南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2004/11/29
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我が家の定番は、パンにクリームチーズを塗り、その上に自家製ジャムを乗せる食べ方。
2ヶ月ほど前に作った メロンジャムとブドウジャム が、とうとう残りわずかとなり、心細くなった。
そろそろ新しいジャムを作らねば。

「ねえ、何のジャムにしようか?」
朝食のテーブルで娘に聞いた。すかさず「リンゴ!」と答える上の娘。
「そうか、リンゴね。分かった」
あとは・・・・そう。初めてアイワ(マルメロ)のジャムでも作ってみようかな・・・。


トルコでは、アイワ(マルメロ)のジャムは、家庭で作るジャムとしてごく一般的。
田舎に行けば、庭や畑に必ず1本や2本は植えられていて、10月中旬からちょうど今頃にかけての時期に実が収穫され、パザールにも顔を見せるようになる。
親戚や友人宅で朝食をいただくと、かなりの確率でアイワのジャムが出されてくる。

しかし私、実はこのアイワのジャムがあまり得意ではない。
トルコに来て最初に味を見たアイワのジャムが、あまりに甘すぎて食べられなかったからかな、とも思う。独特の芳香も、ジャムになると私には今ひとつだし、紫色がかった濃いピンク色が、どうにも食欲をそそらないのだ。
(マルメロという奴は、生だと梨のような黄色をしているのに、煮えるに従ってピンク色に染まり、最後には赤紫に変わるらしい)

先日のバイラム休暇で夫の実家に帰った時、朝食にアイワのジャムが出された。
山の中腹にある母の夏の家に植わっているアイワの実で、料理上手な妹が作ったものである。
赤紫色に染まったアイワのジャムは、田舎風の朝食にはよく合う。田舎のバターや塩っぱいチーズ、オリーブの塩漬け、そしてチャイ(トルコ風紅茶)に。
一緒に飲むチャイの不思議なマジックか、私もこの組み合わせは美味しいなあと思いつつ、パンにアイワのジャムを挟んで食べた。
その時である。夫が「うちでも作ってよ」と言ったのは。


昨日の相場はキロ1.5ミリオン(約110円)。
私は、農家のおばちゃんが、自宅で獲ったという見かけの不細工なアイワをキロ1ミリオンで売っていたので、どうせジャムなら同じかと、それを2キロ買って帰ったのだが、これは失敗だった。
包丁でふたつに分けると、中は茶色くスカスカしている部分が多い。木から落ちたものを拾ったか、ぶつかったのか、時間が経ったのか、よく分からないが、リンゴの中がしばしば茶色く変色しているのと同じ状態である。
4つのうち3つがそんな調子。腐っているわけではないので、ジャムには使えるのだが、傷ものを掴まされた気分だった。いや、実際傷ものか。

皮を剥き、芯やあまりに茶色い部分を切り落として、小さくスライスし、砂糖をまぶしておいた。

砂糖が溶けて汁が出た後で、コンロにかける。
灰汁をきれいにとって弱火にし、ときどき鍋の中を混ぜながら、パソコンに向かっていた。
色も、ほんのりピンク色にはなってきたが、それ以上濃くはならなさそうだ。

ふと、我に返った時には、遅かった。
慌ててコンロに近づき、鍋の中を木のターナーで混ぜる。
あ~あ。焦げちゃった・・・・。
鍋底に接していた部分が茶色く焦げ付き、私がうっかり混ぜたものだから、焦げが全体に広がってしまったのだ。
幸いにして、焦げ臭さはほとんどないし、口に入れてみれば十分食べられるのだが、見た目が少々悪い。
最初、少し水を足すべきかと思ったくらい、水分が少なかった。横について、始終かき回しながら、じっくりと煮詰めるべきだったのだ。結局、全体がいい具合に煮詰まる前に、焦げ付いてしまった。

それにしても、出来上がったアイワのジャムは、香りが強すぎてなんだか薬臭い感じだし、エグミが強い。
ひょっとしたら、何か特別な下準備が必要だったのではなかろうか・・・?
失敗した後で今更遅いが、ネット上で「マルメロ・ジャム」の作り方を検索してみた。
すると、切った後で塩水に漬ける、とある。そうするとピンクに変わるのだそうだ。
なるほど。塩水につけることで、エグミが減らせるということなのかもしれない。この下準備を経ることで変色するのであれば、あの色にも必然性があるということなのだろうか・・・?

1リットル瓶一杯にできあがった失敗作を眺めながら、どうしたもんだろう・・・とため息をつく。
やっぱりこれ、どう贔屓目に見ても、アイワのジャムとは言えないわなあ・・・・。
(というわけで、画像公開できませんでした。代わりにアイワ(マルメロ)の実の方をお見せします)

アイワ(マルメロ)の実
アイワ(マルメロ)/1個が400~600gという重さ
これで2kg分



- * - * - * - * -


ちなみにマルメロという名は、ポルトガル語起源だそうだ。
この実がポルトガルからもたらされたからだという。
ポルトガル語で【marmelo】、またマルメロの実を煮て作ったゼリー状のお菓子を【marmelada】マルメラーダという。
そう、日本でオレンジや橙の皮を使ったジャムをマーマレードと呼ぶが、マーマレードとは本来マルメロのジャムのことなのだそうだ。
ポルトガル語の【marmelada】は、イタリアに伝わると【marmellata】マルメッラータとなり、実の形の残るジャム全般を指すようになった。

- * - * - * - * -


さて翌日。
熱いうちに味見した時は、薬臭いような香りとエグミが気になって仕方なかったのだが、1日経って冷めてみると、全体に馴染んであまり気にならなくなった。
そして、いつものようにクリーム・チーズと一緒にいただくと、あれっ、意外に美味しいではないか。
ふーむ。
私の好みで甘さ控えめに仕上げてあるし、光沢もある。
もしかしたら、鍋の底につきさえしなければ、もう少しで美味しくて見た目も美しい「マーマレード」になってたんじゃなかろうか?

やっぱりこれ。失敗作といわず、どんどん食べることにします。
だって、結構美味しいんだもん。
それに、これで、またひとつ苦手を克服できそう・・・。






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最終更新日  2004/11/30 04:17:51 PM
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