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【送料無料】永続敗戦論 [ 白井聡 ]福島第1原発事故の汚染水処理問題悪化への応用編私:マスコミで原発事故の汚染水処理問題が盛んに報じられているね。 これに「永続敗戦論」を適用してみよう。 ある東電経営者は「汚染水処理問題は震災直後に匹敵する『経営危機』」だという。 それなのに、8月21日の東電経営会議では、汚染水処理問題よりも、柏崎原発再稼働の意見が出たという。A氏:前に、東電広瀬直己社長が泉田裕彦新潟県知事に柏崎原発再稼働の了解を求めに行った時に、知事に「カネと安全のどちらをとるのですか」と言われたね。 これは東電というか、日本の原子力発電の問題の本質をついているね。 県知事は原発事故の「永久敗戦」から脱している。 東電はその原発事故の敗戦の原因をしっかり把握して頭を切り替えていないから、おかしなことが続く。 「永久敗戦」が続く。私:汚染水処理のモタモタと、原発再稼働の問題は別だという考えがあるが、新潟県知事がいったように底辺ではつながっているね。 汚染水処理はきちんとやろうとすると膨大なカネがかかる。 ケチっていると、また、放射能放出というシビアな問題が起きる。 「永久敗戦」が続く。A氏:汚染水のタンクもケチったために今度は漏水で手が付けられなくなっている。私:今、夏なので汚染水処理の作業は夜中に数百人の作業者がおよそ3時間行うという。 今週の日経ビジネスが報じているね。A氏:問題は地下水さえ、原子炉に流れ込まなければ、冷却は循環ポンプだけでいけるのではないの。私:だから、東電は薬剤などを使った遮水壁を作った。 そして、地下水が原子炉建屋に流れこむのを防ぎ、汚染される前の地下水を海に放出するというわけだ。 しかし、日経ビジネスの現場取材では、現場ではタンク周辺のみならず、至るところで雨水か、地下水があふれているという。 そして、問題の地下水はあらゆる深さや角度で、原発の周辺を流れているという。 現場の作業員は今のやり方のままでは「地下水の流れを制御するのは不可能だ」という。A氏:原子力規制委員会では汚染水の海への流出の可能性も指摘しているね。 もう事故以来、2年以上たって、また海外ニュースでとりあげられ、東京オリンピック招致に不利なニュースだとも言われているね。 東電の株価は約3割急落。私:「津波」という自然現象を甘く見て「原発事故」を起こしたように、「地下水」という自然現象を甘く見て、「汚染水海洋流出事故」を起こしているようだね。 原発事故の「永続敗戦」だね。 民間の製造業ではどんなに小さな事故でも、徹底的に原因(真因)を追及し、その後、再発予防処置をとれというのは身についているが、官僚的な競争のない会社の発想はのんびりしているね。 「原子力村」はどうしたのかね。 「敗戦」の徹底的な反省もせず、再稼働に熱心なのかね。 原発の「永続敗戦」は除染や汚染水処理問題で今も継続しているね。
2013.08.31
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【送料無料】永続敗戦論 [ 白井聡 ]私:「永続敗戦」を可能とした最大の原動力は、戦後日本経済の成功だ。 そして絶対的な平和主義を憲法上、規定しながら、アジアの戦争(朝鮮戦争とベトナム戦争)には血を染めず、経済的発展の好機として利用したね。私:「絶対平和主義」は守られるべき価値として機能していたのでなく、それが実利的に見て便利だったからだ。 だから、米国の世界戦略に適応する形で、自衛隊創設などの解釈改憲が進行してきた。 本来、対米従属を批判する勢力は、このような実利的な平和主義を精算すべきだった。 しかし、「継続敗戦」派の力が強くてできなかった。 かくして「平和主義は戦後日本社会の中心的な価値観として確固したものになった」という幻想は放置され、批判勢力は思考停止になった。 思考停止がもっとも顕著に現れるのは、核兵器をめぐる議論だね。A氏:日本は「唯一の被爆国であるーーー」という繰り返しの言葉からは「いかなるかたちでも絶対に核兵器に関わらない」と直結する。私:本来ならばこの言葉は論理的に見て、二通りの結論を導くことができる。 1つは、「核兵器は絶対に拒絶する」というもの。 2つ目は「2度と再び他国から核攻撃されないように進んで核武装する」というもの。 2つ目の例は民族絶滅の危機(ホロコースト)の経験から核武装したイラエルだ。 白井氏は、日本の核武装反対論者だが、「唯一の被爆国--」から「核兵器にかかわらない」と自動的に続くことを「思想の衰弱」としている。A氏:そして、一方でこの感情に乗って「非核3原則」をきめながら、「沖縄核密約」を米国と取り交わし、核武装について西独に話を持ちかける政権が出てくるね。 「恥」がない。私:真剣なのは何もない。 真剣なのは国民をだますことだけだ。 いや、国民だって進んで騙されていたのかもしれない。A氏:この国は、負け戦の果てに「核攻撃を受けた」のだね。 負け戦の終わりを「国体護持」にこだわり、ポツダム宣言受諾を躊躇し、もたもたしている間に原爆を2発落とされ、ソ連の参戦を招いた。私:その「国体」とは何か。 それは米国従属国家として生き延びたことだ。 本土決戦を回避して、天皇象徴制も、平和憲法も、米国の国益の範囲でなんとか生き延びた。 本土決戦となり、国民がばらばらになり、自分で自分を守り判断するという機会やそれによる革命は訪れなかった。 「革命より敗戦がまし」というのが戦争終結の決断の本質だった。A氏:「国体」とは自主的決意による革新・革命の絶対的否定を意味する。 だから、「国体護持」を実現したかたちでの敗戦は、敗北という外見に反して、革命が起きそうな事態を天皇制国家の支配層が排除した華々しい勝利にほかならないというわけか。私:白井氏は、原発事故の例をとって、その「永遠敗戦」からの脱出を次のように言っているね。「『各人が自らの命をかけても守るべきもの』を真に見出し、それを合理的な思考によって裏付けられた確信へと高めることをやり遂げるならば、あの怪物的機械(原発)は止まる。 なぜなら、それはわれわれの知的及び倫理的な怠惰を燃料にしているのだから」 明治からの政治システムも高度な精密機械だが、所詮、伊藤博文らによる発明品であるにすぎないというわけだ。A氏:しかし、原発事故はまだ除染だの汚染水だのでモタモタしているね。 「原子力村」の強力な専門家たちは消えてしまったようだね。 「恥」を感じたのか、逃げたのか。私:この本は、思考の柔軟性がないと、吸収できないだろうね。 この5回のブログ・シリーズの初回でふれた水野和夫氏の書評のように、「顔面に強烈なパンチを見舞われ、あっけなくマットに仰向けに倒れこむ心境になった」ということは、氏が思考の柔軟性を持っていたからだろうね。
2013.08.30
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【送料無料】永続敗戦論 [ 白井聡 ]自覚なき対米従属私:東京裁判、平和憲法、天皇制などについて、戦後、右派と左派は論争してきた。 右派は、東京裁判は「勝者の裁き」であって不当、平和憲法は押し付け、天皇制の存続はマッカーサーが天皇の「無私の精神」に感激したためであるという。 これに対して左派は、東京裁判は対英米戦における「罪」を追及したものにすぎず不徹底、平和憲法は先駆的なもので守られるべきものであり、天皇の責任追及は戦後民主化改革に不完全であるという。 これらの議論は一歩退いて見ると、「米国が日本にしたことは善いことだったのか、悪いことだったのか」を判断する道徳的な議論だね。A氏:しかし、国家というのは国益と国内事情によって行動するので、道義的に善意でもなく悪意でもない。私:だから、米国による戦後対日政策の善し悪しを道徳的見地から論ずること自体が無意味で、空しい。 しかし、この議論はある効果をあげている。 それは、米国の政策の道徳的価値を議論している限り、われわれの側の問題を「棚上げ」しておくことができるからだ。 戦後、自民党の戦後の脱却、戦後レジームの脱却という論議は、今まで不毛であるばかりでなく、「真の問題」から目をそらし、「棚上げ」をしてきただけだ。A氏:「恥」の意識は消えているね。私:「親米か反米か」という問題設定は、排斥されるべき偽の問いにほかならない。 問題は、われわれの側に、永続敗戦の構造をつくりあげてしまった日本社会のうちにある。 それを自覚することから、すべてが始まる。A氏:これが白井氏の言わんとするポイントだね。私:ところで自民党の石破茂幹事長は、「あの戦争の実態を検証しないまま、集団的自衛権の行使の議論を始めることは戦死者に対する冒涜である」として、その理由を次のように述べている。 「これは私の持論だが、戦後レジームの脱却は、私は先の戦争の検証なくしてはありえない。 この検証プロジェクトは、安倍総理主導のもと、政府として取り組むべきことだと思う。 終戦後、『一億総懺悔』という言葉が一人歩きし、なんとなく国民全体が悪かったのだということになったが、これは誤った認識だ。 敗戦が明白だったにもかかわらず開戦を決断した当時の指導者たちと、国のために命をささげた兵士の責任が一緒であっていいわけがない」 この石破氏の発言を白井氏は「正論」であるとしているが、河野談話や村山談話を破棄したい本音をもつ「棚上げ」論者の「安倍総理の主導」のもとでは、ムリだろうとみている。 石破幹事長は開戦を決断した当時の指導者たちと国のために命をささげた兵士たちを合祀している靖国参拝をするのだろうか。 明日は、「対米従属」から「平和主義」と「原爆」の問題に移ろう。
