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週刊未来経済 08.1.28号 (月曜発行) 今の緊急事態を何とかしようというアメリカの政府と中央銀行の政策によ って、とりあえずの安心感が漂いはじめました。このスピード感がアメリカ にあって私たちの国のリーダーに欠けているものです。しかし楽観はできな いと思えます。 アメリカ景気はそう悪くないという人もいますが、問題は下落する不動産 価格がいつ底を打って上昇に転ずるか、ということです。このまま、ずるず る下がり続けると銀行がもつ債権は不良化のテンポを早めます。つまり経済 が正常でも金融がさらに足を引っ張るということになり兼ねないのです。昔 の日本の姿の再来の恐れがあります。先延ばしした日本は税金投入に追い込 まれました。アメリカはどうするのでしょうか。 ●今週(1/28~2/3)の焦点 アメリカの中央銀行が先日の緊急利下げに続いて再利下げをする可能性が あります。利下げは金融機関を助けるためだという見方もありますが、とり あえず不安定な株式市場にはプラスとなるでしょう。問題は、お金のコスト を下げることで、ただでさえ高い物価上昇をさらに招き兼ねないことです。 景気悪化も怖いが物価の上がることも怖いのです。 ●市場動向(先週21~25日の市場動向) 先週は株式相場の怖さをいやというほど思い知らされた一週間でした。週 の前半は奈落の底を目指す急降下、後半はロケットのような急角度の上昇と いう経緯。さすがの私も相場をチェックするのが嫌になりました。下がるこ とで利益を得る人もいれば、安いところで株を買おうという両陣営の激しい 闘いの一週間でした。 NYダウ 12207.17 (+0.9%) ナスダック 2326.20 (▲0.6) ユーロトップ300 1330.42 (▲2.1) 米国債金利 3.564 (▲1.9) ドル円 106.70-76 (▲0.1) WTI原油先物 90.71 (+1.5) 金先物 910.7 (+3.3) 日経平均 13629.16 (▲1.7) TOPIX 1344.77 (+0.2) 日経ジャスダック 1551.46 (▲1.5) マザーズ指数 663.52 (▲2.5) ヘラクレス指数 1001.45 (▲1.5) 長期金利 1.480 (+6.5)(今週の市場予測) やはり短期的に株式市場を落ち着かせるためには利下げに踏み切るか注目 されます。緊急利下げで3.5%となりましたが、さらに0.5%下げる可 能性もあります。(今週の注目指標) アメリカで週初に発表される住宅関係の指標が気になります。まず好い数 値はできないにしても底が確認できるような内容ならよいのですが。 ●FPの視点-さらに防衛を迫られる生活者 (襲いかかる物価の上昇) ショッキングなニュースがありました。07年12月の消費者物価上昇率 が前年に比べて0.8%上がり、1998年3月以来の上昇率となったので す。さらに衝撃だったのは、家庭が頻繁に買う(年に9回以上)品目の上昇 率は2.4%だったことです。その後、調べたら昨年の9月頃からそれまで 水面下だった物価は45度の角度で上昇しています。さらに値上げは今年も 続きます。食品はもちろん電気代なども上がります。まさに物価上昇の時代 の始まりです。 (賃上げ容認路線への転換?) さすがに企業経営者も危機感をもち始めました。日本経団連は賃上げ容認 を口にし始めました。「余力のある企業は」という前提条件がつきますが。 空前の現金を貯めこみながら日本の大企業は賃上げをこれまでかたくなに拒 んできました。しかしGDPの6割以上を占める消費が落ち込めば、回り回 って会社の業績が不振となることは当たり前のことです。この当然の理屈に やっと気がついたのでしょうか。(それでも中小企業が賃上げできるのか) でも賃上げできるのでしょうか。まずアメリカの景気です。楽観論もある ようですが、背景にあるのが、貯蓄をせず家・土地を質ぐさにお金を借りて モノを買いあさってきた、という構造なので事はそんなに甘くないいう気が します。世界のGDPの2割を占める国ですから、力は落ちたといえど影響 力は大きいのです。中国があるさ、ともいえません。昨年12月の鋼材輸出 が急減しました。アメリカ向けが大幅減でした。楽観はできないのです。(生活者も生産性アップを) 会社はもっと生産性を上げなければなりません。投資家の端くれとして感 じることは利益率の低さです。企業分析ではROAというものを使います。 総資産に対して営業利益の割合をパーセント表示するものですが、日本の大 企業は海外の企業と比べて極端に低いのです。生産性の低い事業を多く抱え ているからです。また抱え込んでいる現金をもっと有効に活用しなければい けません。雇用の問題もありますが、もっと事業の絞込みをして利益を増や して、従業員の給料を増やすべきです。 FPとして思うのは、一方の生活者も生産性という意識をもつ必要がある と感じます。この場合、分母は収入、分子は支出ということでしょう。差額 をいかに大きくするかということを考えるわけです。そのなかで収入を増や すというのが理想的ですが、これは難しいことです。次に支出面ですが、生 活の質を落とすということは事実上は不可能です。但し、削れる分野がある とすれば保険の掛け金でしょう。いろいろな方の保険契約を拝見すると、正 直いってかなり過剰な部分があると思います。ライフステージやライフサイ クルを定期的に見直して、家計の生産性を高くしていただきたい、というの がFPノ提案です。HPもご覧ください。
2008.01.28
