南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2005/09/05
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ハカン親方

ハカン親方の登場した前回の工事日記は、時間の関係でいつのまにか尻切れトンボに終わってしまったのだが、実はその後すぐ 親方には「もう来なくていい」と、解雇通知を言い渡していたのである。
親方のなんともやる気のない中途半端な仕事振りを、私は逐一夫に報告していた。
私以上に気の短い夫の堪忍袋の緒は簡単に切れ、連絡の一向につかない親方の代わりに、息子のムスタファに伝言を頼んだのだった。

それから2週間。何の音沙汰もなかったハカン親方が、夫の帰りをどこから聞きつけたのか、 一昨日突然現場に姿を見せた
アポイントメントの立て込んでいた私たちは、挨拶だけしてさっさと現場を後にしたが、のこのこと姿を見せた目的の、大体の察しはついていた。
「金」でしか動かない人間が顔を見せる理由が、他にあるとは到底思えなかった。

ハカン親方とは、こんな口約束を交わしていた。

息子ムスタファの紹介ということもあり、困っている私たちを助けるためだから、 「お金は重要じゃあない」 と、親方は一応謙虚を装う。
だけどガソリン代とかいろいろ物入りだから、工事が無事終わるのを見届けるまで、1200YTL(約10万円)を謝礼として手渡す。
そんな風に、話をつけていた。

いざ、親方がうちの仕事を始めてくれるとなった時、私は工事関連業者、各職人たちの電話番号リストを巻頭に記した工事ノートを用意して親方に手渡した。
親方には、ネジャットがそうしてくれたように、棟梁、現場監督として陣頭指揮に立ってくれることを期待した。少なくとも、現場のことを熟知する「親方」として、職人たちをうまく動かしつつ、問題解決していってくれるだろうと思っていた。

が、親方の最初の仕事である、 例の足場解体の一件
しょっぱなから私が抱いた懸念は、その後1ヶ月弱の間、次々と上塗りされていき、とうとう彼を完全に「切る」決心を私たちにさせるに至ったのだった。

私は最初、彼のことを「新しい棟梁です」といって建築家や職人たちに紹介していた。お世辞でもなんでもなく、実際そのつもりだったから。
が、親方ときたら・・・・。


現場で仕事をする職人の横では、ただ立って見てるだけ。問題のありそうな箇所を探して注意したり、変更させたり、やり直しさせたりなんて、当然やらない。
私が「明日は私の代わりに何時に現場に来て」と言えば、一応その時間に現場に詰めているらしいのだが、1時間ほどすれば雲のように消えてしまい、私が現場に着いた時には姿もない。当然、報告なんてものもない。
時々、携帯にワン切りで掛けてくる。掛けなおすと、「イェンゲ(あねさん)、何々がないって、職人が言ってるよ」と、ただ伝言するだけ。何のために電話番号リストを渡したのか。自分の電話を使いたくないらしいが、砂でもセメントでも、すべて私が手配するはめになった。

一事が万事こんな調子だったから、私は早々に親方を 「ただの運転手」「ただの私の代理人」 と割り切ることに決めた。実際、彼がやってくれることといえば、それ以上のものではなかったし。

今までの彼の「仕事」は、大理石職人のアトリエまで2回。建具屋まで3~4回。現場まで、大体7~8回程度の往復。周囲の人間にも意見を聞いたし、私はそれで十分かそれ以上と思っていた。
突然辞めさせられても大人しく黙っているのは、それで納得しているからだと思っていた。

ところが、一昨日のふいの登場。
そして今日。ハカン親方がいよいよ私の携帯に電話をしてきたのである。

(・・・・長くなるので、いったん切ります)






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最終更新日  2005/11/03 05:25:09 AM
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