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ローラン家のセラー・ルームに遠峯一青の写真が飾ってあり改めて亡くなったんだぁとしみじみ。 2021年7月に「神の雫」と「マリアージュ 神の雫 最終章」70冊をシンガポールでを読み終えてからほぼ3年、本帰国して3月にシーズン2となる「神の雫 ドゥジエム」がスタートした事を知って早速書店に買いに行きました。すぐ1ページ目を開けるのがもったいなくフィルムを剥がさずに数日飾っておいてやっと【第一話「Reborn」神の雫】を読みました。 主人公神咲雫の異母兄でありワインのライバルだった遠峯一青が亡くなって18年が経ち、愛するローランとの間に生まれた「青夜」もやっとワインが飲める18歳の誕生日プレゼントにと神咲雫が用意した1本を開けるシーンから「新生 神の雫」の始まりです。 3年振りにパリのローラン家を訪れた神策雫はこの日のためにセラーに置いていったブルゴーニュワインの造り手「ジャッキー・トルショー」の「クロ・ド・ラ・ロッシュ 2002年」を開けます。遠峯一青が頂点である13本目の「神の雫」に選んだワインである事と遺書に「自分の遺骨はブルゴーニュに撒いて欲しい」という言葉が蘇ります。18歳という記念すべき年に初めて青夜が口にするワインが・・ジワリと響きます。 「マリアージュ 神の雫 最終章 25巻目「ジャッキー・トルショーの手」 ジャッキー・トルショーは2005年に引退しているので2002年はその3年前に収穫された葡萄で造られたワインです。畑仕事で真っ黒に染まってしまった手と遠峯一青がその手を「ヴィニュロンの勲章」と称賛したシーンは最高の「一期一会」でした。漫画「神の雫」は続く限り読み続けますが「ドゥジエム」でどんな「一期一会」を読者に経験させてくれるのかとても楽しみです。
2024.05.17
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以前からずっと気になっていた「本の黄ばみ」の謎が昨日のNHK「チコちゃんに叱られる」で一気に解けました。時間が経つと本が黄ばむのは紙の原料となるパルプ(機械パルプ)を木をすりつぶして作っているからで、機械パルプにはセルロース(約50%)ヘミセルロース(約25%)とリグニン(約25%)が含まれ、この3つの成分のうちリグニンが黄ばみを発生させる物質だそうです。 このリグニンを化学物質を使って無くした紙が化学パルプと呼ばれノートやコピー用紙に使われているそうで、確かにコピー用紙が黄色や茶色に変色したのをあまり見ない事に気が付きました。 番組では「それでは本も化学パルプで作れば?」という疑問にたいして、出版業界が紙選定でかなり重要視する「紙の手触り感」を挙げていました。化学パルプで作った紙はつるつるしていて本をめくる時のあの絶妙な指感覚が出ないという説明でした。 漫画「神の雫 第1巻(2009年 第12刷発行)」はカバーはつるつるで全く変色がありませんが、中のページは茶色のしみや黄ばみがほぼ全ページにあります。 ちょうど本帰国前に日本に持ち帰らない本の処分と考えていて寄贈しようと思っているのですが、シンガポール日本人会からの本の寄贈に関するメモには下記のように書かれています。「受付できない本」*教科書*シミや黄ばみ、カビ等の汚れが付着している本*保存状態が悪く、茶色く変色している本 思い返せば日本でも本の変色はあったと思うのですが、高温・多湿のシンガポールだから変色するのかと以前定期的に陰干しもしましたが効果はなくどうしてだろう?と疑問に思っていたので謎が一気に解決した感じです。私も本の手触り感は重要だと思うので変色は本の運命と思って廃棄処分もしょうがないのだと納得です。
2023.10.21
