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工作車のオルタネーターの故障が濃厚となったので、ネットでリビルト品を探していたら、娘が去年買ったリビルト品なら保証書がある筈だからそっちを先に探したら!とご尤もなご意見を頂戴する。なるほど忘れていたと言うより記憶が無い。早速、探したら車検証と一緒にバッテリーとオルタネーターの保証書が出て来た。保証期間は2年又は2万キロとなっているので、十分保証期間内である。娘のお蔭で16,000円助かった。取り敢えずクルマを動かす必要があるので、バッテリーに充電器を繋いで一晩中充電してみた。繋ぐ前の電圧は11.5 Vしかなかったが、午前9時頃には両バッテリー共やっと12.9 Vまで回復した。セルを回してみると、何事も無かったように1発でエンジンが始動。そのままモータースへ持ち込みオルタネーターの点検と車検前整備をお願いするも、代車は無いとの事。やはり聖湖には行けそうにない。そもそも聖湖でキャンプをする計画は、13日、14日と島根県の益田に出張の予定が入り、地図で最短距離を探してみると聖湖がその道中にある事が分かったので、1日前倒しして遊んでやろうと密かに企んでいたのだ。家に帰って妻のデミオを3日間貸す、貸さないの攻防の末、聖湖でのキャンプは諦める代わりに、妻と一緒にデミオでインスタ映えする名所を巡りながら益田に向かうという案に落ち着いた。13日、午前8時30分出発。山陽道を広島JCTまで快調に飛ばす。広島道に分岐し、広島北JCTで中国道に分岐、草ぼうぼうの加計スマートICを出てR191を南下、井仁の棚田に向かう。10月1日に稲刈りイベントが開催される予定との事なので、稲穂が丁度良い頃と期待していたのだが、既に稲刈りが始まっており、はで懸けをしている田んぼもあった。しかし、それよりも深刻なのは休耕田が半数近くあり、担い手不足がひしひしと感じられた。駐車場で「とちぎ」ナンバーのクロカン4WDに乗るいちご農家の青年と話しをしたら、閑散期である7月~10月は毎年全国でキャンプや車中泊をしながら棚田巡りと登山の旅をしていて、今年は北海道から始めて、鹿児島まで行く途中との事。羨ましい限りである。再びR191に復帰し今度は北上。戸河内でうどんと田舎寿司の昼食を取り、更に北上すると名勝三段峡がある。ここは藤さんのBMWとツーリングをした帰りにグリフィスさんに出会った思い出の場所である。島根県の県境付近はアジサイロードと呼ばれ道路の両側にアジサイが植えられており、気温が低いせいか未だにちらほらと花が咲いている。R191の最高地点に達すると、いよいよ聖湖だ。キャンプ場を見たかったが、次の予定があるので、パス。益田まで一気に下る。益田は初めて訪れる町だ。万葉の歌人、柿本人麻呂が没した地とされる事で、柿本神社が2社ある。どちらも参拝したが、戸田柿本神社の向拝柱の下に赤マムシが蜷局を巻いていたのには驚いた。次はインスタ映えする衣毘須神社だ。この神社は、細い砂浜で繋がっている日本海に突き出た松の生えた大きな岩礁の上に鎮座しているので、観光名所となっているようだ。それにしても、夕方になるにつれ蒸し暑い。少し歩くだけで汗びっしょりとなったので、早めにホテルに入り風呂に入る。妻は一人で、夕日や萩・石見空港を撮影したいと言うので、どうぞご勝手に!私は付き合いきれません。翌日、目覚めると雨。所要の会場まで担当者のプリウスで送って貰い、12時30分無事終了。地元の親分がお土産にと格安で名産の生きたモクズガニと鮎を大量に届けてくれたので、妻に電話すると益田駅でパフェを食べているとの事。いい気なもんだ。デミオに土産を積み込み、御礼のご挨拶をしてR191を引き返す。どうしても一目見たかった聖湖キャンプ場に未練がましく行ってみる。芝生張りの広いキャンプ場は整備が行き届き美しい。ゴミ1つ落ちていない。