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A氏:このところ、君のブログで続けて「体罰」問題をとりあげたので、「体罰」アンテナが張られていて、今朝の朝日新聞の「社説余滴」欄の記事にひっかかってしまったよ。 筆者は、スポーツ現場や部活動における暴力(体罰)問題の取材を重ねてその根の深さを思い知らされているとしているね。 昨日、君は「体罰」という「暴力を加える側」の心理分析に視点を置いたが、この記事は、「暴力を受けた側」の視点で問題を指摘しているね。私:筆者が気が重いのは、指導者側の「体罰」容認論も大いに疑問だが、もっと気が重いのは、「暴力を受けた側」から「体罰」容認論を聞かされた時だという。 「殴ってもらって目が覚めた」「自分の甘さに気づかされた」と生徒や選手からそんな話がでるという。 高校球児が「気合を入れてください」と試合前に自ら顔を差し出したという話もあったという。A氏:筆者は、スポーツ現場を長く見てきているが、こういう関係では選手としての成長も結果も得られないと言っているね。私:無抵抗の暴力で、強制された通りやっていることに慣れるということは、生徒自身の成長のためには怖いことだね。 「体罰」の罠に陥っていることを自覚できない人間として育つことになる。 スポーツは競争だが、相手に勝つ工夫を自主的に臨機応変に考える力を失うことになる。 「胆力」のないスポーツマンとなるだけだね。 海外から来た指導者の多くは「日本人は指示されたことは忠実にこなすが、自分で判断できない」「ミスを恐れてチャレンジしない」と指摘する原因ともなっているね。 要するに「胆力」がないということだね。A氏:だから、プレーする側が自立し、自主的に取り組まない限り、スポーツは成り立たない。 原点に立ち返れば部活動も変えられる。 そこに暴力や「体罰」が入り込む余地はないと潮氏は言う。私:潮氏は最後に「時間はかかるかもしれないが、今度こそ根絶しなければならない。 死に追い込むような悲劇はもうごめんだ」と書いているね。 まさにその通りだね。
2013.02.28
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私:今まで「体罰」についてのマスコミの記事や書籍などを読んできたが、なんだかよく考えると、基本的なことが抜けているような気がするね。A氏:それはなんだい?私:脳の働きとの関係だ。 相撲取りが、いよいよ本番の時、自らの頬や尻を手で叩いて気合を入れるのと違うね。 「体罰」では、叩く相手は他の独立した人間だ。 その人間にこっちの手足を使って肉体的に痛みを与えることが「体罰」だね。 喧嘩やボクシングが「体罰」と違うのは、「体罰」の場合は相手は無抵抗だということだ。 無抵抗の相手に肉体的に自ら手足を動かして相手に痛みを与えるという行為は、どういう心理構造から来るのかね。 そのとき、脳はどういう認識をして手足を動かしているかだね。A氏:一般論で言えば、無抵抗の相手に暴行を加えるのは虐待だね。 「憎しみ」に近いね。 脳科学で言えば、好悪の感情は大脳辺縁系の扁桃核が関係していることが解明されているという。 ところが、「憎しみ」の感情が生じるメカニズムはよく分かっていないという。 意外なことに心理学事典にも「憎悪」や「憎しみ」といった項目が見当たらないそうだ。 例えば、戦争や犯罪で肉親や配偶者を殺されたりしたとき日ごと募ってくる「憎しみ」は、やはり人間独特の情動で、他の動物にはない。 これは、人間が非常に発達している前頭前野という部分で大脳の古い皮質と新しい皮質が互いに連携を取り合って生まれてくる情動ではないか、と考えられているが、完全な証拠はまだ見つかっていないとのこと。私:よく論理的な判断は脳の前頭葉で行うというね。 脳梗塞などで、脳のある部分をやられると、手足が不自由になったりするが、 「体罰」を加えるときに脳のどの部分が活発に動いているのかね。 常に、「体罰」を好んでやる人の脳はどこかの部分が異常に発達しているのではないかと考えられないかね。A氏:DNAが関係しているかね。私:それはないかもしれない。 社会的に育成されたものではないかね。 これは、以前にこのブログでとりあげた愛知県の例があるね。 1970年から1980年の時期に、普通高校進学率の上昇に伴い、愛知県では高校進学率を90%に限定し、仮に進学意欲があっても、学力最下層の高校への進学を拒否した。 結果、愛知県は、校内暴力の先進県として有名になり、暴れる中学生に手を焼く。 これに対して「管理教育」を徹底する。 教師の「体罰」と暴言によって、中学生の暴力を抑えた。 そして、高校の学力は向上し、国公立大学合格者が続出するようになる。 短期的には「管理教育」は成功する。 シッペ返しは、この世代が親になったときに出た。 1996年の幼児虐待死の件数で愛知県はトップとなる。 1000人あたりの「いじめ件数」でも最多となる。 脳は学生時代の「憎しみ」による「体罰」を鮮明に記憶していたんだね。A氏:昨日、このブログで取り上げた「体罰 近代日本の遺物」の筆者の片山杜秀氏は私立小学校で教師に厳しい「体罰」を受けて痛かったという。 そして今でも、座っていて膝を崩すと昔の先生が叩きに来ないかと心配してしまうという。 からだは決して「体罰」を忘れないと片山氏は書いている。私:俺は「脳も忘れない」のだと思うね。
2013.02.27
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A氏:今朝の朝日新聞の「私の紙面批評」欄で、朝日新聞紙面審議会委員の内田樹氏が大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件と女子柔道監督の暴力事件について新聞紙面を論評しているね。 タイトルは「『軍隊にルーツ』・的確な指摘、しごきは身体資源の先食い」となっている。 そこでは、2月19日の朝刊文化欄の片山杜秀氏の「体罰、近代日本の遺物」記事を高く評価しているね。私:この記事は、新聞のスポーツ欄でなく文化欄だったので俺は見落としたね。 早速、古い新聞をさがして、この片山氏の記事を読んだよ。A氏:君はすでにこのブログで片山氏の著書「未完のファシズム・『持たざる国』日本の運命」の読書感想で7回に渡り詳しくまとめているね。 司馬遼太郎は「坂の上の雲」で日露戦争を評価しているが、実は「持たざる国」日本は火砲に乏しく、「大和魂」に駆動された歩兵の悲劇的な損傷によって薄氷の勝利を得たものだ。 だから第1次世界大戦では、日本はドイツの青島攻撃には肉弾戦を行なっていない。私:日露戦争のときのように、歩兵が突撃し、砲兵が支援する戦争でなく、砲兵の火力でほとんどかたをつけ、歩兵は後始末にいくだけという近代戦パターンの戦争をやった。A氏:青島の砲撃中心の攻撃は日露戦争後の日本陸軍の近代化の実験場になったわけか。 日本軍の大砲は大小合わせて、133門で、総攻撃し、8日目に、ドイツ軍は降伏する。 近代戦は物量戦でしかあり得ないという点で日本は新しい戦争をしたことになる。 半年かかった日露戦争の旅順戦で発射した弾薬量は4000トン。 これに対して、たった数日の青島戦では、その4割の1600トン。 日露戦争のときは、そんな物量がなかったから、歩兵の肉弾戦をせざるを得なかったが、、逆に近代戦パターンでは、物量の勝負であることを日本軍は覚る。 だから、物量豊富な仮想敵国である列強に対し、資源や工業力を「持たざる国」が対抗しなくてはならないという恐怖が生まれた。 それをカバーするのが「精神力」となった。A氏:君が7回に渡り読書感想をまとめた江森一郎著「体罰の社会史」でも「体罰」による身体能力操作の悪習は日露戦争以降だとしているね。 敗戦時の首相鈴木貫太郎は、海軍軍人で日清戦争前に海軍兵学校を卒業しているが、自伝を読むとその頃の兵学校は暴力と無縁だったという。A氏:当時、近代戦争を迎える日本軍は「待ったなし」で「精神力」を養成しなくてはならない。 そこにあせった暴力が生まれるね。私:俺は故山本七平氏のファンだったが、氏は太平洋戦争の時、砲兵将校として戦場に行くが、そのときある陸軍の上等兵が「敵の兵力が10で、こちらが7であっても戦える。それはこちらには『精神力』があって、不足の3を補えることができるからだ」と言っていたことを記しているね。 日本軍の「精神力」信仰は末端の上等兵まで浸透しており、それが暴行とリンクしていた。A氏:それが「戦陣訓」だね。 戦後、日本から軍隊は消えたが、しかし、その暴力的伝統は残っているというわけだ。 片山氏は戦後生まれだが、私立小学校で教師に軍隊教育のような「体罰」を受けたという。 内田氏は、合気道7段だが、「体罰」と暴力によって、身体能力は一時的に向上するといい、これは経験的にはたしかなことであるという。 