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「ハイブリッド車の技術とその仕組み」という書籍を出しました。今週前半には書店に並ぶはずです(もちろん大型書店だけですが)。今や世界のほとんどの自動車メーカーがハイブリッド車を出していますが、その仕組みはいろいろです。それらについて解説しました。ハイブリッドシステムのことが基本から分かると思います。よろしく。
2014年06月15日
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4年半ぶりにブログを復活させます。最初は私の最新刊、本日発売の「ガソリンエンジンの高効率化/低燃費・クリーン技術の考察」の紹介をさせていただきます。各自動車メーカーがどのような目的で何をやっているのかが分かると思います。目次立てとしては9章あり「トルクと出力/バルブコントロール/気筒休止/直噴/過給/ミラーサイクル/可変給気・EGR・気筒数・HCCI/損失の低減/アイドリングストップ」といったところです。 参考までに、まえがきを転載しておきます。●はじめに かつて、「内燃機関」という専門誌が休刊となるなど、「内燃エンジンはほぼ行き着くところまで行った」というような雰囲気になった時期があった。しかし、その後の排ガス問題、燃費問題から、内燃エンジンは更なる技術革新が行なわれることで長足の進歩を遂げ、今もなお進化し続けている。 一方、自動車用の原動機は今、モーター駆動へと移行しようとしているのも確かだ。EVは確実に普及していくだろう。しかし、現状では主に電池性能の限界から、自動車が一気にEV化するとは考えにくい。たとえば最もEVに力を入れている日産のパワートレーンのロードマップをみても、2050年においてさえ内燃エンジン車は40%以上、ハイブリッド車を含めると70%程度のクルマが内燃エンジンを使っていることになる。このうちディーゼルエンジンがどの程度の比率になるかということはあるにしても、ガソリンエンジンは自動車用動力源としてこれからも当分の間重要な役割を演じていくはずである。 キュレーターという仕事がある。美術館や博物館において、展覧の企画を担う専門職で、その分野の情報収集、選別、展示に関わる責任者である。キュレーターは芸術家ではない。芸術家と一般美術愛好家の間を取り持つ役割を演ずる人だ。私は技術系を学んだがエンジニアの経験はない。しかし、長い間出版編集の立場から自動車メーカーと読者の間に立ち、情報を提供してきた。その経験を生かして自動車エンジニアと読者の仲立ちとなり、自動車技術を分かりやすく読者に伝えられたらと思っている。自称「自動車技術キュレーター」としているのは、そのような役割ができればという願いからだ。 できるだけ分かりやすく技術の紹介をしたつもりだが、エンジニアではないだけに理解が不十分なところ、誤解しているところがあるかもしれない。お気づきの点はご指摘いただきたいが、今自動車メーカーが取り組んでいるガソリンエンジンの技術を理解するのに、この書が参考になれば幸いである。(飯塚昭三) 別の話として、スピードマインド誌のCD版での復刊の話も進んいる。それについてはあらためてお知らせしたい。
2012年11月01日
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エコカーの専門誌「ECOMO」が5月30日に創刊された。創刊趣旨はエコに汲々としてスポーツ走行等を否定するようなことでなく、それぞれの立場で-6%を考えつつクルマ文化を楽しもうというもので、隔月刊で刊行される。このエコモに「ゼロエミッションカーへの道」というタイトルで4ページの記事を書いた。今回は連載のその一で、ガソリン車、クリーンディーゼル車、LPG&CNG車、ハイブリッド車&プラグインハイブリッド車、EV&FCV車、水素自動車などの現状を概説している。次号からそれぞれ掘り下げた内容にしていく予定だ。そこでも述べているが、究極のエコカーはEVであり、そこに行くのにどのような道のりをたどるか、というとらえ方を私はしている。つまり、三菱とスバルから来年には軽のEVが発売されるが、現在のガソリン車が一気にEVに置き換わるとは思えない。その中で、上記のエコカーたちが、役割をいつの時点でどのように演じるのか、ということが焦点になる。私は私なりの考え方があるが、自動車ジャーナリストたちの意見もいろいろであり、それだけに今後の成り行きが非常に興味深い。 とりあえずECOMOをよろしく。
2008年06月02日
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童夢の林みのるさんのトークで興味深かったものを追加してして報告したい。林さんは、自動車レースの興味はまずマシンであるとしている。自動車メーカーも最近はドライバーの育成には力を入れているが、マシンのエンジニアへは注力していない。フォーミュラニッポンとスーパーGTの観客動員数を見れば明らかなように、ドライバーよりマシンへの興味が大きいはずという訳だ。私も同感である。フォーミュラニッポンもお金が掛からないようにとマシンの個体差を小さくすればさらに興味は減退するであろう。盛り上がりは全く期待できない。 メディアに対してもきつい言葉があった。「見識不足。レース界の批判記事がない。SGTのレギュレーションに見るように、現実には問題はたくさんある。今度から我々が最良記事と最悪記事を選んで表彰でもしようかと思っている。」最後の部分は林さんなりのユーモアだが、内容はこれも的を射ていると思う。私も所属しているJMS(日本モータースポーツ記者会)の雰囲気も、体制のチェック機関であるべきというより、体制と仲良くやっていこうという雰囲気のほうが強い。「ジャーナリズムとは何か」を考えたことのない(考えたくない)人が多いように感じる。我々としても自戒せねばならない。
2008年03月13日
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F1の幕開けに先駆けてトヨタとホンダが相次いで体制発表を行なった。トヨタはF1だけでなくモータースポーツ全体の発表で、渡辺社長も出席しての発表会であったが、ホンダのはF1についての発表会で広報担当役員だけの出席で地味ではあった。しかし14日の朝刊にはホンダF1の全面広告を打つのだから、ホンダの今年にかける意気込みは相当なものなんのであろう。まあ、昨年がひどすぎたから……。 トヨタはモータースポーツ全般の取組みであったといったが、やはり他はアメリカのストッカーと日本のGTが主要で、底辺カテゴリーのビッツレースについてはワンカットのレースシーンとほんの一言の説明だけであった。それはともかくどちらの発表会もここで取り上げる意欲を持たせるものでなかったが、3月11日の「童夢S102完成披露&日本レース工業会発足発表会」については、是非報告しておきたいと思った。 まず、案内状からして興味深い。「……略。ご足労いただくだけの価値のある発表内容かどうかは自信がありませんが、見方によっては、日本の自動車レースの夜明けのご来光がすこし垣間見られるかもしれません。出欠も取っていませんから、閑古鳥が鳴くのか立錐の余地もなくなるのか分かりませんし食事も酒も出ないエコロジケチな催しなので、興味のある方だけ出席いただければ幸いです。」 林みのる 発表会の内容は標記のとおりであるが、案内状だけでなく林みのるさんの挨拶というかトークは、非常に興味深い。ユーモアがあって面白いだけでなく、的を射た内容なのだ。「現在のレース業界は自動車メーカーの予算の中から分け与えられたものにすがってやっている。」「メーカーのモータースポーツ担当者はころころ替わるので、自分たちの思いはなかなか伝わらないし、改善されない。」といった鋭い指摘をする。これは童夢林氏がメーカーと対等に付き合ってきたことを表しているのだと思う。困難な中でも自力で事業を成り立たせ発展させてきたのだから素晴らしい。 ところで、今回の日本自動車レース工業会の発足は確かに「ご来光」が見えそうな意義あるものだと思う。主な事業として標準のコクピットをカーボンモノコックで作ること、安くて耐久性のある1.5Lの標準レーシングエンジンを作ることなどを掲げ、現に開発を進めているという。コクピットの広さは車体やエンジンの大きさに関わらず変わらないので、いろいろなフォーミュラに使えるわけだ。レーシングエンジンユニオンと日本コンストラクターズユニオンは現状存続しているが、その上部団体のような感じになる。有名ガレージはすべて名を連ねており、意義ある活動が期待される。
2008年03月12日
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すでに2月20日に発売されている「ザ・マイカー」誌に、「プラグインハイブリッド登場でエコカー市場の構図が変わる!?」というタイトルで、ハイブリッド車開発の現況について4頁書いた。プリウスの登場を当初は冷ややかに見ていたが、現在では世界中の自動車メーカーがハイブリッドに取り組んでいること、GMはプラグインハイブリッドで巻き返しを図ろうとしていること、プラグインには懐疑的なホンダの思想、等々について書いている。 私自身プラグインハイブリッドに大きな期待を持っているが、実際多くのメーカーがプラグインハイブリッドを開発し始めている。それにしても、ハイブリッド、クリーンディーゼル、燃料電池、水素エンジン、電気自動車など、これからエコカーがどのように進展していくのか、技術開発の動向、自動車業界の動きが非常に興味深い。
2008年02月27日
