2004年01月20日
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邦題は『死者の書』、ジョナサン・キャロルの処女作
なぜ、こんなダークな邦題がついてるんだろう?
おかげで、恐る恐る読み始めてしまった
本屋さんでこのタイトルだけを見て
「面白そうだ!」と思って手にとる人はそうはいないと思う
たしかに内容はある意味ダーク、ホラーの要素もあり
そして確かに、いわゆる‘死者の書’の世界の再現でもある
しかしなんということはない、はじめの3/5ほどまでは

トーマス・アビイは高校の英語教師、30歳男性

映画スターの息子ということで関心を引くことに、屈折した想いを持つ
仮面収集が好き
そして、マーシャル・フランスの小説を愛し、作家を敬愛している

サクソニー・ガードナーはマリオネットを作っている若い女性
幼いときの火傷のあとを気にしている
そして、マーシャル・フランスの小説を愛し、作家を敬愛している

このふたりが古本屋で出会い、協力して作家の伝記にとりかかる
伝記を書くために赴いた作家の住んでいた田舎町ゲイレン
作家の娘アンナが今も住むその町は
とっつきにくく、それでいてとけこみやすく
陽気で親切でほのぼのとしていて、それでいて不気味な秘密を持つ町

ファンタジーがホラーと化す

ふたりが敬愛するマーシャル・フランスの作品
『笑いの郷』『桃の実色の影』『緑の犬の嘆き』『星の湖』『夜がアンナに駆けこむ』
宮沢賢治ふうな子供向きのファンタジー要素の強い作品たち
ひとつひとつのお話のキャクターやストーリーの一部もすばらしく

実在のアーティストや楽曲、作家や小説、映画や俳優、プロダクション
そういったアイテムがちりばめられているせいか
マーシャル・フランスも、彼の作品たちも
そしてトーマスの父親が主役を演じた映画さえ
読んでみたい、観てみたいと思うくらい、ほんとうに存在しているかのよう
ひとつのお話の中に、これだけの素材をつぎ込んであるのがもったいないくらい
とてもとても贅沢な作品
ただし、最後の数行さえなければ・・・
いくらなんでも、やりすぎかな、焦点がボケてしまったような
とはいえ、これはおすすめです





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最終更新日  2004年05月15日 09時26分28秒
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