恫喝すれば、人間は死ぬ気になるが、しかし、それは一生かかって大切に使い伸ばすべき身体資源を「先食い」ことで得られた見かけの利得にすぎないと内田氏は言う。 「先食い」には若者の死もあるね。私:内田氏は、大学入試の面接で、高校スポーツで実績のある者に大学に入ったら継続するかを聞いたら、ほとんどノーであったという。 彼らは「苦しみの代価」と手にした好成績であり、ようやくその「苦しみ」から開放されたのに大学に入ってまでやる気はしないようだ。 「次のオリンピックにまでに、次のインターハイまでに、『待ったなし』だ」という脅し文句で、手をつけてはいけない資源を「先食い」する。 これは気鬱なことだが、この風儀は今やスポーツ界だけでなく、日本全体を覆っていると内田氏は指摘しているね。A氏:君のブログで扱った「教える力 育てる力」では、この脅しで限界状況に追い込む日本式は深刻な難点があり、それは、「胆力」がないことで、人間を追い詰めると恐怖や苦痛や不条理に対して、「鈍感」になるが、これは「胆力」があるとは違う。 内田氏の言う「胆力」とは「危機に対して、カッとならず、冷静に知的に、自分の論理を信じ、淡々と対応する力」というような意味だね。 私:「胆力」を鍛えるというのは、幕末から明治初期までの教育では、重要なプログラムだったが、それから後は、体系的に整備されず、「追い詰めて鬼にする」型の教育プログラムの方が、短期的に効果があるから、「待ったなし」で時間的余裕がなかった近代日本は、その型を追いかけたという。今、「胆力」のない政治家が増えたのはそのせいかね。
2013.02.26
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私:今夜の「たけしのTVタックル」で「体罰」問題をとりあげたので見たよ。 感じたのは、こういうメンバーで、かつ、議論の仕方を知らない人が集まると、折角とりあげた体罰問題もいい結果を出していないね。A氏:俺も見たが、学校のスポーツと生徒の生活指導を分けて「体罰」を議論したほうがいいね。 スポーツは勝敗の成果で「体罰」が必要がどうかがわかるからね。 生徒の生活指導は親の躾もからんでくるね。アンケートでは父兄は体罰派と反対容認派は拮抗しているという。 根が深いね。私:中学校の先生が出席していたが、乱暴な話し方からして「体罰」的だね。 彼は、桜宮高の問題を「体罰」でなく「暴力」だと使い分けているが、肉体を叩いたりして不愉快な思いをさせるのは「体罰」も「暴力」と同じだね。 生徒の生活指導では「懲罰」と「体罰」を区別しているが、「懲罰」は生徒に先生が自分の手足を使って肉体的な苦痛を与えないやり方だね。 「懲罰」で立たせて、生徒の肉体が疲れるのは、、教師が直接手をくだしていないので「体罰」と異質だね。A氏:生徒の校内暴力には毅然として望むという「懲罰」方式が君が言っていたゼロトレランスだが、これはどうなったのかね。私:「体罰」禁止は教師を萎縮させるというが、ナンセンスだね。 教育というのは知恵を出せばいろいろな手段がある。 「体罰」否定のベテラン教師ほど、「体罰」以外の「懲罰」の多くの手段を持っていて生徒の個性に応じて取捨選択して対応できるはずだ。 それによって「体罰」というイージーな解決方法をを避ける事ができるはずだね。 新人教師はベテラン教師にそのテクニックを学べばよい。 テレビに出た中学教師には最初から、その発想がないね。 文科省が「懲罰」と「体罰」の違いのルールを新たに作るというと、この中学教師はまた、現場の教師はまた、マニュアルに縛られるという被害者意識だね。TVタックルの議論がお粗末なので、期待はずれだったね。もっとも1時間でじっくり討議できるほど、単純な問題でないことは明らかになったね。「体罰」問題は、基本的に教師と生徒の間の教育問題だね。
2013.02.25
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私:22日の日米首脳会談で、オバマ大統領がシェールガスの輸出に前向きな姿勢を示したという。 米国のシェールガスの価格は安く、現在の15ドルが10ドル程度になるという。A氏:すでに商社が動いているという。 電力会社も自らシェールガスの調達に動いているというね。私:電力会社は原発停止で燃料費の増加を理由に相次いて家庭用電気料金の値上げを申請している。 経済産業省の電気料金審査専門委員会は、将来のシェールガス輸入による燃料価格の低下を織り込み、関西電力と九州電力が申請した電気料金の値上げ幅を圧縮する方針を決めたと報じているね。 原発停止で高価な液化天然ガスLNGの輸入が増加して、このところの貿易赤字の原因にもなっている。A氏:ロシアのプーチン大統領が森元首相との会談を開いた裏にも、天然ガスの問題があるね。 シェールガスの影響で、ロシアの天然ガスがダブついてきており、その売り先として日本は大いに期待できるというわけだ。私:今のところ、日本にとってシェールガス様々だね。
2013.02.24
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一々昨日、日中は快晴で日がさして暖かそうだったので、こないだ寒風で中断した「寒肥」を庭木に施す。 なんだかんだで、2時間近くかかる。 肥料1袋半を使った。 寒風は少し吹いていて、やはり冷える。 腰が冷えたのか、トイレに2回行く。 昨日も晴天だったので、午後、自然公園ウオーキングにでかける。 日差しがあたって最初は暖かったが、森の小道に入ると日差しは木に遮られ、寒風で、寒さが身にしみだす。 寒風でくしゃみが出ないようにマスクをしたが、マスクを通して冷たい空気が鼻にあたるのでマスクの効果なし。 大きなくしゃみを2回し、鼻水が出た。 花粉症持ちでないが、冷風に弱いのでやっかいである。 やはりトイレは近くなるが、この自然公園のいいところはトイレが多いことだ。 2ヶ所のトイレによる。 横浜は、今週、冬のまっただ中。 今週は、日中でも気温は10度にいかない。 昨日のウオーキングで寒さにこりたので、今日も晴天であったが、ウオーキング中止。 来週もまだ寒さが続くようだ。 早く、春になって貰いたいものである。
2013.02.23
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私:日本の平均寿命と介護なしで生きられる健康寿命との間は約10年。 この差をどう縮めるかということで週刊朝日が新シリーズをはじめるそうだ。 今週はその第1回だね。 2名の医師が書いている。 久保明医師は「テキパキより『じわ~っと』運動で将来を守る"貯筋"づくりを」というタイトル。 伊藤晴夫医師は「ロコモ対策は腰痛予防から 2週間続ければ効果てきめん」というタイトル。 それぞれ8つずつの運動を紹介しているが、運動というより、筋肉ストレッチだね。A氏:今年は、厚労省がメタボ運動についでロコモ運動を行うようだね。 そうなるとストレッチがさかんになるね。私:ヨガはややきついストレッチだから、これも盛んになるかもね。 きくち体操というのがあるが、これもヨガに似ているが、ストレッチ的な体操だね。A氏:そう言えば、俺の家の近所に85歳くらいのおばあさんがいて、非常に元気だったんだが、あるとき1時間くらい歩いたら、膝がひどく痛くなり、病院に入院したそうだ。 膝の骨の間の隙間がなくなって、骨同志直接すったらしい。 原因は太腿の筋肉の衰えだという。 とりあえず、ヒロリアンサンを注射したが、後は太腿の筋トレによる治療だという。私:ロコモティブ・シンドロームだね。 太腿の筋肉が膝骨を釣っていたんだね。 それが放置して老化に任せていたんで、筋肉が老化し急にやられたんだね。 太腿の筋肉の”貯筋”が足りなかったんだね。 筋肉ストレッチは健康年齢をのばすために必要だね。 筋肉の収縮はアルツハイマー症や、うつ病の予防にもなるという。 毎日、15分程度でいいから、健康年齢をのばすためには筋肉ストレッチが必要だね。
2013.02.22