2013.08.29
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北方領土問題と竹島問題私:サンフランシスコ講和条約で、日本は千島列島を放棄することに同意した。 ソ連はサンフランシスコ講和条約の調印を拒否したため、日ソの国交回復は1956年の日ソ共同宣言を待つことになる。 この宣言は敗者日本にとって厳しい内容だが、領土については歯舞、色丹の2島は日本へ返還とある。 これを鳩山一郎政権は呑もうとした。 ここに「ダレスの恫喝」が割り込む。A氏:当時の米国務長官ダレスの「恫喝」は「この条件で日ソ平和条約締結へと突き進むならば、米国は沖縄を永久に返さないぞ」というものだね。 要するにサンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄しているのに、米国の許可無く他国に譲ることはできないという理屈だね。私:ダレスの狙いは、北方領土問題を日ソ間で解決させず、これにより米国の沖縄占領に批判が向かないようにすることと、日ソ間の対立を残したいことであったという。A氏:日本は沖縄をとるか、歯舞・色丹をとるかになる。 サンフランシスコ講和条約では「四島返還」はムリだね。私:そこで外務省は、サンフランシスコ講和条約の「千島列島」に対し、択捉・国後の2島は「南千島」と呼ばれて別であるとした。私:実は、サンフランシスコ講和条約の国内承認のとき、当時の条約局長が国会で、「条約にある千島は北千島、南千島を含む」と発言し、2週間後の国会でも他の人から同じ発言が出ているという。 日ソ共同宣言で歯舞・色丹しか返還がないのに、現在、それ以上のものを要求しているのは「駄々っ子」の主張だと白井氏は言う。 この主張を押し通すにはサンフランシスコ講和条約を破棄するくらいの覚悟がいる。A氏:ソ連は8月15日以降も北方領土に攻め込んで占拠しているね。私:それをスターリンの「火事場泥棒的」な仁義なき占領だという人もいるね。 しかし、戦争というものはもともとそういうものだね。 スターリンもヒトラーには大分痛い目にあっているね。 ところで、サンフランシスコ講和条約には日本が放棄した領土に竹島は含まれていない。A氏:日本の3つの領土問題のうち、竹島問題は第2次世界大戦とは無関係だね。私:現代の領土観は、近代国民国家以降にできたものに過ぎないから、竹島の古い歴史をさがしても意味が無い。 竹島問題で日本政府がほかの2つの問題と違うのは、この問題だけ国際司法裁判所への提訴に積極的だということだ。 これに反して、他の尖閣、北方領土問題ではこれに言及しないというのは良いとこ取りで国際的に不公平の誹りを免れないだろうね。A氏:尖閣は実効支配しているから「領土問題は存在しない」、すなわち、国際司法裁判所への提訴は不要だという理屈だね。 北方領土は国後・択捉に対する要求は無理筋。私:領土問題を真剣に考えるには、再度、国民がポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約の内容に真正面から向き合うしかない。 それは敗戦の事実と向き合うことだ。 それは「解決なき解決」だ。 本当に解決するには戦争による「解決」しかないことになる。 それはもちろんムリだね。 「敗戦」を「終戦」と言っているかぎり領土問題の考えも甘いね。 明日は、日本の対米従属構造についての無自覚についてふれよう。
2013.08.28
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尖閣問題私:日本が戦後、直面している領土問題は、尖閣、北方領土、竹島の3つだね。 尖閣と北方領土は敗戦国としての事後処理問題だが、竹島だけは戦後の李承晩などから始まった問題だね。 尖閣は、中国の主張はカイロ宣言や、ポツダム宣言を根拠にしているという。 これによると、日清戦争以降に日本が得た領土は中国かえさないといけない。 一方、日本が根拠にしているのはサンフランシスコ講和条約だ。A氏:問題は尖閣が日清戦争以降に日本領土になったかどうかだね。私:日清戦争以前に清と領土問題になったのは尖閣を含めた沖縄全体の問題で、尖閣などの個別問題はなかったから、尖閣だけ過去に遡るのは意味が無いだろうね。 尖閣は1895年1月14日に日本領土に組み入れられたが、それは日清戦争の最中だね。 タイミングが微妙だね。 外務省の見解はこれに言及していないという。 日清戦争の結果として日本領になったとはいえないが、有利な戦況を背景にして領土化したとも言える。 日中、それぞれ言い分がある。 国際司法裁判所に問題を委ねるならば、日本側に有利な裁定が下る保証が全くないと白井氏はいう。A氏: 周恩来やトウ小平が「棚上げ」したのは、日本にとっては有利だとも言えるね。私:さらに、この問題を複雑にしているのは米国の存在だね。 尖閣をめぐって日中の軍事衝突が起きても、米軍は自動的に参戦しない。 北大西洋条約では即座の武力行使だが、日米安保条約では、米国議会の承認がいる。 まぁ、米国の参戦となったら、中国との大戦争になるね。 それは不可能だろう。 実は、尖閣諸島を構成する2つの島(久場島と大正島)を米軍が射撃場として沖縄返還後も排他的な管理下に置いている。 米国は、尖閣問題は日中間の問題だとして「中立」の立場といいながら、ちゃっかり2島は確保している。A氏:石原慎太郎氏も、当初、これを問題視せず、後にこれを取り上げたが、間もなく引き下がったというね。私:「米国にはへつらい中国や韓国には居丈高に振る舞う」という、戦後日本の歪なナショナリズムを象徴していると白井氏はいう。A氏:尖閣問題で、日中がもめていれば、日本の防衛予算が増大し、米国の軍産複合体は利益を得られるね。私:ところで、話は変わるが、今、マスコミでは漫画「はだしのゲン」が問題になっている。 俺は読んでいないし、俺たち世代は読んでいる人はすくないのでないかね。 幼くても戦争体験世代だからね。A氏:この漫画は原爆や戦争の残虐性を描いたというが、その「恥」は描いているのだろうかね。 それが欠落しているのは「永続敗戦」の特徴かね。私:残虐性の表現は、映画にもPG15とかの制限があるように、子どもに対する配慮は必要なのではないの。 表現の自由と言っている人がいるが、成人映画も自分の幼児に平気で見せているのかね。A氏:それに最近、インターネットに若者がふざけて店舗の冷凍食品のケースに寝たり、パトカーの屋根に乗っている写真を載せているのが問題になっているが、完全に「恥知らず」の行為だね。 これも「永続敗戦」の結果かね。私:明日は、北方領土問題に移ろう。
2013.08.27
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【送料無料】永続敗戦論 [ 白井聡 ]私:7月3日の朝日新聞に「『敗けた』ということ」という題名で白井聡氏の寄稿を読んだが、ショックだったね。 このブログでも取り上げた。 この本は、すぐに、図書館に予約して、1ヶ月半ほど待って借りたよ。 著名な経済アナリストで今は、日本大学教授の水野和夫氏は、氏のブログで次のように、この本の書評を書いている。 「書名以上に、本書の内容は刺激的である。 読んだあと、顔面に強烈なパンチを見舞われ、あっけなくマットに仰向けに倒れこむ心境になった。 こんな読後感は初めてだ」 俺は、すでに新聞寄稿を読んでいたので、本ではショックは少なかったね。A氏:俺は朝日新聞の寄稿だけ読んだんだが、たしかに「敗戦」を「終戦」ときれいに飾って呼んだ戦後がいかに「恥知らず」かが問われているね。私:この本の最後のあとがきに、白井氏が7年前にベルリンにいったときの話が載っている。 夜、友人と2人でベルリン市内中心部を歩き回っていたら、道に迷い、巨大なモニュメントに出会った。 そのモニュメントにはロシア語で「1945年、この地でわれわれはファッシスト共を蹴散らした」と刻んであるという。 これを見て白石氏はショックだったという。 戦争終結から60年以上たって、ドイツは自他共に認めるヨーロッパのリーダーとなっても、首都のど真ん中に「お前たちは敗けた」と書き込まれた巨大施設を置き続けなくてはならない。 それがドイツという国家が敗戦の結果、抱え込んだ宿命だということだ。 白井氏は、これを見て、日本とドイツの戦後の質の違いを覚ったという。A氏:日本は東京のど真ん中には靖国神社だね。私:ドイツが、今ではEUの中核国になっているのに、日本はいまだに近隣諸国と歴史問題や領土問題でもめていて、アジアで指導的な立場をとることができないのと対照的だと白井氏は指摘する。 白井氏は、中国・北京の「中国人民抗日戦争記念館」を訪れたことがある。 中国人の見学者が記入するノートをめくってみて、著者が気付いたのは、最も多く書き込まれた字が「恥」であったことだ。 多くの中国国民にとって、侵略を受け、膨大な犠牲者を出したことは「怒り」の対象である以上に、「恥ずべき」事柄なのだね。 しかるに、日本は残虐な原爆を落とされたことを「恥辱」と感じない。A氏:「恥辱」と感じることは、即座に、かかる事態を招き寄せてしまうような「恥ずかしい」政府しか日本国民は持つことができなかったことへの自覚と直結するね。 こういう感覚を失ったのが戦後だというわけだね。私:白井氏は、3.11の原発事故も同様だと言っているね。 誰も「恥」を感じて発言した責任者が不在だという。 「恥」の追及も甘い。 いまだに、汚染水でだらだらやっている原因となっているね。 敗戦後の日本人には、まだ「敗戦」を「終戦」といったごまかす考えが続いている。 白井氏の主張は、「恥」を自覚して「永続敗戦」としての「戦後」継続を「認識の上で終わらせること」にある。 水野氏は経済学の専門だが、「永続敗戦」を甘受した結果「世界によって自分が変えられてしまう」ことを断固拒否する著者の姿勢を、断固支持するという。 そうしないと、TPP参加や沖縄問題などどれも失敗に終わるだろう」と評している。 明日は、領土問題にふれよう。
