2009年01月31日
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カテゴリ: 本


1978~90年にかけて、ソ連で52人もが犠牲になった実際にあった連続殺人事件に構想を得、時間を50年代に遡って設定して書かれたフィクションです。

1950年前後の世界はといえば。。

1945年、第二次世界大戦終戦、そして冷戦の始まり。
1948年、ベルリン封鎖。大韓民国及び朝鮮民主主義人民共和国成立。第一次中東戦争。アイルランド独立。インド及びパキスタン分離独立。
1949年、中華人民共和国が成立し毛沢東が国家主席となり、蒋介石の国民党は台湾へ。NATOが結成。ドイツ連邦共和国及びドイツ民主共和国成立。
1950年、朝鮮戦争のはじまり。中華人民共和国によるチベット侵攻。
1953年、スターリンの死。
1954年、自衛隊発足。



そして1991年末、ソビエト社会主義共和国連邦は解体..崩壊します。

皮肉なことに「犯罪が存在しない理想の国」というソ連の建前が、10年以上にも渡り多くの人を殺めた実在の殺人犯チカチーロを野放しにした要因のひとつになってしまったそうなのです。

物語は、スターリン独裁体制のもと、国家保安省捜査官の地位にあるレオが主人公。彼は発見された同僚の息子の惨殺体を事故死として処理させられます。その後、部下の企みで左遷された地で同じような子供の惨殺体に遭遇し、気付くのです、同一犯による連続殺人であることを。
怒りと悲しみと苦痛に彩られながら崩壊していくものだけでなく、いくつもの再生と可能性もが描かれています。
自分はなんて恵まれた幸せな環境に生きているのかと思い知らされます。ただ、自身だけでなく自分に関わる全てを犠牲にしてでも続く悲劇を止めなければならない、という強い思いは、私が今生きている恵まれた環境の中ではもしかしたら生まれない意思なのかもしれないと、少し不安で複雑な気持ちにもなりました。
フィクションでは在りますが、実際の事件の重要な部分は大きく変えられてはいないように感じます。それでも何度も物語の展開の意外性に「お!?」と驚かされました。衝撃的な真犯人の真実や言い分に身勝手さや怒りを覚えますが、ある意味歴史の被害者でもあったのかもしれません。あくまでもこの物語の中でです。もちろんどんな環境であれ、許されない罪ですが。
面白かった、という表現では、実際犠牲になった沢山の被害者達に対して罪悪感を抱かずにはいられません。
瞳に怒りを宿していたナージャはその後どうなったのか、気になります。





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最終更新日  2009年02月01日 15時23分09秒 コメント(2) | コメントを書く
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