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横山秀夫氏の短編集で唯一残った未読の書がこの「影踏み」 今作の主人公は、全篇を通して1人の泥棒です。それも単なる空き巣ではなく、家主の寝静まった時を狙う「ノビ師」大胆且つ細心な手口を遂行する人物だけに、そこ観察眼や考察力は刑事を超える能力。 そんな主人公が刑務所から出所後、自分の捕まった状況の不可解さに疑問を抱き、泥棒家業の傍らでその真実を突きとめるべく静かに奔走するスことからストーリーが始まります。また泥棒になるに至った過酷で悲しい過去の出来事が、その謎に絡み、奥深い物語が展開していきます。 設定として、ややオカルトチックな部分もあり、横山秀夫ファンからは賛否両論ありそうです。ただ、その非現実的な設定も、過去のトラウマが主人公の精神世界に与えた影響であると解釈も可能です。また何よりも、物語を面白くする仕掛けとしては秀逸でした。 今作は短編集の形式は取っていますが、先述の通り、主人公は1人であり、各編も時系列順です。それぞれ独立し一話完結していながらも、あらゆる線で繋がっており、最終編において、あるカタルシスに向かって進んでいたことに気づかされます。ここでも、結末を描ききるのではなく、示唆で終わらせるのが横山流この後味が癖になります。 つい先日、七年ぶりに発刊された横山氏の最新書「64(ロクヨン)」 「陰の季節」「動機」「FACE(顔)これらD県警シリーズと呼ばれる短編集の続編であり、このシリーズ初の長編小説旧作をしっかりと反芻した後に、挑んでみます。
Nov 19, 2012
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「深追い」横山秀夫著 新潮文庫久しぶりの横山秀夫氏の短編集です。舞台はとある県の一つの警察署交通係、鑑識、会計、警務、少年係、盗犯係、署次長「例」のごとく、刑事以外が主人公。捜査や逮捕などドラスティックなシーンは全くなく、派手な活躍は描かれておりません。警察官の日常業務において生じる謎に、登場人物の人間関係が絡まることで、魅力的なドラマが展開されます。また官舎・寮が署に隣接しているという設定が、そのドラマに一味も二味もスパイスを効かせ、ますます深みのある人間ドラマとなっています。横山秀夫氏の短編集の魅力は「滲み出る核心」物語の結末を描ききるのではなく、敢えて示唆に留めているからこそ生じる行間を読み取る面白さ。そして想像力で補完されることで結末が完成し、驚きが倍化します。まさに珠玉のパズルです。実は、横山氏の長編小説は未体験です。そろそろ手を伸ばしてみましょうか。
Nov 11, 2012
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歴史の勉強を兼ねて親子で鑑賞です。時代は豊臣秀吉の天下統一が目前の1590年「でくのぼう」由来の成田家城代家老「のぼう様」が、石田光成率いる豊臣軍に闘いを挑むという史実に基づいたストーリー成田(のぼう)軍500に対し石田光成率いる軍勢は2万「300」のテルモピュライの闘いにおける100万vs300程ではないけれど、圧倒的な戦力差「300」では究極的に鍛えられ且つ統率されたスパルタの戦士たちの力で対抗一方、のぼう様の場合は、ユーモアと人間力で立ち向かいます。冒頭はナレーションに頼りすぎで冗長に感じましたが、ストーリーが展開するにつれどんどんテンポが増していき、徐々に引き込まれていきました。やはり魅力は狂言師・野村萬歳のユーモラスなセリフと動きそれと共に、のぼう配下の佐藤浩市・ぐっさん・成宮寛貴ら武将の戦いも見ごたえ充分です。主要人物の見せ場が連続することで、ユーモアとシリアスとの緩急差が生まれ、非常に生き生きとした映画になっていました。2時間を超える上映時間でしたが、その長さを感じさせない面白さでした。
Nov 4, 2012
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プロ野球史に刻まれた12の事件の再検証江夏の21球・長嶋天覧ホームラン・清原バット投げ etcこれらの出来事の舞台裏の新事実が、関係者の新たな証言をもとに明かされます。事件ではありませんが、落合博満のバッティングの師匠の話は、真の「学び」とは何かを示唆しています。将に上達の極意またジャイアント馬場のプロ野球での実績の知られざる事実と、まるでプロレスに導かれたかのような数奇な運命は興味を惹かれます。禍福は糾える縄の如しそして沢村栄治知る人ぞ知る八幡浜に縁のあるストーリー二宮清純氏によれば、解明したいエピソードはまだまだあるとのこと。続きに期待です。
Nov 2, 2012
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