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私:12月22日の練習試合での「体罰」の翌朝のB君の自殺は、家族はじめ顧問A氏も皆驚き動転する。 顧問A氏は、自殺当日、警察で事情聴取を受ける。 バタバタしているうちに、B君の自宅に伺うのが遅れ、遺族の怒りを買う。A氏:翌日の通夜でバスケット部員の前で、顧問A氏は、遺族に罵倒され土下座して謝るが、最初は、遺族の怒りは顧問A氏に向いていなかったという。 B君の母親は当初、顧問A氏に「先生だけが悪いんではない、先生のバスケの指導技術はすばらしいのでどこかでまた生かしてください」とまで話していたという。私:しかし、12月30日に校長が今回の「体罰」問題について、バスケット部員の保護者アンケート結果をを両親に見せてから、状況が一変する。 アンケートには顧問A氏に対する変わらぬ評価や新人戦への参加要望が書かれていたからで、遺族は他の保護者にも不信感を抱くようになる。A氏:年が明けた1月5日、B君の父親と兄が学校を訪れて緊急保護者会を開き、遺書も公開される。私:その後の展開は橋下徹市長が介入するなど、マスコミの報道が盛んになるね。 ところで、君はこのノンフィクションライター森功氏のレポートを読んでどう思うね。A氏:B君の遺書と言われたものは、顧問A氏宛の手紙がルーズリーフに残っていて、それには「なんで僕だけがしばかれるのですか」「学校に行きたくない」と書いてあったという。 実は、これは、B君の兄(バスケの名選手)が口下手なB君に薦め、顧問A宛に書かせたものだという。 しかし、チームメイトに見せたら「そんな幼稚なものを顧問A氏に見せたら怒られる」と止められ、引っ込めたという。 遺書だけみると「体罰」と自殺は深く関係しているね。私:今回の事件は、B君をキャプテンにしてしまった顧問A氏の大きな判断ミスが背景にあると俺は思うね。 顧問A氏はキャプテン選びには以前から、自ら何人かの候補を選び、1週間ずつ仮キャプテンとして練習させてきた。 しかし、今回は、いち早く手を上げたB君を選んだが、これが大きな判断ミスだったね。 そして小学生時代からB君を知っている顧問A氏は、キャプテンとしての自覚をもたせようとして自ら「リーダー論」をワープロ打ちして渡したくらいだ。A氏:しかし、その後、主将という役はB君には荷が重いことが分かってきて、顧問A氏、B君、そしてB君の家族にとって共通の悩みとなるね。 選手を見る目がある顧問A氏だから、途中、主将をB君とは別の者に代えようとしたようだが、最後は成功体験で終わらせたいという気持ちで続けさせたようだ。 ムリだったようだね。 ムリをムリに通すと、どうしようもないから「体罰」慣れしていると、ついムリな「体罰」の誘惑にかられると思うよ。私:12月22日の練習試合での「体罰」の後、顧問A氏とB君と二人きりで会話をするが、これは、顧問A氏にしては「体罰」後のフォローのつもりだったのであろう。 顧問A氏は、この会話で「なんでミスするのか」をB君を責めると、B君は「余裕がない、正直つらいです」と言って俯くが、「リーダー論」も読んでいないことがわかる。 顧問A氏は「かみ砕いて簡単に説明しても、褒められても、ほっといても、叩いてもダメ。そして『余裕がない』という返事では、先生はどうやって教えていいのかわからん」と言う。A氏:顧問A氏は「体罰」でも効果が出ないことで困惑していたようだね。 だから、この二人きりの会話の中でB君に「そもそも、なんでムリにキャプテンをやりたかったのか」と聞くと、B君は「母に大学進学のために有利だと言われた」という。 驚いた顧問A氏は「実績がなければだめだ」と安易な考えを指摘する。 そして、「俺に怒られたり、叩かれたりしないで、キャプテンしながら格下のBチームでやるのも気楽でいいぞ」と提案する。 しかし、B君は「キャプテンしながらAチームでやります」ときっぱり言ったという。私:ここで顧問A氏が「ダメだ。君には力がない。キャプテンしながら、とりあえずBチームでやれ」と思い切って決断し、命令すれば、自殺は防止できたかもね。 顧問A氏には、指導者として「体罰」以外の効果的な決断ができなかったのだろうね。 「体罰」という道具は、時には死の危険性をある確率でもっているのは、戸塚ヨットスクールの「体罰」方式での30年前の死者の発生でも明らからだね。 原発と同じで、ある確率で致命的なトラブルとなる可能性を持っている。 「原発安全神話」は放射能物質拡散のリスクを、「体罰万能神話」は死のリスクを、持っていて、その発想にどこか共通点があるね。
2013.02.21
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私:「文藝春秋」はそのときどきに大きくなった社会問題をとりあげるのだが、この「桜宮高体罰事件」については、森功氏の8頁にわたる取材リポートだけだね。 「体罰」一般論まで広げなかった。A氏:俺は、君の「体罰」問題の関心からアンテナを張っていたので、この小さな扱いの記事にひっかかったね。 森氏は、丹念な取材の結果、結論的に言えば、「『顧問A氏による体罰』イコール『生徒B君の自殺』と単純に直結する考えはおかしい」というものだね。 そして、この単純な理由で、桜宮高の入試などに介入した政治家による拙速な対応は、弊害しか無いとして批判的だね。 名前はあげていないが、政治家とは橋下徹大阪市長だね。私:桜宮高は私学にあるスポーツ校と違う。 体育科はスポーツ技能だけで入学できるわけではなく、学力面でも普通科よりも体育科の方が上だ。 自殺したB君も学業優秀で成績はクラスでもトップに近かったという。 桜宮高の体育科は一種の「桜宮ブランド」になっていた。 オリンピックに5人の選手を出している。 中でもバスケット部は大阪市内でも屈指の強豪で、全国大会の常連。 顧問A氏が着任した1994年以降、頭角を現し、この5年でインターハイに3度出場しているという。A氏:この「体罰」で問題になったバスケット部顧問A氏は、19年に渡り指導していたので、自殺した生徒B君を小学4年のミニバスケットの頃から知っていたという。 B君の兄は中学生の頃から大阪府のバスケットの有名選手で、全国屈指の福岡第一高校に入学した。 顧問A氏もその福岡第一高校のバスケット監督とも親しい。 B君の両親も顧問A氏の大のファンで家族ぐるみのつきあいであった。 B君の兄は福岡第一高校から早大に推薦入学している。 B君一家はバスケット一家であった。私:B君は、3年生が引退した昨年9月、主将に立候補した。 顧問Aは立候補したB君を主将にした。A氏:問題の「体罰」事件は12月22日の石川県の高校との練習試合で起こったという。 B君が試合中にミスをすると、顧問A氏は1分のタイムアウトをとってB君のミスを責め、平手で10発ほど、B君の横面を張った。 その甲斐あってか、生徒の動きはよくなったという。 相手チームのタイムアウトのとき、顧問A氏は疲れの見え始めたB君を呼び、「しっかりしろ」と再度、平手で三発顔を叩きながら、「叩かれてやるのは動物と同じだ、それでいいのか」と叱り飛ばしたという。私:試合後、顧問A氏は「体罰」の後のフォローの積もりか、B君と二人きりで教官室で1時間ほど話をする。 じっくりといろいろ話して、顧問A氏は「明日、楽しみにしているからな」と教官室から体育館に戻るB君を見送る。 これで顧問A氏は安堵したに違いないと森氏は推測する。 しかし、そうではなかった。私:その夜、B君は帰宅し、両親と明るく話していたという。 ところが、翌朝、B君はネクタイで首を吊って自殺していたのを発見される。 一報で顧問A氏も驚く。 明日は、その後の展開などにふれよう。
2013.02.20
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私:昨日、昼飯前にNHKのテレビを見ていたら参院予算委員会の実況を中継してた。 丁度、民主党の議員が被災地の復興のための建設資材の価格や作業員の賃金が著しく高騰していることを具体的に指摘していた。 復興需要が増えるのは、東日本震災以降、当然とは言え、そろそろ3年目に入ろうという今頃になって問題になっているのはおかしいね。A氏:それを受けたのか、今朝の朝日新聞の一面トップの見出しは「被災地 生コン高騰」だね。 生コンは最大43%上昇し、それに品薄だという。 生コンはそれこそ「生」だから、遠くから運べない。 建設作業員の賃金も高騰し、かつ、それでも人手不足だという。 物価上昇で、かつ、賃金アップとなると、まさにアベノミクスの目標達成となるのではないかね。私:大体、被害状況からして、必要な生コンの量などの建設資材の必要量が概要計算できるはずだ。 それに対して、被災地の供給能力は分かっているから、差し引き被災地の不足量はわかるはずだね。 それをどのように埋めるかは、震災直後から計画しておくべきだね。A氏:新聞はさらに、この建設資材の値上がりで、建設業者が利益を食われる恐れから、被災地では入札の不成立が相次いでいるという。 これが、被災地の復興の遅れとなっているという。私:予算委員会の質問でもあったが、今回のアベノミクスで、全国の公共事業を増やすので、こちらでも建設資材を必要となってくる。 そうすると、共食いになるのではないかという問題が出ているね。 被災地を優先にすべきだという質問に、政府答弁では各省で調整していくということだが、難しい問題を抱えだしたね。 阪神・淡路大震災のときは、当時、建設業は不況で復興需要を吸収したので、資材の高騰はあまりなかったという。 今回は、被災規模が大きいので、阪神・淡路大震災と同じというわけにはいかないね。
2013.02.19
