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通勤途上の車の中「小犬のワルツ」が流れた。ショパンは知らなくても、ピアノ曲で知らない人はいないほどの名曲である。あまりに世の中に垂れ流されてるために、敢えて自分で聴くこともなくなってしまった曲。しかし、今日は新鮮に聞こえてきたのである。しかも、ラジオなのに、弾いている人の姿が見えてきた。演奏が良かったこともあるかもしれない。しかし、短い中に、ぎゅっと詰め込まれたこの曲は、一度聴いたら、他の曲とは、瞬時に聞き分けられるほどの特徴がある。サロンで人々の心をつかんだのは、彼の美貌だけではないことがわかる。最初の一音から、曲に引きずり込まれてしまう。見た瞬間、理屈抜きで「かわいい」と感じる小犬のように。ネーミングもいい。夜の中に名前で売れたものがあるとしたら、これもそのひとつかもしれない。しかし、名曲の悲しい運命は、あまりに日常使われてしまうということ。私の尊敬するN神父が、「第9(ベートーベンの9番目の交響曲)は、合唱の前までがすばらしい。」と日本人の第9好きを半ばからかっていうが、私もそう思う。つまり、合唱に入るまでの緊張が、合唱に入ったとたんに突然通俗的になって、緊張が緩んでしまう感じがするのだ。それは、メロディーがあまりに流布されすぎたために起こる現象かもしれない。それは、あの新世界より(ドヴォルザーク)の「家路」と称された第2楽章やモーツァルトのピアノコンチェルト20番の第2楽章も同じ運命に至っている。もっとひどい場合は、コマーシャルで歌詞をつけられてしまったために、その曲を聴くと、歌詞がちらついてまともに聴けなるということだ。著作権が確立してきたこの時代にあって、ますます、名曲たちは、人の手垢で汚されていく。しかし、それをつきぬけて、輝きを増すことができるのが、また名曲なのかもしれない。
2001年10月29日
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私が同じ所に13年も住んでいることもめずらしいが、13年も同じ人と同じように生活をし続けていることもめずらしい。しかし、そのため私には、「老い」という問題に直面せざるをえなくなった。 そもそも祖母と同居するとき、祖父もいた。しかも、大病を患っていた。病院に毎日のように通う祖父母と付き合うことは、決して楽しいものではなかった。私は、家にできるだけいたくなかった。その気持ちは、今も変わらない。しかし、なぜそんなに家にいたくないのか。それは、老いを目の当たりにするつらさである。 いつかはおとずれる自分自身の老いが常に目の前にあることは快いものではない。これは、死を目の前にしているのと同じではないか。しかも忘れたくても忘れさせてくれないのだ。それは朝から迫ってくる。足を引きずる祖母の足音。電気をつけっぱなしのトイレ。足元をぬらした洗面台。朝から、自分の能力の低下を嘆くぼやき。何度も一日の予定を言わされる。私が玄関に立つ、車に物をとりにいくだけで、「どこに行くの?」とたずねる・・・・。 祖母の愛情は、とても深く感謝をしている。それは、わかっているが、不快で仕方がない。 非情な孫だと思われるかもしれないが、祖母との同居は、もう限界に近い。しかし、父や母にそのことが言えない。父や母に負担をかけたくないという思いといい息子でいたいと言う両方が私の口を閉ざしてしまう。私自身こうやってぼやくのは、「老い」のせいかもしれない。
2001年10月25日
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夜中に目がさめる。薬害ヤコブ病のドキュメントをみて、なぜか、自分が加害者の立場で見て、震えてしまう。人は、いつ被害者になるか、加害者になるか分からない。車を運転し、社会に関わって仕事をしていく限りは。 イギリスを舞台の映画を見る。引越しを余儀なくされた家族。理由を問う男の子が義母にいわれた「うちは多すぎるから」の一言を、書きおきに残し、二人の妹を殺して、自らも首吊り自殺。夫は、男の子を天井から下ろし、娘たちとともにベッドにならべる。義母は、夫の子が自分の子を殺したと家を出ていく。しかし兄弟同士が殺しあうことほど酷なことってあるだろうか。旧約聖書の最初にすでに兄弟の殺人が描かれている。ユダヤ、キリスト、イスラムどれも旧約聖書から始まる。近親憎悪とは、よくいったものだ。
2001年10月22日
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父が63になった。おめでとうの電話もしていないが、父の絵をここに載せて、祝いたいと思う。韓国の民族村の絵3枚ともうひとつ、父が設計した我が家の食堂の写真を載せて。「今までありがとう。お父さんの息子でよかったと思うよ。いつまでも元気で、好きな絵をたくさん書いてください。」
2001年10月12日
