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連載随筆「仕事のできないホテルウーマン」


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2007年05月27日
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カテゴリ: マミ読み
白洲次郎の『プリンシプルのない日本』を読み終えました。

感慨深かったところはいろいろありますが、
1952(昭和27)年に書かれたものの中から
パンパン (進駐軍相手の娼婦)に関する箇所をまず。

○○婦人会とか○○会とかいうものが興奮の余り、
占領中司令官やその夫人に嘆願書を出したり、方々でわめき立てているのを聞く度に、
パンパン攻撃は片手落だと思う。
我が同胞の中、女性の一部分だけがこういうことをやっているなんていうことはあり得ないと思う。
こういう種類の女性が出現し得るということは、男性の中にも殆ど同比率の、
することは違っても心の持ち方に於て彼女等パンパンと同等の物が存在するからだと思う。
私は占領中に、最下等のパンパンすら風上に置くまいと思われる様な
相当の数の紳士(?)を知っている。
軍国主義全盛時代は軍人の長靴をハンカチで拭き、
占領中は米国人に媚びた奴等とパンパンとどう違うか。
私はパンパンを非難攻撃するなら彼等男性も排撃せよといい度い。
パンパンの存在は戦争の悲劇の一場面に過ぎない。
戦争中我が同胞も外地で、パンパンの様な女を相手にしていた人もあったことと思う。
彼女等を非難するべからずというのではない。
非難はもっと冷静な立場に於てあるべしと思うだけである。

出張先の山形で見かけた、
チュウインガムを噛み煙草をくゆらせながら闊歩しているパンパンらしき女性達の光景を描写してこの問題を提示しつつ、
GHQに何も言えなかった政治家たちを大きく批判しているのです。

同じく1952(昭和27)年に。

この間誰々かが、昔の私塾と本日の学校の相違を指摘していたのを聞いて成程と思った。
昔の塾は塾生が塾長よりものを教わること以外に、
塾長の私生活に日夜ふれてその影響を享けたことが甚大であったに違いない。
例えば吉田松陰先生の様な偉大な塾長は、
塾生にああしろ、こうしろとは一々言わなかったに相違ない。
日々の彼の言動が一番雄弁な指導であったに相違ない。

わたしもなるほどと思いました。あとがきでは辻井喬氏がこう書いています。

これを読んで私は、
いま「教育が悪い。教育基本法を変えろ、教師の再教育だ」などと
声高に叫んでいる財界指導者や政治家のなかで、
私生活を共にして感化を与え得るような人士が果たしているだろうか、というような事を
考えない訳にはいかなかった。

現在の教育制度について考えました。
ちょうど昨日わたしの母校の高校についての新聞記事を読んだからです。
東大現役合格数が増えているそうですがその一方で、
最近、生徒が教員を評価する制度を取り入れたそうです。
確かに時代の流れとともに必要なことなのかもしれませんが、
なんだか間違っていると思うのです。
数年前に徒歩数分のところに新しく
電車の最寄り駅ができて便利になったのだけど、
わたしたちの頃はターミナル駅から
ヤクザやチンピラ、ビラ配りや
セクシードレスを着たホステスさんたちの行き交う繁華街を通って
徒歩25分の道のりでした。
それがある意味 社会勉強 でもあったんじゃないかなと今では思っています。

そして最後に1953(昭和28)年の『文藝春秋』より。

欧洲に行って見て痛感することは、日本の復興のたどたどしさである。
占領中に司令部の米軍高官が日本の復興の目覚しさを謳歌した。
この宣伝は彼等の本国向けの放送であると私は思った。
米国民にはこの放送がどの位友好であったかどうか知らないが、
この放送を日本の国民が大部分みな鵜呑みにしたのではないだろうか。
当時司令部の云うことは全部信じると決心していたらしいから。
あれだけの戦争をやって、国力を殆ど全部消耗して
そんな「目覚しい」なんていう様な復興など有り得るとは思わない。
現在の日本の復興ぶりなどということは、言わばクリスマス・ツリーみたいなもので、
飾り付けて豆電気がついて色々のものがぶらさげてあって、
見ると本当に綺麗な物だが悲しい哉あのクリスマス・ツリーには根がない。
あの木は育たない、あの木はきっと枯れる。
本当はツリーではなくてただの枝みたいなものだから。

戦後たったの8年で東京にはネオンが輝き、
オリンピックにも参加し、朝鮮特需の日本です。
それでも白洲氏は根のないクリスマス・ツリーだと言います。

戦後生まれの首相率いる内閣で、
現役大臣が自殺するような現在の日本を、
彼が生きていたらどう思うでしょうか。

この本、おすすめです。
貸してくれた道氏、どうもありがとうございました。
しかし戦後史に詳しくないわたしは
いかんせん意味がほとんど分からなかった…。
大学入試の時のノートを日本から持ってきて
それでまた復習しながら読んでみようかな。






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最終更新日  2009年06月27日 05時34分34秒
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