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私:「文藝春秋」三月特別号では、「安倍政権大論争」として、「アベノミクス」、「TPP」、「憲法改正」、「安全保障」、「皇室」という5つのテーマについて、反対意見の二人を選んで議論させている。 対談でなく「対論」と言っている。 「対論」は5つあることになる。 昨日、一部とりあげた榊原英資氏と若田部昌澄氏の対談は、「アベノミクス」の「対論」だね。 ところで、安倍晋三首相がいよいよ訪米するが、TPPでオバマ大統領との話し合いがどうなるかね。 そこで、今日は5つの「対論」の中のTPPを取り上げよう。A氏:TPP賛成側は政策研究大学院大学教授大田弘子氏、反対側はジャーナリスト東谷暁氏だね。 テーマは「結局、損なのか、得なのか」とある。 東谷氏は、日本は多国間はWTO、2国間はFTAでやってきて十分機能してきているのに、またTPPを取り入れるのは国益を損するという。 大田氏は、今、東アジア地域では、個々の地域がFTAを結んでいるので「スパゲッティ・ボウル現象」になっているので、これを整理しようというのがTPPだという。私:しかし、TPPには肝心の中国、韓国が入っていないね。 大田氏は、自民党は「聖域なき関税撤廃」はよくないとしているが、まず、交渉に入って議論すべきと言っているね。 東谷氏は、最初から「聖域なき関税撤廃」などありえないという。 アメリカは、国益を考えて砂糖とか乳製品とか、一部の農産物にはしっかりと高関税をかけてやってきたから、この関税がなくなることはないという。A氏:大田氏はTPPで、開発途上国のインフラ整備に日本が乗り出せるという。 東谷氏は、日本がかってそうであったように、インフラ整備は、開発途上国が自国の企業を使ってやるだろうという。私:大田氏は、日本とアメリカだけで関税交渉をするよりは、TPPで多くの国と協議すれば、日本の交渉に有利だという。 東谷氏は、アメリカのリードには変わりないという。 実際、アメリカと日本の間には、先にあげたいくつかの例外を除けば、関税障壁なんて無いに等しい。 それなのに、何故、アメリカはTPPにこだわるのか。 東谷氏は、それは相手国の制度をターゲットにして、自国の産業に有利になるように制度を作り変えることを狙っているという。 これでは中国の参加はムリだね。 例えば医療制度がある。A氏:大田氏は、アメリカ代表は「TPPは医療保険制度を民営化することを強要するものではありません」と言い切っているという。 東谷氏は、それは本音でないという。私:結局、TPPは日本にとって損か得かとなるね。 大田氏は、いろいろ日本が努力すれば、大きな得になるという。 東谷氏は、TPPに参加してもGDP上昇は10年かけて年間0.1%にすぎないと言う。 アメリカが安全保障の面から圧力かけて来るかもしれないけれど、日本は「日米同盟は大事だ、強化していく」言い続けてしのぐしかないと東谷氏は言う。A氏:オバマ大統領は、「TPPによって輸出を2倍に拡大し、雇用を2百万人増加させる」と明言し、最近、一般教書演説でも早期妥結を示している。 しかぢ、日本側の得はGDP上昇年0.1%とはね。私:両者は最後まで対立していたが、共通していたのは、アメリカは巨大な力を持っているという認識だね。 さて、安倍首相は、日米首脳会談で、どういう土産を持ってくるか。 それとも参院選後へと結論を先送りできるのか。
2013.02.18
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A氏:G20でアベノミクスに影響された急激な円安が攻撃されるかもしれないという懸念があったが、回避されたようだね。 新聞は、外交的な成功だと評価しているね。私:しかし、新興国は円安懸念だという。 デフレ脱却のための金融緩和は国際的に理解されたようだね。A氏:ところで、「文藝春秋」三月特別号では、2つの記事がアベノミクスを扱っているね。 一つは「安倍政権大論争」と題した中で「アベノミクス」について、批判的な青山学院大学教授榊原英資氏と賛成派の早稲田大学教授若田部昌澄氏の対談。 もう一つは「アベノミクスだけでは復興できない」と題して、坂根正弘コマツ会長、三村明夫新日鐵住友相談役、日本総研主席研究員藻谷浩介氏の鼎談がある。私:俺も読んだが、榊原氏は今の日本のデフレはグローバル化など構造的なもので、特に日本は中国と距離が近いので、影響を受け易いという。 大規模な金融緩和や公共投資は、一時的に景気を刺激するが、デフレ脱却にはならないとしているね。 インフレターゲットで物価だけ上げるというのはナンセンスで、給与は簡単に上がらなという。A氏:若田部氏は、構造的なデフレでないと反対意見だね。 氏は、ニュージーランドは99年にインフレターゲットでデフレ脱却に成功したという。 そして、世界中の中央銀行は同様の手法で一応の成功を収めているという。 日銀は対応が遅れているという。 榊原氏も日銀の対応は批判的だね。私:もう一つの「鼎談」のほうは具体的でわかりやすいね。 坂根氏はデフレを起こしている原因は構造的で3つあるという。 第1に労働生産性人口の減少や、東京1極集中化による地方の疲弊という社会構造。A氏:これは、藻谷氏がベストセラー「デフレの正体」で論じているね。私:第2は国内での過当競争。A氏:これは、韓国は逆で1997,8年の通貨危機のとき、1業種1社という政策をとったね。 これで、10大財閥の売上で韓国のGDPの77%を占めるようになる。 経済規模が日本の5分の1の韓国で1社あたりの国内マーケットは日本より多くなった。私:第3は日本は政権がコロコロ変わるために政、官、民が協力して腰を据えて取り組むことができないという政治・行政の問題。 ところで、坂根氏は、インフレターゲットだけでデフレは脱却できないとしているね。私:藻谷氏も、日銀が通貨供給を増減すればツマミを回すみたいに物価をコントロールできる発想は、政府が市場経済を完全に制御できるという話と同様に現実的でないとしているね。 先進国では金融緩和で撒いたカネは消費に向かわず、国境を越えて投機に回っていて実体経済のプラスにはなっていないという。A氏:円安もマイナスがある。 日本は原料を輸入してそれを加工して稼ぎ、そのカネで食料やエネルギーを輸入して生きてきた。 それが今、貿易赤字が年間7兆円となり、続いていく見通しだね。 この状況で円安が進むと日本はトータルで損をする。私:藻谷氏は、日本は旧ソ連ではないので、貨幣の供給量を調節すればOKという学者の幻想でなく、真の競争を生き抜いてきた企業からの地についた国益への提言が重要だという。 期待感からか世論調査の支持率は高いが、アベノミクスの前途はまだ不透明だね。
2013.02.17
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少し遅れ気味だが、十数本ある庭の小木に寒肥をやろうと思い、今日、肥料を2袋買う。 午後から、肥料を土中にまくために、木の横の土を掘りだしたら、寒い強風をまともに食らう。 厚いジャンパーを来ているが、体が芯まで凍るようだ。 寒い。 強風は止まない。 今冬、一番の寒さか。 ついに、あきらめて作業中止。 天気予報では、今日の深夜から明日朝にかけて、気温は氷点下になるという。 日中は晴れて少しは気温が上がるだろうか。 風がなければ、寒肥実行予定だが、さてどうなるか。
2013.02.16
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私:今、急速な円安で、輸出産業は好景気、逆に輸入物価は急上昇。 ガソリン、灯油はすでに上がっているが、スーパーでは食料品に影響が出ているようだ。 給与の上昇より、物価の上昇の方が早いようだ。A氏:国際的には円安は評判が良くないね。私:しかし、それをいうと各国とも過去に似たような政策をとってきている。 昨日の朝日新聞の「アベノミクス・G20モスクワ」欄にベストセラー「通貨戦争」を書いたジェームズ・リカーズ氏のインタビューが載っていたが、「通貨戦争」という観点からわかりやすい説明になっているね。A氏:今度、モスクワで開かれるG20では、「通貨競争」が大きな争点になるだろうという。 ジェームズ氏は、アベノミクスの影響で円安が進んだことで、欧州やアジアでは批判が強まっていることに対して、批判は公平でないとしているね。 今回の「通貨戦争」を開始したのは、10年前に量的緩和第2弾(QE2)で膨大な紙幣を刷りはじめた米国だという。私:世界各国は兵士の一団のようで、皆疲れてのどが渇いているが、水筒は一つしかない。 その水筒をみんなで回し飲みをしていて、今回は日本の番だという。 今度は韓国が悲鳴を上げる。 韓国が通貨安に踏み切れば台湾は、そして中国はーーー。 解決策はなくこの「通貨戦争」は長引くという。A氏:通貨安の大きな目的は自国内でのインフレ促進だというね。 米国と日本はとくにデフレを恐れてきたから、名目成長率を得るために紙幣を刷っている。私:1920~30年の「通貨戦争」は世界経済のブロック化と第2次大戦につながった。 これをリカーズ氏は「第1次通貨戦争」と言っているね。 このときは、ドイツはハイパーインフレで自国通貨崩壊、フランス、ベルギーが続き、30年代に英国、米国が通貨を切り下げ、さらにまた、フランスと英国が再切り下げを順番にやった。 今回と同じだという。A氏:「第2次通貨戦争」が、ニクソン・ショックをはさんだ60~80年代。 今回が「第3次通貨戦争」だという。私:リカーズ氏は、このままでは、世界はそろってインフレに向かうという。 インフレを制御できない恐れがあるという。 この「第3次通貨戦争」を制御するには、国際的な協調しかないようだね。 これがどうなるか。 目先の「円安」に喜んでいると世界の大きな動きを見失うだろうね。
