南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2005/02/10
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昨日に比べると、冷え込んだ朝だった。
今日も9時半頃からカレイチに出掛ける。
昨日に引き続き、溜まった土砂・瓦礫を動かす作業が行われている。
現場監督とも打ち合わせ、午後からはモトル(トラクター)を使って、土砂・瓦礫を運び出すよう決める。

ところで、例のCM撮影への車提供を依頼した担当の青年からは、なかなか連絡が入らなかった。
「それ、いらねえや」なんて監督に言われて、使わないことにしたんじゃない?と夫とも話をする。

12時のお昼休憩となり、カレイチをいったん後にした。昼食は自宅に帰って済ませ、その後タプ・カダストロ(土地台帳管理・登記所)に出向く予定で、私たちは車を走らせていた。
そこへ、夫の携帯が鳴る。

「わかった。じゃあマクドナルドのところね」
そう言って、携帯を切ると、夫は車をUターンさせ始めた。

「なんだって?今すぐ使うって?」
「これから使いたいんだってさ。タプ・カダストロは、明日にするよ」
撮影は、アタテュルク大通りのマクドナルドの先を右に入ったところらしい。確かに、その入り口には、進入禁止を示す赤い三角が置いてあった。それを一旦どかし、カレイチ内に入る。少し先に進むと、場所はすぐに分かった。スタッフ、野次馬含めて、およそ30人ばかりの人だかりができており、反射用のパネルやライトなどの撮影機材が置かれていたからだ。

あるカットの撮影がちょうど行われていた。モデルがサッカーボールを蹴るシーンが、何度も繰り返されている。
ずっと横に居るわけにもいかないので、車の鍵を預け、(なにぶん古いので)夫が動かし方のコツを教えて、とりあえず昼食をとりに行くことにした。
40分ほどしてレストランを出、私たちの仕事場、つまり掘削継続中の地所に戻る途中で、撮影場所を通った。
うちの車はどこかな?と見ると、ない。どこに置かれているのかは分からないが、とにかく目の前には、我が家のスカイブルーのフォルクスワーゲン・ミニバスではなく、真っ赤な旧型ベンツが置かれ、その後ろで子供たちがサッカーをしているシーンが撮影されていた。

「なんだあ。赤いベンツにしたのかあ」
子供たちがサッカーをするシーンで使うと聞いてたので、出番がなくなったらしいことに、ちょっとガッカリ。


撮影用に選ばれた場所は、カレイチの中でも、特にこれといった特徴のない庶民的な小路である。ペンションや民家に挟まれたジグザグ型の路地はイスタンブールやブルサなどの旧市街にはよく見られるものだ。
いつもは閑散としたその路地を、エキストラの通行人が忙しく出たり入ったりするところは、私の目には不自然でもあり、妙に脚色された空間という感じがした。
そうか、アンタルヤを、カレイチを撮るのではなく、気候がいいから選ばれただけなのね。イスタンブールが雪でどうしようもないから、それでなんだ。
そう結論付けると、なんだかどうでもよくなって、私たちは「自分たちの仕事場」に戻ることにした。

撮影風景1撮影風景2


現場にはすでにモトルが到着していた。今日はこれから、2~3回は土砂を運び出すことができるだろう。

子供たちの迎えにはまだ時間があったが、私は後をおっとにまかせ、一足早くドルムシュで帰ることにした。

ドルムシュ乗り場まで行く途中で、撮影現場に差し掛かったとき、夫のオンボロワゴンが、隅のほうに戻って来ていた。
それを確認すると、すぐ通り抜けるつもりだったが、踵を返し、担当の青年の肩を叩いて念のために聞いてみた。
「で、うちの車、使ったんですか?」
私の質問に小心者らしい青年は少しうろたえる。
「いや、まだ使ってないんですけど・・・」
「まだかかりそう?」
「そう長くはかかりませんから。あと1時間かそこら」
そう。やっぱり使わないみたいね。まあ、いいか。

現場での掘削作業立会いを終え、撮影現場から車を引き取って帰ってきた夫の話では、担当の青年は「ちょっとだけ使った」と説明したという。
さすがに「まったく使いませんでした」とは言えなかったんだろう。
まあ、世の中こんなものよね。ひょっとしたら・・・なんて淡い期待を抱いてたけど。
赤い旧型ベンツも悪くはなかったけど、我が家の真っ青なオンボロワゴンの方があの路地には合うような気がしたけどね。私は。

我が家のオンボロワゴン
初公開!我が家のオンボロワゴン







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最終更新日  2005/02/12 04:06:33 PM
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