キャンプサイトには車両は進入出来ないが、舗装路が各サイトを巡っており、近くで荷物を降ろして駐車場にクルマを駐めるスタイルだ。炊事棟や東屋、トイレなど完備されており、これが無料とは驚きだ。雨が上がっていたので、折角だから益田で頂いた弁当を悔し泣きしながら食べた。昨日、クルマの中でモータースから連絡があり、やはりオルタネーターの故障が原因らしいとの事。外してあるので、引き取りに来てくれとの事なので、帰りに回収に向かう。説明ではアイドリング時の充電電圧は正常値であったが、負荷時(エアコン等の稼働時)は11.5 Vしか電圧が上がらないようである。正常であれば14V弱の数値が出る筈であるので、オルタネーターの故障で間違いないであろう。早速、保証書と経緯をしたためた文書と共にパーツ店に送った。次に8ナンバーに変更するため陸運局での車検について調べて貰っていたので、対応の説明を受けた。1.排気ガスの数値の問題エンジン内洗浄その他対策を施してみるとの事。2.ヘッドランプの光軸中華製の明るいLEDバルブは光軸が定まらないので、車検は不可との事だったので、予め自分で暗いH4のハロゲンランプに交換したので これはOK。3.後部のハイマウントストップランプの球切れハイマウントストップランプを外してみると小さな豆球のような物が10ヶ程付いている内の3ヶが切れていたので交換しようとしたら、ハウジング一体型で分解出来ないようになっていた。グラインダーで割腹して修理した強者もいるようだが、特殊形状の球だかLEDだか分からない小さな発光体なので入手が難しいと判断してそのままにしており、車検時に外しておいたらどうかと思い調べて貰っていた結果、この年式のクルマは外しておけばOKとの事。4.タイヤサイズボンゴフレンディーはタイヤ径が変則形状となっており、前輪195、後輪215が純正仕様となっているが、フレンディーユーザーはタイヤローテーションの事を考慮し、殆ど前後輪同サイズに変更している。工作車も例外ではない。フロントは昨年購入したスタッドレスが195なので何とか確保できるが、後輪用の215がない。マツダに中古を探して貰っているが、どうだろう。厳しい状況に陥っているのが現状である。因みに蟹と鮎は美味かった。酒が進んだ事は言うまでも無い。残念だった井仁の棚田日本海に浮かぶ衣毘須神社聖湖キャンプ場
2023.09.16
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9月11日、真庭市に所用で出掛ける用件があり、丁度昼時を挟むので涼しい山の中でラーメンでも作って、翌日の広島県山県郡北広島町にある聖湖でのぼっちキャンプに備えようと工作車を車中泊仕様にセットして、いざ出発。高速を使わずに一般道を落合に向けて只管北上するも、吉備中央町を過ぎた辺りで道を間違え、細いクネクネの峠道を越えて有漢経由でR313に出た。これから先は山はないので、仕方なく空き地に工作車を駐めて、後部キッチンでインスタントラーメンを煮る。エアコンで冷えた車内だったが、ガスコンロを使ったために、ツイン換気扇を回していても車内の温度がグングン上がるので、運転席と助手席の窓を全開にした。その時パワーウインドウを下げるスピードが少し遅いように感じた。後から思えばこれが悪夢の前兆だったのだ。熱々のラーメンをかき込んで、スーツに着替え目的地に向けて再出発。ゴールは目前、約束の時間にはゆっくり走っても間に合いそうだ。所用を済ませて外に出ると、雨が降っていた。空もどんより曇っている。やはり県北の夏場は夕立があって、夜は涼しいだろうなぁ。と呑気にお気に入りのJAZZを聴きながら走っていると、曲の合間にビー、ビー、ビーとノイズが入り始める。このカーナビも20年ほど使っているのでそろそろ寿命かなぁと思っていると、落合の町を過ぎた辺りから雨脚が激しくなり、R313から県道66号へ分岐して山間部に入った頃にはバケツをひっくり返したような土砂降りとなった。ワイパーを最速にしてもフロントガラスを流れる雨を拭き切れない。