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2012.10.28
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カテゴリ: 昭和期・後半男性

『白鳥の歌なんか聞こえない』庄司薫(中公文庫)

 本書は、いちおー「薫くんシリーズ四部作」の中では、白眉ではないでしょーか、と。
 なんかそんな評価を聞いたような気もするし、ページ数も4作の中では一番多いんじゃなかったかしら。(「白鳥」に「白眉」は、関係ないですかね。)

 今「四部作」と書きましたが、『青髭』のお話は、少し時期が遅れて書き出されたせいか、後の三つと少ししっくりいっていない感じの記憶(昔読んだきりの記憶ですがー)があります。

 そう言えば、あんまり関係ありませんが、村上春樹の「僕・鼠」シリーズも、本当は四部作なんですよね。ずっと遅れて『ダンス・ダンス・ダンス』が書かれましたが、まぁ、もっともあの場合は、「鼠」が三作目で死んでしまったせいで、「僕」は同一人物でもその片割れの「鼠」が出てこないから(「鼠」はとっても大切な登場人物ですものねー)、一般的には前三つで「三部作」のように理解されていそうです。

 閑話休題。「薫くんシリーズ」中、白眉の『白鳥』であります。
 昔は、2、3回読んだような気がしますが、今回は本当に久し振りの再読であります。
 この間、私もいたずらに馬齢を重ねまして、読了後直ちにこんな意地悪な感想を二つ抱きました。

(1)あんな状況下で本当に男は射○するものなんだろうか。
 (2)で、由美は、どうなる。


 まず(1)ですが、まぁ、健康な18才の男子のお話ですから、確かに場合によっちゃぁ、気合いひとつで、風に当たった程度でも(そら「痛風」やがな)○精くらいはりっぱにしても見せましょうが、まぁ、なんといいますか、……そもそもわたくし、今回読んでこのシーンについて幾つかの細部を改めて確認したのですが、相当にややこしい場面で二人は抱き合っていたんですね。

 まず隣の部屋に「小沢さん」という妙齢の女性が寝ています。本当はあまり寝ていません。耳を澄ましながら(電話を待っているんですね)うとうととしています。
 同様に由美も薫も、いつ電話が掛かってくるかも知れないと言う気ぜわしい状況下にあります。

 次に二人が抱き合った部屋とベットは、去年お嫁に行った由美の姉のものであります。ほぼ空っぽの本箱と机とベットだけのある部屋です。
 部屋に入った由美は、最初に窓を開けます。庭に面した部屋(いかにも広そうな庭で、「高い水銀灯」があります)のようですが、耳を澄ますと車の走る音や街のざわめきが聞こえてくると書いてあります。
 まーどうでもいいような話ですが、この窓は、二人が抱き合っていた時も開け放たれたままであります。(季節は春、春分の日の前後であります。)

 つまり二人は、いえ、由美の立場で考えてみると、小沢さんという学校の先輩の祖父で、由美自身も崇拝しているその祖父が今にも亡くなろうとしている、その知らせの電話がいつ掛かってくるか絶えず耳を澄ませて待っている落ち着かない時に、由美の部屋の由美のベットの上ではその小沢さんが微睡んでいるその隣の去年嫁に言った姉の部屋の、去年まで姉が寝ていたベットの上で、薫と初体験をしようとしている、と、まぁ、気ぜわしいというか何というか、そーとーややこしい状況なんですね。
 (こんな時、するか? ちょっと「デリカシー」に欠けません? まぁ実際はしなかったからよかったものの、もししていたらたぶんそのまっ最中に、下記にあるように電話が掛かってきて、とってもトンデモナイ状況になっていましたよ。……由美のお母さんが電話を知らせに部屋に入ってきたらどうすんだよ。)
 ……しかしまぁ、とりあえず、若い二人に罪はない、と。(でもほとんどもう、「若さは無敵」ですな。)

 で、それに続いて上記感想の(2)であります。
 薫に「抱いて」と囁き、腕を引っ張って薫をベットに引き込んで、自分で衣服を脱いで待っていたら、薫から「だめだよ」と言われ、なんだか様子のおかしい薫を見ていたら(薫の射○ですね)、階下で小沢さんの祖父の死を知らせる電話が鳴り、それに釣られるように薫は部屋から出ていき、ぽつんと裸で一人残されてしまった由美に、はたして状況理解はできたでしょうか。

 この後由美は、我が体当たりの告白をさっとかわした薫に、その状況説明を要求し、納得行く回答を得ることができたんでしょうかね。
 しかしあれだけ「デリカシー」うんぬんにこだわる薫くんに、そんな説明ができたとはとても思えませんよねー。
 ……うーん、この二人はどうなっちゃうんだろうか。
 ちょっと、次回に続きます。


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Last updated  2012.10.28 19:48:37
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Comments

シマクマ君 @ Re:思っていたよりも「重く」ない(02/21) 純文さんへ  あたたかいお返事ありがとう…
analog純文 @ Re[1]:思っていたよりも「重く」ない(02/21)  シマクマ君さんへ。  おや、思わぬお方…
シマクマ君 @ Re:思っていたよりも「重く」ない(02/21)  いつも読ませていただいてます。あのせ…
analog純文 @ Re[3]:無理筋仮定を考えてみる(12/28)  七詩さんへ、重ねてのコメントありがと…
七詩 @ Re[2]:無理筋仮定を考えてみる(12/28) analog純文さんへ 私もときどき読書日記を…

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