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第3部中国大動乱 6.共産党による一党支配の終り北京オリンピック 2008年8月8日午前8時。空には一片の雲ひとつない快晴だ。どこまでも続く大陸の蒼天が広がる。中国で縁起の好いとされる8並びのこの時間に北京オリンピックが開幕した。15万人の人々がスタジアムを埋め尽くし、観客席は立錐の余地はない。開会式のセレモニー 群青の大空に巨大な地球儀が出現した。いや、地球の姿を模した飛行船だ。丸い船体には地球の五大陸が描かれている。小さな日本も中国大陸と向かい合うように弓形に浮かんでいる。「地球」から5つの花が開いた。5つの大陸を象徴するパラシュートは、悠悠と大空を漂いつつスタジアム中央に描かれた「中国大陸」に着地した。「中国大陸」の周りには、世界の子どもたちが手をつなぎ、かれらを歓迎する。まさに大会のスローガン「Oon World、One Dream」を空と大地で現したものであった。オリンピックは中国の悲願 かつて日本や韓国がそうであったように、中国とくに政治リーダーはオリンピック開催を待ち望んできた。対外的には自国を世界の一流国として認めてもらうための道具として使おうと思ったのだ。また共産党幹部には経済成長とともに広がる党への不信を断ち切り、国家権力への忠誠を取り戻そうという狙いをも込めていた。オリンピックを機に都市改造 首都の北京は大改造された。地下鉄、高速道路、空港などの都市インフラが整備され、日本円で4兆円を超える資金が投下された。オリンピックという国際イベントを機に、一気に北京を世界都市に格上げしようという試みだった。もっとも反面、明清時代の庶民の息吹を感じ取れるフートンはすっかり破壊されてしまった。これは中国ファンにとっては残念なことだ。成功し過ぎたことが中国の躓きの原因 北京オリンピックは、何と金メダル150個を取るというように中国の圧勝に終わった。誰もがこれからは中国の世紀だと確信をもった。何といっても13億の優秀な人々が、「成功の鍵」を手にしてしまったのである。しかし実際には違った。成功し過ぎたことが逆に中国のアキレス腱となってくる。もっとも経済実態は健全 2008年の先進国を襲った景気悪化は自業自得であった。アメリカやヨーロッパでは、あたかも血中の悪性ガンが全身を巡って体の組織を破壊するのに似た状況となった。本来、経済を円滑に動かすためのマネーが暴走し、肝心の経済実体を破壊してしまったのだ。 もっとも中国は未だ発展途上の国であり、国内にはまだ実物投資のフロンティアが多く残されている。確かに貿易収入は増え続け、貯蓄過剰からマネーは不動産や株式市場へ流れていることは事実だが、国内投資による経済成長で克服できる状況なのだ。環境悪化が闇雲な経済成長を許さない むしろ環境の方から、これまでのような野放図な成長路線へイエローカードを突きつけてきたのである。広東省に「死の村」と呼ばれる村がある。人口3400人のこの村では、この3年間で250人がガンで命を落としている。近くの鉱山から鉛やカドミウムを含んだ汚水が地中に染みこんでいるためだ。人口増で都市は水不足となり、農村では過剰灌漑で森林が減り砂漠化や洪水が頻発していろ。もはや維持できない情報統制 これまで中国は国家権力による言論統制で国民に真実を知らせないようにしてきた。爆発するインターネットについても外国のネット企業から知恵を借り、国家にとって都合の悪いキーワード、例えば「天安門事件」などは検索できないようにしてきた。しかしオリンピックがこれを無意味にした。世界から集まるメディアが連日、流すナマ情報は中国の人々を目覚めさせる役割を担ったのだ。共産党による一党独裁支配の終り「真実」を知らされた中国の人々は、もはや当局の発表を鵜呑みにしなくなった。政府へ情報公開を求めるようになった。パソコンやケータイで連絡を取り合い、民主化要求のデモも多発するようになった。オリンピック開催で「国を開いた」中国はもはや国家権力でこれを弾圧することはできない。民主化要求は普通選挙の実施を要求するようになった。もはや少数の権力者が国を牛耳ることは不可能となった。共産党による一党独裁支配の終焉である。
2008.01.25
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アカウント型生命保険のメリット、デメリット伸びるアカウント型生命保険 自分の積立口座(アカウント)には貯蓄機能があり、死亡保障や医療の保障を自由に組み合わせることのできるアカウント型保険が今、人気があります。この5年間の保有契約高の伸び率は60%を超えます。この間、定期保険が20%、終身保険は2%、定期付き終身保険は5割近い減少となっています。今や、死亡保険全体のなかでアカウント型生保のシェアは2割近くなっています。定期付き終身保険から置き換わるアカウント型保険数字をみると定期付き終身保険が、アカウント型生命保険に置き換わりつつあると見てとれます。一般の商品と同じでよく売れる保険にはそれだけの理由があります。定期付き終身保険というのは、定期保険を特約として、主契約の終身保険と組み合わせた死亡保険です。単品の終身保険は、予定利率による貯蓄機能があるので、保険料は割高となるのですが、この場合は定期保険と組み合わせることで保険料は割安になります。アカウント型生命保険の仕組み きょうのテーマのアカウント型生命保険は、正しくは「利率変動型積立終身保険」といいます。この保険の特徴は、保険契約者の払った保険料をアカウントという口座で管理することです。銀行などの総合口座に近いイメージです。 人生においてはいろいろな保険リスクがあります。年齢が高くなると同じ保障でも保険料が高くなります。この口座の残高のなかで、あたかも着替えをするように保険商品や保障内容を変えていけるというのがウリです。例えば若いときには医療リスクは低い一方で、家族形成期なので万一のときの死亡保障は高くする必要があるでしょう。年齢が高くなるいと共に、死亡保障よりも病気などの保障を手厚くすることが求められます。さらに齢を重ねると介護や年金への準備が必要となります。 このアカウント型保険は、毎月の保険料に加えて臨時収入があったときには自分の口座に入れることもできます。お金が必要になったときは引き出しもできます。このように口座からのお金の出し入れ、保険の設計名などが契約者の生活設計に基づいて自由にできる、このことがアカウント型生命保険の人気の理由といえます。アカウント型生保のメリット あたかも銀行口座にも似た使い勝手の良さ、これがアカウント型生保の最大の特長です。定期付き終身保険と比較してみましょう。仮に上乗せ部分(終身保険以外の部分)を見直すとします。定期付き終身保険の場合には主契約の終身保険部分も見直しが必要になる場合が多いのです。アカウント型生保の場合一定期間後という限定はつくものの、上乗せ部分だけの見直し(保障内容、保険金額の変更)が可能です。アカウント型保険のデメリット 保険会社のパンフレットを見ると払い込み満了時には終身保険に移行できたり、個人年金に移行できると書いてあります。手数料はかかるものの中途引き出しもでき、保険種類や保障額の変更も途中でできる、好いこと尽くめのようですが、保険には完全なものはありません。 