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2007年1月のデトロイトショーでGMが「シボレー・ボルト」というプラグインハイブリッド車(PHEV)を自動車メーカーとして初めて発表した。直後のボストンではフォードも「エッジ」のPHEVを発表。これは燃料電池とリチウムイオン電池によるPHEVであった。また5月にはボルボがPHEVを発表する。これは後に東京モーターショーにも出展される。一方、実績あるハイブリッド車を持つトヨタは7月にプリウスをベースとした「トヨタプラグインHV」の国土交通大臣認定を取得して公道テストを開始する。11月にはVWが「スペースアップブルー!」の燃料電池車を発表するが、実はこれもプラグインハイブリッドでもあった。 そして今年1月のデトロイトショー、GMが今度は「サターン・ビュー・グリーンラインプラグインハイブリッド」を発表するとともに、2010年に量産すると発表する。同時にトヨタも「トヨタプラグインHV」を2010年に特定のユーザー向けながら販売すると発表した。PHEVが熾烈な開発競争に入っていることをうかがわせるが、私が注目しているのは、トヨタ以外はいずれもシリーズハイブリッドであることだ。つまりトヨタはプリウスベースでシリーズパラレルという複雑な機構のハイブリッドだが、他はすべてエンジンは直接駆動には使わず、発電だけに専念する。いわば発電機を積んだEV(電気自動車)である。東京モーターショーでボルボの開発者が「シリーズ方式のほうがシンプルで効率も良い」と主張していたのが印象的だった。果たしてPHEVは単純なシリーズ方式になるのか、トヨタと他メーカーの今後の動きが興味深い。
2008年02月11日
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究極のエコカーはEVすなわち電気自動車だ。ビンテージカーなど特例は別として、将来はすべてEVになる。しかし、ある時点で急に、生産される自動車がすべてEVになるわけではなく、徐々にEVになっていくはずだ。そのシナリオには3つあると思っている。 第1はEVそのものが段々とシェアを広げていくこと。充電スタンドは家庭やSSスタンドだけでなく、ショッピングセンターの駐車場、高速道路のサービスエリア、道の駅等々、いたるところに充電設備が普及していく可能性がある。そうなれば航続距離の短いEVでもチャージを繰り返せば行動範囲が広がり、使い道はますます高まる。充電はプラグを差し込んでも良いが、非接触で、駐車スペースに止めてスイッチを入れるだけで充電可能であるし、充電設備のある駐車場の増加とEVの増加が好循環で回りどんどんEVが普及、その間にも電池性能の向上とコスト低下があり、やがてすべてのクルマがEVになる。 第2は遠出のために保険をかけたプラグインハイブリッドが普及し、電池の性能向上につれて徐々に内燃エンジンの使用が縮小、サイズも縮小していき、やがて内燃エンジンが不要になり、EVになる。 第3は航続距離が稼げるようになった燃料電池車が普及する。SSスタンドだけでなく、水素社会へ向け家庭が燃料電池を備えるようになるので、水素充填の問題点はなくなる。しかし、これも電池の性能が向上するにつれ燃料電池の役割が小さくなり、やがて車両への搭載不要となり、EVになる。 これら3つがどれかひとつのシナリオに集約されるのか、並行的に進展するのか、大変に興味深い。もちろん、その前段階でディーゼルほかいろいろな環境対策車が活躍する場はまだまだある。しかし、世の中のクルマがすべて究極のエコカーになるのに、内燃エンジン車がある時点で急にEVに代わるということはなく、3つのシナリオからEVになっていくはず、というのが私の考えだ。
2008年01月30日
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今回はプラグインハイブリッドへの疑問(1月18日のコメント)に答える形で書いてみたい。 確かに短距離使用が中心であったらプラグインハイブリッドは保険のかけすぎかもしれない。そもそもハイブリッド自体、二重に動力源を持つという効率的ではない面を本質的に持っている機構だから。したがってハイブリッドも市街地なら効果があるものの、ヨーロッパのように都市間を高速移動する場合は決して効率はよくなく、かえって悪い結果が出たりする。一定速度で走っていたらハイブリッドの機能はほとんど働かないし、たまにブレーキングしてもそういう状態では満充電になっている可能性が高く、エネルギーの回生もしないわけだから。ようするにハイブリッドが効果を発揮するかどうかは使用条件によるわけだ。 本当に短距離走行が主体ならやはりEVのほうが良い。それは大前提としてある。EVこそ究極のエコカーであるのだから当然だ。ただ現在の状況下で、短距離走行が多いものの必ず中長距離も走る想定があるため、航続距離の短いEVに踏み切れないといったユーザーには、プラグインハイブリッドは最適ということだ。ハイブリッドに家庭の電気を使って走れる部分ができてくれば、マイナス部分(内燃エンジンの搭載)を差し引いてもメリットが出ると思う。軽自動車のEVが深夜電力を使った場合の燃料代は1円/1kmという。多少割り引いて、さらにプリウスクラスということで大雑把に4倍と考えても、10km走っても40円、100円玉ひとつで25km走ることになる(もっと良いことを期待)。それでいてCO2の排出も少ない(発電所から考えて)。もちろんプラグインにすることでどれだけコストが上がるか、ということで最終的には経済性でメリットが出るかどうかは決まる。ただ現にハイブリッド車がある現状からすると、少なくも燃料電池車のような高価なクルマにはならないと期待している。 私がプラグインハイブリッドの意義を本当に強調したいのは「短距離でメリットありますよ」ということでなく、できるだけ内燃エンジンを使わない「方向性」についてだ。あえて極論すると「ハイブリッドはすべてプラグインハイブリッドに向かうべき」というのが私の考えだ。
2008年01月21日
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ホンダは年末に「社長会見」を行ない、トヨタは年明けに「年頭所感」を発表する。それをよく読むと両社のエコカーへの取組みの違いがよく分かり、興味深い。これについては昨年1月6日にも記した。 今後のエコカーについてホンダは燃料電池車に期待を込めているのに対し、トヨタはハイブリッドを中心としているのは前年どおりだが、トヨタはさらにプラグインハイブリッドについて「着々と準備を進めております」とし、ニッケル水素電池だけでなく「リチウムイオン電池の開発・生産への対応を精力的に進めている」ことを表明した。すでに昨年プラグインハイブリッドの開発に取り組んでいることは明らかにしていたが、今年はそれをさらに進展させていることを表明したわけだ。 そうした動きに加え、1月13日から始まった北米のデトロイトモーターショーで、トヨタは「リチウムイオン電池を搭載したプラグインハイブリッドを2010年までに販売する」ことを発表した。このことは日本のマスコミ(新聞、テレビ)でも大きく報じられ、プラグインハイブリッドについて人々に広く知らされたので、一般の認識もより高まったことと思う。私は昨年7月20日に「プラグインハイブリッドの大いなる意義」について書いているが、それはもちろん今も変わらない私の考えだ。 今後その意義を理解、認識する一般人、メーカー、マスコミ等はますます増えるはず。プラグインハイブリッドは究極のエコカーにつながるクルマとして、今大いに注目すべき技術だ。
2008年01月18日
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すでに昨年12月20日売りのザ・マイカー誌だが、「燃料電池車の時代が遂に来た!!」というタイトルの記事5頁を執筆した。ホンダが今秋にも日米でFCXクラリティという燃料電池車をリース販売するという発表を受けてのもので、編集部の依頼に沿って執筆したもの。内容は、このところ低調に見えていた燃料電池車だが、ホンダのリース販売の話題、またVWがロサンゼルスオートショーで高温型燃料電池搭載のプラグインハイブリッド車!を発表したり、昨年9月にはダイハツがヒドラジンという物質を燃料とした白金不要の燃料電池技術を発表したりと、決して燃料電池車が諦められたわけではないこと。そして究極のクルマの姿は電気自動車であることを前提として、そこへ向かう道程における燃料電池の位置づけなどについて書いた。 燃料電池車が再び活気づいているのは確かだが、私としてはまだ燃料電池車の時代が本当にやってきて一時代を築くと確信しているわけではない。それは電池の性能、特にエネルギー密度(航続距離に直結)がどれだけ高められるかの技術開発いかんに掛かっているとした。電池の性能がなかなか上がらなければ、燃料電池車の時代が歴史を刻む可能性もある。一方で来年09年には三菱とスバルが軽の電気自動車を発売する運びになるようだし、部分的には電気自動車が広がっていく状況もある。ただ、燃料電池車を越えて電気自動車に移行しても、燃料電池そのものは否定されるものでなく、家庭やガソリンスタンドに変わる存在のステーションには必要なものであることも書き添えた。いずれにしても今後の技術開発の行方が興味深い、といった結論だ。
2008年01月09日
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マツダのデミオが2008RJCカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。私も今期からRJCのメンバーとしてこのイベントに関わっているが、私の考えと一致した結果であった。フィットとの得点争いになったが、結果はデミオが圧倒した。私の感想を述べると、クルマとしての完成度などはむしろフィットのほうが上回っていたかもしれない。しかしデミオの設計思想というか開発のコンセプトというか、目指したものとその成果が評価されたのだと思う。私もそこを評価した。その最大のものが、車体の軽量化である。 クルマのモデルチェンジの歴史を見ると、ほとんどがサイズが大きくなって重くなっている。それをエンジンその他でカバーしているとはいえ、重量はそれに伴って重くなってきた。クルマは広いほど良い、という考えが常にユーザーにもメーカーにもあった。フィットも例外ではない。動力性能、環境性能、安全性などいずれも上がっていると思うが、今までの流れを変えることにはなっていない。そうした流れを覆したのがデミオなのだ。重量の100kg軽量化を果たしているが、そのために材料や構造の工夫だけでなくボディサイズさえ絞っている。今の地球環境を考えれば、今までの発想を転換する勇気が必要だ。それをなしたのがデミオなのだ。軽量化は燃費を向上させひいては排ガスも減らせる。さらに加速にもブレーキングにも効く。まさに万能の効果を持った手法なのだ。 (久しぶりの更新になってしまいましたが、別に入院していたわけではありません)
