南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2005/02/08
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今日も、空は真っ青に澄み渡り、北風が身を切るように冷たい。

今日から、全国の小中学校、高校で後期の授業が始まる。
このところ深夜の読書がすっかり癖になっている私は、前夜の夜更かしのせいで、朝7時10分前になって夫に声をかけられるまで、まったく目が開かなかった。
重い身体を起こし、朝食の支度を始める。
子供たちは、私たちの立てる物音で、7時過ぎには揃って起きてきた。
たっぷりの朝食を摂ると、子供たちは夫の車で送られ、時間通りに登校していった。

9時半には、私たちもカレイチの地所に出掛けた。
すでに4人の人足は定位置につき、指定された場所を掘り進めている。今日までのところ、道路から約1m程のところまで掘り下げているところである。


掘削4日目


時間の経過とともに風向きが変わり、時おり冷たい風が吹き抜けるが、そうそう車の中でじっとしていることもできない。
めったにはないが、レリーフの施された大理石の塊が出てくることもあるからだ。
初日の印象でわかったところでは、新顔のふたりは、大きい石と見るとどんな石だろうとかまわず小さく割ろうとするので、大理石好き、レリーフ好きの私には気が休まらない。
結局、立ち詰めで人足たちの作業を見守ってしまう。

11時半頃から休憩を取り、温かい飲み物と軽食を摂った以外は、昼食もせず、3時半頃まで現場にいたせいで、私の身体はすっかり冷え切ってしまっていた。
早めの夕食ともいえそうな昼食をとってからも、私の手は冷たくかじかんだまま。満腹感と疲れもあって、眠くて眠くてしかたなくなり、ベッドにもぐり込んで小一時間ほど横になった。

3週間振りの授業を終えた子供たちを迎えに行った時、上の娘の担任が朝の娘の様子を報告してくれた。
休暇中、何をしたか、どこに行ったか、ひとりひとり報告をさせた時、「どこにも行かないで、ずっとここにいた」と言いながら、涙をこぼしそうになったという。

子供たちには、本当に可哀相なことをした。
私ひとりで簡単に連れて行ける場所があれば、また天気が良かったならば・・・。義兄のことや夫の病気、工事のことがなかったならば・・・・。もう少し家族揃って、楽しい思い出が作れたかもしれない。

まあ、休暇はまたやってくる。次こそは、いっぱい出掛けて、いっぱい遊ぼうね。


●5日目

今日も、青空に寒風が吹き抜けている。

コートを羽織り、ファスナーもしっかり閉めてバルコンに出た。洗濯物を干す間にも、身体は冷え切り、手はかじかむ。家の中に入ると、反動で頭がぼうっとする。
前日もすっかり身体を冷やした私は、今日はとても出掛ける気がしなかった。
掘削の立会いは夫ひとりにまかせて、私は一日家に残り、溜まっている家事を済ませたり、ブラウニーを焼いたりして過ごすことにした。


12時半にチャイムが鳴り、夫が帰ってきた。
私の顔を見るなり、夫は面白いニュースを聞かせてくれた。

帰りがけ、カレイチのいつも通る道を車で走り抜けている時、「ちょっとすいません!」と言って車を停める人がいたという。
夫の愛車のポンコツワゴンを朝方見かけ、それが気に入って、また戻ってくるのではないかとその辺りで待っていたのだそうだ。
その人はCMフィルム製作会社の人間で、Gで始まるある有名カミソリ・メーカーのコマーシャル撮影に、夫のポンコツワゴンを使わせてほしいと言ってきたという。

夫の愛車は、69年製のフォルクスワーゲンのミニバス。丸みを帯びたコロンとした形と、鼻先に下がったスペアタイヤのおかげで、まるで豚の貯金箱のごとき愛嬌のある奴である。
同年代のVWミニバスは、アンタルヤだけでも5~6台は見かけるのだが、夫のそれは鮮やかなスカイブルーに塗ってあり、その色を見て「これだ!」と思ったのだそうだ。

夫は、お気に入りの愛車に目を留められただけでも、満更でもなさそう。
イスタンブールから監督が到着する木曜日に、撮影は行われるらしい。
どんなシーンに使われるのか、興味津々。道の端に停めておくだけらしいのだが、バックに映るだけでも、なんだかワクワクする。
もちろん、その日はデジカメ携帯で私も見学させてもらうつもりである。
まあ、撮影だけしておいて、ボツになることは十二分に考えられるので、なにも期待しないでおこうと思うのだが、ひょっとしたらひょっとして、あのポンコツワゴンの姿を繰る日もテレビ画面で目にすることになったりして?

夫が言うには、時間でいうと11時頃。なにかが来るような予感があったという。
もしかしたら、新しい仕事の依頼でも入るのかな、と思っていたら、このテクリフ(オファー)が来たという次第。

撮影当日も、ワゴンと同じ色の、綺麗な青空が広がってくれるといいな。






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最終更新日  2005/02/09 03:24:26 PM
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