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漫画「神の雫」と「マリアージュ 神の雫 最終章」の全70冊からはワインや料理について多くのことを学ばせてもらいました。 そしてワインとの出会いで自分の今でも忘れられない思い出と本当に僅かでも似た事が描かれていると大袈裟ではなく飛び上がるほど嬉しくなります。 その一つが「マリアージュ~」の25巻目に描かれていた造り手「ジャッキー・トルショー」の「手」です。遠峰一青が彼にとっての13本目「神の雫」に選んだワイン「クロ・ド・ラ・ロッシュ 2002年」の造り手です。バッカスの神に導かれるように彼の元を訪れるチャンスを得、畑で交わす会話がとても印象的です。 握手をしようとして差し出された手が真っ黒に染まっていることに驚いた遠峰一青に「もう取れないのだよ」と答えます。それに対して「ヴィニュロンの勲章です。あなたに会ってその手を見て自分にとっての神の雫があなたが造るワインであることを確信しました」と続きます。 今は数が少なくなった「畑」をこよなく愛する人で畑をより深く理解するために毎日畑に出ることを日課としていたようで、2005年には引退し今は「幻の造り手」と呼ばれているようです。 「手」についての私の忘れられない思い出は2006年ボーヌで「冬の葡萄畑を見るツアー」に参加した時のことで、ボーヌ近郊にある「サヴィニ・レ・ボーヌ」村にある小さなドメイン(ワイナリーと同じ意味)が最後の訪問先となっていました。オフシーズンということもあり試飲やワインの購入が出来るのはそのドメインだけでした。 対応に出て来てくれた女性が試飲用のワインをグラスに注いでくれた時、その「手」に目が止まりました。冬ということもあったのかもしれませんがかなり荒れていたのです。ワイン造りの大変さを言葉を使わずに説明してくれているような・・私にとって思い出深い手です。 この地区を代表する白葡萄品種「アリゴテ」を一本購入しシンガポールでその手のことを思い出しながら開け、そのボトルのラベルは今でも大切に取ってあります。 「目は口ほどに物を言う」ではないですが、言葉を使わなくても体の一部でその凄さが伝わることって結構たくさんあるのだなと改めてしみじみ思います。
2021.07.26
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「マリアージュ 神の雫 最終章」26巻目は昨年の12月発行なので、日本より半年ほど遅れて全冊70冊を読み終えました。手元にある「神の雫」の1巻目は2009年の第12冊発行なので、最初の発行から4年後に読み始め約10年間で読み終えたことになります。帰省の時に纏めて買ったり友人や家族にシンガポールまで送ってもらったり、それだけでも思い出があります。 改めてこんな凄いワインの本(教科書以上)をリアルタイムで読むことが出来たことに、原作者の亜樹直さん、作画のオキモト・シュウさん、講談社に感謝します。 神咲雫と遠峰一青との「12使徒対決」を描いた「神の雫(全44冊)」の42巻目から44巻目までを購入し応募した人に「裏使徒12本」について書いた「ライナーノーツ」を差し上げますというのを締め切り後に見つけ、ダメ元で「シンガポールに住んでいるため見るのが遅れて~」と理由を書いて「ライナーノーツ」を実家に送って欲しいとお願いの手紙を講談社に送りました。 諦めかけていたところ実家から届いていると連絡があり、郵便でシンガポールに送ってもらったという思い出もあります。 最終となる26巻目を読み終わった後、どんな気持ちになるだろうと正直ドキドキしながらページをめくっていきました。 一番衝撃だったのはやはり遠峰一青の「死」です。13本目となる「神の雫」をブルゴーニュで見つけ、神咲雫との表現対決で引き分けとなった後、全てを燃やし尽くしてしまったかのように・・・愛するローランが彼の子を宿していたこと、遺骨はブルゴーニュにというメッセージ、遺言として神咲雫に渡された手紙など、決してこれで完結ではなく「新たなワインへの旅」という未来に向けた遠峰一青の熱い熱いワインへの思いが伝わって来て、想像以上の素晴らしいエンディングでした。 しばらくはこの余韻に浸っていたい気持ちです。
2021.07.21