2007年11月14日
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日本でのF1(日本GP)開催が富士スピードウェイと鈴鹿サーキットの交互開催になることが決まったという。来年2008年は再び富士だが、2009年は鈴鹿で、それ以後は交互開催になる。多くのファンがそう望んでいたはずだし、妥当な決定であると思う。 今回のこの決定、FOA(フォーミュラワン・アドミニストレーション)から提案が富士スピードウェイにあって、富士側も「日本におけるF1人気の裾野を広げるため、という目的に合致する」ということで受け入れることになったようだ。FOAが提案といっても鈴鹿のプッシュもあったと思うが、双方大人の対応をしてくれた。なるべき形に収まったといえる。
2007年09月12日
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富士山の麓、富士急ハイランド隣接のホテルを拠点としたギャランフォルティスの試乗会に行ってきた。グレードは「スポーツ」と「エクシード」の2系統あるが、エンジンは同じ。18インチタイヤを履いたスポーツのほうが16インチのエクシードより40kg重い。スポーツは剛性感がありハンドルが重くどっしりとしており、パドルシフトも付いている。しかし、重厚感のある味付けは高速道路を安定して巡航するのに向いている感じ。軽快にワインディング路を飛ばすなら、むしろエクシードのほうが楽しい。クルマを振り回しやすいと感じた。 エンジンは5000rpmあたりの伸びがもうひとつ欲しい感じであったが、最後に乗ったマニュアルミッション(MT)の「スポーツ」では伸びの不足を感じなかったのは、CVTとの組み合わせの中にその原因があるのか? 気になったのは窓の下枠の位置が高いこと。駐車券を取るために窓から腕を出すのに高い位置に腕を上げる格好になり、やりづらい。ETCを付ければ高速料金の支払いで窓から腕を出すことはないだろうが、何かと腕を出す機会はあるはずで、ちょっと気になった。これは単にエクステリアデザイン上のラインでそうなったそうだ。 それにしても三菱がMT車を残してくれたのはありがたい。6速でなく5速ではあるがMT党の私としては、MT車がお奨めの車種だ。 これから出るエボが楽しみだ。特にツインクラッチSST(スポーツシフトトランスミッション)がどんなものが、試してみたい。
2007年09月08日
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残暑お見舞い申し上げます。というとおり、いまだに暑い日が続いている。でも、我が家では作動確認のためにONしてみただけで、結局今夏もクーラーを使っていない。いや、もう20年以上クーラーは使っていないような気がする。当初はそんな意志ではなかったはずだが、今では地球温暖化防止へのささやかな努力のつもりもある。窓を開けドア半開きにして風通しを良くすればクーラーは要らない。特に暑い日は扇風機をつける。それでしのげる。夕方など、自然の風が入ってくると、そのさわやかな涼しさはクーラーでは味わえない快感だ。 そもそも、昔は各家庭にクーラーなんてなかった。自販機もなかった。今のように気軽にドリンクを買って飲んだりもしなかった。しかし熱中症で倒れたり死んだりなんてほとんど聞かなかった。 私が充分若かった頃、7月末に恒例の富士1000kmという耐久レースがあった。当時はクールスーツなどなく、走行中にチューブで水分を飲むようなシステムすらなかった。非常に暑くてのどがカラカラ、脱水症状寸前で走っていたが、私は特に熱中症などにはならずにすんだ。しかしピットに戻ったら、缶飲料を立て続けに2本くらい飲んでようやく落ち着いて3本目を飲み始めるほど、体内の水分は消耗していた。自分は熱中症になったことはないが、一度だけ、富士の100Rを抜けてヘアピンにやってきたクルマが惰性でヘアピンをそのまま真っ直ぐ進み、カードレールに当たるのをパドック側から目撃した。後で聞いたところによると今で言う熱中症で意識がもうろう、あるいは失神していたらしい。 そのことを覚えているくらいで、昔は連日ニュースで熱中症を報じるようなことはなかった。かつてより都市をはじめ全国的に温度が上がっているのも確かだろう。クーラーを使うということは熱を排出していることだし、高層ビルによるヒートアイランド現象もある。その意味では今のほうが環境は厳しくなっているといえる。しかし、一方で現代は人間自体の環境への順応性が落ちているのだと思う。環境への順応性を無くした生物は絶滅する。クーラーで育つことはその順応性を落とすことになる。夏は汗をかく。それが良いという意識があるからクーラー無しの夏を今年も過ごしている。
2007年08月26日
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終戦の日、NHKの「憲法9条」の番組で、改憲派の小林よしのり氏が「国民みんながガンジー主義を取れるなら9条はこのままでもいいよ」と言っていた。(逆説的に言ったのは分かっているが)是非それでいきましょう。 改憲派の人々に私が感じたのは「やっぱりあなた方は国際紛争の解決に武力を使うつもりがあるのね」ということ。突き詰めるとそうなる。それをやめて外交で解決しようというのが9条の精神。それは「外国に蹂躙されるのをただ黙ってされるがままにしなさい」といっているのではない。 それと、日本が「いかにアメリカに隷属した状態にあるか」の認識が、改憲派にないのはもちろん護憲派でも薄いと感じた。「日本は今アメリカに侵略されている」くらいの認識を持たないと、これからも日本はアメリカにいいように吸い上げられ利用され続ける。それを認識せずに何が北朝鮮の脅威、中国の脅威だ、と言いたい。 出演しなかったが、元レバノン大使でイラク戦争に反対の意見を具申して外務省を事実上退職させられた天木直人氏の「憲法9条こそ最強の安全保障政策だ」を私は全面的に支持している。アメリカとイスラムの戦いに日本は巻き込まれてはいけない。
2007年08月15日
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8月1日にマツダが「RX-8ハイドロジェンRE」を経産省に納めた。このハイドロジェンREはバイフューエルとかデュアルフューエルといわれるもので、2つの燃料、この場合は水素とガソリンを切り替えて使えるものだ。これはBMWの水素エンジン車「ハイドロジェン7」と同じである。現在の水素の貯蔵技術では水素だけで充分な航続距離を確保するのは無理であり、水素だけに頼るわけにいかない。そのままでは水素エンジン車の普及は難しい。しかしガソリンとのバイフューエルならたとえ水素ステーションが未整備でも、普及の可能性を持っている。当面は水素ステーションが集中している関東圏が中心になるだろうが、水素自動車の増加と水素ステーションの設置が相互に作用しながら普及していく可能性を持っている。これは電池だけでは航続距離が稼げないプラグインハイブリッドの場合と全く同じだ。 自動車の究極の姿は電気自動車(EV)であると私は思うが、水素エンジン車を推す人もいる。確かに水素エンジン車もほぼゼロエミッションであるから、可能性がないわけでもないし、水素の貯蔵技術の進歩次第ではかなりの期間君臨するかもしれない。しかし私が「EVこそ究極」とするのには、車両の運動制御の点もあるからだ。メーカーごとにいろいろな名前が付けられているが、スピンやコースアウトを防ぐいわゆるスタビリティーコントロール、これがモーターのほうが圧倒的にやりやすいし、素早くできる。モーターの制御は内燃エンジンの制御より100倍速いという。将来はエアバッグなどと同様に、一部のクルマでなく、すべてのクルマがトラクションを含めて運動制御されるはずだから、これも大きな要素になると思う。
2007年08月09日
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昨日の新聞にトヨタがプリウスのプラグインハイブリッドの公道試験をいよいよ始めると報じていた。すでにプラグインハイブリッドの開発は宣言していたので、「いよいよ」という感じだ。ただ今年1月のデトロイトショーでGMやフォードはプラグインハイブリッドのコンセプトカーを発表しており、また、カリフォルニアでは民間会社が独自にプリウスをプラグインハイブリッドに改造して走らせているのだから、突出して早い対応ではない。 自動車の究極の姿は電気自動車(EV)である(内燃エンジンファンには申し訳ないが。内燃エンジンがあるとすると水素エンジンしかない)。しかし航続距離が短いことがネックで、すべてのクルマをすぐにEVにすることはできない。一部は現在でもEVとして発展する余地はあるが、まだまだコストを含めて技術的なブレークスルーが必要だ。EVに到達するまでのつなぎとして普通のハイブリッドであったり、エタノール燃料車であったり、ディーゼル車であったりするが、あくまでもこれらはつなぎである。燃料電池車への意欲はホンダ以外は下がっているが、これも電池の性能が上がれば発電機(燃料電池)をクルマに積む必要はないのであり、やはりつなぎのものと考えられる。 現在ガソリンエンジン車に乗っている人も、毎日30~40kmしか走らない人も多いはずだ。だからといって航続距離が40kmしかないクルマを買うわけには行かない。休日には遠出をすることもあるからだ。そのときのために航続距離が普通にあるクルマを買わざるを得ない。しかし、プラグインハイブリッドなら毎日はEVとして乗れる。燃料代は格段に安い。CO2の排出も少なく、温暖化対策にもなる。プラグインハイブリッドは航続距離が足りない分は内燃エンジンに頼るが、可能な限りはEVとして走る。このシステムが発展して、EV走行可能な距離が伸びていけば、自然にEVに到達する。 問題はコストだが、初期費用は高くても燃料代が安く済むことで割り引けるところはある。短距離の通勤やちょっとした買い物など1日の走行距離が短い人ほど、プラグインハイブリッドは有効だ。一気にEVを目指すメーカーもあるが、航続距離に保険をかけたプラグインハイブリッドは今後の主流になると思う。どこが真っ先に量産モデルを出し、本腰を入れるか!大いに興味がある。(やっぱりトヨタかなぁ)