2013.08.26
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私:今朝の横浜は久しぶりの雨だね。 しかし、雨量は少なく小雨だ。 今朝の雨は天気予報通りだったが、最近の天気予報は当たらなかったね。 横浜に雨が降ると予報でいっても俺のところはまったく降らない。A氏:雨が局地豪雨化してきてから、地域によっては予報通りとはいかないのではないかね。私:一昨日など、横浜市の市街地は豪雨だというのに、10キロくらいしか離れていない俺のところの住宅地は曇ってはいたが雨はゼロだよ。A氏:桜木町のへんは豪雨でひどかったらしいね。 東京でもゲリラ豪雨が市街地に多いのはヒートアイランド現象のせいかね。私:雨だと自然公園の自然道はぬかるので、天気予報が雨だとウオーキングは避けていた。 しかし、いつも天気予報に裏切られて空振りだよ。 そこで、昨日は、横浜は午後から雨という天気予報だったが、思い切ってウオーキングに出かけたよ。 雲の動きを見ながら、雨が来る前に、すきを見てサッとウオーキングしてしまおうというわけだね。A氏:ゲリラ豪雨に対するゲリラ・ウオーキングだね(笑い)。私:午後2時くらいに雲の様子を見て、大丈夫だと思って自然公園ウオーキングに出かけた。 一応、折りたたみの小さいカサは用意したがね。 森のなかはもうセミの一斉合唱だね。 これだけ鳴いていると、セミの鳴き声もいろいろあるのに気づくね。 風は無風状態で、湿度が高いから歩くと汗はビッショリだ。 2時間、12000歩のウオーキング。 例によって、自動販売機の塩分入りのペットボトルを2本飲み干す。A氏:1リットルの水分補給だね。 熱中症予防には効果的だね。私:帰宅して下着を洗濯機に放り込んで、シャワーを浴びてから入浴。 ついに雨は降らず。 ゲリラ・ウオーキングは成功だね(笑い)。 しかし、今朝は天気予報通りの雨となった。 午後3時頃からは早くも雨はやむという予報だ。A氏:今年の天気は全国的に異常だらけだね。私:いや、世界的に異常らいしいよ。
2013.08.25
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私:藤圭子が自殺したので、彼女の演歌を思い出した。 彼女の自殺の報道には必ず、彼女独特の低音の演歌が流れた。 たしか、作家の五木寛之氏が、彼女の歌を聞いて、演歌は「怨歌」だといったような記憶があるね。 演歌は、男女の恋を歌ったものが多いので「艶歌」という人もいるがね。 ところで、地域活動で多くのカラオケの集いがあるが、近隣の各グループから代表1名が出て歌うカラオケ大会を昨日、公会堂で開催された。 お付き合いで行ってきたよ。 1日中、行われ、60人が熱唱したね。A氏:年齢層はどうだったの?私:若い人も2、3いたが圧倒的に高齢者だね。 最高齢者は88歳の男性で、しっかりした声で、古い演歌を歌っていたね。 男女比率は半々くらいかね。 ほとんどが演歌だね。 正確に言うと「歌謡・演歌」かね。 藤圭子の歌を歌った人はいなかったが、あれはシロートには難しいね。 カラオケのグループは各自治会・町内会にあるが、地域活動としてさかんだが、声を出すので高齢者の健康管理にもいいね。A氏:そういえば、厚生労働省の調査で、普段の会話が「2週間に1回以下」と答えた65歳以上の一人暮らしの男性が16・7%に上るという。 同様の女性の3・9%を大きく上回るという。私:社会との接点では一人暮らしの女性にも課題はあるが、深刻さでは男性の方が大きいという。 現役時代は仕事中心の男性も、退職すると主要な生活の場は地域社会に移り、人間関係も変化する。 変化に対応できればいいが、地域社会では近所付き合いが減っている。 一人暮らしはその影響を受けやすいようだね。 俺の自治会では、囲碁、麻雀、カラオケなどの同好会が、高齢者の男子の地域社会の付き合いを支援している形になっているが、まだ、参加者すくないね。 定年で仲間との付き合いが減るとともに、地域社会での生活に変わるからね。 なじめないんだろうね。A氏:俺もかっての会社の仲間と時々会うが、年に数回程度だね。 しかし、専業主婦の女房は、地域社会に最初からとけこんでいるので、毎日のように近所のおばさんたちと会話をしているね。私;こないだ80歳代の女性が、話していたが、ケアハウスに行っても女性は集まっていろいろ雑談をするが、男性たちは職業時代の役職とかという地位を捨てきれないようで、バラバラで孤独で過ごしているという。 ところで、カラオケ大会で60歳代の男性が演歌をうまく歌っていたね。 彼は定年後、暇になり、地域のカラオケグループに入り、それまで歌ったことのないカラオケを楽しむようになったという。 彼は環境変化に適応したね。A氏:今朝の朝日新聞の「記者有論」欄で小泉信一編集委員が「大阪と演歌・名作再び あきらめへん」と題して、大阪と演歌の深い関係を書いているね。 たしかに大阪を舞台にした演歌は多く題名に「道頓堀」がついた歌だけで200はあるそうだね。 「大阪は演歌の聖地」だという。 しかし、最近、大阪からの演歌のヒット曲が少ない。 だから「あきらめへん」というわけだ。私:しかし、その他に東北、日本海側を舞台にしたものも多いね。 天候が明るい東海地方を舞台にしたものが少ないのは何故だろうね。 最近、静岡の島田にある大井川にかかる「蓬莱橋」が山本譲二の演歌になったが、舞台としては珍しいね。 山本譲二は、この歌で島田市観光大使に就任したそうだ。 定年を終わった高齢者の男性は、カラオケは下手でも地域のカラオケグループに入って、演歌を歌い、地域からの「孤立」から脱するのも一つの手だね。
2013.08.24
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A氏:君は昨日、優勝戦のことをブログに書いていたが、9回に延岡学園が連続単打で無死で一塁、二塁にしたとあったが、一人は単打でなく死球だね。 今朝の朝日新聞では優勝投手の高橋光投手を大きくとりあげていたね。私:5試合で50回連投で、防御率0.38、2年生ながら優勝に大きく貢献したね。 朝日新聞は「ひと」欄で荒井直樹監督をとりあげていたが、下積みの野球人生を送ってきたようだね。 2002年から前橋育英の監督に就任した。 部員の暴力問題が起きた直後で部は荒れていたという。 選手と毎朝、寮や学校周辺のゴミ拾いを始めた。 甲子園でも大会期間中、宿舎の周辺を掃除した。 「ゴミを拾う子は捨てる子にならない」という。A氏;君が「いい打撃」だと昨日のブログで評していた荒井選手の父親だね。私:今朝の朝日新聞では前橋育英の高橋光投手とともに荒井海斗選手を大きく扱っていたが、荒井選手は「父母鷹」だね。 父は監督、母は寮母。 荒井選手は小学校2年生で野球を始め、目標は「お父さんを甲子園に連れて行って、全国せいはする」と小学校5年の作文で書いているという。 監督の父はその作文を今も持っているという。 ウイニングボールを父親に渡し、握手したという。A氏:高校生にしてすでに最高の親孝行だね。私:寮生23人のために、食事を用意した寮母の母も大喜びだね。 本当に「野球が家族を一つにしてくれた」ね。 久々に良い話を聞けたね。
2013.08.23
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今日、午前8時半に用事で外出しようとしたら、ちょうど、イチローの日米4000本安打達成のニュースがテレビで流れた。 三遊間を見事に抜けるヒットであった。 昼、帰宅したら、ちょうど、高校野球の決勝戦が始まっていた。 高校野球の決勝戦をライブで見るのは久しぶりだ。 3回くらいまで見ていたら、どうも前橋育英のほうが、実力が上のようで、これは勝負があったと思い、ちょっとテレビから離れ、他の雑用をはじめた。 たしか、5回はじめだ頃と思うが、テレビ画面を見たら、前橋育英が1対3で負けている。 実力があるのだから、ひっくり返すだろうと思って、今度はテレビを離れなかった。 前橋育英は、5回に2点を上げ、ついに追いつく。 7回には、前橋育英の主将荒井選手の適時打で1点勝ち越し、4対3となる。 この荒井選手はいい打撃をしている。 延岡学園は最終回、連続単打で無死走者1塁、2塁と最後まで粘ったが、2者連続フライでツーアウト。 最後の打者が外角の高いボール球をから振り、三振、ゲームセットになる。 今年は、第95回大会だそうで、全国の参加校3957校、甲子園に来たのが49校。 前橋育英はここから頂点を征服したわけだ。 初出場で初栄冠だという。 表彰式を全部テレビで見たが、優勝チームの選手にも、準優勝のチームの選手にも、一人一人メダルを首にかけていた。 今年は猛暑で、熱中症気味の選手も出たが、準決勝と決勝の間に、1日、休養日を設けるという主催者側のいきな計らいがあった。 甲子園の高校野球の終了とともに秋がくるのだが、今年は、厳しい残暑がまだ続くようだ。
