2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全5件 (5件中 1-5件目)
1

「ベスト オブ 映画欠席裁判」町山智浩・柳下毅一郎 著知る人ぞ知る映画雑誌「映画秘宝」そこで連載されていた映画批評の文庫化です。もともと単行本で三巻出ていた「映画欠席裁判」本書は、それらに掲載されていた批評を選りすぐってまとめたため、「ベスト オブ」という表記がなされています。形式は、ウェイン(町山氏)とガース(柳下氏)による「ファビュラス・バーカー・ボーイズ」というコンビの漫才然とした対談。欠席裁判という表題どおり、映画に関して好き勝手喋りまくりです。名作や超大作からB級C級に至るまで、時には深く論じ、時には面白おかしくぶった切ります。ウェインとガースという名前は、「ウェインズワールド」の主役であるおバカコンビそのまま。(日本では台無しの放送だったロンドンオリンピックの閉会式にて、Queenのボヘミアンラプソディの映像はこのウェインズワールドからも引用されていました。さすが映画史に残る名シーンだと感動しましたが、分かって頂ける方は少ないのかな・・・・・・)またコンビ名は、「ファビュラス・ベーカー・ボーイズ」をもじったネーミング。そんな体裁に加え、下ネタやお下劣に脱線することも多く、一見すると悪ふざけの連続のように思えます。でも、実のところは映画愛が溢れ、映画評論家魂が貫かれています。「評論家の仕事は、まず作者が意図したことは何かを作者本人の言葉や資料を通して確認すること。その次に、作者の意図を超えた論を展開すること」そんな為すべき仕事を疎かにし、自分の感想のみを著している評論家に対し辛辣な苦言を呈しています。例えば「2001年宇宙の旅」オールタイムでのNO.1にも輝き、またベストワンにあげる評論家の方も多いですが、「本当に『2001年』がいいと思うんならニーチェ読んで永劫回帰まで知らないと。でも、せっかく「ツゥラツゥストラ」流してヒントくれてるんだから」映画評論家としてのプロフェッショナルの流儀を感じさせていただきました。もちろん映画の見方や批評方法にも様々な手法があり、この流儀も一つの方法にすぎませんが、もちろん私はこっち派です。またリドリー・スコットの「エイリアン」よりもジェームス・キャメロンの「エイリアン2(Aliens)」が評価されている風潮を批判をしている点など、妙に感性が一致しているので、ますます親近感を感じてしまいます。サリエリとモーツァルトを引き合いに出して、何がクラッシクとなるのかをサラッと論じている点も珠玉です。「燃えよドラゴン」「激突」「プライベートライアン」これらが映画史の中で燦然と輝く存在である一方で、同時代に評論家からもてはやされた作品が映画史に記憶されていない点からしても納得です。ではなぜ「こっち派」なのか町山智浩氏・柳下毅一郎氏のことを調べていると、その縁がわかりました。20年以上前の1989年に購入し、何度も何度も読み返し慣れ親しんだ「映画の見方が変わる本」にお二人が深く関わっていることが分かりました。マクルーハンのメディア論やニーチェを始めとする哲学に興味を持つと共に、将に映画の見方が変わる契機となった本です。特にヒッチコックに関する評論が、1人の作家の作品を横断的に鑑賞する際の大きな助けとなりました。是非とも、映画好きの方は「映画欠席裁判」と一緒にチャレンジしてみてください。
Sep 21, 2012
コメント(0)

真山仁氏の短編集「プライド」「ハゲタカ」シリーズで一世を風靡した真山氏原子力や次世代エネルギーに関しての作品もあり、その予言力とも言える洞察の鋭さから昨年の震災以降さらに注目が高まっています。また今年初めの直木賞の候補に選ばれるなど、活躍にいとまもありません。真山氏に関しては、私はまだハゲタカシリーズの三作品しか読んでおりません。この短編集が出ていたことを先週知り、早速読ませて頂きました。このプライドで掲載されている短編は六編テーマはそれぞれ医療・外交・食品、そしてなんと!!農業が三つこれは意外でしたが、農業が国の安全保障における重大なテーマであり、そのあり方が日本の未来の行く末に大きく関わっている所以のように感じました。短編ながらも、農業問題の本質を簡潔かつ明快に描いており、日本の抱える農業問題を深く考える材料としては不足はありません。それ以外の三編に関しても、それぞれの分野の問題を明瞭に表現しており、今の日本の病巣にメスで切り込んでいく姿勢が素晴らしいです。あとがきでしったのですが、この作品を執筆するにあたり、真山氏は、実際に養蜂を行ってみたり、蚕を育ててみたりしたそうです。綿密な取材と調査で分からないことは自分でやってみる。そんな姿勢が迫力として滲み出ているように感じます。改めて真山仁氏の作品に触れて感じた魅力は、主要人物に共通するキャラクターそれは、とてつもない閉塞感や絶望感に陥った中で、例え這いつくばったとしても、決して希望を失わずに進んでいく姿そして、そこに有する才能は、日本人としての勤勉さとまじめさ今、連載中の真山作品が二作あるようです。一つはハゲタカの四作目「グリード」もう一つが、「プライド」で登場した人物が活躍する農政小説「沈黙の代償」既刊の作品を楽しみつつ、この二作の単行本化を心待ちにしてます。追伸「プライド」の最後に掲載されていた四ページの掌編「歴史的瞬間」このブラックユーモアだけはなんとも言えません。
