出られて、役者としての修練を積まれた。バラエティの仕事も、ナレーションの仕事も、そしてご自身の病気にまつわる講演会などの仕事も一生懸命こなされて、そういう日々の努力が、最後まで人気者でいられたということにつながっているのだろうなと。 ところで、渡辺さんが亡くなられた後、奥さんの榊原郁恵さん、そして息子さんの裕太さんが記者会見に出られて、その模様を拝見したのですけれども、これはね、もう、お見事の一言。これこれ! ↓榊原郁恵さん、裕太さんの記者会見 渡辺徹さんと榊原郁恵さんは芸能界きってのおしどり夫婦でしたから、もう、さぞ涙涙の会見なのかと思いきや、郁恵さんはそういう愁嘆場を一切見せず。徹さんとの思い出や、日頃の夫婦の形、家族の形などを丁寧に、そして湿っぽくならないように語るその気遣いというか、素晴らしいです。そして息子さんの裕太さんも、郁恵さんをいい感じでサポートされて、場を和ませて、いい仕事でした。お二人のお話を聞いていると、渡辺徹さんが本当にいい家族に囲まれていたんだなというのがよく分かる。それももちろん、徹さんのお人柄のなせる業なんでしょうけれども。 まあ、とにかく、これほど気持ちのいい記者会見って、近頃なかったのではないかと思われるほど、素晴らしい記者会見でした。徹さんも天国でこの様子を見られて、安心されたのではないでしょうか。 というわけで、志垣太郎さんと渡辺徹さん、お二人の俳優の死を悼み、ご冥福をお祈りいたします。合掌。
December 7, 2022
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昨夜は、クロアチア戦を熱を入れて応援していたのですが、残念! 結果は1対1の同点、PK戦での敗退となってしまいました。 しかし、相手の方がFIFAランキングでは上かもしれないけれども、戦いぶりとしては決して押されっぱなしではなかった。むしろこちらの方がシュート数、コーナーキック数では上回っていたのではないかと。最初に得点した前田もずっと頑張っていたし、伊藤もよく走った。三苫のドリブルも迫力があった。権田もよく守った。その他のメンバーもみんなよくやりました。 日本チームへの応援も素晴らしかった。解説のケイスケ・ホンダが「ここ、埼玉スタジアムちゃいます?」って言っていましたけど、ほんと、そんな感じでした。 PK戦なんてのは、運ですからね。じゃんけんで負けたようなもんだ。選手の皆さんは堂々と帰国してください。本人たちが一番悔しい思いをしているだろうと思うけれども。 ああ、でもな、勝機は十分にあったし、あれで勝って、W杯でベスト4をかけてブラジルと当たってほしかった。本気モードのブラジルに、たとえぼろ負けしたとしても、その貴重な経験が、次の大会につながるでしょうからね。 とにかく、今回のワールドカップ、ドイツを倒し、スペインを倒した大会として、日本代表の力を十分に発揮した、記憶に残るいい大会となりました。日本代表選手たち、控えの選手たちも含めてお疲れさまでした。心からの拍手を。 さて、こうなったからには、後はどこが勝っても同じ。ひたすら世界レベルの好プレーを楽しみ、どこが最終的にテッペンまで行くのか、見守ることにいたしましょう。
December 6, 2022
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さあて、間もなく日本代表対クロアチア代表の、ベスト8を目指しての闘いが始まります。 スタートは12時。ということで、今日はもう風呂に入って、いつでも寝られる状態にしてから、テレビ観戦することにいたしましょう。 果たして奇跡は3度起こるのか? っていうか、奇跡が3回連続で起こったら、それはもう奇跡ではなくて常態だよね! 日本チームは普通に強い、実力通り強いということになる。まあ、それに期待しましょう。 万が一、クロアチアに勝ってベスト8、そして次、おそらくはブラジルと当たって、ブラジルに勝ったら、その時は、国民の祝日にしよう。 予想? 予想っていうより、希望だけど、2対1で日本の勝利。さて、後は固唾をのんで勝敗の行方を見守ることにいたしましょう。
December 5, 2022
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今、卒論指導のピークでありまして、ゼミ生から上がって来る卒論の草稿を、バッタバッタと添削しているところなんですけど、その中にフランスの哲学者、ジャン・ジャック・ルソーの『エミール』論をやっているヤツがおりまして。 で、『エミール』の原典はフランス語ですが、当然、それは読めないので、日本語訳を頼りにするのですが、たまたま私のゼミ生が使ったのが岩波文庫版だったと。 で、その岩波文庫版からゼミ生が引用するのですが、その引用したものが、日本語としてとても読めたものではないというね。 例えば、一例を挙げると、こんな訳になっているの。「人は子どもの将来をよいほうに考えがちだが、たまたまかれらの口をついて出るなにかうまいめぐりあわせによることばからひきだそうとする希望を、ほとんどいつもひっくりかえすことになる多くの失敗にたえず恨めしい思いをしている」(岩波文庫『エミール』(上)357‐358頁) これは一体、何? やたらに、ひらがなばかり使うというのも、何を意図しているのか分からないけど、とにかくこれは日本語ではありません。 ルソーなんて歴史上重要な思想家で、『エミール』はその代表作の一つ。なのに、その作品の岩波文庫版が、よりによってこんなひどい和訳を出しているのでは、岩波書店としても名折れじゃないのかしら。 岩波書店には、こんなひどい訳は絶版にして、一刻も早く新訳を出しなさいと言っておきましょう。