2013.08.22
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私:フィリピンの人口ピラミッドはきれいな富士山型で、2050年になっても高齢社会(65歳の人口比が14%以上)に突入していない、アジアで唯一の国だね。 1.9%という高い人口増加率で、2年後には1億人を突破し、すぐに人口減の日本を追い越すだろう。A氏:一時は、アジアの病人と言われたフィリピンの経済は今、絶好調で、今年の1月から3月のGDP成長率は中国を超え、アジア主要国で一番の伸びを記録した。 問題はフィリピン人の出稼ぎが毎年、増え続けていることだという。 現在、労働人口の25%、約1千万人以上が海外に出稼ぎに出ている。 海外からの送金も、現金の持ち込みなどを含めるとGDPの2割とも3割ともいわれる。私:一般に経済発展すると、国内で職が増えるので、海外出稼ぎは減る。 日本も韓国もそうだった。 それに対し、フィリピンの出稼ぎ増加は、経済や社会を支える人材の流出を意味し、国内の空洞化を招く。A氏:出稼ぎによる送金は開発途上国の油田のようなものだという。 国内は努力しなくてもカネは入る。 出稼ぎに依存していたために、国内の産業基盤整備などの構造改革が遅れているという。 そういう基盤に立つ製造業も貧弱だね。私:フィリピンが「人口ボーナス」をうまく生かせれば、2050年には世界16位、東南アジア最大の経済大国になるという予測があるという。 「脱・出稼ぎ」の成否が、フィリピンが「人口ボーナス」を生かすかどうかのカギを握ることになりそうだね。 昨日のインドもそうだが、政治力が問われるね。 「人口増加」が必ずしも「人口ボーナス」に直結しないかもしれないね。 インドも人口は増えているが、人口ピラミッドは富士山型でなくなってきている。 今後の両国の発展と人口問題はどうなるだろうね。 はなしは、ちょっととぶが、一昨日のブログで、カンボジアは、ポル・ポト派支配期に200万人近くが殺され、当時の子ども世代の30歳から35歳の人口が極端に少なく、逆に、15歳から20歳が団塊の世代だとあったね。 だから、カンボジアの人口ピラミッドは、異様な形状をしている。これは下記のwebサイトにある。 http://www.stat.go.jp/info/meetings/cambodia/pdf/pyramid.pdf 比較のために、インドネシアとベトナムの人口ピラミッドが載せてある。 これを見ると、両国ともすでに富士山型ではないね。 それに、ポル・ポト政権の虐殺でカンボジアの男女比が歪んでいる。 男が極端にすくない。 いまだに、カンボジアは200万人の虐殺の後遺症をひているね。
2013.08.21
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私:特集「アジアの限界」はアジアの多くの国で急速に進む少子高齢化が経済成長をはばみ、政治や社会の不安定化につながるという実情を報じてきたね。 「老いていくアジア」では2020年頃には韓国、台湾が人口減少国に転じるとしていた。 タイ、中国は2035年頃に人口減少国に転じる。 そして平均寿命がのびて来たことから、高齢化社会となっていく。 今回の(上)(下)2日の特集は、人口がなお、増えているインドとフィリピンを取り上げている。A氏:今日の新聞ではアジア諸国の合計特殊出生率が下の表のように出ていたね。 これによるとフィリピン、インドは2.0を大きく超えているから、人口は増加していくね。 私:現在、人口12億人のインドは、国連予測では2028年には14億5千万人になり、中国を追い越し、人口で世界一になるという。 高齢者も増加して、2025年には65歳以上も1億人を超え、人口の7%を占める「高齢化社会」に突入する。 インド政府は「高齢者」を60歳以上としているので、すでに今年で1億人になるという。A氏:そしてその1億人の半数が困窮者で、女性が多いようだ。 女性のほうが長寿であるのはインドも同じようだが、インドの場合は、寡婦は社会的にうとんぜられるという。私:インドは中国と違い、民主的な選挙がある。 だから、政治家は票を狙って「バラマキ政策」をしているため、財政が厳しい。 日本などの先進国は、経済が成長し、豊かになった後、高齢化していった。 しかし、インドは社会が貧しいまま、高齢化が進んでいる。 前例のない難題に直面しているという。A氏:その高齢化の負担がかかる若い労働力の活用は遅れているようだね。 政府は、製造業の強化をかかげている。 しかし、技能不足だという。私:若い労働力にふさわしい仕事を提供できなければ、多い人口を生かした成長どころか、反対に若い人口自体が社会の重荷になるという。 工場、交通などの物的インフラと教育インフラを整備して「人口ボーナス」を生かせるかが、インドの将来がかかっているね。 明日は、フィリピンだ。 国 率 日本 1.4 中国 1.6 韓国 1.4 シンガポール 1.3 タイ 1.6 ベトナム 1.8 インドネシア 2.1 フィリピン 3.1 インド 2.6
2013.08.20
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私:最近、CSテレビで映画「キリングフィールド」の再放送をやっていた。 20年ほど前くらいに見た映画だが、クメール・ルージュの残虐さがうかがえる名画だね。 今朝の朝刊のこの記事は、そのカンボジアの最新状況を伝えているね。A氏:俺もこの記事を読んだが、残虐なポル・ポトが倒れたのが1998年。 15年経った今はポル・ポトの火葬場は観光スポットだという。私:現在のフン・セン政権では、政治は安定し、経済成長率も10%を超えているという。 与党の人民党が選挙で圧勝だったという。 選挙は5年毎だが、今回の選挙でも与党の圧勝だと予測されていたが、意外にも、結果は下院123議席のうち、人民党は68、野党・救国党は55と大躍進だったという。A氏:原因は若者たちの増加だね。 ポル・ポト派支配期に200万人近くが殺され、当時の子ども世代の30歳から35歳の人口が極端に少ない。 逆に、15歳から20歳が団塊の世代だ。 選挙権は18歳だからから、今回はじめて「キリングフィールド」を知らない「ポスト内戦世代」が1票を手にし、その数は有権者の3割に達していたという。 この若い世代が選挙で活発に活躍している。 高齢者の有権者が多く、若者に活気がない日本と逆だね。私:フン・セン首相は28年、首相の座にあるが、長い支配のもとに巣くった腐敗や不公正があるのだろうね。 筆者は「キリングフィールド」のトラウマのない「ポスト内戦世代」が建設的な野党として成長することを期待しているね。
2013.08.19
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連日の猛暑で、熱中症警報が出て、日中の外出は控えるようにというので、自然公園のウオーキングは控えていた。 快晴なのに、家にいるのはつらく、猛暑が続くと欲求不満になってきたようだ。 昨日、朝の気温が低い気がして、「絶対、ウオーキングに行く」と決めた。 幸い、風が吹いている。 午後2時20分頃、家を出る。 いつもの通り、上はTシャッツで、野球帽だ。 自然公園の入り口の自動販売機でいつものお気に入りの食塩入りのペットボトルを140円で購入。 これを飲みながらひたすら歩く。 いつもより喉の乾きが早いようだ。 森の小道に入ると気温が低くくなった気がした。 森の小道には蚊や小さい虫がとんでいる。 虫よけのパッチをTシャッツの肩と背中に貼っているが、ときどき、虫を追い払う。 森の小道に入って20分ぐらいたった頃、胸のあたりに虫がとんできた。 思わず、手で払ったが落ちない。 しがみついている。 ペットボトルで払い落とす。 地面に大きいオスのカブト虫が仰向けになってバタバタしている。 カブトムシだったのである。 立派なツノをしている。 孫たちに持って帰ろうと思ったが、入れ物がない。 ハンカチは汗を拭うのに必要だ。 しかたないので、諦めて、歩き続けた。 ウオーキングの折り返し地点の近くに森林事務所の建物がある。 ここでトイレに寄り、ついでに2本目のペットボトル飲料を自動販売機で買う。 ここでは同じものが150円と10円高い。 森林はセミの声がするが、気のせいか例年より元気が無いようだ。 2時間、12000歩のウオーキング。 ペットボトル2本を空にした。 ウオーキングはいつもの通り、無事終了。 帰宅したら、孫たちが、近所の公園の夏祭りにくるというので、シャワーだけ浴びる。 5時過ぎ、孫たちが来る。 カブト虫の話をしたら、残念がっていた。 それから近所の公園の夏祭りにでかける。 屋台が10軒くらい出ていて人出が多い。 中央の舞台では踊りを踊っていた。 1時間ぐらいいて、帰宅。 孫たちと夕食。 8時頃帰っていった。 夜は昼のシャワーで十分だったので入浴せず、11時過ぎ就寝。 ぐっすり寝たせいか、今朝、起きたら気分がいい。 やはりウオーキングは体にいいと実感。 今日もまた晴天で猛暑の予報である。
