全7件 (7件中 1-7件目)
1
四皇の一人に加えられたルフィは、モモの助たちに見送られワノ国を出航。 同日、キッドとローも、それぞれにワノ国を出航した。 その頃、新四皇に加えられたバギーの傍らには、ミホークとクロコダイルの姿が。 彼らが設立したクロスギルドは、海軍にとって極めて危険な組織となっていた。 一方、海軍によって包囲されていたアマゾン・リリーでは、 黒ひげの乱入により、ハンコックが絶体絶命の危機に陥っていた。 レイリーが出現したことで、最悪の事態は回避されたものの、 コビー大佐は黒ひげに拉致され、子供の頃のハンコックにそっくりなパシフィスタは姿を消す。他方、カマバッカ王国のドラゴンに、サボから「コブラ王暗殺の犯人はおれじゃない」と連絡が。しかし、ルルシア王国からのその通信は、何者かによって中断させられてしまう。そして、勝者島では、「ロード歴史の本文」を横取りしようと黒ひげがローに襲い掛かる。また、ルッチたちは、Dr.ベガパンクが正・悪・想・知・暴・欲の6人に分散したと語り合う。Dr.ベガパンクの研究所がある未来島エッグヘッドに辿り着いたルフィたちは、ベガパンクにより父を改造人間にされてしまったジュエリー・ボニーと共に研究所内を巡り、様々なDr.ベガパンクやパシフィスタに遭遇しながら、時にぶつかり合う。そして、Dr.ベガパンク「正」から、「ここは過去だ」と聞かされる。 ***新しい冒険の旅が始まりました。ルフィの”夢の果て”、今巻の中ではこれが一番気になりましたね。
2023.11.26
コメント(0)
先日『復讐の協奏曲』を読んで、その主人公・御子柴礼司に衝撃を受け、 彼のことをより詳しく知るため、シリーズ開始巻である本著を手にすることに。 期待通り、そこには園部信一郎が佐原みどりを殺害した際に抱いていた感情や、 事件後の逮捕、鑑別、審判、医療少年院送致に至る経緯が記されていました。 少年院では、島津さゆりが弾くピアノにより眠っていた感情が覚醒したものの、 将来は弁護士になりたいと語っていた、最も親しかった隣室の嘘崎雷也が自死、 教官・稲見を半身不随にしてまでその脱走を幇助した夏本次郎も事故死してしまいます。 その時、稲見が突きつけた言葉が、御子柴のその後の生き方を決定付けたのでした。 後悔なんかするな。悔いたところで過去は修復できない。 謝罪もするな。いくら謝っても失われた命が戻る訳じゃない。 その代わり、犯した罪の埋め合わせをしろ。 いいか、理由はどうあれ、人一人殺めたらそいつはもう外道だ。 法律が赦しても世間が忘れても、それは変わらない。 その外道が人に戻るには償い続けるしかないんだ。 死んだ人間の分まで懸命に生きろ。 決して楽な道を選ぶな。 傷だらけになって汚泥の中を這いずり回り、悩んで、迷って、苦しめ。 自分の中にいる獣から目を背けずに絶えず闘え(中略) 自分以外の弱い者のために闘え。 奈落から手を伸ばしている者を救い上げろ。 それを繰り返して、やっとお前は罪を償ったことになるんだ(p.276)そして今回、御子柴が国選弁護人として担当したのは、東條美津子の上告審。彼女の夫で製材所を経営する彰一は、落下してきた積荷の木材が頭部に当たって入院後に死亡。ところが、事故の10日前に彰一が多額の保険に入っていたことから、美津子が人工呼吸器を意図的に遮断した疑いで逮捕され、一審・二審ともに敗訴していました。そこに、先天性脳性麻痺を抱える息子・幹也や、この事件を追うフリーライターの加賀谷竜次、さらには、加賀谷の変死を捜査する埼玉県警捜査一課の渡瀬と古手川和也も絡んできて、二転三転する状況に、読者は事件の全貌について全く見当がつかぬまま振り回され続けます。そして、最後の最後に安武里美による御子柴への一撃。コラムニスト・加山二三郎さんによる巻末の「解説」も素晴らしく、渡瀬や古手川らが『連続殺人鬼カエル男』にも登場していたことや、御子柴誕生の背景に「高校生首切り殺人事件」があることも、それで知りました。『心にナイフをしのばせて』はまだ読めていなかったので、そのうち読もうと思います。
2023.11.25
コメント(0)