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夢をかなえてあげてほしい。前に、自分の生きがいを見つけたら、それで充分なんていったがあれはうそ。夢はかなえられなければ、ひとりぐらい夢がかなえられた人がいなければ、夢をみることに希望がみいだせなくなってしまう。桃花クンが実現できれば、次に続くみんなにも希望がわいてくるはず。みんなに希望が与えられたら、桃花クンの命も輝くはず。命は、互いに補い合っているのだから。互いが、みな不完全であることを知りつつ、互いに満たし合うようにできているんだから。つきなみだけど、今日の日記は、桃花クンにささげます。言葉は、言葉に過ぎないけど、言葉でしか心を通わせるすべがないのだから、今は、ここでしか、彼の幸運を祈ることができないのだから、今、不安や痛みの中にあるのなら、少しでも和らげてほしい。彼に、夢に向かう力がみなぎってくるように。
2001年10月10日
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夜中にアメリカの爆撃が始まり、それを見るとはなしにいつのまにか居眠り。私は、わら屋根の粗末な家にいた。どうやら、私の家に何物かが襲撃するという。誰が何のためにかわからないが、それをテレビで取材するのだそうだ。私は、どこから襲ってくるか分からないもののために、おろおろしていた。そして、何を思ったかというと、「車が傷つけられるのは困るから、どこかに移動しておこう。」しかし、どこに隠せば良いのか。山の中に持っていって、草をかぶせるといのはどうか。しかし、そこまで持っていったら帰ってくるのが大変だ。もう時間がない。家には、だれか分からないが人がいた。しかし、その人にそのことを言うのがはずかしい。今襲われようというとき、車のことを心配しているからだ突然現実に戻る。ビンラディン氏のビデオ放送。眠気まなこで聞いていると、そうだ。アメリカが悪いんだ。パレスチナ問題が解決しなければアメリカに平和はない・・・。私とおんなじ考えだ。でも、待てよ。アメリカが報復に出たのは、元はといえば彼らのテロによってではないか。しかし、彼らがテロにでたのは、アメリカが・・・。私は、ジハードはおかしい。とかつて日記にしたためたことがあったが、彼らの何を知ってそう言えるのか。私にとってそれはかやの外だったからでは。自分がいざ家を襲われそうなとき、車のことを心配するほど平和ボケした私が、何を語れるのか。他国や異教徒に踏み荒らされて苦々しく思っている人たちが、どうやってその人たちに対抗しようというのか。チャップリンの「殺人狂時代」で、男が叫ぶシーンがあった。「一人を殺すのは殺人者で、百万人を殺す者は英雄なのか」(正確な言葉は忘れたが)テロや戦争で、みなが英雄になりたがっている。小泉さん、あなたもそうですよね。
2001年10月08日
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今週末に、昨年イギリス、フランスへ海外視察に行ったメンバーとの懇親会が予定されている。会えば旅行中の失敗談で盛り上がるだろう。そのときぜったいに出てくるであろう話は、この二つだと思う。 フランス東部のブルゴーニュ地方は、ワインで有名なところで、その中のソーヌ・エ・ロワール県はマコンという都市に1週間滞在したときのことである。日本を離れてもう10日、そろそろ日本食が恋しくなったわれわれは、この地方都市で日本食レストランを探した。前日、中華料理店に入り、あらかた食べたいものを注文して食べられた私たちは、少し自信もついて、日本語で書かれたメニューのあるこのレストランなら、と入ったのだった。しかし・・・・。 みそしる 焼き鳥 と書かれたコースメニューをうっかり頼むと、なんとスープと同じで先にみそしるがでて来た、しかもコンソメ風(チキンの出汁だ)なのだ。さらに、マッシュルームと豆腐ときゅうり(ズッキーニ?)の串刺しがきたではないか。これには、しばし呆然とした。 あわてて、中国系のマッダームに「これはなんだ」とクレームをいうが、フランス語と中国語しかわからないという。そこでメニューを指差して、文句を言おうとして、そこの文字を良く読むと、たしかに焼き鳥の品書きに、マッシュルーム・・・と書いてある。そこで、焼き鳥とはなんぞやと、みんなで彼女に説明をしようと試みた。にこにこと笑っている彼女は、その後、紙のテーブルクロスに中国語で、何か書いてくれた。なんとなく分かったことは、「ひさしぶりに日本の話ができてうれしかった。わたしのお母さんは大阪にいた」というような内容だった。もう食事はどうでもいいや、マッダームが喜んでくれたのだから。しかし、フランスのマッダームもメッダーム(複数形)になると恐ろしい。 マコンからパリへ、TGVに乗ろうとしたときだ。天下のTGVが時間どおりに到着するも、荷物室の扉が開かず、われら苦力は、23個のお土産満載のスーツケースが入れられずに立ち往生。駅員がとんできて、他の車両に荷物を運び一件落着と思いきや。私たちの席にメッダームが座っている。おかしい。 車両を間違えたかと添乗員のK氏は走り回るが、間違いなくわれらの席。ここからK氏の必死の説得がはじまる。彼は、これまで何度となくこうやって席をとられたのをどかしてきた実績をもっているらしい。しかし、いっこうに席を譲る気配すらない。しかたないので、隣の車両のメッダームたちの席に私たちは座ることにした。そのうち、車掌がチケットのチェックに来た。すると、私たちは、車両が違うのでこまったなぁと思っていたら、「ああ、あの日本人の団体ね。わかったよ。」てな具合に立ち去った。後で聞くと、私たちの席に座ったメッダームは、私たちは間違っていないと譲らなかったばかりか、パリにつくと、「荷物降ろしてくれる。ありがとう。あら、ここの車両私たちのところじゃなかったみたいね。さよなら。」と去っていったとか。それにも関わらず、荷物を揚げ降ろした私たちは、なんと紳士なのか。数日前に視察した工業大学のある先生は、TGVは、世界一の台車だと自慢していたのを思い出した。あなたは正しい。しかし、台車の上は、お世辞にも世界一とは言えないよ。
