2005年01月03日
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『デミアン ─ エーミール・シンクレールの青春の物語』/ヘルマン・ヘッセ

ヘッセの主要作品を年代順に並べると
『郷愁』『車輪の下』『春の嵐』『湖畔のアトリエ』『クヌルプ』『青春は美わし』『デミアン』
『クリングゾルの最後の夏』『シッダールタ』『荒野のおおかみ』『知と愛』『東方巡礼』『ガラス玉演戯』
私がこの『デミアン』以前に読んだのは、『デミアン』以前の作品ばかり
この作品はちょうど、ヘッセの作品の中で、前期と後期を分ける中間的作品であるらしい
確かに、読んでいて途中からどうも今まで読んだのとは違う感がした


聖書の言葉とともにある正しい善意にあふれる良き家庭で育ち
ラテン語学校に通う10歳の少年エーミール・シンクレール

追い詰められ次第に絡まる悪の罠
そこから救ってくれたのが、デミアン
デミアンは、大人のような印象を与える少年で
「カインとアベル」について、意外な解釈でシンクレールの心を捉える
デミアンの発する言葉はどれも興味深く説得力があり、そして魅惑される
デミアンの名で思い出したのは、昔見た「オーメン」という映画
映画に出てきた少年の名はダミアン、悪を及ぼす子ではなかったか
デミアンはデーモンと同じく「悪霊にとりつかれたもの」から出ている、と作者は語っている
解説にはそう書かれている
けれども、ヘッセのこの作品に登場するデミアンにはそういうイメージはない
たしかに近寄りがたいような魔的雰囲気はあるけれども、救世者のような存在

そばに居ないのにいつも居るようで、自分自身を求めようとするシンクレールを導いている
私には宗教的解釈は理解できない部分が多いけれども、それでもなんとなく頷けてしまう
ふと目を留め手を添えて読み返したくなるような、付箋をしておきたいような一文がたくさんある
自我の殻を破りたいと欲する年頃に読み、ふと躓いたときにまた開く、そしてまた振り返る
繰り返し手にするものだと思う

理解するのに時間は掛かるかもしれないけれど
読むのにそう難しいものではないから





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最終更新日  2005年01月03日 14時48分10秒
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