Sep 13, 2012
コメント(0)
長旅の車中で読了野口吉昭氏の著書は四冊目もともとは大前研一氏を始め、いわゆるコンサルタント系の方の本は毛嫌いしておりました。これは、だいたいのコンサルタント系図書の書名がダイレクトすぎて、人前で手に取ることを恥ずかしく感じていたのが、一番の要因です。読むこと自体がこっぱずかしくって、明らかに避けていました。また物事をフレームワークに当てはめて考える必要性を感じていなかったことも大きな原因の一つかもしれません。それが一転したきっかけが、6年前に商工会議所青年部のビジネスプランコンテストに応募したこと。上級のコンサルタントの方と直接お会いし、色々とご指導を頂く中で、彼らのノウハウの偉大さに感銘を受けました。丸の内のオフィスビルでの約二時間の面談後、直ぐに八重洲bookセンターへと走り、ノートに取った記述と頭の中の記憶を基に大きな書棚と格闘。結果に出会ったのが、内田和成氏の「仮説思考」という書籍でした。先月、この「仮説思考」を今でも平積みにしている書店を都内で発見しました。ビジネス書における名著一つに数えられているのかもしれません。その後、フォローの学習として仮説思考に関する書籍を探す過程で出会ったのが、野口吉昭氏の「仮説思考のノウハウ・ドゥハウ」でした。それから野口氏の書籍を何冊か読んでいます。本書は、まさに「決断」のノウハウを表しています。すごく簡潔で明快な記述で分かりやすい。うまく決断出来ている時は、多分この本に記されたようなフレームワークに沿っているんだと思います。しかしながら、常にはうまくいかないのが、現実の性。所詮は、実践の中で体得していくノウハウ&ドゥハウ常に高みを目指し、自らの足で登り続けるよってのみ獲得できる力です。ただ即実行できるそうなことの中の一つが、リスクに関して考える順番。決断したり、またアイデアを醸成させる場合に、リスクに関して考えるのはかなり終盤のフェーズ(局面)だということ。このことを少し意識しながら、様々なことに臨んでいくと面白くなりそうです。
Sep 7, 2012
コメント(0)
今回は長旅 お供には 「商店街はなぜ滅びるのか」 「経済学の犯罪」 「金融が乗っ取る世界経済」 思い返せば、学生時代に「消費者重視の経済学」と題した規制緩和の賞賛本を手にし、地方における弊害を薄々感じつつも賛同していました。 「市場vs国家」というフレームの中で、市場重視というのも当時の流れだったでしょうか。 それらの時代の傾きの功罪を共に感じる今、この三冊を読むと総合的に考えられそうです。 そして 「コンサルタントの『決断力』」 「コンサル~」は、野口吉昭氏の著書では四冊目 意識しているわけではありませんが、野口氏の本を都度都度手に取っています。 何か一つでもいいので、実践できる知恵を体得できればラッキーです。
Sep 6, 2012
コメント(0)
「スパイの仕事は、対象の国の新聞や書籍を丁寧に読み解くこと」トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズに接したときに、そんな記述を見かけたことがあります。そんな国家のインテリジェンス(情報分析)に携わり、鈴木宗男氏との連座の形で有罪判決を受けた佐藤優氏今は執筆家として活動している佐藤氏の語る読書論です。全国の様々な書店で平積みになっている本書を見かけていましたが、「今更、読書なんて」と思い敬遠しておりました。先日、本書の書評を雑誌で目にして、内容に興味を抱いていたところ、八幡浜の本屋での平積みで見かけ購入です。この本で述べられている読書方は、趣味や娯楽のためではありません。あくまでビジネスパーソンの情報収集・分析のツールとしての紹介です。目的は、教養を高めることではなく、実学としての生きた知を獲得すること。名著をもじれば「職業としての読書」この本の中では、読書を超速読・速読・熟読と、三つに分類しています。超速読は、読まない本を選別するという位置付けです。マスターすると、効率的な立ち読みができ、無駄な本を買わずに済む可能性を感じました。熟読に関しては、著者独自の方法を丁寧に説明しています。読書の目的は、知識を手にすることではなく、現実の問題をしっかりと説明する力をつけること。私たちビジネスパーソンにとっては、より良い実践に結びつかなければ意味はありません。そのために、簡単には読み解けない書といかに対峙するかが示されています。そして速読読む必要がある書籍は膨大です。しかしながら、時間は限られている。そのジレンマを解消するために、いかに本と向き合うかがキー先ずは、読むべき本に真剣に、そして真摯に接すること。また何よりも、明確なテーマや問題意識を持って臨むこと。一般の速読書は、単なる効率的なインプット法に終始しています。それらとは一線を画しているのが、本書の魅力です。その他、効率的な読書を行うために必要な基礎知識の大切さ、また基礎知識を得るための高校教科書の活用法など、社会人としての基礎力を向上させるための勉強法に詳しく言及している部分が秀逸でした。読んでいて気づくと、深夜です。そう言えば、睡眠時間の削り方もこの本に載っていました・・・・・・
Sep 4, 2012
コメント(0)
全5件 (5件中 1-5件目)
1