2001年10月07日
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などと息巻いていたが、飛行機の墜落事故に、ビビッてしまった。そもそも、イタリアに行きたいのはなんのため?フードバトルよろしく、おいしい食べ物飲み物芸術を体に流し込むため?百歩ゆずって、人生は楽しむためにあるから、イタリア人のまねをしようってこと?危険を乗り越えてもしたいことなの?死そのものがあまりに生々しく感じてしまうこの頃、今死んだらきっと後悔するだろうと思ってしまう。 何を後悔するのだろうか。仕事?・・・確かに最近自分なりの目標がない。人がどうあれ自分は!という意地みたいなものがない。趣味?・・・合唱もルーティンになっていて、目の前に出された曲を歌うという、まるでブロイラー。登山も旅行も自分一人でもなんとかするという意地も覚悟もない。家庭?・・・結婚したいと思って何度も破れたことは、確かに打ちのめされたが、だからといってチャンスをつかもうとしない駄々っ子のような自分。まわりも少々呆れ始めていることは、分かっている。信仰?・・・このテロの事件がなければ、クリスチャンであることすら忘れていた。 私自身とはいったいなんなのだろう。頭を刈られて強制収容所につれていかれたユダヤ人たちが誇りや希望を奪われて無表情になってしまった写真。人間の形をしていても、人間として生きられないアフガニスタンをはじめ多くの難民たちの映像を頭にイメージしてみる。後悔を肴に酒をくらい、惰眠をむさぼり、PCの前で自虐の日記をしたためるために生まれてきたのだろうか。この3連休を何も計画ができず、人にあてにもされずにいると口をつくのは、愚痴ばかり。「生きがいとは、死にがいのこと」とは、よくいったものだ。死すら乗り越えてやりたいことが見つかった人は、たとえ達成しなくても後悔などしないだろう。崩壊するビルに乗りこんでいった勇敢な消防士たちは、自分の命を省みる瞬間すらなかった。遺言すら残せなかった。もしかすると助けた人が目の前で下敷きになってしまったことを悔いているかもしれない。後悔ができるゆとりのあるうちは、後悔の値すらないのかもしれない。
2001年10月05日
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しかったとき、その子は、嫌われているのかと思ったというのだ。子どもは、愛されていることを、言葉や態度で感じている。 小さいころ大人や知り合いから性的な暴力を負ったために、まっすぐ異性に向かい合えない子がいる。もう何年も経っているのに、人に話すのが怖くて、親姉妹、彼にも言えないという。許しがたい感情が沸いてくる。傷ついた子どもが、自分の体をそして、自分の子どもをさらに傷つける。悪循環が起こっているのだ。大人は、子どもにもっとやさしくならなければならない。若い人へ、もっと心と体を大切にしてほしい。そして、自分を愛することをわすれないでほしい。
2001年10月03日
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いつ買ったか忘れてしまったが、こんなタイムリーな本を身近に置いていたことを忘れていた。寝転がって読んで、途中居眠りしながらあらかたを読む。世界の宗教(民族)紛争のあるところをそれぞれ数ページで簡潔にまとめてあるので読み飽きない。あまりに無知で、今まで世界の情勢に疎いかを思い知る。アメリカの報復またテロも何度もあり、今にはじまったわけではないのに、これまでなぜこんなに関心がなかったんだろうと思った。ひとつに、身近に感じなかった。海外に出ても、それは、単なる物見遊山で、そこに住む人たちと関わりを持とうとはしなかった。ふたつに、自分の正直な意見を出し合うようなそういう機会がなかった。職場では、せいぜい事件の翌日に茶飲み話で消えてしまうから。さらに、普段自分の信じるものを意識することがなかった。宗教の話は、酒の席でも職場でも暗黙のうちにご法度。大学のころのような自由な論議なんて最近したことがなった。「1984年」とういう本(映画)で描かれたユートピアには、日記を書くことを禁じられていたが、「日記」こそ人の思索を促し、真実をあばく武器だからなのかもしれない。(ちょっと大げさ?)
2001年10月01日
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