2007年01月18日
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テーマ: 本日の1冊(3803)
カテゴリ: 本



当然登場人物に重複もあるようですが、読んでみてOKでした。これだけ読んでもさほどの支障はないと思います。できれば第1部を読んでからの方が良いんでしょうけど、こんな読み方をする不届き者にご不満もあろうかと思いますがお許しいただきたい。私は十分楽しめました。日本人として住むべき土地を失って流浪の民と化すわけですから。‘楽しめた’という表現は少し心情的に問題があるかもしれませんけど。けどそこは単純に架空の物語として楽しめた、ということで。
あとがきによると、第1部が書き始められたのは昭和39年(1964年)東京オリンピックの年。国を失ったかもしれない日本人をフィクションの中で再度危機に直面させてみようという意図を持ち、当初は「日本漂流」というタイトルが付けられていたとか。出版社的時間の都合でまず第1部・完ということにしたのだそう。それから長きを経たのちプロジェクトチームを組んで取り組む事になり、執筆者谷甲州で出来上がったのがこの第2部。日本列島が沈み、日本人が国土を失ってから25年後を描いています。
もちろん小松左京色を出すように意識して書かれたのだとは想像しますが、私は谷甲州色を強く感じました。この人だからこの内容、いえ、この内容だからこの人だったのかな。
日本人を受け入れたいくつもの国々の人間的・政治的事情、その状況を受け入れるしかなかった入植者達の心情、国土を持たない日本という特殊な国の指導者達、地球に生きる人間としての立場など多方面からの視点で前後して描かれるために物語が遅々として進まず、残りあと数ページというところまで、‘もしかして第3部もあり?’と思わせる程でしたが、決して退屈するような事もありませんでした。
外に目を向けているつもりでも、やはりただの井の中の蛙でしかなかった視野がまた少し広くなった気がします。登場人物にはあまり突っ込んだ内容ではなかったのですが、それは第1部を読んだ人にはあまり必要ではないからでしょうか?
既視感という言葉がちょっと目に付きましたが、その意味するところがいまひとつ分からなかったのです。もしかしたら、日々目や耳にしている情報から、体験してもいないものを勝手に体験した情報として置き換えて記憶保存してしまうのかなぁ、なんてこと思いました。
しかし、この先が気になります。地球人として。時間がかかっても良いから‘これで完’ではなく第3部を書いて欲しいな。





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最終更新日  2007年01月19日 18時02分48秒
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