まず積立金ですが、期間中に保障を増額することでその分だけ減っていきます。定期保障が満期を迎えた場合には一般に保険料がアップすることは同じです。また保障額を増やす場合には審査が必要になります。入院歴がある場合、保障の拡充ができないこともあるのです。さらに積立部分は予定利率で変動します。この保険が「利率変動型」といわれる由縁です。したがって主契約の保険金額は保険料払い込み満了時までは確定しないのです。アカウント型保険はカイか、ウリか 以上にように使い勝手がよい反面、最後まで積立部分の増減によって保険金額が確定しない、というのがこのアカウント型生保の宿命です。したがって自分のライフプランをしっかりと管理して、定期的に送られてくる積立金に関するレポートをチェックできるという人なら十分に役立つと思います。もっともそのぐらいの自己管理のできる方なら、単独の保険を組み合わせて、ご自分のリスク対策ポートフォリオを作ったらどうか、というのがFPとしての私の意見です。FPのエリダー・プロジェクトのHPもご覧ください。http://home6.highway.ne.jp/mgoto/
2008.01.23
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週刊未来経済 08.1.21号 (月曜発行) アメリカが景気をもち直そうと財政出動を検討しているようです。長期的 にはこの国では、超借金体質が慢性化しているため、経済の低落とドル安は 不可避と思えますが、一旦はこれらの刺激策でアメリカ経済に立ち直って欲 しいものです。 一方、日本には打ち手の即効薬がありません。金利を下げてゼロ金利とす ることは、「ニッポン失望」を加速させ、ますます売り方を元気づけさせる だけです。かといって積み上げると月にも届きそうな巨額の借金漬けの現状 ではアメリカのように財政によるテコ入れもできません。改革を促進すると いう方法はその通りでも即効期待はできません。できるのは相変わらず「じ っと我慢」だけです。 ●今週(1/21~25)の焦点 アメリカや欧州は景気減速に伴い、利下げに動こうとしています。利下げ で経済活動を刺激させようという狙いです。このこと自体は歓迎できること なのですが、日本の株価には悪材料です。金利差が縮小することで、結果的 に円高となり、輸出比率の高い企業の株価を下げ、日経平均なども下がるた めです。今週もまだ長い夜の中、というのが日本だと思います。やるべきこ とは、円高で国が活性化することを志向することです。短期では苦しくても 明るい未来が待っています。 ●市場動向(先週15~18日の市場動向) 株価が下がる背景にはいろいろあると思いますが、やはり為替の円高が止 まらないとうことが大きいと思います。もちろん現在の円高は、日本が元気 だからではなく、金融バブルに踊り狂った欧米の経済が、金融だけに止まら ず、ジワジワと実体経済に病巣が広がりつつあるからです。こういう背景か ら円高に市場が動揺させられた一週間でした。 NYダウ 12099.30 ナスダック 2340.02 ユーロトップ300 1358.51 米国債金利 3.633 ドル円 106.84-90 WTI原油先物 90.57 金先物 881.7 日経平均 13861.29 TOPIX 1341.50 日経ジャスダック 1574.52 マザーズ指数 680.37 ヘラクレス指数 1001.47 長期金利 1.390(今週の市場予測) 動くに動けない一週間になるでしょう。相変わらず売り仕掛けのしやす い相場展開となるでしょうが、下がると買いも入り底を試す動きも出ては きました。売買高が大きくなっていることはそれを表わします。買える好 機と解っても心と体はついていけません。静観を決め込むのが定石ですね。(今週の注目指標) いろいろ指標は出ますが、どれも期待はできないでしょう。 ●FPの視点-きょうは真面目に公的年金問題を考えます動き始めた年金システム再生の議論 昨年は年金記録問題など、本質的な問題ではないところで議論が堂々巡 りをしていた感のあるこの問題ですが、今年に入ってからは、制度の再構 築をどう図っていくか、という本筋の議論に少しずつ動きつつあるのかな、 と感じます。民主党が税方式の年金システムを提言していますし、日経新 聞も独自の案を出しました。疑問は政権をもつ自民党から抜本的な改革案 が出てこないことです。もはや持続不可能な現状の制度 日本の年金システムは保険料方式を採用しています。現役で働いている 人が保険料を払って高齢者を養うという国全体の仕送り方式です。しかし 実態は制度疲労の極にあるのです。保険なのに既に税金を投入せざるを得 ない状態に追い込まれていますし、さらに税投入を増やそうとしています。 未納や未加入者が多いため保険料収入が足りないからです。また少子化は 将来の支え手を少なくします。そうなると給付額を減らすか、保険料を上 げるしないとならないわけですが、これでは国民の不安をいっそう募らせ るだけです。とてもではないが「百年安心だ」などとはいえません。やはり税金、それも消費税しかない それに世界を見渡しても先進国のなかで、純粋に保険料だけで年金制度 を運営している国はありません。何らかの形で消費税なり一般税源から国 費を投入しています。保険料方式にこだわる日本でも冒頭でお話ししたよ うに一般財源から税金を投入しています。税金を投入するにしても一般財 源からの税金投入、消費税の2通りがあります。このうち一般税源から投 入する方法は、納税者にとって使途が不明確であることや、歯止めが利か なくなる恐れなど問題があります。一方、年金に使途を明確化した消費税 であれば、そういう問題は発生しません。国民からも一定の賛同を得られ やすいと思います。ずばり、年金目的消費税を年金給付の原資にするべき だと思います。報酬比例部分は確定拠出型に一本化を ここでお話しするのは現在の基礎年金に当たる部分の話です。報酬比例 部分をどうするか、ということは別の機会でお話します。個人的には今の 確定給付型ではなく日本版401Kといわれる確定拠出型に一本化すべき ではないかと思います。つまり個人の積み立て方式です。貯蓄から投資へ という流れとも整合します。この話題はまた別の機会にしたいと思います。共同年金で所得の低い人に増額する方式が良い プロセスの検討は省略して個人的に最もふさわしいと思うものをお話し したい思います。国民の共同年金として定額を支給します。