2013.02.15
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私:2月11日の放映だね。 録画しておいたので今日見た。 まず、テレビでは韓国の自殺問題をとりあげていたね。A氏:すでに、韓国は人口あたりの自殺者がOECD中、日本を抜いてこの8年連続で1位だという。 これは、このブログでも以前ふれたね。 特に若者に多いという。 このブログでも「韓国知的街道」があるね。 「尖閣、過熱する主張」、「怒りのソウル・日本以上の『格差社会』を生きる韓国」、「脱日する韓国・隣国が日本を捨てる日」私:韓国は1998年のアジア通貨危機でIMFからの借金と引き換えに、緊縮財政をとり、産業界も企業合併など、強制的に行なわれた。 危機を脱したが、格差が拡大したね。 現在、10大財閥の売上がGPDの77%を占め、サムソンだけで22.4%、現代自動車13%と2大財閥で3分の1近くを占めるという異常な寡占型だね。 サムソン会長の経営手腕はすごいね。 技術陣は、日本人を含め国際的だね。A氏:非正規雇用率はどうだね。私:34.7%と日本とほぼ同じだが、日本はデフレで企業の多くは景気が良くないから、やむを得ないという国民感情がある。 しかし、韓国は、国民が皆共に苦しんで、経済危機を乗り越えたので、結果として非正規雇用が多いというのは感情的に深刻だというね。 しかし、大企業に正規社員として採用されても、「38強、45定、56泥」という言葉があるという。 転職するなら38歳、45歳で定年、56歳まで居れば給料泥棒だという。A氏:厳しいね。 セーフティーネットはどうなの。私:韓国の社会保障支出はOECD中最低でGDPに占める割合は9.6%。 こんな状況だから、出生率もOECD中最低の1.15。 すごいスピードで少子高齢化が進んでいることになる。A氏:韓国民は竹島で騒ぐエネルギーがあるなら、格差緩和のデモを優先すべきではないのかね。私:超格差の鬱憤が竹島に向いているのだろうか。 もっとも、ジニ係数は、日本よりいいので、案外格差が低いのかもしれない。 問題は、「38強、45定、56泥」ではみ出てくる落伍者が出る頃だね。 今度の新大統領はなんらかの手をうつのだろうか。 隣国だけに目が離せないね。
2013.02.14
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私:わが国の近世教育史に比べると、「西欧の教育史は体罰史」だと言ってよいという。 フランスが学校でのムチの使用を認めない本格的な「体罰」禁止は1887年で日本より8年遅い。 しかし、家庭での「体罰」は必要悪と考えられ、そのため毎年10万本のムチが売られているという。A氏:叩くのでムチが消耗品になっているのかね。私:ところで、日本語には「教鞭をとる」という言葉がある。 これは教師による「体罰」を連想しやすいが、この「鞭」というのは、掛図を示し、字画を指す道具という解説があるから、今で言うポインターみたいな道具を意味しているのだろうね。 「広辞苑」の「教師が持つ鞭」というのは誤解されやすいね。 明治10年代後半以後、「体罰」の乱用に決定的な影響を与えたのは、帝国陸海軍の教育であったと考えられる。A氏:「軍人勅諭」が明治15年(1882年)で「教育勅語」の制定より8年早いね。私:世界の状況の弱肉強食の「帝国主義時代」を背景に、日本の軍隊教育の画一的、中央集権的色彩が強くなる。 教育を受ける者の息詰まる窮屈さから、上下関係のうっぷんのはけ口として、私的制裁・「体罰」の場を用意することになる。 この典型が、初代文部大臣森有礼が最も重視して軍隊モデルに改造した師範教育の寄宿舎生活の場であったという。 次第に蔓延する当時の教師による「体罰」の根源はここにあった。A氏:森有礼と言えば、国語を英語にすべきだと言っていた人ではないかね。 それから、芸人や職人の徒弟奉公の世界で強固に生き残っていた「体罰」の慣行が、軍隊という機構で拡大再生産されたという可能性もあるね。私:他方、初等教育でのタテマエの「体罰」禁止は、戦時下の「国民学校」までほぼ一貫して禁止されてきた。 戦後、すぐに「学校教育法」が定められ、その第11条に「体罰」禁止がある。 戦後も「タテマエ」と実態の乖離問題は残っていて、勝ち負けを争うスポーツに「体罰」は残る。 根性論だね。A氏:動物を愛護し、子どもを可愛がり、狭い国土の中でお互いに気を使いあい、極力ことを穏便にすまそうとするわが国の伝統はどうなってしまったのかね。私:それにしても、キリスト教は、人間と動物を明確に差別する基本思想があるね。 だから、猿から人間が進化したというダーウィンの「進化論」は教会で問題になった。 子どもは「動物」だから、「体罰」に抵抗感はないのだろうね。 しかし、東洋思想には、伝統的に生き物にも生命活動を認めるような平等思想が根底にあり、輪廻などそうだね。 ましてや日本は「子は宝」だ。 その違いが、歴史的な「体罰」の違いの根底にあるような気がするね。 こないだ、テレビでやっていたシンガポールの学校の「体罰」だが、この国は勝手はイギリスの植民地だ。 韓国はキリスト教徒が多い。A氏:明治維新で近代国家となるための富国強兵と、それによる中央集権化、官僚政治化は、日本の伝統をかなり捨てたね。 敗戦でもそうだね。 そう言えば、今度、例の「体罰」問題の桜宮高校の改革に前女子バレーボール日本代表監督の柳本晶一氏が当たることになったね。 柳本氏は、以前は「体罰」を受けたことや古い指導法をとっていたことを認めた上で、「科学的に栄養を管理して、自覚を持った選手を育てないと世界に太刀打ちできないと感じ、指導方法を変えた」と言う。 当時、選手は監督を「昌ちゃん」と呼んでいたそうだ。 今度の五輪の銅メダル獲得の基礎を作る成果を出してきたね。 氏は、どこかのテレビインタビューで100年来のスポーツ指導の悪習を断つと言っていたように思う。私:安倍晋三首相の「日本を取り戻す」ではないが、「体罰」の社会史からすると「100年前の日本を取り戻す」ことになるのかね。 さらに、日本女子アイスホッケーが、ソチ五輪一番乗りを果たしたね。 飯塚裕司監督の指導方法をテレビでやっていたが、相手の動きをビデオなどを使い、科学的だね。 それに2人のコーチの適切な指導があったことを今朝の新聞が報じていて、飯塚監督は「コーチ陣のおかげで指導が行き届いた」と言っていたという。 サッカー、バレー、アイスホッケーなどの相次ぐ女子の国際スポーツの成果を通じて「勝負強さ」と「体罰」の歴史的な関係は大きく変わるだろうね。
2013.02.13
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私:「藩」という言葉は、幕末に一般化したもので、正式名称は明治の廃藩置県の時であるという。 だから江戸時代は、藩(立学)校という言葉もなかった。 「弘道館」(水戸藩)、「時習館」(熊本藩)などと個別に呼ぶだけだった。A氏:江戸時代は、経済、産業、教育、福祉はまさに地方分権時代だったからね。私:だから、江戸時代の教育機関は多様だった。 江戸時代の教育研究ではロナルド・ドーアの著「江戸時代の教育」が貴重であるという。 それによると、学校では、居残り、清掃などの罰はあるが、「体罰」は少ないようだ。 幕末に近づくと、厳しい能力主義と「日本的な非『体罰』的な懲罰」が結びつけられる傾向にあったようだ。A氏:そう意味では、西欧前近代社会の混乱・混沌と違い、安定した社会だったんだね。私:300近くあった藩の学校の罰則について「日本教育史資料」によると藩校に「体罰」規定があるのは、維新期に存在した藩総数270のうち、2.2%に過ぎないという。 特に「時習館」(熊本藩)学規では、「中国の明の制度ではタケヘラでたたくという『体罰』があったが、今は基準が違うし、日本と中国は風俗が違うから、中国の『体罰』による方法はとらない」として「体罰」禁止規定があるという。 しかし、熊本藩では学校はそうでも地域社会の教育では、「体罰」は多かったようだ。 薩摩藩も地域社会での「体罰」が多く、これが明治維新で薩長政権になったときに影響があったかもしれないが、社会の大勢としては温和化の方向であったようだ。A氏:庶民の学校である「寺子屋」での「体罰」はどうかね。私:「寺子屋」の研究は、前近代の教育史研究では最も進んだ分野だという。 特に乙竹岩造の大著「日本庶民教育史」(全3巻)が詳しいという。A氏:結論的にはどうなんだね。私:乙竹は「体罰」について、「寺子屋」に「体罰」が多いという説は「伝説」で、幕末の庶民教育隆盛期では、「『体罰』はあったが、過酷な『体罰』は『甚だしき頑童』に対してのみ稀に加えられたもので、常用されたものでない」とあるという。 例外もあったろうが、江戸の「寺子屋」では、一般的に「体罰」に対してきわめて慎重であり、羞恥心に訴えたり、恐怖心を適度に利用したりすることが主だったという。A氏:明治ではどうなったんだろうね。私:明治初期にいろいろな校則が出ているが、「体罰」についての規定がない点が共通しているという。 そして、明治12年(1879)の教育令第46条に学校における「体罰」禁止が法制上明文化される。 明治維新期の指導層である中央政界の武士出身者には、「体罰」否定思想は抵抗なく受け入れられたようだ。 明日は、最後のまとめに移ろう。