雛女の序列を決めるための中間審査である鑚仰礼。 金淑妃・麗雅や藍徳妃・芳林は、自家の序列を上げるべく陰謀を企て、 雛女である金清佳や藍芳春にも、黄玲琳を引きずり落すよう圧をかける。 初の儀が始まると、玲琳は水白粉が異物と入れ替わっていることに気付く。 さらに、控えの場の巨大な天幕の柱が倒れ、慧月と共にその下敷きに。 玲琳は慧月を庇い足を負傷するが、最後まで務めを果たし、淑妃と徳妃を牽制するのだった。中の儀では、慧月が詩を書き連ねた宣紙が炎上、祈祷師に窮地に追い込まれるも、玲琳が氷の張る泉の中に身を浸してその宣紙を拾い上げ、事を納めることに成功。しかし、慧月は怒りを爆発させ玲琳を執拗に罵倒、その場から立ち去ってしまう。金家や藍家の策略によって玲琳はさらに平静を失い、慧月との距離は開いたまま。冬雪や莉莉は、主人たちの喧嘩を納めようと東奔西走、尭明と景行・景彰兄弟にも協力を仰ぐ。一方、玄歌吹は、賢妃・玄傲雪の制止を振り切って、姉・舞照を陥れた炎尋の儀の真実や、姉が命を失った直接原因である薬草・霊麻の不足を引き起こした人物を探り続ける。そして、玲琳のいる四阿を訪れた際、玲琳が当時から霊麻を豊富に所有していたことを知ると、すりこぎで玲琳のこめかみのあたりを強打、古井戸の中に放り込んだのだった。炎術で玲琳と繋がり、その窮状を知った慧月は、冬雪らと共にその居場所に辿り着くと、瀕死の玲琳の体と自身の体とを入れ替え、玲琳らにその体を引き上げてもらったのだった。 *** 「筋違いのことで怒られたから不快だったんじゃない。 友達に怒られて悲しかったんです。 空回りして悔しかったんじゃない。 思いが伝わらなくて、悲しかったんですよ。」(p.264)これは、莉莉が玲琳に語った言葉。そして次は、尭明が慧月に語った言葉。 「自分が無力なせいで、相手を危険に晒してしまう。 そのことに惨めさを感じるのは、本当なら自分が相手を助けたいと願うからだ。 そしてそれが叶わぬ状況に、罪悪感を抱くから」(p.303)いよいよ、慧月の体と入れ替わった玲琳の反撃が始まります。次巻では様々な謎が明らかになり、陰謀を企てた人々に天罰が下ることでしょう。
2023.11.19
コメント(0)
予備知識なしで、初めてこのシリーズを、いきなり最新刊で読み始めたため、 プロローグの段階で、相当な衝撃を受ることになってしまいました。 それは、冒頭の幼女殺害事件が、あの少年Aの事件を彷彿とさせるものであり、 その犯人が、本シリーズの主人公である弁護士・御子柴礼司だったからです。 ***<この国のジャスティス>というブログ主の呼びかけにより、御子柴に対する懲戒請求書が大量に届き始めたことを受け、御子柴は、懲戒請求者全員に名誉棄損と業務妨害で損害賠償を請求することに。以後、和解についての電話が事務所へ掛かり始めるが、中には事務員・日下部洋子を脅す者も。そして、洋子は外資系コンサルタント・知原徹矢殺害の容疑者として逮捕されてしまう。洋子を弁護することになった御子柴は、知原と洋子が食事をしたフレンチレストランや知原が勤務していたオフィスを訪ねて回るうち、何者かにハンマーで襲われてしまう。さらに、洋子の家族関係を探る中で、彼女が自らが殺めた幼女と友人であったことを知る。 ***残り30頁を切ったところで、ようやく洋子を被告人とする裁判の第2回の公判が始まり、ここから怒涛の如く、次々に真実が明らかになっていく様は圧巻で、流石は七里さん!津田倫子や佐原成美について知るためにも、シリーズ既刊を読んだ方がよさそうですね。それでは最後に、本著で最も印象に残った箇所を紹介します。 体制を批判し、政治家の失言と芸能人の下半身事情を拾い集め、 児童の事故対応について学校関係者を責め立てる。 どれもこれも新聞の売り上げ、 視聴率のアップには欠かすことのできない正義です。(p.299)
2023.11.12
コメント(0)