現状の基礎年 金と同じです。違うのは現状だと40年加入して初めて満額が受け取れる うえその間に未払い期間があればその分は減額されてしまいます。未加入 であればい1円も受け取れません。これはあまりに過酷なシステムです。 この案では消費税を財源とするためすべての人が共同年金を受け取るこ とができます。したがって未納や未加入などの問題は発生しません。その 際、所得の低い人を手厚く支給するように工夫したらどうかと思います。 現下は経済格差の問題が社会を不安定化させているように見えます。野放 しの弱肉強食経済で社会が破壊されてしまいます。消費税方式のメリットとデメリット 消費税は所得税などと比べると税源としての安定性の高いことが特長な ので年金財政にはメリットといえるでしょう。無年金者がなくなるので生 活保護なども必要性が小さくなります。また社会保険庁は存在の余地がな くなり行政改革につながります。一方、少ない負担で定額年金を貰おうと 消費が減退するのではないかという不安があります。しかし人間は消費す る生き物だという言った人もいます。人は消費という誘惑から逃れること はできません。また現状の消費税法下では一定売上水準以下の事業所は、 を払わなくてよいため、「貰い得」が存在しています。これは制度上の欠 陥れです。改革が必要です。最後に 現在、保険料方式を採用し、一般税源から国費を入れている医療保険や 介護保険との整合性をどうするか、という問題は残ります。また先にあげた年金システムのなかで報酬比例部分をどうするかという課題は残ります。 さらには新システムへの移行期間をどう設計するか、例えばこれまで真面 目に保険料を払ってきている人は二重払いをすることになります。問題点 は多いのですが、消費税を当てるという選択肢が最も有効なのではないか と思います。いずれにせよ国民安心創造のため早急に具体検討すべきです。
2008.01.21
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第3部中国大動乱5.矛盾の表面化(その2)極端な格差社会 経済が成長するときは格差が大きくなることはどこの国でも見られる。しかし中国ではそれが極端だ。社会主義をうたう国の大きな矛盾であるが、この国が「先富主義」によって沿海部の都市住民をまず富ませようとしたこともあり、都市と農村の所得格差は想像を絶する。農村に比べて都市で働く人の所得は3~5倍にも達しているのだ。人権の格差も著しい。この国では農民は事実上、二等国民の扱いだ。農民は自由に都市へ移住することは許されない。無理やり働きに出ても社会保障はない。選挙法では農民の政治的権利は都市住民の1/4しかない。農村を基盤に成立した国のはずであるが。立ち遅れた社会保障 この面では巨大な発展途上国が中国だ。都市の外資系企業や国有企業で働く人々には医療や年金などの社会保障制度がある。しかし農村部では人民公社が解体されて以降は、政府による社会保障は手つかずのままである。だから病気になったり、齢をとって働けなくなった人々は激貧の環境下におかれている。13億人のうち8億人が農村人口だ。そのなかで8千万人が貧困人口だといわれる。また農村の余剰労働力は1億5千万人ともいわれる。日本の総人口を上回るこれらの人々を中国はどう養おうとするのだろうか。水膨れ体質の中国経済 中国の経済は全力で走る競輪選手に似ている。こぐのをやめた途端にに倒れてしまう。選手は爆発的なエネルギーを出すために過酷な練習に加えて高カロリーの食事を摂らなければならない。中国経済の特徴は資本効率の悪さだ。生産設備は老朽化し、生産性が低いから、どんどん原料と労働力を投入しないとならない。「爆食経済」なのである。国民の貯蓄が内需振興に結びつかない 中国経済は製造業への依存度が極端に高い。商業やサービス業などの第3次産業のGDP比は4割程度に過ぎない。先進国が6~7割であるのに比べると著しく低い。このことは貯蓄が内需に向かっていないことを示す。国民の貯蓄は、市場メカニズムの働かない国有銀行に向けられ非効率な使われ方をされている。市場経済を通じて国民が投資できる分野では、主に不動産と株式に資金が集中する。全体として偏った経済システムとなっている。環境悪化が経済成長を阻害 がむしゃらに経済拡張に突っ走っているから、環境悪化が著しい。冬場は暖房に石炭を使うため、大気が汚染され重大な健康被害を与えている。都市部では工場の排水を川にそのまま流しているため川底はヘドロが厚く堆積し、気温の上がる夏には悪臭が漂う。また浄水能力が低いため飲料水に有毒物質が溶けこみ、人々のガン発症率を高めている。大都市だけではない。農村部では耕地を広げ食糧増産に励むため森林を伐採する。循環機能を失った砂漠化が進む。また地下水の過剰汲み上げで地盤沈下も進んでいる。中国の大地は悲鳴を上げている。民主化の立ち遅れ 中国では言論の自由は存在しない。国家の統一や社会の安定を維持するため、警察に相当する公安省のほか、国家安全省、武装警察などが全国にネットワークを張り巡らしている。共産党中央宣伝部は新聞やラジオなどのメディアを監視、世論の方向付けを行っている。1989年には天安門事件で民主化デモを武力で鎮圧した。今でも正確な犠牲者の数はわかっていない。 インターネットの世界でも同じだ。全国民のパソコンや携帯メールを監視して反逆の動きを巣早く読み取り、安定を維持している。そのため米ネット検索大手からメール、電話、ネット検索の内容を監視できる技術の提供を受けた。しかしインターネットの爆発的普及は統制が難しいのも事実だ。草の根的に広がるネットの世界を国家が統制することは不可能だろう。中国の土台骨が蝕まれるとすればこの分野からかもしれない。
2008.01.18