2013.02.12
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私:古代儒教の「尚書」、「礼記」には成人や青年くらいの学生の「体罰」が載っているという。 これらが、唐朝の「学令」の「体罰」規定や、それにならったわが国古代の大学寮の「体罰」規定の根拠になっていると考えられる。A氏:古代儒教は学校教育における「体罰」を必要不可欠としているようだね。私:中国で「体罰」をはっきり否定する考え方は、3世紀の「孔子家語」にあらわれているという。 そこには「父親が愛情の発露として子をたたいても、子は父親を恨むようになってしまう」とあるという。 この書は現在では、後世で創作した部分が多いという評価だが、当時は、日本の儒学者はそのまま信じており、この書の「体罰」否定は大きな影響を与えた。A氏:近世になると儒学は朱子学と陽明学だね。 これらの近世の儒学と「体罰」の関係はどうかね。私;朱子学は一種の教育学であるという。 朱子学では「体罰」否定だね。 次いで、王陽明による陽明学が出現するが、子ども観や「体罰」観は同じであった。 しかし、このように中世儒教を代表する人々が「体罰」否定論者であるのに対し、中国の社会の実態としては、当時の史料によると、日本よりはるかに「体罰」が乱用されていたらしい。A氏:近代中国はどうかね。私:この時代に集中的に出版された自伝類では、小間使いを叩く例が多いという。 しかし、毛沢東の率いた中国共産党とその軍隊は、部下や民衆を殴らないことが、一つの「看板」になっていた。A氏:日本陸軍の上官によるピンタ攻撃とは正反対だね。私:「文化大革命」のときは、「体罰」的事件が多数起こったことは予想される。 しかし、現在では学校の「体罰」は非常にすくないと考えられる。 新中国では「体罰」は「封建家長制の害毒」だからね。 しかし、最近「一人っ子政策」で子どもの教育熱が過熱し、成績の上がらない子どもを強く折檻し、死亡させた事件があったという。A氏:中国の「体罰」も新しい社会事情を反映して、蘇る危険性があるね。私:日本の武家の教育と「体罰」に触れようと思ったが、紙数が尽きた。 明日にしよう。
2013.02.11
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私:著者は、5代綱吉政権下の「生類憐れみの令」の背景に4代将軍家綱の頃の将軍後見役の保科正之の活躍があるという。 正之は「殉死禁止令」などを出すが、その正之と親密な関係にあった水戸光圀が「子ども教えるのだからといって、強く折檻するのは益がないだけでなく、気力を縮め、かえって害になる」と言っており、「体罰」反対の思想であった。 この正之の儒学の師が山崎闇斎で、激しい性格だったが、「体罰」の記録は見当たらないという。 同時時代の山鹿素行も「父の道が『厳』だけではダメである」と言っているという。 儒学の陽明学派の人は皆、同じという発想から、身分制の否定という反体制的であった。 中江藤樹や熊沢蕃山などは、子どもや使用人への人間的共感を背景に、「手荒な、あるいは冷酷な扱いを避けたい」と思っていたという。A氏:「体罰」否定だね。私:「百年来の儒学の大家」と評された熊沢蕃山は「幼少の子どもをムチ打ちのは、教育方法が立っていないからである」としている。 近世日本を通じてもっとも詳しく「体罰」否定を論じた人であるという。 蕃山は、京都の公家との接触が深く、平安王朝文化の素養・趣味も彼の「体罰」否定論に影響していると言われる。A氏:しかし、人間平等主義による身分制の否定は、身分制が固まりつつあった時代には、体制に批判的な立場をとっていることになるね。私:その後の大思想家の荻生徂徠、貝原益軒も、同じ思想を体制内でなんとか維持するようになる。 熊沢蕃山より11年遅く生まれた貝原益軒は、わが国における最初のまとまった教育論考と評される「和俗童子訓」で、「子どもに教えるには、どんな愚か者で年がいかず身分が低いものでも、甚だしく怒り罵って顔色や言葉を荒々しくして悪口を言い恥ずかしめてはならない」とある。 「家道訓」では、「体罰」を戒めている。 この時代の多くの儒学者は「体罰」否定論者だね。 しかし、この後、18世紀後半から、「体罰」肯定論が生まれる。 その頃の川柳に「体罰」をとりあげたものがある。 しかし、欧米などに比べるとあまり手荒、陰惨なことはしていないことがわかる。 この頃に、荻生徂徠が登場するが、彼は目的が正しければ「体罰」を否定しない相対主義の立場をとっている。 だから、徂徠学派には世論の大勢に対抗して「体罰」肯定論を堂々と説く人物も出てきたという。 19世紀には大塩平八郎が「体罰」肯定論者として注目される。A氏:陽明学の影響も一色ではなかったのだね。私:陽明学の影響を強く受けた吉田松陰の松下村塾では、罰として「坐禅その他の罰」があるが、実際には罰を与え又受けたものはなかったという。 幕末に来日した外国人が日本の子どもの「体罰」が見当たらないことを述べているのは共通しているね。 日本は「赤ん坊の天国である」という。A氏:日本は伝統的に「子は宝だ」ね。私:明日は儒学の本家の中国の「体罰」から、日本の武士の教育に移ろう。
2013.02.10
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私:著者は、わが国に独特の「近世的体罰」観が成立してくる思想的な前提として3つの観点を取り上げている。 第1は、東洋の心身論の特徴は、心身一体観だということ。 修行がそうで、修行とは身体の訓練を通じて精神と人格の向上を実践的企てという意味があるという。A氏:人格中心の向上と完成に結びつかない単なる技能的訓練を目的とした態度は、東洋の修行論では邪道だということか。私:第2は、生物愛護の考え方だね。 前近代の一大庶民教育運動の創始者石田梅岩の伝記的記事が有名だという。 梅岩は、入浴したお湯を流す時、水でぬるめにして流し、地中の虫が死なないように配慮したという。 後に石田心学の流れをくむ人々は、「体罰」禁止思想の一大潮流をなすね。A氏:17世紀後半には江戸幕府の綱吉政権の「生類憐れみの令」があるね。私:幕末に来日した英国の将軍が「日本では、馬の去勢はむごい仕打ちとみなされており、この国には導入できないであろう」と言っていたという。 第3は人間平等思想だね。 安藤昌益が有名だが、その前にも井原西鶴、石田梅岩、西川如見、近松門左衛門などにも、「人は身分や境遇の差はあっても、本質的な差はない」という発言が多く見られるという。 いずれにせよ、17世紀のかなり早い時期から、「体罰」は忌まれるようになる。 明日は、この時代の思想家たちの考えに移ろう。
2013.02.09