2013.08.18
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私:樋口氏は、自民党の憲法改正草案で、現行憲法の前文の「人類普遍の原理」が削除されていることを問題視している。 そして、草案の大きな問題点として、権力の制限を目的とした立憲主義を変えようとしていると批判的だね。A氏:この点は昨日の改正派の小林氏と同意見だね。私:憲法が不安定では困るので、その安定性を確保するために、「国民が自分で自分の手であらかじめ縛っておく必要だ」というのが立憲主義の智慧であるという。 そして明治以来の憲法の歴史を振り返りながら、日本近代が作り上げてきた公共社会の意味を考え、「改憲」を今「決めさせないこと」を訴えているという。 書評では、護憲の論理を知るには必読の書だとあるが、護憲の論理についてはまとまった解説がなかった。A氏:それでは対論にならないね。私:そこで、必読の書という書評につられ、「いま、憲法改正をどうかんがえるか」を図書館に予約した。 予約がすくないのですぐに入手できるだろう。 残念ながら、小林氏の「白熱講義!日本国憲法改正」は図書館の検索にひっかからなかった。
2013.08.17
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私:日経ビジネスの「本」欄が珍しく、ビジネス書でなく、憲法問題を扱った本を紹介しているね。 それも1ページを左右使い分け、改正賛成を左欄に、改正反対を右欄に置いて対比させている。A氏:まさに対比対論だね。私:改憲派のほうの本は、「白熱議論!日本国憲法改正」小林節著・ベスト新書刊だね。 護憲派のほうは「いま、『憲法改正』をどうかんがえるか」樋口陽一著・岩波書店刊だね。 両氏とも憲法学者だね。 樋口氏の本は検索したら、図書館にあったが、小林氏のものはなかった。A氏:改憲の方はどこを主に変えるのかね。私:小林氏は改正を急ぐべきは2つあるという。 1つは時代が変化しているから「環境権」、「プライバシー権」、「行政に対する『知る権利』」などの条文追加だね。 もう1つは、改憲論の本丸、9条。A氏:自衛問題だね。私:著者は現行の9条は「空想的平和主義」で、9条は「侵略戦争は放棄するが、自衛戦争は放棄しない」と修正し、海外派遣も憲法に条文明記すべきという。A氏:安倍晋三政権に対する評価はどうだね。私:自民党の動きには批判的だね。 96条から変えるのは、憲法は権力者たちを縛る法だから、権力者たちによって改正の提案をしやすくするというのはよくないと批判的だ。A氏:自民党の憲法改正草案についてはどうかね。私:「立憲主義に欠けている部分がある」としているという。 国家が国民に「愛国心」や「家族」の大切さを押し付けるような改正案は筋違いだと論じているという。A氏:自民党草案は改正賛成派の中でも批判的な人がいるね。 こないだ、この草案の文章は現行憲法の翻訳調の文章より悪いと言っている人がいたね。 俺は草案を読んでいないがね。私:明日は、護憲の樋口氏の本の書評にふれよう。
2013.08.16
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私;このところ、朝日新聞のスポーツ欄は甲子園の高校野球でいっぱいだが、その隅に、「国の介入 駆け足の幕引き」という見出しで全柔連の会長と理事らが21日に辞任とあるね。A氏:「国の介入」という形がなかったら辞任すら自発的にできなかったという体質は問題だね。私:新会長は外部からの登用が決まっているね。 新日鉄住金会長の宗岡正一氏が会長、専務理事には近石康宏・元大阪府警本部長が推薦されているという。 理事の一部は再任される予定で、山下泰裕氏は新副会長の名前があがっているという。A氏:これで体罰問題から火がついた一連の全柔連の体質は改革されるだろうかね。私:新聞は小さな字で14日の全柔連理事会で「暴力行為根絶宣言」が採択されたと報じている。 前文では「暴力の行使は、柔道が社会的に存在することの否定につながる行為である」とあり、 1.暴力が指導における必要悪という誤った考えを捨てる 2.指導者は選手の自立的能力の育成に努力する 3.いかなる暴力行為も行わず周囲も黙認しない とあるという。A氏:これで柔道の「体罰」はどう変わるだろうかね。 このブログで次のように今年1月から続いた「体罰知的街道」は終点に来ただろうかね。 「スポーツと体罰」その1からその8、「私はこの子たちを救いたい」、「『イジメ』と『体罰』と『ゼロ・トレランス」』、「体罰の社会史」その1からその7、「桜宮高体罰・書かれざる複雑な事情」2の1と2の2、「体罰とパワハラ」、「スポーツ界の体罰」、「体罰」深考、「スポーツと相いれないもの」、「ど根性なきスポ根まんが」、「『体罰問題』朝日新聞紙面審議会3月会合」、「体罰問題続く」、「体罰、いじめと日本文化の源流」、4月28日・今週の新聞書評、「座禅でバシッ・・・体罰にあらず・禅宗僧侶ら『集中のため』」、私:甲子園野球記事に押されて、この宣言は小さくあつかわれているが、他のスポーツ、特に高校の部活にも影響があるかもしれないね。 今まで「体罰」で指導してきた教師は、「暴力行為根絶宣言」通り急に変身できるかね。。
2013.08.15
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A氏:今朝の朝日新聞朝刊で、連日の猛暑で景気に関係ある記事が一面に載っていたね。私:あぁ、ネットスーパーでクール宅配利用が5割増というのだね。 店で買うと持ち帰る間に猛暑で溶けるものや重い飲料などは、ネットスーパーで頼んで宅配してもらうわけだね。 ネットスーパーを全国で展開するイトーヨーカ堂は、10日、11日で昨年より5割増加だというね。 猛暑で出歩くのを控えた人もいるだろうね。 イオンは1割増、ダイエーは4割増。A氏:それにエアコンがすごいらしいね。 ビックカメラ、ヨドバシカメラは昨年の約2倍だという。 中には、暑いのでフル稼働したために買い替えるケースが相次いでいるという。 クーラーは例年なら8月に入ると売上が減りだすのが、ここ数日の猛暑で急に伸びたという。私:消費税増税は賛否ともに大きく割れていて、くじで決めてもいいような状態だね。 安倍晋三首相は松下村塾を訪れたというが、心中はいかにだね。 連日の記録的な猛暑は景気上昇の後押しになるかね。
2013.08.14
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私:GDPの発表を受けて消費税を上げるか、延ばすかの議論が盛んになってきたね。 賛成・反対ともそれぞれ十分言い分があるね。 この経済成長と財政再建のジレンマは先進国共通に抱えた難問だね。 結局、安倍晋三首相の決断に委ねられることになりそうだが。A氏:その難問をドイツは解決したのではないの?私:1996年頃から、ドイツの経済成長率は低下し、2005年には0.9%。 当時のユーロ圏の平均1.6%より低く、当時のギリシャは3.7%だね。 ドイツ政府の財政状態も火の車だった。 1990年代は、ドイツは「ドイツ病」にかかっていた。 改革の足枷となった社会保障制度。 これを解決したのが1998年に首相に就任したアゲハルト・シュレッダー氏だね。 高い失業率を下げるため、企業が雇用を増すようにと、社会保険料の負担を大幅に減らす政策を実行した。 ドイツでは、日本と同じように、企業が社会保険料の半分を負担している。 彼は、「アジェンダ2010」というプロジェクトで、2003年から2005年にかけて失業者に対する給付金の大幅削減(生活保護と同じ水準に引き下げ)、公的保険料の自己負担の導入、公的年金の実質的な削減を次々に実行に移したという。A氏:社会保険料の負担軽減は人件費を減らすことで、企業の国際競争力を高めるという考えだね。私:失業保険料が多いと、人々は働く意欲を失うという。 そして年金や健康保険の自己負担を増やさないと社会保険制度そのものが崩壊するという主張だね。 これは貧困層や労働組合から、強い批判があったが、もともと社会民主党と緑の党の連立政権だったので強行可能だったという。 保守政権だけでは労働組合の猛反対で不可能だっただろうという。A氏:日本の民主党も消費税を避けていたら、政権はもったかもしれないね。私:シュレッダー氏の狙いは見事に的中し、2010年以降になって社会保障費削減効果が表われ始め、ドイツ経済だけがユーロ圏で浮上した。 ドイツの輸出の好調はユーロ安だけではない。 ドイツはもの作りが健在で、輸出の85%は機械製品だという。 日本の家電のように企業が値下げ競争を辞さず、人件費を削りながら不採算商品の大量生産をなかなかやめないという不合理な行動をとってきたのとは大きく違うね。 だから、ドイツも生産年齢人口は減少しているがデフレはない。A氏:ところで、シュレッダー政権は、2005年で終わっていて、その年の選挙で勝利していないね。私:ドイツ庶民は、彼の社会補償費削減にノーをつきつけているね。 しかし、後からシュレッダー氏の功績が認められた形だね。 さて、安倍首相は日本のシュレッダーとなるか。 責任は重いね。