視界が極度に悪いのでフォグランプも点けて徐行運転だ。道路の低い所は雨水が溜まって池の様になっており、確認を怠って突っ込むと凄まじい飛沫で一瞬前が何も見えなくなるので、慌ててブレーキを踏んで減速する。そんな事を繰り返しながら、吉備中央町に着く頃やっと雨が小降りになった。やれやれと安堵した矢先、メーターパネルにABSの表示が点灯すると同時に、タコメーターとスピードメーターの針が暴れ出したかと思ったら、いきなり全て0を指してダウン。ABSが消灯すると何もなかったかのようにメーターも正常に戻るが、直ぐに点灯して、メーターが無茶苦茶になる。これは明らかに重大な異常事態だ。幸いエンジンには支障が出てなく水温計も正常なので、走れる所まで走る事にした。ABSが点灯したのは初めての事なので、色々と考えを巡らせてみると、先程の大雨がどうも気になる。何回も雨水の池に突っ込んだから、ブレーキ回りに取り付けられているABSのセンサーが雨の影響で誤作動を起こしているのかも知れない。現にABSが作動したような挙動はブレーキペダルからは感じ取れていないので、誤表示なのかも知れない。それではメーターの大暴れは?ABSとの関連はあるのか。いや、無いだろう。関係するとは思えない。それではやはり何処かが壊れているのか?分からない。などと思っていると今度はカーナビの音楽がダウン。勝手にナビ画面に切り替わった。何か嫌な予感がするので、ナビはOFFにして格納。暫くすると、何だか車内が暑くなってきたと感じたのでエアコンの送風口に手をかざしてみると暖かい風が吹き出しているのを確認したので、思わずエアコンをOFFにして窓を開けた。次々と襲い来る各所の異常。古いレーダー探知機も変な音が鳴り出したのでOFF。これは大変な事が起きる前兆に違いない。エンジンが止まるのは何時なのか。火災は大丈夫なのか?雨の中を祈りながら1mでも家に近づくように走る。ただ只管走る。すると突然、ABSのランプが消えて、メーターが何も無かったように正常に戻った。えっ。何故?。う~むなるほど、雨は殆ど上がっているので、走行風でABSのセンサーが乾いて正常に戻ったのかも知れない。やれやれ、何て人騒がせな雨だ。と安心してほっと一息。家まであと4㎞ほどになったので、もう大丈夫だと心に余裕が生まれた頃、また、いきなりABSが点灯、メーターが暴れ出した。直っていなかったのか。ガックリ。これはどうもおかしい。ABSと言うよりは電気系だ。オルタネーターの異常だろうか?しかし、オルタネーターは去年の10月にリビルド品だが新品に交換したばかりだし、バッテリーへの充電異常なら赤い警告灯が点灯する筈である。異常が発生してからの警告灯の点灯はABSのみだ。何処が壊れているのだろうかとあれこれ考えながら、なにげにシガーソケットに挿し込んである中華製の電圧計及び温度計に目をやると、何と電圧が8.5Vを表示している。ビックリして、思わず目を疑った。いくら中華製の精度がままならない簡易電圧計でも8.5Vは無いだろう。昨年9月に新品で購入した90D容量のツインバッテリーが危篤状態だ。直ちにフォグランプとスモール灯をOFFにして、ワイパーも止め、電圧計もソケットから引き抜いた。車内で使用する電気は全てOFFになっている事を確認しつつ、家路を急ぐ。幸いプラグの無いディーゼルエンジンなので、エンスト以外では止まる事はないだろうと思えるのがせめてもの救いだ。満身創痍で家に辿り着き、工作車を車庫に格納し、キーOFF。何とか無事だった。試しに再びエンジンスタートを試みるも、燃料ポンプの作動音だけで、セルは全く動かず。バッテリーがご臨終のようだ。途中で止まらずに走り続けた判断は正しかったようだ。もし、止まってエンジンを切っていたら、再始動は出来ず、レッカー移動の憂き目に会っていた事だろう。