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私:著者は、原始時代の教育を考えるときに、(1)出産、育児、(2)生産、生活技術の伝承、(3)イニシエーションの3つを基本観点としているという。A氏:イニシエーションというのは、成人となり、大人の仲間に入るときの「通過儀礼」だね。 肉体に傷をつけたりして、これに耐えるテストに合格すると成人として認め、大人の仲間に入ることが許される。 今、成人式がこの伝統をわずかに残しているね。私:縄文時代の遺骨に多い「抜歯」は縄文人のイニシエーションのあとではないかという説が有力であるという。 ただ、これは罰とか「体罰」とは異質だね。 縄文時代の子どもは裸同然で山野を走り回っていただろう。 だから、現代人よりは動物に近い皮膚を持っていただろうから、「体罰」という意識はなかっただろうね。 しかし、奈良・平安時代になると、「体罰」が鮮明になる。 「万葉集」に当時の里長が、民衆をムチ打つことが出てくる。 奈良時代後期に官吏養成機関である大学(寮)の規定には、ムチ打ちの罰の規定がある。 当時は貴族の家庭でさえも、ムチ打ちが行なわれていたという。 「律」の規定では、祖父母、父母の教えに従わない子どもを殴打して戒めることが許されていたという。A氏:古代国家では「体罰」的風潮が強かったようだね。私:しかし、天台宗の開祖、伝教大師最澄は、今日、知られているわが国最初の「体罰」否定論者だという。 「手で児童を打ってはならないし、違反するものは同志でない」としているという。 後の江戸時代に一般的となる「体罰」忌避の先駆となっている。 しかし、中世では、まだ、下の者に対する「体罰」は存在していたようだ。A氏:禅宗はどうかね。私:中国化され、もっとも中国人的な仏教とされる禅宗は、6世紀に達磨によって始められる。 「悟り」の境地に達するには、艱難辛苦を耐えねばならず、「悟り」の契機として師から「体罰」を含めた無理難題、苦痛を課せられることを必要不可欠としていた。 しかし、中国の北宋時代には、「体罰」の抑制を考える方向も出てくる。 日本の禅宗史上、注目されるのは道元だね。 道元は、「他の人の間違いを見て、いけないと思ったら、相手が腹を立てないように教え導くべきである」と言っているという。A氏:道元は、「体罰」の完全否定論者ではないが、「体罰」の本質的な非教育性を洞察し、教育としては抑制すべきだというわけだね。私;明日は、日本の近世の「体罰」に移ろう。
2013.02.08
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A氏:朝日新聞が「暴力とスポーツ」という3日連載コラムを掲載していたが、今日がその最後の記事となったね。 今日の記事の題名は「100年の『歴史』転換の時」とあるね。私:スポーツ倫理学・教育学専門の友添秀則早大スポーツ科学部教授が、日本のスポーツの土台は学校が担ってきたが、戦前にその学校に「軍」が入り込んできた歴史があるという。A氏:1925年(大正14年)、政府は「陸軍現役将校学校配属令」を出す。 旧制中学や師範学校などで当時あった学校体育に、軍事教育の教練の教員として軍の将校や下士官が入ってきた。 戦時下になってくると彼らが学校で中心的な存在になり、暴力が受容される空気ができたという。私:戦後、このいちど染みついた威圧と服従による指導方法は消えず、スポーツ教育で、効率的に選手を生産する方法になったという。A氏:教える側も軍隊時代に上官からピンタなどの「体罰」を徹底的に受けてきたからね。 そのシッペ返しが教えるスポーツ選手に対する暴力となる。私:朝日新聞は、「スポーツと体罰」欄で2週間くらいいろいろスポーツ界の著名人のコメントを掲載していたが、歴史的な解説はなかったね。 今度、始めて、100年前にもどり歴史的な説明をしているね。 その教育上の「体罰」を歴史的に解明したのが、この「体罰の社会史」の本だね。 以前、ブログでも取り上げたが、今、図書館で借りて読みだした。 それによると、1879年(明治12年)、政府は「教育令」を出しているが、その第46条に「体罰禁止」が明文化されているという。A氏:明治の初期の頃は、日本は教育における「体罰」禁止先進国だったんだね。私:学校体罰禁止の西欧最先進国のフランスでも、日本より8年遅れて法制化したという。A氏:何故、日本は先進国だったんだろうね。 背景に何があったんだろうか。私:仏教、儒教などに影響された我が国の伝統思想の中に、国民感情として、体罰を残酷なものとする見方が定着していたんだね。 この「体罰の社会史」の著者が、「体罰」の歴史を研究しようと思った動機は、次のようなものだという。 1983年に戸塚ヨットスクールの事件で、問題になった戸塚宏氏が書いた「私はこの子たちを救いたい」という本の中で「日本の歴史が二千年あるとしても、体罰を否定しているのは、最近の三十年間だけで、あとの1970年間は、肯定されているのである」とあったからだという。A氏:1879年(明治12年)の日本政府の「教育令」第46条に「体罰禁止」が明文化されていることからしても、この一事だけで戸塚氏は史実を知らないことになるね。私:著者の江森氏が「体罰」の長い歴史を詳しく調べた結論は、戸塚氏の考えと正反対だね。 明日から、「体罰」の歴史を、歴史の順にそって検討してみよう。
2013.02.07
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今日は、雪を覚悟していたが、横浜は1日中雨だった。 しかし、気温は低く寒かった。 雪を覚悟で今日予定していた用事を昨日済ませていたので、今日は外出せず、1日中、家にいた。 2日(土)と3日(日)の2日の連続ドラマ「最も遠い銀河」を録画しておいたので、これを見た。 テレ朝の開局55周年のドラマスペシャルだという。 2日間で正味4時間を超える長時間ドラマだ。 原作は白川道の同名小説である。 定年退職し、末期ガンの元刑事が主人公(三浦友和)で、死ぬまである事件の真実を追うミステリードラマだ。 話が複雑に展開して、飽きさせなかった。 最後、主人公が死の直前でコインで真実を掴むというのは面白い結末である。 もう一人の主人公(伊藤英明)の最後は予想外であっけなかった。
2013.02.06
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私:1月14日の大雪には参ったね。 道路の北側には、10日間くらい雪が残っていたところがあった。A氏:しかし、天気予報によると、明日、また雪になるね。 東京、横浜は今夜から雨が降り出し、夜中に雪になるようだ。 明日の朝は、外は一面雪景色となりそうだね。私:そして雪は明日の夕方まで降り続くという。 積雪10センチの予想だという。A氏:明日は朝から通勤、通学の足が大混乱だろうね。 高速道路も一般道も渋滞だね。私:明日、用事があったんだが今日に繰り上げたよ。 お陰で今日は忙しかった。 明日は、外出中止の予定だ。 しかし、10センチくらいの雪で、簡単に交通機関が混乱するとは、雪国の人には想像できないだろうね。
2013.02.05
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A氏;一昨年に大津市であった中学二年男子生徒の自殺は生徒の「イジメ」が原因だったことが、市の第三者調査委員会が事実を積み重ねてたどり着いた結論として示されたね。私:「イジメ」にせよ、「体罰」にせよ、学校教育の問題になっては解決したように見えるが、また、発生するね。 これは、国際的でもあるね。 一昨日のテレビでシンガポールの学校の先生による「体罰」をやっていたね。 尻に腹巻みたいのを巻かせ、尻をムチで叩く。 そのシーンを実際に写していたね。A氏:俺も見たが、先生が感情的にならないように、「体罰」にも厳しさの段階があるという。私:テレビではさらに韓国の例をあげていたね。 韓国は、先生による「体罰」がひどかったらしいね。 テレビで先生が生徒を叩いているシーンが出るが、ものすごいね。A氏:韓国は、最近、国として先生の「体罰」は禁止となったらしいが、今度は生徒が規律を守らなくなるケースが増加しているという。 反動かね。私:「体罰」なしで生徒に規律をいかに守らせ、「イジメ」をなくすかということは、国際的にも問題となっているね。 アメリカでは、クリントン大統領のときに「ゼロ・トレランス方式」を学校に導入し、効果をあげたという。 これは「イジメ」でも加害者を厳しく罰する考えだ。 「イジメ」の被害者を転校させるようなことをせず、加害者を登校禁止にするようなやり方だね。 6年前に、日本も「イジメ」問題で「ゼロ・トレランス方式」導入の話があったが、どうなったかね。 このブログでも6年前にとりあげている。 アメリカも「ゼロ・トレランス方式」の効果はその後、続いているのかね。 「イジメ」も「体罰」も、長く人類を悩ませる問題だね。
2013.02.04
