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『 ネット記事を読む 』
※消費者の視点。
「公的年金が頼りないので、
個人年金に加入」
これって正解?
2016/7/6 マネーの達人
荻原 博子さんという人のお話
公的年金の2015年の運用損失が
5兆円を超えるという数字を、
GPIFが7月29日に公表する予定です。
公的年金の運用は、一昨年10月に、
株式や為替商品での運用比率を上げて、
最高で約7割をリスク資産で運用できる
ようにしました。
それが、
今年に入っての円高、株安で裏目に出て、
1~3月に大々的な損失が出たので、
15年度は5兆円を超える損失という
ことになりました。
ただ、その後4月以降も円高株安は続き、
イギリスのEU離脱ショックなどもあったので、
損失はさらに拡大する可能性もあります。
こうした中、
公的年金があてにならないなら、個人年金に
入ろうと思う方もいると思うので、
今回は、個人年金について考えてみましょう。
個人年金には、大きく2つのタイプがあります。
「月々○万円払えば、将来○万円の給付」という、
あらかじめ将来もらえる額が決まっている
オーソドックスなタイプと、
※確定給付型ですね。
変額個人年金といって、運用次第で
将来もらえる金額が変わるタイプです。
※給付額は運用次第、うで次第。
オーソドックスなタイプには、
一定期間年金をもらう確定年金型と、
死ぬまで年金がもらえる終身型があります。
ただし、
終身型といっても、年金をもらいはじめてすぐに
死んでしまうと掛けた保険料に対してもらう額が
少なくなってしまうので、
死亡しても一定期間は最低保障されている
ものがほとんどです。
そこでまず、
従来型のオーソドックスな個人年金について
見てみましょう。
従来型の個人年金について
物価が上がると、
従来型の個人年金は実質目減りする。
※当たり前。
お勧めできない理由の一つです。
こんなもの、買ってはいけない。
たとえば、某大手生命保険会社の個人年金は、
30歳から60歳まで月々1万8,367円支払うと、
払い込み終了後に10年間にわたり
年72万円がもらえます。
計算すると、支払い額は
1万8,367円×12か月×30年= 661万
2,120円
一方、もらう額は72万円×10年= 720万円
差し引き 58万
7,880円のプラス。
低金利なので、
金額だけを聞くと良さそうな気がしますが、
これをもらえるのは30年後なのです。
厚生労働省の調べでは、
1985年の大卒男子の初任給の平均は
月13万8,900円で
2015年は17万円なので、1.23倍。
30年間で給料はこれだけ上がっているので、
もらう年金も800万円を超えていないと、
実質目減りということになります。
※まあ・・比較する時代や条件が
まったく違うので、
一概には言い切れませんが・・。
史上最低金利の今、
「長期固定金利商品」を契約
するのは、もちろん
賢い買い物ではありません。
大部分の保険商品は、この
「長期固定金利商品」です。
保険で貯蓄してはいけない。
しかも、
日銀が設定している2%のインフレ目標が
達成され、物価が2%ずつ上がっていくと、
30年で物価は約2倍になるので、
物価に追いつかない!
※まあ・・ これから、平常時に
2%ずつの物価上昇がある
ことは考えられませんが・・。
安心できる将来があって初めて、
消費者はお金を使います。
非正規でしか働けない、
子どもを預けられず働けない、
等々、安心できる状況にないので、
消費は活発にはならないでしょうね。
なぜ、こんなことになるかと言えば、年金の
運用利回りは(予定利率)が1%程度と低いから。
個人年金は生命保険同様に
どんなに世の中の金利が上昇しても、入った時の
運用利回りはずっと変わらないタイプがほとんど。
預金金利が5%になっても、個人年金は
最後まで1%程度で運用されるということ。
※ここで・・注意。
預金の金利と保険の利率は、
まったくの別物です。
運用利回り1%なら、銀行預金よりもいいと思う
人もいるかもしれませんが、そうではない
ということは、生命保険のところでも書きました。
※預金金利1%と言った場合、
「預けたお金の1%」ですが、
保険はまったく違う。
「払った保険料の1%」ではない。
「払った保険料から
◯◯を引いた残額の1%」
ということになる。
ちなみに、生命保険同様に、高い運用利回りの時に
加入した年金は、最後まで高い利回りで運用される
ので、お宝年金です。
※だからと言って・・
「絶対手放してはいけない。」
と思ってはダメ。
「木を見て森を見ず」・・状態になる。
より広く森全体を見渡す、
生活設計的視点に立ちたい。
「お宝保険といえども
手放したほうがいい。」
という選択は十分に有り得る。
変額個人年金について
変額個人年金は、手数料が高い。
※当たり前。
こんなもの、買ってはいけない。
従来型の個人年金ではなく、
「運用次第で、将来の年金が増える」
といわれる
変額個人年金はどうでしょう?
変額個人年金は、
預かったお金を株や債券などで運用
していくので、
運用次第では増える可能性もありますが、
逆に目減りしてしまう可能性もあります。
こう書くと、チャンスはフィフティー・フィフティー
という気がしますが、実は、変額個人年金は、
減る可能性のほうが大きいのです。
※当たり前。
なぜなら、手数料が高いからです。
※当たり前。
たとえば、
郵便局で販売している某変額個人年金保険は、
加入する時点で
契約時費用として4%の手数料を支払い、
※こんなにコストがかかるものを
買ってはいけない。
さらに、加入し続けている間は、
積立金に対して保険関係費用を年1.4725%、
運用関係費用を年0.486%、
純保険料を年1%引かれます。
※こんなにコストがかかるものを
買ってはいけない。
合計すると、
保険運用中に年約3%の手数料が引かれて
いきます。
※こんなにコストがかかるものを
買ってはいけない。
仮に1,000万円を預け、
損もせずトクもしない状況のまま30年たつと、
手数料を魅かれ続けた1,000万円は、
半額の500万円以下に目減りしています。
※いつも言っているように・・
これは「資産運用」ではなく、
消費者から金融・保険業界への
「資産移転」だ。
こんなバカなことを続けてはいけない。
「常識」は業界が作っている。
公的年金が頼りないので、個人年金をという気持ちは
わかりますが、老後までにお金が必要なことは
いろいろと出てくるでしょう。
遠い老後のために個人年金に加入するより、いま、
なるべく住宅ローンを減らして教育資金を貯めたほうが、
家計は健全になるのではないでしょうか。
※どうやったら家計が健全になるか?
・・を知るためには、
どんぶり勘定ではダメ、
断片的な対策の繰り返しではダメ。
家計健全化のために、生活設計がある。
自分のキャッシュフロー表を作ろう。
生涯をしっかり見渡そう。
根拠を作り、確信を持って、
人生をコントロールしていこう。
個人年金なんてやめよう ・・っと。
〇 商品販売をしない。
〇 しがらみを持たない。
誇りをもって、愚直に、
消費者側に立ち続けて15年目の
ファイナンシャル・プランナー事務所。
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