2013.08.13
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A氏:暑いね。 記録破りの連日の猛暑だね。 気温も気象庁発表よりも、市街地に出るともっと高いから、40度は当たり前だね。 体温より高いからサウナに入っている感じだね。私:熱中症の注意情報が出っぱなしで、できるだけ家の中にいるほうがいいという。 だから、外出を避けているが、そのためか運動不足だよ。 それに横浜にはゲリラ豪雨もないしね。A氏:夜も暑いので、クーラーはつけっぱなしだよ。 昨年よりも電力ははるかに多く使っているね。 熱中症予防で高齢者はクーラーをつけろと奨励しているしね。 節電ムードはないね。 電力供給は問題ないのかね。私:不思議なのは新聞でもテレビでも電力供給不安の話題がないことだね。 十分足りているんだろうね。 一時はあれだけ騒いだのに。 今、火力発電がフル稼働だね。 バンバン天然ガスや石油を炊いている。 二酸化炭素排出問題はどうなったのかね。 LPGの輸入量は大いに増えるだろう。 円安とともにまた貿易赤字はさらに拡大だね。 金融緩和で増えた日本のカネはどんどん外に出ていくだろう。 そんなことを思いながら、クーラーをつけているが、これで停電になったら大変だね。
2013.08.12
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【送料無料】金融緩和の罠 [ 藻谷浩介 ]私:第3章は小野善康大阪大学教授へのインタビューだね。小野教授は民主党政権時代に内閣参与だった。 菅直人氏が総理になる直前に、「金融緩和は効果のあるものなのか」と聞かれたそうだ。 「今の日本では効きません」と即答したという。 A氏:2001年から2006年まで続いた金融緩和政策の効果のことだね。 私:それがその5年前からもすでにやっているんだね。 マネタリー・ベース(日銀の供給する貨幣の量)は2001年からの5年で27兆円増加、その前の5年間でも22兆円増加。 増加率では最近の5年間は39%に対し、それ以前の5年間では45%と多い。 そして、その長い金融緩和でも物価はあがっていない。 デフレも脱却できなかった。 名目GDPも拡大していない。 菅氏にそのデータを見せたらすぐに了解し、金融緩和政策についての菅氏への説明はそれで終わり。 A氏:さらにそれ以前のときはどうだったのかね。 私:1980年代後半までは貨幣供給量に比例して物価もGDPも素直に上昇していたという。 それがバブルが崩壊し、本格的に景気が悪化していった90年代からは、その相関関係が消えてしまった。 A氏:バブル崩壊後の10年間で約50兆円の金融緩和でも物価は上昇せず、GDPは増えないようになったということだね。 何か、その間で日本経済の構造に大きな変化があったんだね。 それを藻谷氏も、河野氏も第1章、第2章で、生産年齢人口の減少だと捉えているね。 人口動態の変化、人口オーナスだね。 私:その点、小野氏の見解はちょっと違うね。 小野氏は、原因は日本が「発展途上国」から「成熟社会」に突入した変化だという。 ポイントは「お金が究極の欲望の対象になる」ということだ。 A氏:「成熟社会」とは「豊かになり、モノへの飢餓感がなくなった社会」だね。 私:モノがあふれた「成熟社会」では暮らしに必要なものは大体そろっている。 モノを買っても生活の質は向上しない。 モノへの要求水準が下がって、お金への要求水準と逆転した。 「成熟社会」では生産力は十分にあるのでモノやサービスが飽和し、逆に需要が足りなくなる。 そうなると企業は設備投資もしないし、雇用も生まれない。 A氏:「成熟社会」では雇用不安が蔓延し、人はますますモノを買わなくなって、お金への執着を強める。「お金がもったいないから買わない」からデフレになるというわけか。 企業の内部留保も同じ心理だね。 私:モノに比べたお金の価値が上がっていくのがデフレだね。 そして、金融緩和してもモノの需要につかわず貯めこむだけだという。 A氏:インフレになるぞといえば、お金の価値が下がるからモノを買うようになるのではないかね。 私:買うのは金(キン)くらいかね。 雇用不安の社会で、インフレになるからといって、不要なモノを買うことまでする必要はないね。 結局、人余り、モノ余りを解消するしかない。 財政支出でモノやサービスの需要を強制的に増加できるが、それが安定した雇用をうみだしていくことにつながるかどうか、がポイントだね。
2013.08.11
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【送料無料】金融緩和の罠 [ 藻谷浩介 ] 私:河野龍太郎氏は、「どんなときでも金融緩和してはならない」と考えているわけではないという。 金融危機が起きた時は必要だという。 しかし、今の日本はダラダラと低成長が続き、金融危機のようにショック療法が必要な事態でないという。A氏:バブル崩壊のときは企業は大量の過剰債務や過剰ストックを抱え、銀行の不良債権は膨らんだ。 バランスシート問題だね。私:ところが、2000年代初頭にバランスシート問題が解消しはじめても、成長率が一向に回復しない。 そのときになって、河野氏はどうもバランスシート問題でないと気づき、人口動態による構造的な問題が原因と気付いたという。A氏:藻谷氏と同じ様にデフレの真の原因は生産年齢人口の減少という人口動態となったわけだ。私:河野氏は、円安も好ましくない過去の例があったという。 2000年代の超金融緩和の長期化、固定化で、小泉政権のとき円安をもたらしたことがあった。 円安で国内生産拠点の競争力が上がってしまったので、家電メーカーは経営判断を誤って、収益率が低くても本来は海外に移転しなくてはならない生産設備を国内にたくさんつくってしまった。 これが後のパナソニックやシャープの経営悪化の原因となっているね。 そして最終的にリストラだ。A氏:これはブラック企業問題でこのブログでユニクロの柳井会長インタビューをとりあげたが、その中で柳井氏は家電メーカーの海外への出遅れを指摘し「日本の電機の一番の失敗は日本に工場を作ったことだ」と言っていたね。私:国債の日銀買いはよくないが、それを防止するには財政の健全化が必要だ。 財政健全化のための財政緊縮で、河野氏が問題にしているのは、民主主義だね。 今の日本の財政制度や社会保障制度は人口増加を前提として設計されている。 これを解決するには増税とか社会保障給付の節減が必要になるが、いずれも国民負担増だ。 代表制民主主義では議員は票を集めるとき、国民負担をなかなか言えない。 そのために対応が遅れることになるね。 縮小社会での民主主義の難しさだね。 安倍晋三首相は消費増税をどう決断するかだね。
2013.08.10
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【送料無料】金融緩和の罠 [ 藻谷浩介 ]私:この本は、3つの章からなり、3章とも哲学者の萱野稔人氏がインタビューをしていて、1章ごとに藻谷氏、河野氏、小野氏と相手が変わる。 第1章が「デフレの正体」で有名になった藻谷浩介氏へのインタビューだね。A氏:日本の長いデフレの原因は生産年齢人口の減少で需要がおちたせいだという論だね。 生産能力は向上しているのに、需要が減ったのだからデフレになるというわけだね。 デフレの原因は金融にないから、金融緩和はデフレの解消に寄与しないということになるね。私;藻谷氏がこの「デフレの正体」を発表してから反論が出てきた。 この本はその反論を個別に上げ、その間違いを指摘しているね。 例えば、「生産年齢人口の絶対数が減少しているドイツ、ロシア、東欧、韓国、ジンバブエではデフレが生じていない」と批判する人がいるという。 シロートでなく、エコノミストや学者が言うから問題だと藻谷氏はいう。 日本のように生産が高度に自動化・機械化され、生産年齢人口が減少しても生産力が減少しない国でなければ、生産年齢人口が減ってもデフレは起きない。A氏:ロシア、東欧、ジンバブエがそれに当たるね。私:それに貿易収支が黒字で自国通貨が外国通貨に対して切り上がりつづけているために輸入品によるインフレが起きないような国でなければ、デフレは起きないから、韓国は外れる。A氏:ドイツはどうだね。私:企業が値下げ競争を辞さず、人件費を削りながら不採算商品の大量生産をなかなかやめないという不合理な行動をとっている日本にデフレが生まれるのだが、ドイツ企業は逆だね。A氏:ドイツの製品の中心は工作機械だしね。 藻谷氏批判は国によって個別の経済事情があるのを理解していない学者やエコノミストの言うことだね。私:それにドイツにおけるベビーブーマーは日本より10年以上遅れている。A氏:ドイツは本土決戦をやったからね。私:韓国のベビブーマーは、日本より20年遅れている。 朝鮮戦争の影響だね。 日本でも戦場となった沖縄だけが人口オーナス発生が遅れているという。 明日は、河野龍太郎氏のインタビューに移ろう。 この人は、2012年3月に日銀審議委員として起用する国会同意人事案を民主党政権が提出したら、参議院で否決された人だね。 追加金融緩和に反対で、デフレ脱却に消極的という理由で自民、公明、みんなの党が反対したためだね。