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終身医療保険を比較してみた保険はリスクを転移する役割をもっている きょうは、医療保険の話をしたいと思います。だれも病気になどなりたくないのですが、神ならぬ人間の身、明日のことは誰にもわかりません。いつ病気になるかわかりません。そこでリスクを移転する手段として医療保険が役立つわけです。保険は最低限が持論 もちろん安心を得るためのとしての保険ですから、保障は大きいほど望ましいのです。しかしFPとしての私の視点は、保険による保証は最低限として、残りのお金をできる限り運用に回したうえで、保障の不足する部分はそこから賄うという考えです。必要な入院給付日額を考える そこでまずは医療保険で契約する入院給付金の日額は、どのくらいが最低限の目安となるかを考えてみましょう。読者の方々の多くは健康な方が多いのでしょうから、ピンとこないかもしれませんが、予備知識として一緒にお考えください。入院給付金の日額は最低1万円が必要 病気をして入院したときも健常でいるときと同じように、収入―支出で考えます。まず支出から見ます。日本人は何らかの医療保険に入っています。自己限度額以上は国が払うことになります。しかし入院中の食事代や差額ベッド代などは自己負担になります。これ以外にテレビ代、寝巻き代、暇つぶしの雑誌代などがかかります。これらを丸めて計算すると約1万円内外になります。保険会社などのパンフレットを見ると、もっとかかるようなことが書いてありますが、ぜいたくを言えばキリがありません。私は、収入としての入院給付金の月額は最低でもは1万円を基準にしたらどうかと思います。大手生保の医療保険はセット料理 そこで入院給付金日額1万円、終身保障、掛け捨て、男性、50歳という条件で、各保険会社の商品内容と保険料を調べてみました。まず気のついたことは国内の大手生保の医療保険はいろいろな特約がセットされていて比較ができないことでした。料理でいえばコース定食です。消費者は自分のニーズでいろいろ特約を組み合わせたいのに、それができないのです。もっとも営業マン(ウーマン)と具体的な商談を進めるなかでは可能だと思いますが。とりあえず売り手志向の発想から一歩も出ていない体たらくだと論評しておきましょう。気に入った終身医療保険 比較したなかで気に入ったのは、「CURE」(オリックス生命)と「すこしであんしん」(アリコ)でした。簡単に概要を書きます。○「CURE」(オリックス生命) 日帰り入院からの保障、1入院60日・通算1000日まで保障、生活習慣病は1入院120日・通算1000日まで保障などです。ここで1入院というのは保険業界特殊というか自分勝手な規定です。例えば同じ原因で6ヶ月以内に再入院した場合、それは同じ入院のうちにカウントされてしまうのです。だから前回30日入院した場合、今回の入院では残りの30日分しか保障されないのです。何とも一般の理解を超えたへ理屈というしかありません。ともかくこの内容で月額保険料は6850円です。○「すこしであんしん」(アリコ) 大体同じですが通算保障日数は730日と「CURE」よりはやや少ないのですが、生活習慣病保障は1入院180日・通算1095日と充実しています。保険料は大差なく7050円です。他の商品は成人病保障が特約となっている 上の2つの保険商品はいずれもとてもよく売れていますが、他に「EVER」(アフラック)、「「Dr.ジャパン」(損保ジャパン)も売れ行きは好いようですが、生活習慣病保障は基本部分にセットされていず、オプション契約になっているのであまり好感はもてませんでした。価格は上記2商品よりやや安いのですが、日本人の死因トップはガンなのですから、基本構成に入れて欲しいと思いました。意外と差のあるコストパフォーマンス このように同じ条件で比較すると保険会社の経営力がよくわかります。多少割安に価格設定しているにせよ、慈善事業ではないのですから、好評価された保険会社のコスト構造が優れている実態が窺えます。こうしたシンプルな姿にして保険会社を比較することも保険選びの方法だといえるでしょう。ただ先もふれたように多くの保険商品ははなから、ゴテゴテとデコレーションされていて、なかなか明確な比較はできないのが現状です。
2008.01.16
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週刊未来経済 08.1.14号 (月曜発行) 日本衰退論が内外で高まっています。確かに株式時価総額(東証1部)は 円換算で今世紀に入ってほぼ横ばいです。そしてこの間、輸出依存度は上昇 の一途です。80年代には内需主導の声が高まったのですが、結局のところ 外国の経済に依存する体質は一向に改善されなかったのです。 このような状況のなかで複数の専門家から日本への悲観論が出てくること は理由のあることなのですが、不満なのは分析だけで、ではどうしたらよい か、という具体的な提案は出てこないのが現状です。不平や不満ばかりで展 望が見えない、このことがこの国の病巣です。バブル崩壊の後遺症などとも う言ってはいられません。経済成長を知らない世代が人口の半分近くを占め るような現状です。長期衰退の「日本病」になってはいけません。 ●今週(1/14~20)の焦点 通常国会が始まります。福田さんがどのような政策を打ち出すかが、とり あえずのポイントです。報道によると生活者重視の方針を打ち出すようです。 できれば内需喚起のグランドデザインを描いて欲しいものです。 ●市場動向(先週7~11日の市場動向) 先進国はどこも景気後退のなかに入りつつあるようです。株式市場はみな 元気がありませんが、そのなかで突出して下げているのが日本市場です。サ ブプライム問題も米欧に比べて被害が小さいはずなのに、なぜ?という疑問 もありますが、やはりこれは前に進もうとしないこの国への「投げ売り」と 見るしかありません。 NYダウ 12606.30 ナスダック 2439.94 ユーロトップ300 1428.89 米国債金利 3.789 ドル円 108.80-90 WTI原油先物 92.69 金先物 897.7 日経平均 14110.99 TOPIX 1377.58 日経ジャスダック 1661.57 マザーズ指数 703.29 ヘラクレス指数 1073.77 長期金利 1.430(今週の市場予測) 先週のニューヨーク・ダウは前日に比べて250ドル近い下げて終りまし た。日経平均は2年ぶりの低い水準となっていますが、今週も安く始まるで しょう。「売り」で利益を稼げる業者に対して、安くなったから買おうとい う個人投資家が極端に少ないからです。先行きを悲観的に見ているからです。 今のところはじっと我慢するしかないようです。(今週の注目指標) いろいろ指標は出ますが、どれも期待はできないでしょう。 ●FPの視点-政府はやっと生活者重視に舵を切り始めたか? 政府が公約していた、平成11年度に、借金なしで収支を均衡させるとい う計画が早速、頓挫しそうです。経済成長がスピードダウンするためです。 もともと計画では目標の11年度の名目成長率を3.7%としていました。 