部屋に入って落ち着いてよく考えると、バッテリーが弱っていた思い当たる兆候は、最近エアコンの効きがいまいちであった事、パワーウインドーの動きが遅くなった事、カーナビの音楽に変な雑音が入る事が上げられるが、気温が高い事や古いクルマだからだろうと、勝手に決め込んで、交換して1年も経たないオルタネーターが故障するとは夢にも思わなかった。それに故障に気づくのが遅れたのはバッテリーの警告灯が点灯しなかった事もあるだろうが、真庭を出る時は何時ものようにセル1発でエンジンは始動したので、この時はまだバッテリーの容量は減ってはいたが、余力はあったと思われる。しかし、運悪く大雨のため、ワイパーをフル稼働した上にフォグとポジションランプを点灯、エアコンにカーナビも稼働していたために少ない電気を一気に使用してしまって、電気系のトラブルが次々と発生したと思われる。「壊れていますよ!」のサインを見落とした私の責任も重大だ。今回のトラブルの原因はまたもやオルタネーターの故障で間違いないだろう。それにしてもオルタネーターが故障したのは何時からだったのだろうか。昨年新品にしたツインバッテリーの容量は相当なものだろうから、何日も前から壊れていたのかも知れない。しかし、残念なのは楽しみにしていた明日からの聖湖でのぼっちキャンプは絶望的となった事である。1年も経っていないが故障したと思われるオルタネーター
2023.09.13
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セローのリアタイヤをIRCのトライアルタイヤに交換が終わり、テスト走行も済ませたので、急にぼっちキャンプツーリングに出掛けたくなった。今年は8月も終わろうと言うのに、連日の猛暑続きなので、涼しさを求めて標高の高い県北にターゲットを絞り探してみたら、現在は美作市となっているが旧東粟倉村に岡山県最高峰の後山の麓に後山キャンプ場があるのを見つけた。標高は600mなので、きっと涼しく、夜もエアコン無しで快適に眠れるだろうと、行き先を後山キャンプ場に決定した。近くには風呂に入れる施設もあるし、林道も何本かあるようである。今回は快適に眠りたいので、30年ほど前に買ったダンロップの4人用テントを持参する事にしたので、持ち物を厳選し、水は小型ポリタンクから給水袋に替えてテントが大きくなった事によるバッグの空きスペースをカバーしたが、現地調達の食料品と冷えたビールが入らないのでリュックを背負う事にした。 セローのリアキャリアに防水バッグとテントマットを積載し、12時20分後山に向けていざ出発。足守から建部を通って、吉井までは信号が殆ど無く快走路だ。高速走行でもタイヤのブレは感じられず、グリップもまずまずだ。ブロックパターンなのであまり倒すと滑りそうなのでほどほどにして楽しむ。吉井からはR374を北上し、湯郷温泉を抜けて県道354号を佐用方面に分岐、江見で更に県道5号に分岐して大原方面に北上。吉野川沿いの快走路に入ると幾分暑さが和らいだように感じる。大原のコメリでバイクを止めて初めての休憩。時間はまだ2時30分頃だ。ここで食料の買い出しをてもクーラーボックスが無いので、ビールが温くなってしまう。後山近くや温泉施設に小さな店があるかも知れないし、時間があるので無かったらまた大原に戻ってくれば大丈夫だろうと思い、後山に向けて出発。途中の簡易郵便局で食料の移動販売車を見かけたので、この先食料品店は期待薄だ。後山キャンプ場は大原から看板が幾つも掲げられているので、間違うこと無く到着した。アスファルト舗装の広い駐車場の上手が林間の第2キャンプ場だテントサイトは木枠で囲まれ良く整備されている。クルマの横付けは出来ないが、短い坂を登れば距離は近い。大きな炊事棟もある。駐車場入口から分岐する坂を登れば第1キャンプ場が開ける。途中に車止めの鉄柵があるが、バイクは通過できるし、柵はロックされていないので、引き抜けばクルマも通過できる。登ってみると誰もいない。こちらも7つのサイトで芝生張りだ。回りの草も綺麗に刈られ、ゴミ1つ落ちていない。