2007年07月20日
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13日にダッジキャリバーとナイトロの試乗会に行って来た。キャリバーは可変バルブタイミングの2.0LのDOHCエンジンにCVTとアメリカ車にしては進んだ機構で、乗ってみてもあまり違和感は感じられなかった。ナイトロはミッドサイズSUVで、タイトコーナーブレーキング現象があるパートタイム4WD。切り替えはスイッチで電気的に行なう。クライスラーの説明員の方が、4WDにすることによりトルク配分が50:50になると言っていた。 これは正確ではない。50:50にならない分かりやすい例として、たとえば前輪が氷の上にあり、後輪が舗装路面であるとき、駆動力をかけたらそのほとんどが後輪に移る。極端なことを言えば前輪が浮き上がった状態ではトルクは100%後輪に掛かる。前輪は回ってはいるけど路面をけっていないのでトルクの伝達はしていない。 景山夙著「図説四輪駆動車」(山海堂刊)によれば、「ものの本にはよく[直結4WDのエンジン・トルクは前50%:後50%の均等に配分される]と書かれているが、それはまちがいで、正確には前後輪の接地部が同一のμなら、前後輪の重量配分、すなわち前輪荷重が60%なら前60%、後40%であり、また、前後輪でμが異なっているときは、それぞれの車輪の最大駆動力、すなわち前輪は、前輪荷重×μ、後輪は、後輪荷重×μの比によって配分される。」と書かれている。 ようするに「前後輪のグリップの違いがトルク配分に関係する」といっており、「直結の4WDの前後のトルク配分は50:50」と決めつけるのは、間違いということだ。
2007年07月15日
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三菱自動車が車両運動統合制御システムの「S-AWC」と自動変速マニュアルトランスミッション「Twin Clutch SST(Sport Shift Transmission)」を新開発して発表した。「S-AWC」は従来もランエボに採用されていた車両運動制御を発展させたものだが、SSTのほうは新登場の技術だ。といっても、これはVWがすでにゴルフGTi などで採用しているDSGと基本的な機構は同じものだ。すなわち、1,3,5速の奇数ギヤと2,4,6速の偶数ギヤの各シャフトにそれぞれクラッチを設け、たとえば1速から2速へシフトアップするときには、2速ギヤは噛み合わせを済ませておくがクラッチは切れた状態で待機する。1速ギヤが役目を終えてクラッチを切るとともに2速ギヤ側のクラッチをつなぎ、2速へのシフトを完了する。つまり、この切り替えを電子制御で自動化しているわけだ。 VWとの違いはクラッチがVWは乾式で軸上の内側と外側にクラッチを持つのに対し、三菱は軸上に並列に湿式多版クラッチを配置していることだ。湿式としたことに関して三菱はディーゼルの大トルクに対応するためと、フィーリングのよさを挙げている。 流体のトルクコンバーターを使わないので伝達効率が高く、5速ATと比べると15%燃費が向上するというが、もっと良いのは乾式単版の普通のマニュアルミッションである。やはり優れものはMTですよ!
2007年07月11日
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水素も電気もそのままの状態で存在はしない2次エネルギーだから、1次エネルギーを加工して作り出さなければならない。理想的には自然エネルギーだが、まだ今の段階ですべてまかなうにはコスト的に引き合わず、化石燃料や原子力にも頼らざるを得ない現状がある。しかし、現実を理想に近づけようとするのか、理想を現実に近づけようとするのかでは大きな違いがある。憲法9条と同じだ。理想を現実に近づけようとするとこれからも原子力に頼ろうとして大きな予算をそれに向けることになる。しかし、現実を理想に近づけるなら、原子力は縮小廃止方向をとり、予算は自然エネルギーの開発に振り向けることになる。代替になる大きなエネルギーに頼るのではなく、その場所に適した自然エネルギーを使い分けるのが良い、と以前に言ったが、考えてみればそのほとんどは太陽エネルギーにたどり着く。風力も水力も波力も潮力も元は太陽エネルギーだ。地球は太陽の恵みで成り立っている! ところで、5月29日に「次世代エネルギー研究最前線」という講演を聞いてきた。これは独立行政法人の科学技術振興機構というところが開催した報告会で、その中で非常に心強い話があった。太陽から来る地球上のエネルギーは1.2×10の14乗kWで、消費の1万倍。全砂漠面積の2%に変換効率15%の太陽電池を設置すれば地球の全消費エネルギーを生産できるという。ちなみに日本の全太陽エネルギーは5×10の10乗kWで、消費の100倍であるという。 エネルギーの世界地図はいずれ大きく様変わりする。日本は悲観する必要なし。
2007年07月09日
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「また水素」といわれそうだが、7月3日にBMWが「モビリティの現在・未来:水素エネルギー展」についての記者会見を行なったので、遅くなったが報告しておこう。これは東京新都心、江東区青海の日本科学未来館で7月4日~8月19日まで行なわれる(入館料として500円、7月9日は無料開放日)。展示は3つのゾーンに分かれており、水素の意義や現状と可能性などが楽しみながら勉強できるようになっている。これに合わせて、「BMWクリーン・エネルギー全国キャラバン」を東京からスタート、年末にかけて順次札幌、仙台、大阪、名古屋、神戸、千葉、福岡、京都などに移し、水素エネルギーについての展示や水素自動車の試乗会などを行なう。試乗車の「BMWハイドロジェン7」は今回2台を日本に持ち込んだ。2001年にも「ワールドツアー2001」としてBMW750hLを持ち込んだが、これはプロトタイプであった。今回のハイドロジェン7は量産型というのが大きな特徴で、安全面でいろいろなテストを行ってきたという。BMWは珍しく液体水素に取り組んでいるが、高圧ボンベの場合と同様、高温の火の中にくべたり銃弾を打ち込んだりその他いろいろ行なって安全性を確認しているという。 いずれにしろ、BMWは単に車を作るばかりでなく、水素社会のインフラ整備にも力を入れていることだ。それが今回の展示会であり、キャラバンだといえる。水素エンジン車や燃料電池車が普及するかどうかは別にしても、定置型の燃料電池は必ず普及するし、将来の2次エネルギーが水素と電気になるのは間違いない。問題は1次エネルギーだが、これについては次回。
2007年07月07日
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ガソリン車の燃料タンクは衝突事故などでもすぐには壊れないが、大事故などではタンクから漏れたガソリンに引火、炎上することがある。ガソリンは気化しやすいので漏れると気化ガソリンがあたりに漂う。空気より重いからだ。これは実に危ない。何かのきっかけで引火すると爆発的に炎上する。 水素の場合はすぐに上昇していくので、路上に漂うことはない。配管から漏れた水素に引火すると炎を吹き出す形になるが、それまでだ。もしガソリン車と衝突して高圧の水素タンクがガソリン車の炎の中に入ってしまったとする。それでも、熱せられた高圧の水素タンクが爆発を起こすことはない。タンクの圧力が基準以上に高まれば安全弁が開いてそこから水素を噴き出す。当然火炎放射器のように炎が一瞬10mぐらい伸びるが、タンクが爆発することはなく、20秒ほどでおさまる。 満タンでないガソリンタンクは空いた空間に空気が入るので、可燃ガスが充満している状態だ。炎の中に置かれればタンク自体が爆発する危険がある。水素タンクの場合は中に水素しか入っていないから、タンク内で水素が燃えることはない。あくまでもタンクから噴き出た水素が空気中の酸素と混じって燃えるだけだ。 かつて飛行船のヒンデンブルグ号が炎上したのが有名であるが、あの事故も決して爆発したのではない。外皮に塗った塗料が落雷か静電気で燃え出し、その火災がもとで内部の水素に引火して激しく燃え上がったものだ。したがって、爆風で人が吹き飛ばされたり、物を破壊したという事実はなかった。天然ガス、LPGはもとより、ガソリンよりも水素は安全性が高いといえるのだ。
2007年06月24日
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渋谷の温泉施設での天然ガスの爆発は死者も出て大きな話題になっている。施設の区画された部屋に天然ガスが漏れて溜まり、それに引火し爆発したという。換気扇があったが、機能しなかったともいう。 もしこれが水素だったら……といっても掘削で水素が出てくるわけでないことは承知している。天然ガスは1次エネルギーだが、水素は2次エネルギーでそのまま自然界には存在しない。「水素だったら」というのは、将来の水素社会を展望しての話だ。 水素も可燃性のガスであり、当然爆発の危険性はある。しかし、多くの人が不安を抱くほどではないと言いたい。天然ガスはもちろん、ガソリンのほうがよほど危険が大きいと考える。たとえば今回のように、部屋に水素が漏れ出したとする。燃料電池車とか水素ロータリー車とか、あるいはBMWハイドロジェン7がガレージに入っているような場合だ。もし、水素が漏れ出したらどうなるか。水素は軽いからすぐに上昇する。高い位置に換気口をあけておけば、そこから勝手に逃げていく。室外に出た水素はさらに上昇して空気中に雲散霧消してしまうので爆発には至らない確率が高い。換気扇も要らない。ただ高い位置に隙間を設けておけばよいのだ。