現下の景気低迷を受けて0.4%下げて3.3%と変えたためです。これも 不透明です。1.6%の名目成長率に止まる、という悲観的な見方もありま す。つまり11年度の財政収支は楽観過ぎる仮定に基づいているのです。 なぜこんな狂いが生ずるのでしょうか?。それは世界経済がこのまま順調 に拡大するという前提を置いていたためです。しかし、アメリカの不動産バ ブルは案の定弾け、不景気は世界に広がろうとしています。まだ兆候は出て いないものの中国やインドが無傷でいられるか、大きな疑問です。 日本経済の輸出依存は21世紀になってむしろ高まりつつあります。今世 紀に入っての景気回復は外国の経済成長に支えられてきたのです。輸出を伸 ばすために為替を円安方向に誘導してきました。さすがに円売介入という露 骨なことは少し控えましたが、超低金利を続けてきました。国内の生活者を 犠牲にして一部の大企業を優遇してきたといわれても仕方ありません。 生活者の痛みはそれだけではありません、増税です。平年度ベース、つま り税制改正による影響がすべて税収に反映される年度で見ると05年度は1. 6兆円の増税、06年度は2.5兆円の増税であったと11日の日経新聞に 載っていました。 勤労者の給料が上がらない、金利も低い、増税というなかでは、国民の景 気回復実感が出れこないのは当然のことです。生活者や中小企業は今世紀に 入って、苛められっ放しだったのです。加えてここにきて物価上昇が大きな 不安要素となっています。ガソリン税も引き下げの方向にはないようです。 今から考えると小泉さんや安倍さんは、国内経済が回復してきたときに円 安誘導を転換して内需振興に舵を切るべきでした。規制をもっと緩和し、地 方分権を進めておくべきでした。中小企業や農業へのテコ入れを進めるべき でした。 福田政権は遅まきながら生活者を意識した政策に転換すると伝えられいま す。一応は期待しています。今からでもよいから生活者大国を目指して欲し いものです。どこまで踏み込めるの、疑問もありますが、注目しています。
2008.01.14
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第3部中国大動乱 5.矛盾の表面化-その1中国人は国を信用していない 中国人は国より家族や友人を信頼する。基本的に国家を信用していない。これまでの長い歴史のなかでそのような智慧を得た。人々と政府の関係は、だからお互いに利用し合うというというのが実体だ。つまり国が国民の支持を繋ぎとめる術は、経済の成長で人々を豊かにし続けるしかないのである。人民が成長の果実を実感できなくなったとき、かれらはいとも簡単に体制を否定する。すなわち中国共産党への正当性が問題となってくるのである。中国の実体は小国家の集合体 中国という国は日本人の想像を絶するほど巨大である。13億人の人口をもち民族、言語、生活様式、発展段階の異なる多種多様な地域から成る。一端の数字を示すと、一般行政区として22の省、5つの自治区、4つの直轄市、2つの特別行政区をもつ。世界にこんな国はない。だから国家権力が一律に全土を掌握することは不可能に近い。統制が緩めば地方は常に独立志向を強めるのである。一部の超エリートが支配する国 中国は共産党による一党独裁体制であり、その組織はまさにピラミッド状を構成している。全国には村に至るまで共産党員が配置されておりその数は7千万人に及ぶ。つまり国民の20人弱に1人が共産党員という国だ。しかし国家の最高意思決定機関である政治局のメンバー数はわずか25人に過ぎない。うち常務委員はたったの9人である。一握りのエリートに支配されているのである。地方政府がいうことをきかない 広大な国土をもつこの国では悠久の歴史のなかでも絶対的な全土支配は長続きせず、地方の実力者による分割支配がむしろ一般的であった。現状の中国でも性格は同じだ。一応、法治国家の体裁をとってはいても事実上は地方の裁量余地が大きく、実態としては日本の江戸時代の幕藩体制に近い。例えば景気過熱を防ごうと中央が指示を出しても、経済成長をもくろむ地方政府がいうことをきかないのだ。所有権のない国 例えば都市に住む人がマンションを購入する場合、その人は所有権ではなく使用権を購入することになる。半永久で使用でき、売買もでき実体は所有権に近いのだが、常に公権力による強制買収への不安は消え去ることはない。農民の耕作する農地も地方政府に朱有権がある。だから時折、強制的に立ち退きを迫られる事件が後を絶たないのである。中途半端な市場経済システム この国の経済システムは計画を維持したままの市場主義であり矛盾に満ちている。例えば固有企業である。国営から一歩前進したとはいうものの、経営方針や人事に共産党が関与する姿は変わっていない。経営層の自由度は低いのが実態だ。また人民銀行は政府である国務院の一機関であり金融政策の独立性はない。つまり市場メカニズムによる資源配分の機能が存在しないのである。国有企業の非効率さ、不良債権が改善される仕組みをそもそも持っていないのである。問題の深刻さは政府の公表する以上のものがある。
2008.01.11
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資産運用は休みつつ、楽しみながら、ぼちぼちと(本題の前に-政治が生活を苦しめている) 日本経済新聞が7日に公的年金の私案を発表しました。FPの立場からはこれを機会に政治家にもっと働いて欲しいものです。値上げの年にも係わらず相変わらず政治駆け引きばかりに目が行き、生活者が置き忘れです。1日も早く国民に安心を。これが最大の成長政策です。溢れる投資情報 年末年始には沢山の資産運用に関する情報が飛び交うことになります。マネー雑誌はもちろんのこと、新聞などでも「プロはこうやって資産運用をしている」などという特集を組みます。私たちの仲間のFPなども生活資金を残して、株式○%、債券○%で運用しなさい、と無料でアドバイスしてくれます。どの論者も基本は分散投資と長期投資の2点に集約されるようです。しかし、私はここで待てよ、と感じます。分散投資は本当に有効か? 伝染病の拡大を防ぐためには病気になった方を隔離しなければいけない、これを運用の世界に当てはめたのが分散投資の発想です。例えば株式と債券は異なった動きをします。金は経済社会が混乱したとき上昇します。また新興国などの経済成長は商品相場を上昇させます。だから景気がどうなってもいいように資産を分散して運用しなさい、というのがプロの指南する賢い運用方法だというわけです。 