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ROEはReturn On Equityの略で、「アールオーイー」と読みます。ROE=利益÷純資産一般的に、ROEは企業の効率性を測る指標として用いられています。純資産に対していかに効率よく利益を出せるかということです。また、純資産を企業の本質的な価値と考えると、ROEが高いほどその価値が増える速度が速いということになりますので、会社の成長性を測る指標にもなるといわれています。つまり、1年前の純資産+今年の利益ー今年の配当=今年の純資産ですので、配当次第ではあるもののROEが高ければ純資産は高い成長率を示します。なおこの式は新株発行などのケースを無視して単純化しています。そうなると、ROEが高い→高収益・高成長の優良企業→投資先として魅力的なのかというと、そうではないというのが私見です。まず、ROEは株価と関係のない指標ですので、それだけでは株式が投資対象として魅力的かどうかを知ることは不可能です。高ROE=高収益ということはいえるのですが、株価がその高収益を過大評価していて割高だったりすることもあります。割高な株は下がる可能性が高いのです。それから、ROEが投資指標として使えないもう一つの理由は、PERとPBRとの関係です。PERは低いほうが良い、PBRは低いほうが良い、ROEは高いほうが良い…この3つを満たすことは困難です。以下は大竹愼一氏の本に書いてあった式ですが、PBR=PER×ROEつまり株価÷1株純資産=(株価÷1株利益)÷(1株利益÷1株純資産)となり、ROEが高くなるとどうしてもPBRが高くなってしまうのです。つまり、投資指標としてPBRを重視することは、ROEを軽視することになります。私のROEに関する結論は1.PERを重視するなら、株価と関係ないROEより純粋にPERを重視すべき。2.PBRを重視するならROEは不要。3.成長性を重視するなら純粋に利益の伸びとPERを重視すべき。4.従ってROEは無視ということになります。
2005.02.23
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PER投資について、会社の利益が変動することを問題視しましたが、PBRが利益ほど変動しない純資産を基準にしているからといって過信はできません。なぜなら、PBRの基準となる純資産の正確性に問題があるからです。純資産は総資産から負債を差し引いた額なのですが、その総資産の額が実態を表していないケースがあります。株式や土地などの評価について、その時々の時価ではなく簿価と呼ばれる帳簿上の価格が用いられていますが、この時価と簿価が大きくかけ離れている場合は注意すべきです。例えば数十年前の地価が安いときに買った土地を、その買った当時の価格のまま簿価としていたり、逆に高いときに買ったものを、実際は値下がりしているのに高い価格のままにしていたりすることがあるのです。従って、表面上のPBRだけを信用して投資するのは危険で、実際の資産価値を考慮する必要があります。私は表面上のPBRを参考程度に考えています。今回でPBRの検討は終わりますが、次回はPERとPBRの関数であるROEについて考えてみます。
2005.02.16
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バリュー投資の2分類目であるPBR投資についての検討です。会社の純資産(自己資本・株主資本ともいいます)に対して割安な株を買うのがPBR投資です。PBRはPrice Bookvalue Ratioの略で、「ピービーアール」と読みます。PBR=株価÷1株当たり純資産この「純資産」というのは、会社の総資産から負債を引いた額です。純資産=総資産ー負債総資産とは会社の保有するもののうち、金額に換算できるものの合計を指します。預金、商品、株式、不動産、機械設備などです。例えば「会社は人が資産だ」と言う人もいますが、人間は金額換算できないので会計上の資産ではありません(人件費というコスト要因と考えるのが一般的)。負債とは会社が支払いの義務を負う金額のことで、商品を仕入れるときの代金や、銀行からの借入金、社債などを指します。この総資産から負債を引いた残りが、会社の純粋な資産ということになります。例えば会社を解散してしまった場合、総資産を換金して負債を返済した残りが純資産ですので、純資産は「解散価値」などと呼ばれることもあります。つまりPBRが1を割っていれば、解散価値を割っているので割安ということになります。例えば、株価が500円で1株純資産が1,000円だとすると、PBRは0.5倍です。500円で買った株を発行している会社が解散すると、1,000円が戻ってくるわけですから魅力的ともいえます。ただ実際にはこのように単純なものではありません。次回も引き続きPBRについて考えます。
2005.02.08
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