2007年06月22日
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かねてから執筆を進めていた「基礎から最新 クルマ用語」ができました。私はエコカー関係と燃料関係の部分的な執筆ですが、編集部とともに全体のチェックにも協力しました。用語集ではありますが、エンジン関係とかパワートレインとか項目別になっているので、最初から読み進んでも良いし、興味ある部分を拾い読みしても良いようになっています。もちろんあいうえお順の索引で項目を探すこともできるので、用語辞典としての機能も持っています。いざというときのために手元においておくのも良いと思います。グランプリ出版の発行で「1600円+税」です。と久しぶりの更新ながら宣伝になってしまいましたが、よろしく。
2007年06月13日
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昨日発売の週刊プレイボーイに「バイオガソリンなんてヤメちまえ!」という記事が載った。燃料用メタノールのために食料が脅かされるのでは本末転倒であるし、サトウキビ畑のために森林を伐採したのでは、意味ないどころか有害である。しかしなぜ世界中でこのようなことが起こるのか、私からすれバカバカしい限りだ。そもそも、エタノールへの過大な期待が間違っているのだ。コレはPB誌の指摘どおりだと思う。それはエタノールだからではない。次世代の燃料として何か特定なものに過大な期待をすることがそもそも間違っている。 将来は自然エネルギーに頼らねばならない。風力、太陽熱、小規模水力、地熱、バイオマスその他あらゆる小さなエネルギーを「チリも積もれば山」式に使っていかねばならないのだ。石炭に替わって「石油」といったものはもうないのである(核融合という人はいるだろうな。コレについてはいずれ)。エネルギーに関して救世主はいないと思うべきなのだ。人類が将来頼らねばならないエネルギー源はいずれも小さなものだが、みんなが身近に利用すれば、大きなものになる。 エタノールがエネルギー問題の救世主のような感覚を持つことは確かに間違いだ。しかしエタノールは廃材からも取れるというし、いろいろなものから取れる。そもそも日本は減反政策で米を作らせないなんてことをやっているが、田畑の有効利用でエタノールができるなら歓迎だ。大切なのは特定なものに過大な期待をしない、それを心得ておくことなのだ。
2007年05月22日
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シビックタイプRが、3月30日の発売後1か月で予定の5倍強の2100台を受注したという。クルマに関してスポーツ離れしている今の若者をみて憂えていた私としては、喜ばしいニュースだ。もっとも、インテグラがなくなった現状からすれば、スポーツ志向の人がシビックに行くのは当然であろうし、2100台くらいは当然と考えたい。 それにしてもシビックの初期のスポーツバージョンのRSにしてもエンジンは1300ccであった。その後1600ccの時代が長くあったが、いまや2000ccだ。かつてより燃費は向上しているかもしれないが、エンジン排気量が大きいということは、それだけ石油をたくさん使うことであり、好ましいこととは思っていない。したがって一方で「大きい車は地球に良くない」という意識も作っていかなければならないとも考える。良いニュースだが、複雑な思いもある。
2007年05月10日
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約1か月休んでしまったので、一部の方には身体の心配までいただいてしまったが、忙しさにかまけていただけで、申し訳ありません。その間、4月27日からいよいよエタノールを3%ガソリンに混入させたE3ガソリンが試験販売された。実際に販売されたのはエタノールとイソブテンを反応させて作ったETBE(エチル・ターシャル・ブチル・エーテル)を混入したもの。 ところでこのエタノールの混合方式は環境省と石油連盟で主張する方式が違っている。環境省はブラジルをはじめアメリカで行なわれているエタノール直接混入方式だが、石油連盟ではヨーロッパで多いETBE方式だ。石油連盟は直接方式では蒸気圧が上がって燃料蒸発ガス(HC)が増加する、水分の混入でガソリンとエタノールが分離しやすく腐食や劣化を促進する、といった理由を挙げてETBE方式を主張し、今回はこの方式で試験販売が始まったが、石油連盟の主張が必ずしも妥当かどうか分からない。ETBEを作るイソブテンは石油系の物質であること、直接方式での弊害を除去するには設備投資の負担があることなど、業界に有利な方式でありそう。環境省は、すでに直接方式でやっている外国の例からも直接方式に「決定的」な問題があるとは考えにくい、としている。私も、もっと精査する必要はあるが、エタノールの割合を将来増やすことも考えたら、直接混入方式のほうが、良さそうに思える。 ちなみにインディレースはETBEでなくエタノール100%燃料である。
2007年05月06日
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フランスのTGVが鉄道での最高速記録574km/hを出したという。テレビニュースで映像も見たが、やはりめちゃ速い。だが、不安が頭をよぎる。 もう十年近く前だが、ルマン24時間レース取材のときにTGVの乗ったことがある。車体を洗車していないため汚いのが印象的で、その点では新幹線はきれいだと思った。走り出すと快適ではあったが、不安はそのときに感じた。それは交差している陸橋が、欄干も低くなんの防御もないのだ。橋の上からTGVめがけて何か落とすのはたやすいし、故意でも事故でもクルマが線路上に落ちてくることすらありそうな橋をいくつも高速でくぐり抜けていくのだ。 日本の新幹線では掛かっている橋には厳重な防護柵があるし、線路内にも簡単には入れないようになっている。しかし、TGVは線路内への立ち入りも容易そうだし、橋の上から何か投げ込むことにも全く無防備に感じたのだ。それが、今回の速度記録の映像を見ても、橋の上の状況はかつてと変わっていないように見えた。570km/hの速度で橋をくぐり抜けるのに、その橋の上はほとんど無防備に見えたのだ。フランスはそんなに安全な国柄なのか? 私にはどうしても不安がぬぐいきれない。
2007年04月04日
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先週のSUGOの耐久レースの翌日(19日)は沼津のミニ専門ショップ「ハイウェーブテーション」に取材に行って来た。そこまでは良かったのだが、20日の家でディスクワーク中、のどがどうもいがらっぽく何度も咳払いをしていた。夕方になってもしかして風邪かなと思って熱を測ったら案の定37度少々あった。私は風邪など薬を一切飲まずに独特の対処法により、一晩で、悪くても二晩あれば確実に直せる自信があった。ところが、3日目になっても熱は一向に下がらないばかりか、むしろ38度台の高い水準で推移するばかり。 ついに私も決心し、22日に医者に見てもらったら、なんとただの風邪ではなく「インフルエンザA型」ということだった。どこで感染したのか不明だが、話題のタミフルも処方してもらい、さらに妻の手厚い看病のおかげで(コレを書いておかないと後が怖い)ようやく快方に向かうことができた。それにしても、やはりインフルエンザは手強いということを実感させられた。締め切り間際でなったのが幸いだったが、1週間近く寝込んでしまい、仕事にも大きな影響が出てしまった。参りました。 現在もタミフルの服用を継続中だが、歳のせいか異常行動は全く起こしていません。
2007年03月25日
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予定していた人がギックリ腰をやってしまったということで、急きょ私にピンチヒッターのお声が掛かり、SUGOの3時間耐久草レースにロードスターで出場してきた。正式には「THE 耐感・耐寒180min 2007」という走行会に近いレースというか、レースに近い走行会というか、かなり砕けた内容のイベントだ。もちろん走り出してしまえはそれはまさにレースでしたが。 ドライバーは3人で、最初は一番若い熊さんがスタートドライバーを務めたが、長いペースカー先導があったり、ついには寝不足がたたって体調不良を起こし予定より早めに降板。2番めにクルマのオーナーでもある若さんが乗り、次第にペースが上がってよい感じになってきたところでスピン、後続車にぶつけられてリヤバンパーを破損。その手当てに10~15分くらいをロスしてしまった。練習走行では私も一度スピンしたが、我々のロードスターはリヤのブレーキが効きすぎて、強いブレーキングで姿勢を崩してしまうのだ。これを直せばもっとタイムは上がりそうだ。 最後に私がたっぷり1時間を任された。久しぶりのSUGOだったが次第に調子を上げて順調にタイムを刻んでいけた。そして予想以上?のチーム内ベストタイムも出して無事チェッカーを受けることができた。結局私が一番レースを楽しんでしまった感じでした。 写真は左がピットクルーをやっていただいたメカニックの石川朗さん。現在はショップをやっているが、実はかつてドライバーとして活躍した名のある方なのだ。中央はクルマのオーナーでミニプラス副編集長の若さん、右が若手の熊さん。私はカメラ側。