しかしこれは運用を仕事とするプロ投資家や一般の人へのコンサルティングを職業とする専門家の発想です。前提にはいろいろな金融商品について詳しい知識が備わっていることが前提になります。とてもではないが普通の人々がプロ並みの知識を身につけることは不可能でしょう。私だけかもしれませんが、一応プロであるFPの私でも日々が勉強の連続なのです。分散投資は、経済学のように完全無欠な人間を想定した原理に過ぎないと考えざるを得ません。長期投資は万能か? 20年、30年といった期間をとれば確かに株や商品はこれまで上昇してきました。インフレの影響が大きいためでしょう。しかしバブルの末期に株を買っていたら、銘柄にもよりますが未だ赤字です。長期投資は有効ではあるものの放っておけばよいというものでもないようです。 つまりは投資にもメンテナンスが必要なのです。例えば株式相場をみてみましょう。日経平均などのインデックス指標は、日本経済の現状水準を示す機能をもちますが、経済や社会、政治の先行きにも動かされます。今、世界景気は不透明化していますが、それ以上に日経平均が安いのには、この国の混迷を投資家が悲観しているのだろう、というのが私の見方です。だから今という状況のなかでは、いくら長期投資の法則のなかでも「突っ込み投資」は避けるべきだというのが私見です。ではどうしたらよいか-個人的な考え方 投資の考え方は安く買い高く売ることで普段の買い物と同じだ、というのが私の発想です。あまり難しく考えることはないと思います。また金融商品を完全に理解しようなどと思い込まないことです。それは事実上ムリだと思います。企業の経済活動に興味があるなら株式に専念すればよいと思います。 大切なことは景気が上昇しつつあるのか下降しつつあるのか、また、もう少し長いトレンドで経済を動かすと思われるキーワ-ドが何なのか、新興国は今後も成長し続けることができるのか、などの感触をもつことです。私はいつもこのように世の中を見ています。 そして現在をどう見るか。今は現金で保有したことの方がよいと思います。今年は日本でも、アメリカでも、中国でもこれからの未来の方向性が出てくる重要な年になるのではないかという気がします。そのトレンドが自分なりに見えてくるまで「昼寝」を決め込んだ方のがよいと思います。1円でも多く儲けようなどと無理なことに挑戦しないことです。
2008.01.09
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週刊未来経済 08.1.7号 (月曜発行) 内外で日本悲観論が高まっています。お正月の新聞は記者も休みをとって いるためか、新情報のいわゆるニュースは皆無。書き手の価値観に基づく主 張に満ちていました。私なりの印象は以下のようになります。 -日本は人口が減り、国の活気を失っていくだろう。アジアのリーダーと しての地位も失い、中国覇権のサブ的な位置づけとなるだろう。もう日本は アジアのリーダーではない・・・-。 どうもこの発想には、日本が大国となるべきだ、アジアの中心であるべき だというような思い込みがあるようです。昔、「大きいことはいいことだ」 というCMがありましたが、そんな上流志向への信奉から抜けきれていない ように思えます。歴史をみても日本が超大国であったことはないのだし、気 張らないで、ここで発想を少し変えてみたらどうかと思うのですが。 そのような国全体が大きくなることを追いかけるのではなく、この国は一 人一人が豊かになることを目指すべきなのないか、と思います。スイスやド イツ、アイスランドやノルウェイなどの国々です。いずれも1人当たりのG DPが高く、教育や福祉もレベルが高いことが特長です。幸いなことに日本 は成長力の高いアジアの東に位置します。中国のサブになっても自らキラリ と輝くと共に、アジアの活力を借りて、国を開き、豊かな国になることを考 えたらどうか、年頭に当たり思った次第です。、 ●今週(1/7~13)の焦点 予想通りアメリカの景気がおかしくなってきました。ヨーロッパも怪しく なっています。後は中国やインド、原油高で潤う中東、プーチンのリーダー シップでけん引するロシアなどの新興国の景気が 気になるところです。ま あ世界的に景気は峠を越えた、という状況は否めないのですが、望むらくは 新興国にもちこたえてもらって、景気落ち込みではなく、踊り場的な段階で 止まってほしいものです。もっともアメリカが世界経済をけん引する時代は 終わったのかな、時代の転換点にわれわれはいるのかなという印象ですね。 ●市場動向(先週の市場動向) 日本が年末から正月で休んでいる間に世界の株式市場は大きな動揺を見せ ました。6日ぶりに開いた東京株式市場では昨年の大納会に比べて4%下げ ました。というより600円を超す下げ幅に驚かされました。一気に正月の ホロ酔い気分も覚まされた感じです。いくら正月とはいえ、世界が同期化す るなか、長期間、市場を閉めたままでよいのかと疑問をもたずにいられませ ん。とにかく日本は、ドル安、原油高、アメリカの株下落のトリプルパンチ を浴びてノックアウトされた大発会でした。(今週の市場予測) いつ動揺が一旦収まるかが待たれます。もっとも震源地のアメリカが鍵で す。本体の住宅債権が劣化しているのであり、いくら金利を据え置いたり、 緊急の資金供給をしてみても小手先の対策という感じを否めません。いずれ は公的資金の投入というようなことに追い込まれるのではないでしょうか。 モラルハザードの問題はあるにせよ、やるなら早いほうがよいと思います。 先伸ばしすると世界は、未だにデフレに苦しむ日本の二の舞いになります。 一方、東京市場は昨年来、十分に下がっているので動揺が収まれば一時的に 反騰すると思います。 (今週の注目指標) 中国の経済指標に注目します。頼みの綱はかの国だけです。 ●FPの視点-ニッポンの四難:CASH? ファイナンシャル・プランナーとして各世代の方々と接する機会がありま す。職務上、一人一人のホンネに触れることができます。そのなかで顧客を 通して日本の現状を感じることができます。無理やり語呂合わせをすると四 文字のキーワードになると思います。それがCASHです。以下、気のついた ところをお話していきたいと思います。 まずCASHのCですが、これはコモディティのことです。日本人が正月 酒で酔っているうちに原油価格は大台の100ドルを突破してしまいました。 