乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.02.06
XML
カテゴリ: 社会・政治・時事

 それもそのはず、本著は私が興味を持ってる分野を合体させたような内容。
 成熟拒否を象徴する「打たれ弱さ」「他責的傾向」「依存症」という
 現代の三つの問題について述べた後、「対象喪失」に言及している。

 そこで引き合いに出されるのは、「 奈良放火殺人事件 」「 うつ 」「 薬物依存 」「 ラカン 」
オレ様化する子どもたち 』『 バカ親って言うな 』『
欲ばり過ぎるニッポンの教育 』『 日本のしつけは衰退したか 』『 死ぬ瞬間 』等々、
 私がこれまで読んできた本、そのジャンルとピッタリと重なっていた。

   ***

  親がわが子に期待をかけるのは、親の期待が、親の自己愛
  -とりわけ傷ついた自己愛-の再生にほかならないからである。
  親が、自らの果たせなかった夢を

  過剰な期待をかけて、時には暴力に訴えてまで頑張らせようとするわけだ。(p.32)

星飛雄馬だけでなく、イチローや福原愛、宮里藍、横峯さくら、石川遼も、
親の期待を背に、幼少時からスパルタ教育を受け成長した。
成功者である彼らは人生の勝者で、夢破れ別の道に進まざるを得なかった者達は敗者なのか?
それとも、誰もが皆、親の期待・願望に振り回されただけの被害者なのか?


  たしかに、我々は、両親、祖父母、兄弟姉妹、教師や友人など、
  さまざまな欲望を取り込んではじめて、自ら欲する存在になる。
  まさに、「他者の欲望」を背負って、走り続けるわけである。(p.36)

そう、自分自身の願い・希望と信じているものも、
元を正せば、本人が生まれたときから持ち合わせていたものでは決してない。
人生を歩む中で、巡り会った様々な人々の考えや思いに影響を受けながら、
それらが様々な形で組み合わさり、自分の感性に染み込みながら生じてきたもの。

  「両親のナルシシズムは(子どもへの)対象愛に変身することで、
  子どもの頃のナルシシズムの本質をあらわにするのである」(p.39)

それにしても、親が自分の願望を子どもに託すことは、そんなに悪しきことなのか?
子が親の願いを受け継ぎ、その実現に向けて突き進むことは、自己犠牲に過ぎなのか?
もちろん、自我が芽生え、本人の意志が親の願いとは全く別の場所にあると分かったとき、
それを無視して、親の意向だけを無理矢理押しつけようとするのは、まさに虐待である。

   ***

  大人になるというのは、「何でもできるようになること」ではなく、
  むしろ「何でもできるわけではないということを受け入れていく」過程だからである。
  幼児的な万能感をひきずり、自己愛的イメージにしがみついたまま、
  現実の自分と向き合うことができないのは、
  まさに子どものまま、ガキのまま、なのである。(p.46)

本著の肝となる一文である。
大人になるのが、何でもできるわけではないということを受け入れていく過程であるのは、
人として、それなりに経験を積んできた者ならば、誰でもが理解できるはずだ。
ところが、現代社会は残念ながら、次のような状態になってしまっている。

  つまり少しずつ「断念」しながら「現実適応」していかざるをえないことが多いのだが、
  それがどうしてもできない人が非常に増えている。
  自己愛的イメージと現実の自分とのギャップを受け入れられない、「成熟拒否」の一面だと思う。
  「あなたには無限の可能性がある」という幻想を教え込み、
  挫折や失敗などの「対象喪失」に直面させないことを重視してきた「けがをさせない」教育が、
  厳しい現実社会に耐えられない人間を数多く生み出すことになったのだと考えられる。(p.68)

それが「幻想」だと分かっていながら、現代社会は、
「キミは出来る」「誰でも出来る」というメッセージばかりを、なぜ送り続けているのか?
失敗の経験ゼロで、人生を乗り切れることなど絶対にないと分かっていながら、
失敗した時に、自分で立ち上がる力を養うチャンスを、なぜ極力排除しようとし続けるのか?

  その根底に潜んでいるのは、病院では「何をやっても許される」という一種の甘えであり、
  これも幼児的な万能感に由来する。
  モンスターペアレントの多くも、学校では「何をやっても許される」という感覚を抱いている。
  だからこそ、「対応が悪い」「態度が気にくわない」「誠意がない」などと責め立て、
  自分勝手な要求をし、場合によっては暴力を振るうわけで、
  いい年をした大人の根底に潜むこの幼児的な万能感にメスを入れない限り、
  モンスターペアレントもモンスターペイシェントも根絶することはないだろう。(p.100)

そして、結論。
どうすれば、成熟拒否を象徴する「打たれ弱さ」「他責的傾向」「依存症」という
現代の三つの問題を解決できるのか。
著者が示したのは、次のようなものである。

  それゆえ、転ぶ回数が多ければ多いほどいいというものでもない。
  大切なのは、転んだとき、
  1)他人のせいばかりにしない
  2)敗因を分析する
  3)自分で起き上がる
  この三つの練習を積み重ねていくことだ。(p.247)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.02.06 14:34:51 コメントを書く
[社会・政治・時事] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: