2004年12月22日
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7人の作家がえがく、揺らぎの一コマ

赤川 次郎「透き通った一日」
保健室から教室に戻った私は、自分が死んでしまったことを知る
私が普段知っていたのとは違う一面を見せる家族、友達、先生
やや、使い古されたネタではあるけれど
真実を語ることへの意味を持たせるところで、ほっとするものがある

阿刀田 高「マッチ箱の人生」
スナックのママが語るエピソード
一番列車で隣り合った女性は

彼女は3人のうち誰と会っていたのか
推理ゲームのようでありながら、一瞬の妖香漂う含みを持たせた語りです

宮部みゆき「返事はいらない」
自分が長年奉公し愛してきた銀行から一千万円のお金を騙し取ることが、銀行への恩返し?
なるほど、やっぱり恩返し
銀行を愛し、顧客を思いやるからこその恩返し
登場人物が愛おしくて、冬にちょっとあったかい

乃南 アサ「福の神」
嫌な出会いが実はつないでくれていた
そうかもしれないと思うと、日常の我慢できるかな、少しは

連城三紀彦「過去からの声」

なんていうんだっけ…被害者が、加害者に愛着を持つようになる現象
なんとか症候群っていうやつ
それに似ている感情を持ったことのある若い刑事は
事件を犯人側から見つめることで、真実を悟る
もし実際にあったとしたら、この犯人はどんな罪に問われる事になるんだろうか


深夜の八幡宮の境内で、命がけで助けてくれた男性は、殺人事件の容疑者だった
そして私はその事件の目撃者だった
私はなぜ襲われたのか、ほんとうに襲われたのか
次第に心惹かれるその人を救う方法は、うん、やっぱりこれしかなかったんだろうな

北村 薫「眠れる森」
「眠れる森の美女」は
「眠れる森」の「美女」なのか
それとも
「眠れる」「森の美女」なのか
そうそう、子供のころそんなこと思ったことがあるよ
「眠れる森」というのがあったとして「眠れる森の美女」のように
時を越えた心地よい眠りに落ちることができるとしたら
森の中は大混雑になってしまうだろうね

どの方も、個性あふれる作家さんばかり
一話ずつ、一週間かけてお風呂で読ませてもらいました
短いからこそ、あっと気づいてもその展開の意外性が消えないままに終わる心地よさ
事件であったりするのだけど、読み終わったあと
建物の陰になった一角に、ちょっとだけ陽が届いたようなほっと感が残ります





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最終更新日  2004年12月22日 10時07分25秒
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