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漫画「神の雫」はワイン評論家「神咲 豊多香」が残した時価20億円と言われるワインコレクションを巡って、息子の「神咲 雫(太陽ビール・ワイン事業部勤務)」と新進気鋭の天才ワイン評論家「遠峰 一青(実は雫の異母兄)」のワインバトルの物語です。 全44巻で12本の正体が明らかにされ、13本目になる「最上の1本・神の雫」のバトルは「マリアージュ 神の雫 最終章」へと続きました。 12本についてはフランス ブルゴーニュ地方の「グラン・エシェゾー」など「赤ワイン」が9本(うちイタリア2本、カリフォルニア1本、スペイン1本)で、残りの3本がブルゴーニュ地方を代表する白ワイン「シュヴァリエ・モンラッシェ」、シャンパン、とボルドー地方の甘口ワイン「シャトー・ディケム」でした。 ワインバトルは神咲豊多香が残したメッセージを頼りにワインの銘柄だけでなく生産年を言い当てるという「神業」に近いもので、そのために命の危機に陥ることもあります。 その中の「第2の使徒」で「モナ・リザ」がワインを絞り込むヒントとして使われていました。絵画好きとしては嬉しい限りです。「神の雫 第7巻」から。 神咲豊多香がイタリア旅行中に偶然立ち寄った「ダ・ヴィンチの生家」で彼の魂は1人の芸術家と邂逅します。そして2枚の絵を見せられ「どちらが好きか」と芸術家に尋ねられます。左の絵は「春に描かれ、子を宿したばかりの女性」右の絵は「夏に描かれ、モデルは誰かは答えられない(多分ダ・ヴィンチ本人)」というヒントを受けて、神咲豊多香は「心を真綿のように包んでくれる女性的な左の絵の方が好きだ」答えます。 そしてこのメッセージを基に雫と一青が選んだワインはどちらもボルドー左岸「マルゴー村」の「シャトー・パルメ」です。雫が選んだ葡萄の生産年(ヴィンテージ)は2000年、一青が選んだのは1999年です。 2000年はフランスでは「グレイト・ヴィンテージ」と呼ばれる年で気候条件にも恵まれ特に「カベルネソーヴィニヨン」の質が良く、その良さに頼って多用したためより男性的になったと漫画の中で説明があります。逆にグレイト・ヴィンテージではなかった1999年にはより円やかな味わいを出す「メルロー」を多用したことでワインがより女性的になったとあります。 結果、第2の使徒選びは「より女性的なワインを選んだ」一青の勝利となります。正に農業生産物であるワインの神髄です。シャトー・パルメ・・・飲める日がいつか来るのかなぁ・・・。
2021.06.21
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「マリアージュ 神の雫 最終章」18巻にボルドー左岸のサン・ジュリアン地区の「Ch. Gruarud-Larose(シャトー・グリュオ・ラオーズ)」1970年を飲むシーンがあります。 サン・ジュリアン地区は位置的にも南のマルゴー地区と北のポーリャック地区の中間で、ワインもバランスの取れた中間的なワインと言われています。 そしてシャトー・グリュオ・ラオーズは「メドック地区の格付け」で2級ながらも「王のワイン」として愛されているそうです。 漫画の中ではブラインドティスティングで、「西洋杉の香りと腐葉土のニュアンス・・」からだけでサン・ジュリアン地区と当て、一口飲んでシャトー名とヴィンテージ(葡萄の収穫年)をぴったりと当ててしまいます。 そしてこのワインを表現するのに画家「マティス」と同様にフォービズム派(色彩の試練)」の一人だった「モーリス・ヴラマンク(1876-1958)」の「「赤い木のある風景」が登場します。ネットの画像から。 漫画の中の台詞にはフォービスムについて「目に見えているリアルな色彩ではなく、心に訴えかけてくる色彩のイマジネーションをそのまま表現した・・」とあります。そして「モーリス・ヴラマンクの混沌とした中に不思議な調和を持つこの作品」で言葉を使わずにこのワインを表現できるというようなことがか書かれています。「神の雫」の1巻から44巻、「マリアージュ~」の17巻目までにこんなにワインと絵画のシーンが印象的に描かれた箇所の記憶がないのですが、この内容が十分に理解出来ても出来なくてもワインと絵画好きにはたまらない演出だなと思いました。 「セーヌ川の眺め」モーリス・ヴラマンク(1905-06)「エルミタージュ美術館ガイドブック」の画像 今までブラマンクの絵を直に見たことがあっただろうかと訪ねた美術館の画集を見てみると、エルミタージュ美術館ガイドブックに1枚ありましたが、残念ながら覚えていません。今改めて良く見ると、確かに「混沌とした色使いの中に不思議な調和」というのが分かる気がします。
2021.06.01
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