手入れが行き届いていて本当に無料なのかと疑いたくなるようなキャンプ場だ。ここは大きな炊事棟と水洗トイレがあり、奥の方にもテントを設営出来そうな場所が見えたのでバイクで確かめに行く。遊歩道に続く長い階段の上にもサイトらしき広場が見えたので、荷物を積んだまま急斜面をアタック。樹木が邪魔して広場に続くルートが見つからない。諦めてターンをしようとした時、フロントが滑った拍子にバランスを崩して坂の下側に傾いた。まずいと思ったが斜面の下側なので足が届かない。そのままスローモーションのように急坂で倒れた。腰を少し打ったが体は大丈夫だった。しかし、タンクからガソリンが少しこぼれているので、慌ててキルスイッチでエンジンを切った。斜面で、しかも下向きに倒れているので、引き起こしは相当大変な事が予想出来る。しかもキャンプ道具満載だ。フロントを少し下側に向けながら渾身の力で引き起こすと、なんとが半分くらい起きたので膝で支えながら少しずつ起こして行く、ギアは1速に入ったままなので、いきなり動き出す事はない。やっとの事で斜面から脱出。バイクを点検してみるも、斜面が柔らかかったのが幸いし、クラッチレバーも無事。損傷も傷もなし。流石セロー軽量車の強みが生かされた。このサイトは東南が開けてロケーションが良いので、本日の宿泊地に決定し、早速テント設営に掛かる。30年ぶりに開封するテントに不安を感じたが、シミのような汚れが少しあるものの、全く問題無いレベルであった。設営も吊り下げ式なので、至って簡単あっという間だった。荷物をテントの中に仕舞い、一服する。標高600mだけあって、吹く風は爽やかで、気持ち良い。気温は25°~26°くらいであろうか。喉が渇いたので、リュックを背負ってビールと食料の買い出しに大原まで引き返す。商店街の看板があったので行ってみるが、酒屋と少しの雑貨屋がある程度で、スーパーなどは見当たらない。宅配のオジサンに尋ねてみると、この辺りでは農協ストア1店のみだそうだ。国道沿いの農協に併設されたストアで夕食と朝食の食材を調達、それと冷えたキリンビールとおつまみ。このまま、入浴施設に向かおうかと思ったが、冷えたビールがすぐに飲みたくなったので、入浴は諦めてキャンプ場に全速力で引き返す。テントサイトの隣の大きな岩に腰掛けて冷えたビールを飲み干す。最高だ。午後5時、焚き火台の準備をして、持参したエビナタを手に薪を探しに熊出没注意の看板が掲げられた山に入り、杉や松、雑木の枝を運んで帰る。ナタで適当な長さに叩き切り、薪を整え、杉の枯れ葉で着火。適当な熾きが出来るまで燃やし続ける。午後6時、熾きが出来た所で、調理に掛かる。調理道具は今回も100均のスキレットだ。直火にはこれに限る。煤も気にする必要もなく、何でも焼ける。今日は、豚肉の角切りと、カット野菜の炒め物をあてに日本酒を飲もうという算段だ。スキレットが小さいので何回にも分けて肉と野菜を炒める。一人だとこの大きさが丁度良いのだ。持参した酒も全て飲み干したので、締にうどんを煮て食す。焚き火の前に座っているのだが、暑くはない。気温も少しづつ下がっているようだ。夕闇が迫ってくる。それにしてもこの辺りには熊出没注意の看板がやたらと多い。生息地域になっているようだ。見つけたら電話して下さいと電話番号も記載してある。その恐ろしい環境下で、真っ暗な誰もいないキャンプ場で、ぼっちで一晩過ごすのは面白いではないか。午後9時、星空も雲で隠れ、焚き火も飽きたので、寝ることにした。妻に生存連絡のLINEをして、夜中に熊が襲いに来た時のために、枕元にエビナタとシースナイフを置いて、LEDのランプの明かりを少し落とし、iPhoneのラジオを点けっぱなしにして眠りについたがなかなか寝付けない。風が出てきたのだ。時折、回りの木々の葉が大きくざわつき、もの凄い音がするのだ。この音だと熊が近づいても気づかないだろうが、こんな大風の中では熊もうろつかないだろう。しかし、久し振りにエアコン無しで寝る事ができるのは有り難い。