副題は「ファスト映画・ネタバレ - コンテンツ消費の現在形」。 著者は、ライター、コラムニストの稲田豊史さん。 タイトルを見て気軽に読み始めたのですが、読み進めるにつれ衝撃の連続。 想像を遥かに超えた、優れた経済社会学の一冊でした。 *** 「料理をミキサーに放り込んで、ブーンと回してドリンクにして飲む。 たしかに普通に食べるのと同じ栄養がとれます。 だけど、それって食べ物と言えるのでしょうか?」(p.64)これは、倍速視聴に抵抗感がある、台湾から青山学院大学大学院に留学中の陳さんの言葉。陳さんは、映像作品を倍速視聴する行為を「料理をミキサーにかけること」に例えました。しかし、早送りする人たちは、「観たい」のではなく「知りたい」のです。彼らにとって、それらは作品ではなく「コンテンツ」、鑑賞ではなく「消費」なのです。 「全員が全員ではないけれど、やっぱり観客が幼稚になってきてるんだと思う。 楽なほうへ、楽なほうへ。全世界的な傾向だよね。 全部説明してもらって、はっきりさせたい。自分の頭が悪いことを認めたくない。 だから、理解できないと作品のせいにする」(p.95)これは、アニメーション映画『この世界の片隅に』等をプロデュースしたジェンコで代表取締役を務める真木さんの言葉。脚本家の佐藤さんは、「口では相手のことを『嫌い』と言ってるけど本当は好き、みたいな描写が、今は通じないんですよ」と言っています。 SNSの誕生によって、どんな民度、どんなリテラシーレベルの人間も、 事実上ノーコストで、ごく気楽に「被害報告」を発信できるようになった。 それが、多くの人に「わかんなかった(だから、つまらない)」と言われない、 説明セリフの多い作品を生み出した可能性は高い。(p.99)著者の知り合いの映画宣伝マンは、「わかんなかった(だから、つまらない)」は、論理的な説明やエビデンスがいらない「バカでも言える感想」と一刀両断したのですが……。TVアニメ版『鬼滅の刃』については、脚本家やその卵たちも「絵で見てわかることがそのままセリフになっている」と口を揃えるそうです。 本来、趣味であれ個性であれ、その道のプロに追いつく必要などはないはずだ。 そんなことを言い出したら、どんな趣味もどんな学問も、 始める前から徒労感に押しつぶされてしまう。(p.151)Z世代にとって、24時間繋がり続けるLINEグループで、仲間との和を保つことは至上命題。パッケージコンテンツ所有欲は低く、サブスクで済ませようとする気質があると言います。そんなZ世代は、SNS上で輝きを放つ全国レベルの猛者たちまで「すぐ隣の存在」と受け止め、彼らと自分を比べるなかで、実際に押しつぶされていくと言います。 「ミレニアル世代が”未体験”に価値を求めるとすると、”追体験”に価値を求めるのがZ世代。 彼らは先のわからないことや想定外の出来事が起きて気持ちがアップダウンすることを ”ストレス”と捉える傾向が強い」(P.166)これは、2021年6月に「Business Insider Japan」に配信された「Z世代に流行する『ネタバレ消費』とは?”失敗したくない”若者のホンネ」という記事の一部。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の森永さんは、こうなった理由を、次のように説明します。 「大人が子供の気持ちを先回りして察しようと動く。 子供たちは、とにかく大事に大事に育てられているので、痛みに弱い。 失敗したり、怒られたり、恥をかいたりすることに対して、 驚くほどに耐性が低い」(p.167)少子化や教育のあり方の転換が影響しているのでしょうか。さらに、キャリア教育の推進は、次のような状況に若者たちを追い込んだと言います。 ただ、それは仕方のないことだ。 大学で「5年後、10年後の自分のロードマップを描け」などと指導されれば、 それを達成すべく、 在学中から綿密なライフプランやキャリアプランを組み上げる必要がある。 悠長に回り道などしている暇はない。 「とりあえず就職してから、自分の適性や本当にやりたいことを模索していこう」 が許されない時代であり、世相なのだ。(p.169) 結果、彼らは学問にまでタイパを求めるようになったと言います。さらに、2020年度の私立大学新入生への「月平均仕送り額から家賃を除いた生活費」は、1990年の7万3800円から1万8200円に激減し、日々バイトに精を出すしかない。こうして、彼らは今、次のような状況の中に身を置いているのです。 仲間内でのコミュニケーションのため、LINEグループの和を保つため、 30年前に比べればおそらく何十倍、何百倍もの本数が流通するコンテンツを、 次々とチェックしなければならない。 その量は早送りしなければ消化できないし、慎重にリスクヘッジしなければ、 ただでさえ貴重なお金をドブに捨ててしまう。 彼らはとにかく余裕がない。 時間的にも、金銭的にも、そして何より精神的に。(p.178)