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私:「体罰」問題がマスコミで大きくとりあげられているが、実は、30年前にも大きな議論が社会的にあったんだね。 戸塚ヨットスクールは、ヨットなどを通じて、欠陥児童を矯正するのだが、徹底的な「体罰」と「恐怖」を子どもに課することで行う。 この本にはその具体例が多く書かれている。 「体罰」推進のバイブルみたいな本だね。A氏:戸塚ヨットスクールでは80~82年の間に3名の死者と2名の行方不明者を出して、戸塚氏は83年に逮捕され、実刑判決。私:この本は判決前の拘置所で書かれているね。 古い本なので、図書館からすぐ借りられた。A氏:「恐怖」による方法というのはどうやるのかね。私:簡単な例だと「ニンジンを嫌いな子」の例がある。 この子を、朝6時起きで運動させて、それからヨット。 3食は「食うな」と言って与えない。 翌日もくりかえし、5食抜いた6食目の夕食時に与えるのはニンジンだけ。A氏:「飢餓の恐怖」による従順だね。私:おかしな例が載っている。 普通は子どもが入学するのに、あるとき43歳の地方官庁の公務員で、エリート中のエリートが入校した。 登校拒否ならぬ登庁拒否になったからだという。 この人は有名進学校から東大ストレート合格。 官庁に就職し、トントン拍子に出世し、若くして部長になり、体は強健で、家庭的にも問題ない。A氏:その彼がなんで登庁拒否になるのかね。私:あるとき、彼の部に可愛い感じの18歳の新卒が配属された。 可愛いので、彼は、ちょっかいを出したくなり彼女に「お茶」と言った。 ところが女の子は、ムッとした表情になり、「なによ、偉そうにーーー」と言わんばかりに反発したという。 それで翌日から彼は役所に行けなくなった。A氏:彼のそれまでの人生では「挫折感」を味わったことが皆無だったんだろうね。 子どもの頃から、「イジメられる」という経験なしで大人になってしまったというわけか。私:だから、戸塚氏は子ども時代の「いじめ」は大歓迎だね。 彼の考えには、「子どもは1人前の大人になる前の動物」というものがあるね。 犬猫と同じで、大人にする訓練が必要で、そのためには「体罰」は不可欠で、一番効果が早く上がる方法と考える。 そして、産んだ母親は腹を痛めた子に甘いから、父親が子どもの教育の支配権を持つべきであるとしているね。A氏:彼は、ヨットの太平洋横断で優勝しているが、生い立ちに「体罰」があったのかね。私:それは知らないね。 この本を書いてから30年経って、今、また「体罰」問題がスポーツで騒がれているが、戸塚氏は、マスコミの扱いには今もまだ、大反対だろうね。 戸塚氏を支援している石原慎太郎氏はどう思っているだろうかね。 大阪市は教員の研修に「体罰」反対の桑田真澄氏を講師に迎えての講義があり、研修後、桑田氏と橋下徹市長が笑顔で握手していたね。A氏:日本維新の会は「体罰」では、完全に割れているね。私:戸塚氏は、「体罰」「ヨット」「海」によって問題児を立ち直らせているという。 しかし、その「海」は東日本大震災で「凶器」となり多くの死者を出した。 戸塚氏が、この本を書いた時、5年間で5百50余名の問題児を扱い、社会復帰させているという。 俺の興味があるのは、これらの子どもは今、50歳代の大人になっているだろうが、「胆力」のある大人で活躍しているか、単なる「恐怖不感症」になっていて、自分の子どもにも「体罰」をしているかだね。 追跡調査がほしいところだね。
2013.02.03
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私:先月の朝日新聞の夕刊で、糖質制限食を5年以上続けると死亡率が高くなるかもしれないという分析結果を、都立国際医療センターが米科学誌プロスワンに発表したと報じているね。A氏:俺も読んだが、糖質制限食は短期的には減量や血糖値の改善につながるという報告は出ているが、長期的に安全かどうかわかっていないというわけだね。 それで、都立国際医療センター病院・代謝・内分泌科の能登洋医長らが調査したとある。私:27万人を摂取した総カロリーに占める糖質の割合に応じて10のグループに分けた。 5~26年の追跡期間中、計約1万6千人が死亡していたが、糖質の割合が最も少ないグループの死亡率は、最も多いグループの1.31倍で、統計上の明確な差がでたという。A氏:有意差あり、というわけか。 糖質制限食は、肉食中心になるので、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなると言われているが、この調査では、これらの発症率と死亡率の関係ははっきりした差はなかったという。 有意差なし、だね。 だから、何故、死亡率に差がでたかの原因は不明のようだね。 しかし、糖質制限食は、血糖値を下げるから、血がドロドロになりにくいので、心筋梗塞や脳卒中になりにくいはずだがね。 俺も、糖質制限食をして半年を過ぎたが、毎月の血液検査ではコレステロール値は、従来と変化はないね。 肉食といっても魚が多いしね。私:結論は、何故、死亡率に差があるのか不明ということだね。A氏:糖質制限食といっても、制限するだけで糖質ゼロではないからね。 自然食品には糖質は多かれ少なかれ含まれているからね。 俺は、果物は糖質の多いバナナは避けているが、リンゴ、ミカンは食後によく食べているしね。 俺は、10のグループのうち、「糖質の割合が最も少ない」でなく「糖質の割合が比較的少ない」グループに入るかもしれない。私:能登氏は、「糖質制限食の長期的な利点は少ないのではないか」と言っているという。 利点が得られるのは2、3年がめどかね。 もっとも、俺たちの年代になれば、少しくらい死ぬのが早くても遅くてもあまり差を感じないね。 ピンピンコロリであれば十分だよ。 そのために合併症で寝こむのが怖いから、糖尿病になるのは避けたいね。A氏:そう言えば、10年ほど前に国民の健康増進でメタボが流行したが、厚労省では今年4月から「ロコモ」運動をするようだね。私:年をとると筋肉が老化する。 そのため歩行困難になって「寝たきり」になりやすい。 その防止運動だね。 ストレッチなどして、筋肉を動かすことだね。 日本人の平均寿命は、男79歳、女86歳だが、寝たきりにならない「健康寿命」は、男70歳、女73歳だという。A氏:ピンピンコロリは少ないね。私:ストレッチなどの努力が必要だね。 今年は「ロコモ」運動で流行りそうだね。 朝夕15分 死ぬまで寝たきりにならない体をつくる!-【電子ブック版】
2013.02.02
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【送料無料】足軽の誕生 [ 早島大祐 ]私:この本に興味を持ったのは、中世の戦いで言わば「歩兵」として活躍した「足軽」がどうして生まれたかを知りたかったからだね。 その程度の好奇心からだ。 図書館から借りた。 著者早島大祐氏は、京都女子大学准教授で、専門は日本中世史。 読んだら、史料や学説の引用が多く、薄くコンパクトにまとまっているが専門書だね。 中世史の専門用語が多い。 しかし、語り口は平易で、サスペンス的な進め方で、全体として読みやすかったよ。A氏:「足軽」という点に着目して、本をまとめたというのは、あまりないのではないの。私:著者は、室町時代の「牢人」問題は未踏峰の研究分野らしいということで、まとめたようだ。 この本は京都女子大学で2011年度後期に行った特殊講義をもとに書き上げたという。 俺は、もう学生でなく、日本中世史に趣味として興味があるわけではないし、室町時代の歴史の基礎知識は、高校以来、勉強していないので、忘れているし、ちょっと壁があったね。 荘園制度もピンと来なかった。 この本は10年続いた応仁の乱の前後が問題になっているが、これにより京都が荒廃したという基礎知識ももう覚えていなかったね。A氏:ウィキペディアによると、「足軽」は「日本の平安時代以降、存在した歩兵の一種」とあるね。私:この本でも、南北朝の動乱について記した「太平記」に「足軽」が登場しているし、一般論としても、従来の戦場にも「足軽」のような下級武士がいなかったわけでないという。 しかし、応仁の乱で「足軽」という下級武士が大量に現れたという。 もとは、武家や公家の下級士官であった。 この層が、京都の繁栄とともに増加し、力を得ていく。A氏:「下克上」の時代だね。私:この本を読むと室町時代の京都は、全国から物資が集中し、その物流による繁栄はすばらしいね。 人の交流も盛んに行われた。 京都という都市は、武家、公家、寺・神社に関係ある人々が近隣から集まってきてできたものだね。 無縁の人が集まってできた都市ではない。 しかし、後半、将軍暗殺、武家のお家騒動、土一揆の頻発があり、政治機構が崩壊していくね。 そして、最後に応仁の乱で荒廃し、その荒廃した京都に、応仁の乱で大量に生まれた「足軽」たちがたむろし、盗みをし、殺害した人を捨て、一揆の拠点ともなる。 博徒が集まって、サイコロを振り、酒盛りをする状態だったという。 そして、世は戦国時代へと突入し、戦場に「足軽」が登場するが、この本の範囲外だね。 ところで、十年くらい前に、日本の中世を見直そうといろいろな本が出たことがあったね。 こないだある雑誌を読んだら、東日本大震災を機に日本に帰化したロナルド・キーン氏が、「日本人の心」の基礎は、応仁の乱の後に花開いた「東山文化」にあると思っているという記事があった。 それが、室町時代の「光」とすれば、「足軽」は影の部分かね。 久しぶりに日本中世史のエキスにふれた感じだった。
2013.02.01
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