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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2010.12.29
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カテゴリ: その他
ラカン は手強いと聞いていたが、さすがであった。
フロイト ユング を読んだときとは、まるで違う感覚。
 その言葉は、精神科医というより、哲学者や宗教家のもののようである。
 とても抽象的で、現実離れした世界での言葉遊び。

 私の恩師は、私がフロイトに興味を持った際、あまり良い顔をしなかった。
 彼女の専門分野は大脳生理学。

 その後、自分自身全く予想しなかった分野へと転身、現在に至る。

さて、次の一文が、本書の中で私が最も共感した部分。

  ちなみにレヴィ=ストロースはラカンのセミネールにこの時一度出席したきりであったが、
  彼はラカンの話が、「正直言って全然分からなかった」そうである。
  そして、数々の人類学研究の中で出会ってきたシャーマンたちの姿を、
  ラカンの上に重ねたのだった。(p.227)

レヴィ=ストロース が、分からないものを、私ごときが理解できるわけがない。
こういう記述を読むと、本当にホッとする。

  対象aは、人間の経験にいつも割り切れない感じを残させるものである。
  しかし、この対象は、普遍者から見た人間自身の姿のであるから、
  それと縁を切りそこから離れることはできない。

  個別の人間を離れて普遍者の目から己を認知したいという欲望が人間の欲望である。
  その欲望に応えようとするのが精神分析である。
  近代以降の人間は、自分自身を、つまり自分の感覚の力を基準にして、
  万物を測る方法を身につけてしまった。
  ところが、そのためにかえって、


ここに出てきた「対象a」を始め「大文字の物」「黄金数」等、
普段の日常生活では、決してお目にかかれないような言葉が、
本著では当たり前のように、何度何度も使われる。
そのことに耐えられないようでは、本著を最後まで読み通すのはかなり難しい。

その前に、次の「三人の囚人」のエピソードを読んで、理解できるかどうかが、
本著を読み進めることができるかどうかの試金石となろう。
もし、これでお手上げなら、本著には手を出さない方が無難だと思われる。

  三人の囚人がいた。
  そこに所長がやって来て、こう言った。
  「ここに五枚の円盤がある。三枚が白で二枚は黒だ。
   これをお前たちの背中に貼りつける。
   他人の背中を見ることは許されるが、話をしてはならない。
   そして、自分の背中の円盤の色が分かった者だけが、
   そしてその理由を論理的に正しく構成できた者だけが、開放される」。
  そして所長は、三人のすべての背中に、白い円盤を貼った。
  結果は、三人が同時に所長のところに来て、同じ論理を述べたので、三人とも開放された。
  なぜそうなったのであろうか。(p.78)





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Last updated  2010.12.30 18:32:28 コメントを書く
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