December 4, 2022
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第8波に備え、今日はコロナワクチンの4回目接種をやってきました。 これまで3回打って、まあ多少微熱が出たり、倦怠感が出たりはしたものの、大過はなかった。でも、今回はちょっとドキドキ。 というのも、道場の兄弟弟子である友人のO先生が、やはり最近4回目を打って、大変な思いをされたというの聞いていたから。 それによると、O先生は4回目の接種でモデルナを打った後、39度の高熱に襲われ、何と、路上で気を失って倒れてしまったというのですわ。 救急車で病院に運び込まれた後は、まあ、事なきを得て無事帰宅されたようですが、私と同年のO先生がそういう目にあったとなると、私だってどうなるか知れたもんじゃない。 ということで、前の3回とは異なって多少不安な面持ちでお注射されてきたのですが・・・ ・・・今のところは大丈夫。打たれた肩は多少重いけど、熱がパーッと出てきた、という感じはないかな。 しかし、この先はまだ分からない。今日はあまり無理なことをせず、家で年賀状書きでもして大人しく過ごしましょうかね。
December 3, 2022
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カルヴィン・トムキンズ著、青山南訳『優雅な生活が最高の復讐である』という本が田畑書店というところから出て、それをなんと昨日、青山南先生からご恵投いただいてしまったという。いやはや、ありがたき幸せ! これはですね、フィッツジェラルドの小説『夜はやさし』のモデルとなった、とある夫婦についてのドキュメンタリーなんですが、こういう高度に文学的でありながら、一面ゴシップ的でもある、そういう文献を訳すとなったら、青山南先生しかないっていう。何と言っても、青山先生は『イーディ』の名訳で知られる方ですからね。 で、早速読み始めたのですが、ジェラルド&セーラ・マーフィー夫妻という当時の最先端カップルそれぞれの生い立ちなどが記されていてなかなか面白い。こういう、自分たち自身は大きな仕事を成し遂げてはいないけれども、その存在によって周囲の芸術家たちに強い影響を与えてしまう人っていうのがいるのよね~、っていうことがよく分かる。 ところで。 私の悪い癖で、この本を読みながら、同時に他の本も読んでいるのですが、『優雅・・・』をふと脇において、次に読み始めたのが、一昨日買ったばかりの本。それが稲泉連さんの『「本をつくる」という仕事』という本。 これ、一昨日、近所の古本屋さんで220円で買ったばかりなんですが、各章毎に話題が変るので、その都度、興味のある章から読んでいたわけ。 で、『優雅・・・』をふと脇にのけて読み始めたのが、この本の第6章「装幀は細部に宿る」というところ。 で、驚いたのは、この本の中に次のような一節があったこと。以下、引用します。 「その意味で日下さんが当時の新刊本のなかで、よく言及する一冊の本がある。前述の戸田ツトム氏が装幀した『優雅な生活が最高の復讐である』(カルヴィン・トムキンス著、青山南訳)だ。」(183頁) ええーーーー! 今の今まで読んでいた本のことじゃん!? ま、正確に言いますと、稲泉さんが言及しているのは田畑書店の本ではなく、その前のリブロポート版のことを言っているのですけどね。 それにしても、こんなことってある? 片方はたまたま一昨日、近所の古本屋で買った本。片方は昨日、訳者の方から送っていただいた本。それを昨夜同時に読んでいたら、一方が一方に言及していたっていう・・・。偶然にしても凄すぎない? こういうことがあるから、読書ってのは面白いよね!!これこれ! ↓優雅な生活が最高の復讐である (ポケットスタンダード) [ カルヴィン・トムキンズ ]【中古】 「本をつくる」という仕事/稲泉連(著者) 【中古】afb
December 2, 2022
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今朝、朝の6時に、某ネット上ビジネス誌に、私の書いた文が掲載され、無事公開されました~! 大手の出版物だからね、掲載されれたたちまち反響が・・・なんて甘いことを考えていたけれども、そうそう、打てば響くような反響ってないのね。 結局、自分以上に自分に期待している人間って、この世にはいないんでしょうな・・・。まあ、そのうち、ぼちぼち反響があることを祈りつつ、今はただ静観しますかね。 さてさて、このところ、ゼミ生の卒論指導で忙しいのですけれども、ゼミ生が提出してくる草稿を添削していると、色々がっかりさせられることが多い。 だって、「論文書く時は、こういうことをやっちゃいけないよ」って、前もって教えておいたことを全部無視してくるんだもん! 例えば、歴史的な記述をするのなら、古いことを書いてから、新しいことを書くんだよ、って、ちゃんと教えておいたのに、1870年代の話題を取り上げた後で、1850年代のことを書いたりするのよ。歴史を行ったり来たり。 あるいは、同じことを論文の違う場所で2度言ってはいけないよ、って注意しておいたのに、論文のあちこちで同じことを書いたり。 今まで教えたことは一体なんだったんだ、っていうね。 これもまた、教えたことの「反響」がない、ってことか・・・。 要するに、何をしてもわしには「反響」っちゅーもんがないのかっ!!! 悲しいねえ・・・。
December 1, 2022
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