両方の出入り口をメッシュにしたまま、夏用シュラフに包まり丁度良い。夜明けと共に目が覚めた。LEDのランプは点いていたが、ラジオの音は消えている。iPhoneを確認すると、バッテリー残量が無くなっていた。一瞬立ち上がるが、LINEを送ろうと操作している途中でシャットダウン。しかし、慌てない。こういう時のために、モバイルバッテリーを持参しているのだ。悠然とバッテリーを取り出し、iPhoneに接続しようと、ケーブルを探すが、無い。LEDライト用のタイプCケーブルはあるのだが、iPhone用のライトニングケーブルが何処を探しても見つからないのだ。良く考えてみると、ケーブルをバッグに入れた覚えが無い。入れ忘れだ。やっちまった。これでは朝の生存確認連絡出来ないので、このままでは最悪、妻から警察に捜索願いが出されるかも?これはやばい事になった。ここで慌てても仕方がない。まだ午前5時を回った所だ。妻もまだ寝ている頃だろう。ゆっくりと片付けをを終え、朝食の飯を炊いて、ハムエッグを作り、麓に降りた所に交番があったので、そこで電話を借りて連絡しようかと思いながら、ゆっくりと朝食を食す。7時になったので、そろそろ出掛けようと第2駐車場まで降りてきたら、何とテントが二張り。遅くにクルマで来たキャンパーがいたのだ。早速、電話を借りて妻に生存連絡。すると「午前6時前から、LINEや電話を掛けるも繋がらないので、娘と熊に喰われたのかもと凄く心配していた。」、「掛かって来た電話が、知らない番号だったので、地元の人から熊に襲われた知らせかと思ってビックリした。」などと口早にまくし立てられた。面目ない事である。生存連絡もしたし、片付けも終わったし、メシも食ったので、林道アタックに出掛ける事にした。今日の目当ては駒の尾山を通って西粟倉村の大茅スキー場に続く林道ダルガ峰線を走る事である。ダルガ峰林道の入口にももれなく熊出没注意の大きな看板が設置されいている。道幅は狭いが、舗装路となっていたので拍子抜けだ。それでも細いクネクネ道を上って行き、標高が上がって行くにつれガスが出てきて、ジャケットを着ていても急に肌寒く感じるほど涼しい。ここは別天地だ。山深い頂上の稜線を縫うように走って行くと、カーブを曲がる度に熊が出てきそうな雰囲気である。途中に展望台や名勝白雲の滝などの見所のある林道は、千草高原への分岐で大茅へと下って行くと大茅スキー場兼キャンプ場に出る。このキャンプ場は30年ほど前に家族で利用した事があるのだが、水を汲みに入った沢にマムシが何匹もいたのを思い出す。ここはオートキャンプもできるが有料であるにもかかわらず、木陰がなく、草もボウボウで無料の後山キャンプ場の方が整備されていて断然綺麗だ。標高は同じく600mとの事。西粟倉村からR373を南下、後は帰るだけなのだが、このままでは、もしも何かトラブルがあっても連絡が取れないので、大原の国道沿いにあったコンビニに入店。ライトニングケーブルはあったものの2千円を超える値段だ。こんなケーブル家に帰れば幾らでもあるので、この時だけのために買うのはバカらしいと思い止めた。更に下ると、昨日休憩したコメリが見えて来て、閃いた。ホームセンターにあるケーブルは安いかも知れないと思い、入店。やっぱりあった。半額以下の850円なり。それでも少し高いが、休憩させて頂いた御礼と、安全を手に入れるために購入。早速、妻に「もう大丈夫」と連絡。昨日、走った道を逆方向に快調に飛ばして帰宅したのが午前11時30分。なかなかハードな2日間であった。テントを立てて買い出しを終えビールで一息本日の野営地キャンプ場に立てられたクマ注意の看板南東が開けた第1キャンプ場本日の食材酒を飲みながら小さなスキレットで少しずつ炒める夕闇迫るキャンプ場シメのうどん 具無しライトニングケーブルを調達できたコメリ
2023.09.02
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