2023.11.05
コメント(0)
同名の映画が公開され、話題になった頃に購入したのですが、 読了までに随分時間がかかってしまいました。 人のものの見方や価値観が移り変わるものであるということや、 「不易と流行」ということについて考えさせられる一冊でした。 「汝自身を知れ」とか、「己を省みよ」とか、こういう文句には、 考えてみると小学校以来、もう何度お目にかかってきたことか知れません。 もういい加減古臭い感じがして、どこかでこんな文句にお目にかかっても、 ああ、またあれか、というぐらいな気持ちしか起こらなくなっています。 そして、その文句の言葉どおりの意味なら、コペル君も、とうに知っていました。(中略) しかし、言葉だけの意味を知ることと、 その言葉によってあらわされている真理をつかむこととは、別なことでした。(p.272)巻末の著者・吉野源三郎氏による「作品について」には、この作品が、盧溝橋事件が発生した昭和12年7月に発行されたことや、山本有三編纂『日本少国民文庫』全16巻の最終配本、倫理を扱う一冊として、病気で執筆不能となった山本氏に代わり、著者が執筆した経緯が記されています。また、丸山真男氏にによる「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」も、この作品が書かれた背景や、その持つ意味合いを理解するうえで、とても貴重なものでした。 地動説への転換は、もうすんでしまって当たり前になった事実ではなくて、 私達ひとりひとりが、不断にこれから努力して行かねばならない きわめて困難な課題なのです。 そうでなかったら、どうして自分や、自分が同一化している集団や「くに」を中心に 世の中がまわっているような認識から、 文明国民でさえ今日も容易に脱却できないでいるのでしょうか。 つまり、世界の「客観的」認識というのは、 どこまで行っても私達の「主観」の側のあり方の問題であり、 主体の利害、主体の責任とわかちがたく結びあわされている、ということ- その意味でまさしく私達が「どう生きるか」が問われているのだ、 ということを、著者はコペルニクスの「学説」に託して説こうとしたわけです。(p.317)
2023.11.05
コメント(0)
『優莉凜香 高校事変 劃篇』、『優莉結衣 高校事変 劃篇』に続く 『高校事変』のスピンオフ第3弾。 『高校事変』で言うと『15』の前に当たる時期を描いたお話で、 優莉匡太の七女・伊桜里の名をタイトルに掲げる一冊。 ***5歳で児童福祉施設に一時保護された後、里親に引き取られて養子縁組を結んだ伊桜里。しかし、家庭では母親から虐待を受け、学校でもいじめられ暴行を受ける日々が続いていた。中学3年生になった伊桜里は、自ら命を絶つことを決意するが、それを救ったのは結衣。以後、伊桜里は結衣の効率的な指導により様々な生き抜く術を身につけていく。その頃、EL累次体からの度重なる過剰要求に業を煮やした武井戸建設は、独立を決意。EL累次体の一員に渡す上納金にC4爆弾を仕込み、受け子として潜入してきた伊桜里に運ばせる。途中で伊桜里の行方を見失った結衣は、智沙子になりすまして武井戸建設に乗り込んだ後、篤志が操縦するヘリで伊桜里がいる山中へと向かい救出に成功、EL累次体の志鎌と対峙する。 ***今巻には、日本国内のベトナム人裏社会を牛耳ってきたディエン・チ・ナムや警視庁捜査一課の坂東、スマ・リサーチ社の玲奈&桐嶋らが登場。さらに、伊桜里は中学校卒業後に凜香や瑠那が通う日暮里高校への進学を希望しており、今後、『高校事変』本編でも絡んでくることは間違いなさそうですね。
2023.11.05
コメント(0)
全7件 (7件中 1-7件目)
1