2007年03月18日
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今週末のオーストラリアでのF1開幕を控え、トヨタとホンダが、相次ぎ記者発表を行なった。トヨタの発表はF1だけという訳でなく、底辺まで含めた今年のモータースポーツ活動全般に対するもので、渡辺社長も出席して挨拶や質疑にも応答していた。残念ながらシューマッハとトゥルーリは出席できなかったが、大勢の記者が集まった。マシンはF1、ナスカーのカムリ、スーパーGTレクサスを展示していた。 本田のほうは福井社長の出席はなかったが、バトン、バリケロ(本人の発音)、そしてスーパーアグリの琢磨、デビッドソンは出席した。本田はF1のカラーリングをスポンサーロゴを廃して環境問題に直面する地球をイメージしたものにしたが、エンジンだけで実車の展示はなかった。それでもF1の技術がむしろ地球環境にも貢献するものであることを盛んにアピールしていた。オイルショックのとき「ガソリンの無駄使い」とマスコミにたたかれシュンとなったことを思い起こすと、メーカー、マスコミとも様変わりし、隔世の感がある。 写真はナスカーのカムリ。エンジンは5.8L、V8で800HPという。テールランプのレンズはダミーで、絵を描いたもの。基本的にレース中はブレーキングしないので、ブレーキランプは不要なのだ。
2007年03月12日
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カーナビは当初記憶媒体がCDであった。それがDVDに置き換わり、現在はHDDのほうがシェアを広げている。CDは事実上姿を消し、HDDとDVDの世界になっている。ところが、昨年後半あたりから「メモリーナビ」というのが急進している。実はある会合でナビについて講演というより報告レベルの話をさせていただいたのだが、そのための調査で見えてきたことだ。 メモリーナビはポータブルだが、逆は真ではない。ポータブルナビは以前からあった。メモリーナビは「簡易ナビ」などとも言われるように、今のところその記憶容量から機能は高くない。しかし、駆動装置など機械的なメカがないので小型で価格が安いのが特徴だ。たいていがフラッシュナメモリーを内蔵し、データのやり取りはSDカードメモリーを使う。サンヨーのミニゴリラは少し高めだが、大雑把に言えば実売価格5万円前後である。サンキュッパというのもある。機能は高くないといったが、確かにVICSには対応していないものの、カーナビとして充分使えるだけのものは持っている。音声案内はもちろんしてくれるし、いろいろな検索機能もある。 私がお手伝いをしているミニプラスという雑誌の編集部の(ローバー)ミニにもすでに「迷わん」というメモリーナビを搭載していたので、有効性も確認していた。そのミニプラスも3月15日発売号で各種メモリーナビの紹介ページを設けている。車両自体が安く室内が狭い軽自動車などには特にメモリーナビはお手ごろで似合う。今後の市場はDVDナビとHDDナビいう構図から「メモリーナビとHDDナビ」になるかもしれない。 写真は「迷わん」。GPSアンテナは本体に付いているので水平に起こせば(右写真)それでOK
2007年03月06日
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マニュアルミッション車の時には、確かに上り坂発進は初心者にとって難しいことであった。免許の実技講習でも必須科目であった。それは、クラッチミート、エンジンの回転数、パーキングブレーキの解除の3つのマッチングが必要だったからだ。しかし、オートマ車になって、アクセルとブレーキの解除だけの問題になり、エンストの心配も事実上なくなり、非常に楽になった。私などは、もはや上り坂発進の課題がクルマにあるなど、考えていなかった。 ところが、ホンダが22日に発表したクロスロード(の4WD)では、「ヒルスタートアシスト」機能、まさに上り坂発進の支援機構を装備したという。基本的にはVSAと呼ばれる車両挙動安定化制御システムの中の一つの機能としているのだが、私などからするとまさに至れりつくせりといった感じの機構だ。 具体的には5~35%の坂道での発進時には、ブレーキペダルからアクセルペダルに右足を移す間、クルマがバックしたりしないように1秒間はブレーキが掛かった状態を保つというもの。したがってパーキングブレーキの操作は全く不要で、落ち着いてブレーキペダルからアクセルペダルに足を移すことができるというものだ。確かに足踏み式のパーキングブレーキでは慣れないと操作しにくいかもしれないが、「ここまで配慮する時代なんだ~」という感じ。私はオートマ車では左足ブレーキングも日常的に使うので、全く不要の機構なんだけど。
2007年02月22日
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ホンダレーシングの発表会でもうひとつ私にとって興味深いことがあった。それはインディーカーレースが燃料を100%エタノールとしたことだ。もともとインディは1965年から石油系アルコールであるメタノールを燃料としていたが、昨年はそれに植物系アルコールのエタノールを10%混合した燃料とした。それを今年から100%のエタノールにしたわけだ。 そもそもインディレースがガソリンでなくメタノールを使ったのは、超高速でクラッシュも多発することから、安全性の高い燃料として採用したからだ。それだけガソリンは気化した状態では特に爆発性があって危険で、メタノールのほうがその危険が少ない。ただ、燃えているのが見えにくいという難点があるが、一方で水で消火できる利点もある。ガソリンよりエネルギー密度も低いので、同じ排気量ではパワーは少ない。 エタノールに替えたのは、やはりエネルギー・環境問題を考えたためである。オクタン価はメタノールよりエタノールのほうが高いということだが、エンジン排気量は3.0Lから3.5Lにアップされた。 エタノールエンジンとしたことでの技術的課題はやはり腐食の問題が大きいようだ。シール類など対策品が使われているという。普通の自動車用としても今エタノール燃料が注目されており、ガソリンとの混合でE85などが話題になっている。インディレースはその技術開発に貢献するだろうし、すでにフィードバックもされているはずだ。
2007年02月20日
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2輪と4輪合同だから大勢の人が集まった。ホンダレーシングとしての各カテゴリーの体制発表がまずあり、しばらくおいてキックオフパーティに移ったが、F1ドライバーは海外から専用の衛星回線を使ってスクリーン上に呼び出しての会見も。さすがホンダ。今までだと海外組みはビデオレターで済ませていたが、実況で記者会見に参加させていた。 スーパーGTの体制については、今年はオートバックス、童夢、ナカジマ、国光に加えてローリングストーンリアルレーシング(ドライバー、金石勝智、金石年弘)が加わり5チーム体制だ。その他Fポン、F3、FCJ(フォーミュラチャレンジジャパン)までは触れるが、インテグラレースの記述がないのは、私としては残念。このことは底辺を大切にしたい私の意識とはやはり少しずれている感じ。メーカーはもっと下を見てほしい。インテグラを買って、さらにお金を掛けてレースに打ち込んでいる人たちの努力を。これも自動車文化のひとつなのだ! 写真下左からホンダF1チームの和田康裕会長、ニック・フライCEO、中本修平ディレクター、そしてスーパーアグリチーム鈴木亜久里監督、バックの衛星中継画面は同チームの佐藤琢磨とアンソニー・デビッドソン。
2007年02月19日
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東京のビッグサイトで開催されたFC EXPO 2007に行って来た。最終日に3時間の駆け足見聞であったが、いろいろ勉強になった。自動車メーカーの直接の出展はなく、JHFC」すなわち「水素・燃料電池実証プロジェクト」としての出展の中での参加で、この中にはとりわけ目新しさはなかった。 アルミによる水素製造はごく小規模なもので、モバイルの分野では良いかもしれないが、水素社会全体を左右するものではなさそうに感じた。それより水素製造に関してはアンモニアが注目であった。アンモニアを電気分解して水素を取り出すのだが、水の場合より大幅に少ないエネルギーで可能にしたという。電気分解時には触媒が必要で通常は白金が使われるが、「Acta]というイタリアの会社によれば、特殊な技術により白金の使用量は極微量で、必要なエネルギーも理論的には水の場合の5%程度というから、確実なら有望だ。今後を注目したい。 もうひとつは水素の貯蔵・供給システムに「有機ハイドライド」が有効であるというもの。見た目は単なる透明な液体であるが、触媒を利用することで水素を貯蔵したり取り出すことができるというもの。メチルシクロヘキサンとかデカリンといったものだが、水素含有率が高く、水素吸蔵合金はもちろん、圧縮水素や液体水素を輸送するよりも効率が高いという。 いずれにしてもいろいろな発展性が感じられた展示会で、燃料電池は確実に将来のエネルギー問題の中核に位置するだろうことが感じられた。将来、燃料電池がクルマに搭載されない状況が出てきても、社会に燃料電池が普及していない状況というのは考えられない。
2007年02月09日