いくら省エネ優等生のニッポンももはや青息吐息です。既に値上げが始まっ ていますが、今後、小麦が上がります。電気、ガス、ガソリン、飛行機代・ ・・。インフレの時代の到来です。景気が悪化するなかでの物価上昇ですか らタチが悪いのです。こんななか自民党は暫定であるはずのガソリン税を維 持しようとしていますが、強行すると命取りになるかもしれません。 CASHのAはアメリカです。不動産の値上がりで消費を活性化させ経済成 長させようというアメリカの伝統的な政策は破綻しました。一面から言えばア ラン・グリーンスパンはバブルを引き起こした戦犯です。もっと早くに金利を 引き上げておくべきでした。「私の履歴書」を書いているときではありません。 アメリカ人の、借金をしてまで買い物に明け暮れるという消費態度は異常とし か言い様がありません。ニッポンはそんなアメリカで同盟国であり、外貨準備 をユーロに変える決断もできません。最悪はアメリカと心中です。 Sは政府です。国はとうてい返済できないような巨額の赤字を抱えています。 地方自治体も同様です。両者を合わせたニッポンの赤字は1000兆円を超え ます。インフレの足音が聞こえ始めています。金利が1%上がっただけでも大 変な資金が必要となります。大昔のように経済が高度成長しているならともか く、これから人口が減っていくなかでどうやって返していくつもりなのでしょ うか。そんななか最近、目に余るのが役人や政治家の勝手し放題で予算が膨張 しつつあることです。放置するとIMFによって強制的に財政圧縮を迫られる ことになります。韓国などは10年前のIFM危機からまだ立ち直れないでい ます。夕張は他人事ではありません。あすの日本人の運命です。 CASHのHは、この国が1億総引きこもり状況にあることです。ゲーム機 ヒット商品の上位に顔を出したり、好きな言葉が「優しさ」であるというよう な時代です。若者の趣味は貯蓄だということです。失業の心配のない市役所な ど採用では競争率が数十、数百倍にもなるという話も聞きました。まあ1年を 象徴する文字が「偽」というような制度疲労の昨今なので、人々が内向きにな るのは致し方ないというのかもしれませんが。政治家などのリーダーには国民 が元気を出せるような言行をお願いしたいと思います。ともかく今年こそよい 年となってくれるようにと近所の神社でお願いをしました。もっとも年に1回 手を合わすぐらいでは、神様もまともに相手にしてくれる道理はないのですが。
2008.01.07
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第3部中国大動乱 4.村の実態(本題に入る前に) 新年を迎えての新聞の論調は押しなべて日本悲観論のオンパレードです。やれ「経済が衰えてきた」、「日本は世界から置いていかれる」、「今、投資家は日本の将来成長に最も悲観的になっている」などです。一方、株式投資などの世界では、こうした悲観論が支配するときこそ、買いを入れる絶好のときだという格言があります。そろそろ日本の復活が始まる時だと思います。期待も込めて。以下、物語の続きでです。共産党が完全支配 中国は共産党がすべてを支配する国だ。北京中央とそっくり同じ共産党組織が地方の省、県ばかりか末端の村にまで完璧に張り巡らされている。まさに中央のミニチュア版だ。行政組織は党の指示の下で動く実行機関に過ぎない。徴税突撃隊 ある日、村の共産党幹部が、警察部隊を率いて一軒の農家を強襲した。ちょうど午前の農作業を終え、農家の家族が汗を拭っていたときだった。村の学校の修理費を払えと要求する。威嚇的に怒鳴り散らす。つい2週間前にも村役場の壁の塗り替えだといって金をまきあげにきたばかりだ。勝手な名目で税金を徴収する地方政府 農民にかけられる税金は、本来なら国の法律で決められている農業税だけだ。それすら数年前に廃止され、全国民統一の所得税に改革されたばかりである。しかし実際には、何やかや勝手な名目をつけて地方政府は農民から税金を取り立てる。やれインフラ整備費、社会保障費、福祉費、民族訓練費、道路費・・・・あげればきりがない。暴力で税金をまきあげる 地方政府の横暴は日常茶飯事だ。こんなこともあった。警察の庁舎を新築するという理由をつけて、涙銭程度のわずかな立ち退き料で、県の建設局が武装警察を動員して強制的に住民を追い出したのだ。今回は学校の修理費だという。一体どこを修理するんだ、と訊いても答えはない。払う理由はない、と反論すると、連れてきた警官が殴る、蹴るの乱暴狼藉の限りをつくす。あげくの果てに物納だといって、一番大事な家財のテレビを持っていってしまったのである。中央への直訴 もはや我慢はできない。各家から代表を集め、集団で村当局の横暴を訴えることにした。集まった100人が農作業に使う軽トラックなどに分乗して県庁に訴えた。案の定、グルになっている県は相手にしてくれない。担当者は会おうともしないのだ。こなるともはや北京の中央政府に直訴する他はない。3人の代表が夜行列車で上京した。担当者に会うとその場で省に電話して徴収した税金を農民に返還するように命令した。実は中央も地方政府の暴政には辟易しているのだ。国は農民の密告を奨励している。中央の統制が効かない 中国では地方政府が勝手なことをやり、耐えかねた住民が中央へ直訴して中央が改善させるということの繰り返しだ。理由は中国が法治国家ではなく人治国家であるためだ。中央の発する法律や条令などの多くは、精神論や原則論だ。「農民を搾取してはならない」などのように。それを解釈し肉付けをするのは省、県などが行う。それをよいことに、悪徳トップがいる地方政府はあの手、この手でいろいろな税金をでっちあげるのである。まきあげた金品はときには幹部のなかで分け合うこともある。どこかの国と同じだ。役人天国の中国 役人が優遇されるのはどこでも同じだが中国はその極をいく。解放後の10年で中央の官僚の数は2倍に増えたが、地方政府の役人数は10倍となった。中国は役人天国だ。清朝時代は1000人で1人の役人を養った。今では40人で1人を養っている。そのうえ仕事ぶりもいい加減である。中央の幹部が農村視察に出かけた際には、地方の役人は用意した資料を丸暗記して説明する。中央幹部も何も実態を把握していないので、まともな質問もできない。このような形式主義が蔓延しているのが中国なのだ。
2008.01.04
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