2004年04月02日
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と言うわけで、ロマノフ王朝栄える1860年代夏のペテルブルク
ここを舞台にしたのがこの『罪と罰』
この2ヶ月ほどの憂鬱は、これが原因の2/3程を占めているかもしれません

勉学の道を閉ざされた元学生ロジオン・ロマーヌイチ・ラスリーニコフ
美しく聡明な青年でありながら、ぎりぎりの貧しさゆえに陰鬱さの中に沈み
世間とのかかわりを拒否し、狭く、薄暗く、綺麗とはいえない部屋に篭りがち

彼には理論がある
人類は、2種類に大別される
秩序に従わなくてはいけない大多数の凡人と


自身がその非凡人であることの証明か、権利を行使する計画を空想する
閉ざされた今の状況から抜け出し、選ばれた者としての使命を果たすためなら
凡人を犠牲にする悪事をも厭わない
彼は冷酷な殺人者として、一方、温厚な善人としての二面性を持つことになる

ラスリーニコフは罪びとでありながら、多くの尊敬と愛をそそがれ
それを認めつつも、表向き拒否しつづける
彼の苦悩は、おそらく犠牲者への懺悔ではなく
多くの善行を施すはずの未来を獲得し得なかった失敗者としての自己憐憫
結局のところ、貧困のせいとはいえ
自分勝手で御都合主義の虫けらのひとりでしかないと思うのだけど

罪を背負うラスリーニコフと

神のイメージを持たない私には、理解し得ないのかもしれないけれど
ソーニャにとってのラスリーニコフは
神から与えられた奇跡の証明としての啓示なのではないだろうか

この物語の中には、極端に個性的な人物が多く登場する
とても魅力的とはいえない人物もいるけれど、各々が気になって仕方がない

そんな真摯な生き方をする人も多い
その思いはいったい、どこからくるものなのだろうか?

ドストエフスキーは、政治犯として捕らえられ投獄された経験をもつらしい
ラスリーニコフのなかに、どれほど作者自身が投影されているのだろうか

とても精神的に疲労する作品でありながら、読み進むことをやめられない
もどかしいほどに、淀んで遅々としたストーリー展開のわりに
急展する結末に、気が抜けた感はやや感じてしまう

とにかく、読んでおくべき一冊には違いないと思う


それにしても、読み終わってから
ペテルブルクってどこ?
と調べ始める私は、かなりぼけてると感じます





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最終更新日  2004年05月15日 09時42分57秒
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