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日本自動車輸入組合(JAIA)という組織が毎年行なう試乗会がある。今年も神奈川県の大磯プリンスホテルで行なわれ、久しぶりにミニプラススタッフといってきた。会場には各国の外車がずらり。やはり高級車が目立つ。私として試乗してみたかったのはここでも紹介したゴルフGT TSIだったが、はじまる30分前でも我々のいられる1時までは予約が埋まっていて無理だった。 結局、アウディA3スポーツバック、アルファ159、BMW3シリーズツーリングやジャガーなどに試乗してみた。公道上の試乗であり、運動性能の限界を試すようなことはできないし禁止されているが、それでも乗り比べると結構違いが感じられる。特にアウディのSトロニックミッションはアクセルレスポンスが非常に良いのにびっくりした。AT車のような加速の遅れが全くない。これに乗ったら普通のATなどまるでドンくさい。たとえ6速だ、8速だと威張ったところで、ほとんど意味がないというか薄いと感じた。 逆にジャガーのような高級車が微低速でアクセルやブレーキが敏感すぎて、穏やかでスムーズな運転には気を遣わざるを得ないといったこともあり、やはりさまざまであることを実感した。
2007年02月08日
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1月18日付けのこの欄で、クイズを出しておいて答えがまだだったので、ここで出しておこう。「0℃は水が凍る温度か、それとも解ける温度か」というものであった。これは、両方とも正しい。そもそも、この問題には温度だけを取り上げているところに難点があるのだ。水が凍ったり、氷が解けたりするのには熱の出入りが必要で、それを無視した問題なのである。そこに気がつかなければならないということ。 プラス温度の水から熱を奪っていくとまず0℃の水になり、さらに熱を奪い続けると0℃の氷になる。水が全部0℃の氷になってもさらに熱を奪い続けるとマイナス温度の氷になっていく。逆にマイナス温度の氷に熱を加えていくとまず0℃の氷になり、さらに熱を加えていくと0℃の水になる。すべて水になっても熱を加え続けるとプラス温度の水になっていく。 つまり、熱の出し入れをしても、水か氷かに状態変化するだけで温度が変わらないのが0℃であるともいえる。温度だけでなく熱量も考慮しなければいけないということです。
2007年02月04日
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「ENEX2007」という省エネルギー・新エネルギーの総合展示会に午後から行き、駆け足で見てきた。本当はその中の目新しい技術などを報告するつもりだったが、あまりに衝撃的な(悪い意味で)ブースがあったので報告する。これは、はっきり言ってイカサマだ。 24ボルトのバッテリーからの電力でモーターを回し、そのモーターが三相交流発電機を回して発電するのだが、なんと!入力の200倍の出力を出すというのだ。したがって出力のごく一部をバッテリーに戻せばエネルギーは使い放題というもの。もし本当なら画期的でエネルギー問題はほとんど解決できる。そのくらいインパクトのある内容だ。その場で装置を運転しデータをプリントアウトするが、私としては手品の仕掛けには興味なく、その原理を聞いてみたが、全く明確に答えが返ってこない。 そもそもどこからエネルギーが生まれるのか問うても、「この空間から」というようなことで明確の答えがない。さらに突っ込んでも「特許に関わることだから手の内は明かせない」と言う。「エネルギー保存則は仮説」と言ったかと思うと、「磁石が普通の10倍」と説明したので、そこを突っ込むと「いや磁石は普通のもの」と変わってしまう。かなりいろいろやり取りしたが、やたら難しい用語を使い出したり、典型的なペテン師の手法と感じた。 その社名は「グローバルエナジー」だが、WEBの検索では所在地も違う別のまともそうな会社があるだけで、もらった資料に書かれたいた渋谷区恵比寿のこの会社は出てこなかった。こうした出展を実績として、出資を仰ごうというのか、その意図は分からないが、こんな会社への投資話などに乗ったら、えらいことになる。くれぐれもご注意を。 主催者のアンケートには、「いかがわしい会社の出展は排除すべき」と書いておいた。
2007年02月02日
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NEDO(独立法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が主催した「固体高分子形燃料電池の高耐久化への展望」というシンポジウムに行ってきた。固体高分子形はPEFCと呼ばれ自動車用や家庭用定置型として最も期待されている燃料電池だ。聴講して分かったのは、高分子膜の耐久性の阻害要因として酸素がカソード(酸素極)から膜を通ってアノード(水素極)に至り、そこで酸素と水素が反応(燃焼)して過酸化水素を発生、それが水素ラジカルとなり電解質膜をいためるということ。その逆水素が膜を通って酸素極に至ってそこで反応してしまうこともあるという。その結果膜内に「白金バンド」という溶けた白金が再結晶したようなものができるのが問題らしい。 電解質膜はフッ素系が主流で、炭化水素系はもはや旧いものかと思われていたが、どっこい、フッ素系を越えるかなり期待できるものが出来てきているようだ。つまり、炭化水素系膜にはブレークスルーがあったようだ。この辺の今後推移は予断を許さない。 燃料電池の発展普及にはやはり触媒の白金の問題も大きいようだ。当初よりその使用量はだいぶ少なくなっているようだが、レアメタルとしての白金は将来的には代替が必要だ。現在の車がすべて燃料電池に変わるとすると、約半分くらいしかまかないきれないという。白金の代替品もいろいろ研究されているが、いまだ「コレ!」というのはなさそうだ。とはいうものの、この1年をとっても燃料電池は確実に進化しているというのだから心強い。今後に期待しよう。
2007年01月30日
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27日~29日の関西廻りでは大阪周辺のショップ訪問と、日曜日には岡山国際サーキットで行なわれたミニのレースイベントにも行って来た。月曜日には最近できたミニ専門ショップ2つを訪ねた。ひとつは「take the air=テイクジエア」というショップで、4年前に和歌山で始めたが、昨年10月、大阪の岸和田にもうひとつ店舗を設けた新ショップ。もうひとつは枚方市にオープンしたばかりの「10 FEET WONDER=テンフィートワンダー」というショップ。いずれも30代の若いオーナーで、非常に意欲的な方だった。ショップとしては何でもこなすし、すべてのお客さんに対応できる実力を備えながら、これまた両者ともレースチューニングに熱心に取り組んでいることに私は感動した。 それにしても、ミニが生産中止になって6年になるが、まだ新たにミニ専門ショップが誕生するのだから、すごい世界だ。もちろんいずれのオーナーも、ミニがなくなってもその高い技術力は他のクルマでも充分生かせると見た。
2007年01月29日
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土曜、日曜とミニプラス誌の取材で大阪と岡山に行ってきます。帰京したらその報告をします。 ところでイーホームズの藤田社長がかねてから訴えていた耐震偽装問題が、ようやくマスコミで取り上げられるようになった。今度こそトカゲのしっぽ切りで終わらせないでほしい。今後の展開に注目だ。
2007年01月26日
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フォルクスワーゲン(VW)が「ゴルフGT TSI」を発売した。VWが力を入れたこのTSIエンジンは、Wチャージャーというユニークなエンジンだ。普通ターボチャージャーは低速域ではすぐに過給圧を上げにくく、いわゆるターボラグを発生する。その低速域の弱点をTSIエンジンはスーパーチャージャーで補い、低速から高速まで全域で高トルクを発揮するというもの。排気量が1.4Lと小さいわりに125kW(170PS)という大きな馬力を発生するが、フリクションロスが小さく重量も軽いので効率(燃費)がよい。直噴なので過早着火の恐れが少なく、過給エンジンとしては高めの圧縮比(9.7)が取れるので、これも効率の向上、燃費の改善につながっているという。 2400rpmまでは主にスーパーチャージャーが受け持ち、3500rpm以上はターボチャージャーが単独で受け持つ。2400~3500rpmはそのときの運転状況をコンピューターが判断して両者を使い分け、シームレスにつなげる。 スーパーチャージャーもターボチャージャーもあるいは直噴も目新しモノではなが、組み合わせによってこんなエンジンが出来るという意味では非常に興味深い。試乗していないので実用燃費は分からないが、10・15モード燃費が14.0kmというのはかなりいいといえる。いずれにしろ掘り下げていくといろいろ面白そうなエンジンだ。 下はTSIエンジンのWチャージャー作動図。SCとTCは直列で接続され、3500rpm以上になるとSCをバイパスしてTCだけで過給する。
2007年01月19日
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朝食時間の前後はみのもんたの朝ズバッを見ていることが多い。みのさんが「根本く~ん」と呼ぶとお天気お姉さんの根本嬢がいつも笑顔で出てくる。でも今日は彼女ヘンなことを言ってたぞ。「今の時期の平均最低気温は2℃ですが、今日は最低気温が6℃ですからいつもより3倍も高い……」。 おいおい、そうかよ。 0℃というのは水と氷が同居する温度で、水が沸騰する温度を100℃としてその開を100等分したものが摂氏といわれる温度だ。だが、温度は上限には枠はないが、下限には枠があって、それ以下の温度はない。それが絶対0度で、摂氏でいうと-273℃となる。したがって絶対温度でいうと、2℃は絶対温度では275度Kだ。同様に6℃は279度Kである。279÷275=1.0145……。つまり百分の1~2倍といったレベルで、決して3倍ではない! でも、笑顔がかわいいから許してしまう私であった……。 ここでクイズ。 「0℃は水が凍る温度でしょうか、それとも氷が解ける温度でしょうか?」 上の文章の中にヒントがあるが、答えはいずれ!
