2007年08月09日
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テーマ: 本日の1冊(3806)
カテゴリ: 本


その後立て続けに起こった3例の術中死は偶然な不運なのか、ミスなのか、それとも故意によるものなのか、チームを率いるアメリカ帰りの助教授・桐生恭一は自ら調査を依頼した。見た目も中身も腕も名前も立派でカッコ良いこの外科医は、きっと誰からも大きな好意を得るに違いない。会えるものなら一目でも拝みたいものです。
で、なぜか高階病院長に内部調査を任されたのが、日に5件しか診察予定を入れない、院内のどこにあるのか知らない人も多い不定愁訴外来、通称・愚痴外来の責任者・田口公平。この冴えない田口医師が真実を導き出せるのか?という疑問を抱かせたまま半分まで読み進んだところでそのまま結果と結びつき、次に厚生労働省大臣官房秘書課付技官という長い肩書きと‘火喰い鳥’というコードネームを持つゴキブリのごとき白鳥なる人物が颯爽と(?)登場する訳ですが・・・
じゃぁ田口医師は必要ないじゃん、と一瞬どころか読みながらかなり終わりに近いところまで思ってたのですが、さすが第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞が選考委員全員一致の最短時間で決まっただけのことはある、無駄な登場人物など全くいない、患者として外科的知識と技術に乏しい内科医というのには不安が募るばかりではありますが、神経内科的症状が出た暁(?)には田口医師に掛かってみたいと思うほど、ある分野では頼りになる控えめながらの活躍ぶり。
推理する事は読者として全く放棄した状態で読みました。というか無理でしょう、相当な医学知識がないと。半ばまで全く登場していない人物がみごとに真相を暴くところはあっけに取られますが、登場していない時間でさえも、この物語の見えない場所で事件解決に向けた動きをしていたのだとあとで記憶に上塗りされるような感覚があって、読語の違和感は全くありません。このお話に登場さえしていない‘氷姫’という白鳥の部下でさえも是非会ってみたいと思わせる、というか思わせぶりなところが素敵です。名前にまつわるちいさなこだわりも、少量で効かせるスパイスのようです。





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最終更新日  2007年08月09日 10時40分31秒
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