2013.08.09
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私:今朝の朝日新聞のクルーグマン・コラムでは、現在のFRBの副議長であるジャネット・イエレン氏についてクルーグマン教授がバーナンキ議長の後任として最適だと言っているね。 ところが、ジャネット・イエレン氏が女性であるということで、陰に陽に反対している派がいることを教授は非難しているね。A氏:俺もこの記事を読んだが、こういう重要ポストには米国人も偏見があるんだね。私:ウォールストリート・ジャーナルでは、最近、連邦準備制度の政策立案者たちが過去どのような予測を出していたかの調査を報告していたという。 それによるとタカ派(FRBが失業対策をやりすぎているという警告を続けている人々)とハト派(まだ足らないと警告する人々)に分けると、一貫してハト派の予測のほうがよく、中でも一貫して予測が正しかったのはイエレン氏だったという。A氏:最終的に議長はどうなるのかね。 そういえば、また株価が下がったね。私:FRBが金融緩和を縮小するという予測からだろうね。アメリカ経済はどうなるかね。
2013.08.08
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私:安倍晋三政権の3本の矢の政策の基礎は経済成長だ。 これがないと金融緩和は麻薬化するし、財政破綻となる恐れがある。 ところが経済成長には、安倍首相が言うように「民間の爆発」が不可欠だね。 すなわち、「技術革新」だね。 しかし、これがやっかいで、計画的にできるものではなく、偶発的に生まれる。 A氏:これに関して、米スタンフォード大学工学部長のジム・プラマー氏が技術革新を生む異才の育て方を説明しているね。 それには工学の基礎知識は必要だが、伝統的な工学教育は、技術革新を行える異才を育てるには十分でないとして、答えがない問題に取り組んで教育が不可欠だという。 私:氏の教育方法は「デザイン教育」だというが、日本でデザインという意味と違い、もとは「設計」という意味だね。 すでに存在する課題を解くのでなく、課題そのものを見つけていくことから始め、ビジネスにつなげるという考えだね。 これが氏の言う「デザイン思考」だね。 俺は課題設定能力だというがね。 A氏:スタンフォード大学は2005年からデザインスクールを開いたという。 現在、工学だけでなく、医学、経済学、歴史学など様々な分野の学生が700人ほど集まって、チームで課題解決に取り組んでいるという。 私:氏はその過程を通じて、失敗を受け入れることを学んで欲しいという。 新しい挑戦は8割は失敗するが、その失敗の理由を考えよという。 エジソンは発明の99%は汗(perspiration)で1%がインスピレーション(inspiration)だと言っているね。 あきらめないで汗をかくから、インスピレーションが生まれるのだろうね。 A氏:米国は革新的な起業家の多い国だが「デザイン教育」は、その異才を育てる方法を体系化しようとする試みだね 今日の市場競争の中で、中国、インド、韓国が育ってきている。 米国はリーダーとしての地位を確保しなくてはならないという危機感があるね。 私:アップルの創設者のスティーブ・ジョブズ氏のような創造性豊かな人を「デザイン教育」で生み出せることができると氏は言う。 産業界で創造的な仕事が出来る学生を育てることが何よりの使命だという。 それに21世紀には、20世紀と違って環境や医療など、人々の関心が高い分野のエンジニアが求められているのでこの課題に挑むやり方を教えているという。 A氏:しかし、イノベーションが期待される分野は氏も答えられないという。 それはそうだろうね。 異才のやることは予測できないから異才なのだからね。 私:だから、IT分野中心のシリコンバレーは25年後にはイノベーションバレーと呼ばれるようになっているだろうという。 結局、「民間の爆発」を起こすのは人だね。 異才だね。 安倍政権の「教育改革」での「グローバル人材の育成」や「道徳教育の強化」で「民間の爆発」を起こす異才は育つだろうか。 異才が生まれなかったら、「民間の爆発」は起きず、経済成長はなく、金融緩和、財政再建はすべて崩壊という危機に陥りそうだね。
2013.08.07
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私:夏休み前に孫のいる学校の授業参観に行ってきたよ。 小学校5年生の数学の授業を見た。 少数のついた割り算をやっていたが、3人の何かの比較をして、AさんがBさんの1.75倍だという計算問題をしていた。 一体、1.75倍というのはどういう意味があるのか、若い教師はしていなかった。 日常生活では大体2倍で終わる話だがね。 どうも教師の問題意識の不足を感じたね。A氏:ところで、君が取り上げたこのフィンランド教育にふれた「記者有論」は俺も読んだが、フィンランドではPISAのランクでいつも1位、2位を占めているので有名になったね。 このブログでも5年ほど前にフィンランド教育知的街道があるね。 「平等社会 フィンランドが育む未来型学力」、フィンランドの子、なぜ優秀、「競争やめたら学力世界一・フィンランド教育の成功」1、2、「受けてみたフィンランドの教育」1、2、「教育立国フィンランド流 教師の育て方」1、2、「フィンランドを世界一に導いた100の社会改革」と続いていたね。私:フィンランドの授業時間はOECD諸国で最短で、塾もない、全国テストもない、なのにPISAではトップクラス。 その最大の原因は教師の違いだね。 「給与はさほど高くないが、教師が社会的に尊敬されている」 「尊敬されるに値するだけ、学力が高い」 「教師の教育は、知識を生徒に押しこむのでなく、生徒にいかに学習に興味をもたせ、発揮できるかと考えてしている」A氏;朝日新聞の「記者有論」では高橋氏が「研究活動重視の教員教育」がPISAで好成績をおさめている原因の1つにあげているね。私:ヘルシンキ大学では、教育学科は行動科学大学院に所属している。 だから、教育学はフィンランドでは、科学の一部となっている。 行動科学とは人間行動の科学だから、その科学を学んだ先生は、生徒を行動科学の対象とみるのだろうね。 だから、教える知識内容より、生徒の学習に対する行動に関心がゆくことになるね。A氏:ひるがえって、日本の教育を見ると教師の力はその点、弱いのではないかね。 このブログで、五体不満足の乙武洋匡氏の小学校の教師体験を描いた「だいじょうぶ3組」を紹介していたが、生徒の個性を把握することは、教師にとって必要だね。私:安倍晋三政権の教育改革で目標としている「グローバル人材の育成」や「道徳教育の強化」はフィンランド教育に比較するとあまりに上っ面な目標だと高橋氏は最後に指摘しているね。 あまり、目標を掲げて、枠をはめると、教育というのはかえって効果が出ない性質のものではないのかね。 ゆとり教育のようにーーー。 それをフィンランド教育は教えていると思うね。
2013.08.06
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私:欧州中央銀行の「OMT」という「新たな国債買い入れプログラム」によって、ユーロは正常通貨に近づきつつあると市場が判断し、ユーロ圏の債券市場の混乱は収束に向かったという。 これはアベノミクスのように実施前に声だけで円安、株高になったように、「OMT」の声で、ユーロの信頼を一時的に持ち直したようだ。A氏:そういえば、最近、ユーロ危機はあまり新聞に載っていないね。私:1年経って、南欧諸国の借り入れ条件は著しく改善され、南欧からの資本流出は改善され、崩壊の憶測は崩壊したという。 そして経営難の銀行への支援と破綻処理をどう進めるべきかの議論に移ったという。 経営難の銀行に政府が資本を注入しても、それは政府財政を悪化させ、別な銀行が窮地に陥っても政府支援はあてにならない。A氏:負の連鎖だね。私:この負の連鎖を防止する方法は2つあるという。 1つは、銀行救済を一切行わないことだ。 銀行リスクから政府は守られる。 もう1つは、ユーロ圏で救済コストを相互に負担する方法だ。 壊滅的なリスクをユーロ圏全体で共有することになる。A氏:2つの方法はそれぞれ論理が一貫しているね。私:この2つの方法の間で欧州は揺れている。 2つの妥協案は論理が一貫していない。 フランスは政府の支援を捨てきれないが、ドイツは共同支援による自国の財政コストの負担をしぶっている。 そうしているうちに「OMT」の実行可能性と効果が問題となっているという。 教授は後、数ヶ月でユーロ危機が始まってから4年になるが、克服に向けた仕事は終えたと勝利を宣言するには、まだ早いと最後に言っている。 南欧経済が良くなるまで、ユーロ危機には目が離せないね。 突然やってくるかもしれないね。 中国の「影の銀行」の危機のように。