2007年01月18日
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破天荒の意味を正しく理解せずにマスコミが使っている例が多い。マスコミが誤用して使うからなおさらそれが広まって、多くの人が、ただハチャメチャの生き方をする人を破天荒と考えているように見受けられる。 改めてその由来を大辞林から記すと、「唐代に荊州から進士の合格者が出ず「天荒」(文明未開の荒地)と呼ばれたが、劉蛻が初めて合格して、天荒を破ったと称したことから、今までだれもしたことのないことをする・こと(さま)。未曾有(みぞう)。前代未聞。」となる。 後段の「前代未聞」だけをとらえると誤用しやすいが、そもそものこの語源を知れば単なる「ハチャメチャ」な生き方をする人でなく、前人の成しえなかったことを成した立派な人のイメージがあるはずだ。 ニュースキャスターなどもそうだが、石原都知事も誤用としか思えない破天荒の使い方をしたのを私は聞いている。しかし、誤用も広まれば、「それもOK」となるからね。クレヨンしんちゃんの「そうとも言う」が、聞こえてきそうだ。
2007年01月17日
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土曜日に夕飯を食べながら何気なくテレビを見ていたら、難波靖治さんが出てきてびっくり! 後で調べたら、鶴瓶のニッポン武勇伝「言わずに死ねるか」我が家のすごい人GP、という番組だった。内容はオーストラリア一周ラリーに初挑戦した日産の難波さんの激闘記で、いかにすごいことをしたかという話。日本が車を生産できることすらほとんど知られていないころの話で、当初小さな210型ダットサンは馬鹿にされながらも、難波さんの海軍魂で悪路を完走。それだけでなくなんとクラス優勝という偉業を成し遂げる。難波さんはその実行部隊を率いるとともにドライバーを務めたすごい人というわけで、面白かった。難波さんは後にサファリラリー挑戦も開拓する。JAFの中でも車両規則を仕切った人で、「分からないことは難波に聞け」といわれるくらいだった。日産の追浜ワークスだったが、実験畑から最終的にはニスモの初代社長になった。 このラリー挑戦の企画を進めた人として宣伝畑の片山豊さんの名前も出てきたが、この方は後にアメリカ日産の社長として「ダットサン」をアメリカに広めた大貢献者で、アメリカで(のほうが)有名な方だ。後にJAFのモータースポーツ委員長を務める。片山さんが苦労して広めたダットサンブランドを日産がなくすとき「なぜダットサンの名を消すのだ」とたいそうお怒りになった話も伝わっている。 日産は当時からモータースポーツイメージの強い会社だったのだが、今はちとさみしいですね。
2007年01月15日
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旧いことを知っている人間として昔のことを今に伝えておかなければと思っての話だ。 現在のヒールアンドトーはクラッチを踏むのは一度だけである。クラッチを切ってギヤを低い位置に入れ替え、同時に一度アクセルをあおってエンジン回転を上げてからクラッチをつなぐ。この操作を右足でブレーキを踏みながら行なう。 しかし、昔はクラッチは2回踏んでいた。つまり、ダブルクラッチという操作をブレーキを踏みながら行なうのがヒールアンドトーであった。操作を説明すると、1)クラッチを踏んでギヤをニュートラルにする。2)クラッチをつないでアクセルをあおってエンジン回転を上げる。3)再びクラッチを切って低いギヤに入れる。4)クラッチをつなぐ。以上をブレーキを踏みながら行なう。 クラッチを2回踏むこの操作がダブルクラッチというもので、昔のバスの運転手は皆行なっていた操作だ。もちろんブレーキを踏みながらではないが。ダブルクラッチの意味はミッション内のギヤの回転差を合わせることにより、ギヤがすんなり入るようにするためだ。バスの運転手がダブルクラッチを使ったのはシンクロメッシュが付いていなかったからで、必要に迫られてのことだった。乗用車ではシンクロメッシュが入っていたが、昔はシンクロの耐久性や効きが充分でなかったので、レースのような急激なシフトダウン時にはこうした操作を要した。しかし、シンクロの耐久性も効きも非常に向上し、ギヤ自体の慣性力くらいは充分吸収できるようになったことから、ワンクラッチのヒールアンドトーになったのだ。年代的には75~80年代頃からだろうか? いずれにしろ昔を知っているものにとっては今のヒールアンドトーは楽だ。 下は拙著「サーキット走行入門」。ドライビング理論もあるのでご参考まで
2007年01月14日
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1月9日付でシボレー・ボルトについて書いたが、これは大手新聞(毎日)の記事から拾ったものであった。その後GMのニュースリリースが入ってきたので、もう少し詳しく紹介する。 ボルトは電気自動車としたが、それは広い意味での電気自動車で、狭い意味ではプラグインハイブリッド車になる。6時間の充電で60km走れるといっても、日本の原付4輪EVとは違うのだから、それだけではないと思っていたが、やはりハイブリッド車であった。となるとプラグインではないが、アレサンドロ・ボルタと同じハイブリッド車だ。ボルタもコンセプトモデルであるが、トヨタのSUV「レクサスRX400h」のシステムを使っているので、かなり完成されたものだと思われる。シボレーのほうは「シボレー・ボルト・コンセプト」と最初からコンセプトモデルであることをうたっているが、ハイブリッド技術ではトヨタより遅れており、完成度はまだ高くはないと思われる。ただ、プラグインとしたことは注目に値する。なぜなら、すでにトヨタもプラグインハイブリッドに積極的に取り組む方向性を打ち出しているが、GMもその方向性を打ち出したことで、業界の趨勢として単なるハイブリッド車からプラグインハイブリッド車への方向性がより鮮明になってきたと感じさせるからだ。
2007年01月12日
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「JMSナイト」と称する催しが帝国ホテルで行なわれた。JMS(日本モータースポーツ記者会)がドライバーをはじめ日ごろモータースポーツのために尽力している関係者を招いて開く、いわば07年のキックオフパーティーだ。11月28日付にて、日本モータースポーツ記者会の総会でJMSアワードの選出が行なわれたことを述べたが、その発表と表彰がここで行われた。 JMSアワードはこれから伸びる人を選ぶ趣旨があり、若手有望ドライバーが受賞することが多いのだが、2006-2007はなんと鈴木亜久里氏。この意味はF1チーム1年生で、さらに今後の活躍を期待するというもの。多くの議論の末の選出であった。特別賞は「ご苦労さん」的な意味合いが強い賞だが、こちらは鈴鹿のF1を20回立派に開催してきた鈴鹿モータースポーツクラブ(SMSC)が受賞した。 このほか、恒例のJMS選出若手ドライバーの紹介コーナーでは、栗原宗之、関口雄飛、松井孝充、八重樫啓太、山本龍司の5名が紹介された(ただし1名は高校卒業試験のため欠席)。 写真は左がJMSアワード受賞の鈴木亜久里氏、右がSMSCを代表して特別賞を受け取ったモビリティーランドの取締役土屋一正氏。
2007年01月10日
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