2013.08.05
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私:新聞紙1頁に近いロングインタビューだね。 中国の「影の銀行」が国際的に問題になっている。 問題は地方政府にあるという。 「影」を利用してムダな開発を続けている。 成長が評価され、成長すれば地方の懐も潤うので、造成した工業団地に無理して企業を誘致しているという。 その実態が把握できていないという。A氏:景気が減速するなかで、中国各地にゴーストタウンとなっている工業団地や住宅街が出現している。 採算がとれない事業が相次いで、地方政府が銀行に返済できないことになると、中国の金融システムを大きく揺るがしかねない。私:危機のシグナルの一つに不動産価格があるという。 土地の使用権を売って得た収入を財源にしている地方政府が多い。 だから、土地の価格が下がったら地方政府の財政に大きな打撃を与える。A氏:解決方法の1つとして、農民に土地の売買を認めて、不動産価格の上昇の恩恵を還元することだと陳教授は言う。 インタビューしている人が「土地の公有も共産主義の基礎ではないのですか」と問うと、 「地方政府が農民から買い上げた土地を、自分の息子、親戚や知人に安く譲ってもうけさせていることはみんな承知。 今更何を言うのか」 と教授は言う。私:中国の政治改革は、既得権者が多いので難しいという。 だから、危機が起きてから改革が動き出すのかもしれないと教授は言う。 それは日本も同じだね。 今度の参院選で、規制で守られた既得権をもった団体の力が強く働いたね。 安倍政権の構造改革、規制緩和がうまくいくのかね。A氏:今朝の朝日新聞の「波聞風問」欄では、編集委員の古岡桂子氏が、「影の銀行・『宴』はいつまで続くのか」と「影の銀行」で発行している高金利の「理財商品」に対する危機感を報じているね。 「理財商品」の残高は今年3月で日本円にして約130兆円だという。 4年前の8倍だという。 銀行が破綻した時の、預金者保護のしくみはないが、かえって政府がなんとかするだろうという奇妙な安心材料になっているという。私:日本にもかってあった「銀行不倒神話」と右肩上がりの成長が支える「宴」はいつまで続くのかと、1年とか3ヶ月の超短期もの中心の「理財商品」の期限がくるたびに肝を冷やしているというね。 中国の新政権はとりあえず、金利緩和を打ち出したが、まだ、問題は多い。 今後どのように対応していくだろうか。
2013.08.04
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A氏:朝日新聞は所信表明にひっかけて「初心表明」という欄で毎回、参院の注目新人のインタビュー記事を掲載しているね。 2日には例の「ブラック企業」で問題になったワタミの渡辺美樹氏のインタビューだったね。私:議員に立候補するとともに、ワタミの役職はすべて退いてはいるんだね。 5年前に1人の新入社員が労災によって自殺したことで「ブラック企業」と言われた。 この人を何故、採用したのか、何故、研修中に適正を見極められなかったのか、何故、寄り添えなかったのか、命がけで反省していると渡辺氏はいう。A氏:ワタミグループはアベノミクスで賃上げするのかという質問に、 「経営は利益を出さないと雇用も守れない。 しかし、7月、8月の消費が伸びれば年内に賃上げする」という。 参院選に立候補した経緯は、君が書いていたように、同じ横浜市の菅義偉官房長官と親しく、3月くらいに出馬要請があり、4月には安倍晋三首相と菅氏の3人で食事し、首相からも出馬要請されたという。私:安倍首相は、農業分野の発展に渡辺氏の手腕を期待しているようだね。 すでに渡辺氏はワタミファームをやっている。 2日のテレビでも新人議員がはじめて登院するところをやっていたが、渡辺氏も画面に出て「私はゼロから160億円を築いた。その力で頑張る」というようなことを例の明るい笑顔で言っていたね。A氏:ワタミの社内の冊子には「365日24時間死ぬまで働け」とあるがという質問に対して、 「前後を読んで欲しい。 仕事を通して生きがいと成長がある。 だから、365日24時間死ぬまでやるという気構えでやろうということだ」 と答えている。私:「国会議員は365日24時間死ぬまで働かないといけないでしょうか」という意地の悪い質問に対して 「その通り。国民のために」と答えている。 ゼロから160億円を築いたこの人の能力で、TPPで壁にぶつかっている日本の農業を救って貰いたいものだね。 365日24時間死ぬまで働く覚悟でーー。
2013.08.03
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私:昨日とりあげた季刊誌「SIGHT」で「自民党は軽くて薄い、危うい政党に変化した」というタイトルがあったが、7月29日の麻生太郎副総理のナチス失言問題は内容的に「軽くて薄く」、安倍政権に対外的なダメージを与える恐れがあるね。 危機感を持った官邸が急いで発言撤回コメントのメモ文を作り、8月1日に記者たちの前で麻生氏がその文を読んだね。A氏:テレビでは下を向いてメモを読む顔が大きく映ったね。私:朝の4チャンネルで、みのもんた、がこの麻生氏がメモを読み上げてシーンを見て、メモにある「真意」を「真摯」と読み違えていると鋭く指摘していたね。 かって、総理時代の09年頃だと思うが、漢字読み違いが多く問題になったことがあるね。A氏:朝日新聞は、2007年から5件の麻生氏の問題となった発言をとりあげているね。 うち、4件については謝罪か撤回をしている。 しかし、いずれの失言も麻生氏にとっては本音だということは分かるね。私:しかし、今度の「ナチに学べ」は本人の真意でないことは確かだろうが、なんであんな発言をしたのかね。 軽くて、薄いね。 こういう問題は説明が十分必要だという危機感がないのかね。 どうして、日本の政治家は、このように外交感覚が幼稚なのかね。 韓国については2003年の当時自民党政調会長だった麻生氏が講演で「『創氏改名』は朝鮮の人が『名字をくれ』と言ったのがそもそもの始まりだ」と発言し、後で謝罪したが、発言は取り消さなかったということがあったね。 麻生氏は、今年になって靖国神社参拝をしているしね。 麻生氏が副総理である間は、安倍政権では当分の間、中国と韓国の間もそうだが、外交面では緊張が続くだろうかね。
2013.08.02
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私:こないだ朝日新聞の論壇時評で高橋源一郎氏の寄稿をとりあげたが、その欄外に高橋源一郎氏と内田樹氏が対談で例の橋本徹大阪市長の慰安婦問題発言にふれているという雑誌が小さく載っていた。 それが、季刊誌SIGHTだ。 二人の現代の論客の対談なので興味があり、アマゾンで検索して購入したよ。 驚いたのは雑誌は7月の参院選直前の発売で特集になっていて、特集のメインタイトルが「それでもあなたは自民党に投票しますか?」というものだね。A氏:マスコミの逆を行く特集だね。私:主な内容をタイトルで列挙すると、次のように6つになる。・今の自民党の憲法改正案は、戦後の国際秩序そのものを否定している。・原発を推進するのは自民党・経産省・電力業界の「家族の絆」である。・アメリカの植民地なのは沖縄ではなく日本全土である。・アベノミクスには「気分の価値」しかない。・今の自民党にはどういう世界を作っていくかというメッセージ性がまるでない。・自民党は軽くて薄い、危うい政党に変化した。A氏:そうかと言って、現実に自民党にとって代わる党がいなくなっているしね。私:俺が読みたいと思っていた高橋源一郎氏と内田樹氏の対談が「日本は今、『成長しない国』として、世界最先端である」というタイトルの中に載っていた。 橋下徹大阪市長は基本的に内向きの政治家だから、外向きに発言したら反発を受けたという意見だね。 特に米軍司令官はもっと沖縄の風俗を利用すべきだというのにアメリカはカチンときた。 たとえは悪いが、本職のヤクザに向かってヤンキーの中学生がケンカの心得を教えたようなものだと内田氏は言う。 こんな物知り顔の青二才が安全保障について発言権を持つ国なんかと危なっかしくて同盟関係を維持できないとアメリカは思っただろうと内田氏はいう。A氏:だから、サンフランシスコ市から「公的訪問にも表敬訪問に来るな」と言われたのかね。 日本で2番目の市長が表敬訪問を拒否されたのははじめてだね。私:対談している二人の橋下氏批判が痛烈で、「自分で自分の終わりをはやめようとしている」という。 参議院選に負けたら辞任もあり得るという橋下氏の発言を選挙前のこの対談でとりあげていたね。 橋下氏の辞任発言を予告した形になっているね。 今週、引き止められて思い留まったようだがーー。A氏:しかし、韓国は慰安婦の像をアメリカに作ったり、サッカーでまた問題を起こしたり、「歴史問題」をせっせと表に出しているが、韓国の国益になるのだろうかね。私:日本を世界的に追い込んで日本の国際的な地位を傷つけて、韓国にはどういうメリットがあるのかね。 竹島を認めろということかね。
2013.08.01
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